JPH0759466B2 - 斜行エレベータ装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は斜行エレベータ装置に関するものであり、特
に、かご室の揺動を抑制できる斜行エレベータ装置に関
するものである。

［従来の技術］ 第２図は、実公昭62-43981号公報に記載されている従来
の斜行エレベータ装置の全体構成を示す縦断面図であ
る。

図において、（１）は一方向に屈曲したエレベータの昇
降路、（２）は昇降路（１）の屈曲に略一致させて配設
した屈曲部（2a）を有するかご用のガイドレール、
（３）は前記かご用のガイドレールと同様にして昇降路
（１）に配設した釣合錘用のガイドレール、（４）はか
ご用のガイドレール（２）に沿って昇降するかご枠、
（5a）及び（5b）はかご枠（４）の上下端部に回動自在
に配設されガイドレール（２）と係合してかご枠（４）
の昇降を案内するガイドローラ、（６）は非常時等にか
ご枠（４）の昇降を強制的に停止させる非常止装置、
（７）はエレベータのかご室、（８）はかご室（７）を
かご枠（４）に回動自在な状態で固定しているピン、
（９）はガイドレール（３）に沿って昇降する釣合錘、
（10a）及び（10b）は釣合錘（９）の上下端部に回動自
在に配設されガイドレール（３）と係合して釣合錘
（９）の昇降を案内するガイドローラ、（11）はかご枠
（４）と釣合錘（９）とを結ぶ巻上ロープ、（12a）及
び（12b）は巻上ロープ（11）の引張り方向を逸す逸せ
車、（13）は巻上ロープ（11）が巻掛けられている巻上
げシーブ、（14）は巻上機を駆動する駆動装置である。

従来の斜行エレベータ装置は上記のように構成されてお
り、かご枠（４）及びかご室（７）は巻上げシーブ（1
3）の回転駆動により巻上ロープ（11）を介して昇降す
る。この際に、かご枠（４）に配設されたガイドローラ
（5a）（5b）はガイドレール（２）の所定の面上を回動
する。したがって、かご枠（４）はガイドレール（２）
及びガイドローラ（5a）（5b）により抵抗なく案内さ
れ、円滑な昇降が行なわれる。なお、かご枠（４）と釣
合錘（９）とは互に逆の昇降動作を行なう。

また、この斜行エレベータ装置においては、かご室
（７）はかご枠（４）にピン（８）を中心にして回動自
在な懸垂状態に支持されている。したがって、かご枠
（４）がガイドレール（２）の直線部を昇降する場合、
及び屈曲部（2a）を通過する場合にも、かご室（７）は
重力により常に水平状態が保たれている。

上記のようにして、この種の従来の斜行エレベータ装置
ではかご室（７）の水平状態を維持しつつ、かご室
（７）の円滑な昇降を実現している。

［発明が解決しようとする課題］ しかし、上記のような従来の斜行エレベータ装置では、
かご室（７）はかご枠（４）にピン（８）を中心にして
回動自在な懸垂状態に支持されているため、かご室
（７）内の乗客の急激な挙動変化等に対応してかご室
（７）が揺れていた。このため、乗客に不快感及び不安
感を与えていた。

また、かご枠（４）がガイドレール（２）の屈曲部（2
a）を通過する際の速度も、かご室（７）が揺れない程
度の速度以内とする必要性から、所定の制限を受けてい
た。

そこで、この発明はかご室の水平状態を維持し、かご室
の急激な揺動を効果的に抑制できる斜行エレベータ装置
の提供を課題とするものである。

［課題を解決するための手段］ この発明にかかる斜行エレベータ装置は、屈曲した昇降
路（１）に沿って略一致させて配設したガイドレール
（２）と、前記ガイドレール（２）に沿って昇降するか
ご枠（４）と、前記かご枠（４）に回動可能な懸垂状態
で支持されているかご室（７）と、前記かご室（７）の
揺れを吸収すべく前記かご室（７）とかご枠（４）との
間に架設したダッシュポット（15）とを具備するもので
ある。

［作用］ この発明の斜行エレベータ装置においては、屈曲した昇
降路（１）に略一致させて配設したガイドレール（２）
に沿って昇降するかご枠（４）に、かご室（７）を回動
可能な懸垂状態で支持し、このかご室（７）とかご枠
（４）との間にダッシュポット（15）を架設して配設
し、かご室（７）の揺れを吸収するものであるから、か
ご枠（４）がガイドレール（２）に沿って昇降する際に
は、かご室（７）は常に水平状態が保たれている。しか
も、かご室（７）内の乗客の急激な挙動変化等によって
もかご室（７）は揺れない。また、かご枠（４）がガイ
ドレール（２）の屈曲部（2a）をある程度高速で通過す
る場合にも、かご室（７）は揺れない。

［実施例］ 第１図はこの発明の一実施例である斜行エレベータ装置
の全体構成を示す縦断面図である。図中、（１）から
（14）は上記従来例の構成部分と同一または相当する構
成部分である。

図において、（15）はかご室（７）の揺れを吸収するた
めにかご室（７）とかご枠（４）との間に架設したダッ
シュポットである。このダッシュポット（15）は所謂ア
ブソーバーとして機能し、かご室（７）の下端部でかご
室（７）がピン（８）を中心にして回動するのを防止す
る方向に作用する。

この実施例の斜行エレベータ装置は上記のように構成さ
れており、従来例で示した斜行エレベータ装置にダッシ
ュポット（15）を追加したものである。このダッシュポ
ット（15）の他は従来例と同一の構成であり、従来例と
同様に屈曲した昇降路（１）に沿って略一致させて配設
したガイドレール（２）と、このガイドレール（２）に
沿って昇降するかご枠（４）と、このかご枠（４）に回
動可能な懸垂状態で支持されているかご室（７）とを有
している。

したがって、この実施例の斜行エレベータ装置では、か
ご枠（４）及びかご室（７）は従来例と同様の昇降動作
をする。すなわち、かご枠（４）及びかご室（７）は巻
上げシーブ（13）の回転駆動により巻上ロープ（11）を
介して昇降する。しかも、かご室（７）はかご枠（４）
にピン（８）を中心にして回動自在な懸垂状態で支持さ
れているので、かご枠（４）がガイドレール（２）の直
線部を昇降する場合、及び屈曲部（2a）を通過する場合
にも、かご室（７）は重力により常に水平状態が保持さ
れる。なお、この昇降動作自体は従来例と同一なので、
ここでは説明を省略する。

また、この実施例においては、かご室（７）とかご枠
（４）との間にダッシュポット（15）を架設して配設
し、かご室（７）の揺れを吸収する。したがって、かご
室（７）内の乗客の急激な挙動変化等によってもかご室
（７）は揺れないので、乗客に不快感及び不安感を与え
ない。さらに、かご枠（４）がガイドレール（２）の屈
曲部（2a）を通過する際の速度を、従来に比べてある程
度高速にしてもかご室（７）は揺れないので、高速によ
るかご室（７）の安定した昇降が可能になる。

この結果、この実施例ではいかなる状況においてもかご
室（７）の急激な揺動を効果的に抑制でき、かご室
（７）の水平状態を維持しつつ、かご室（７）の円滑で
安定した昇降を実現できる。

なお、ダッシュポットはかご室（７）の揺動を有効に防
止できるものであれば、油圧式、或いはエアー式のもの
であってもよく、また、電気的或いは機械的な構造のも
のであってもよい。

［発明の効果］ 以上説明したとおり、この発明の斜行エレベータ装置
は、屈曲した昇降路に略一致させて配設したガイドレー
ルに沿って昇降するかご枠に、かご室を回動可能な懸垂
状態で支持し、このかご室とかご枠との間にダッシュポ
ットを架設して配設し、かご室の揺れを吸収することに
より、いかなる状況においても、かご室は常に水平状態
が保たれ、しかも、かご室内の乗客の急激な挙動変化等
によってもかご室は揺れず、また、かご枠がガイドレー
ルの屈曲部をある程度高速で通過する場合にも、かご室
は揺れないので、乗客に不快感及び不安感を与えること
なく、かご室の円滑で安定した昇降を実現できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例である斜行エレベータ装置
の全体構成を示す縦断面図、第２図は従来の斜行エレベ
ータ装置の全体構成を示す縦断面図である。 図において、 1:昇降路、2:ガイドレール 4:かご枠、7:かご室 15:ダッシュポット である。 なお、図中、同一符号及び同一記号は同一または相当部
分を示すものである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】屈曲した昇降路に沿って配設したガイドレ
   ールと、 前記ガイドレールに沿って昇降するかご枠と、 前記かご枠に回動可能な懸垂状態で支持されているかご
   室と、 前記かご室の揺れを吸収すべく前記かご室とかご枠との
   間に架設したダッシュポットと を具備することを特徴とする斜行エレベータ装置。