JPH0759363B2 - 外壁用セラミック成形体の製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、外壁材等として用いられるセラミック板状成
形体の製造方法に関する。

一般にセラミック成形体は、乾燥・焼成という工程を経
ることが必須であり、この際には温度により収縮現象が
起り、生地のうちに僅かな歪や密度差などの不均一な箇
所があつても焼き上つた際に亀裂や変形が生じて製品価
値がなくなり、この歩止まり率がきわめて低いという欠
点があつた。

本発明は、このような欠点を解消するための製造方法で
あつて、発明者はセラミツク成形体の生地のうちに如何
に歪や密度差等の不均一箇所の混在を無くすかを研究し
た結果、土練機でいかに念入りに混練しても本願の意図
するような板状成形体を得る場合生地を延展した際に、
延展された生地の周縁部は歪や密度差等の不均一な箇所
が残ることが判明した。

したがつて、本発明においては、この延展した生地の周
縁を除去した中央部分のみを使用しこの部分のみの生地
で成形し、乾燥・焼成して製品を得る製造方法を提供す
るものである。

本発明方法を説明すると、土練機において粘土原料の混
練を行う前に原料粘土の配合混練を行うが、原料として
は通常の粘土鉱物でケイ砂、カオリンモンモリナイト、
セリサイト等を使用し、外壁用材としての必要強度を補
強するためにパルプ、アスベスト、ワラステナイト等の
繊維物を混入して水を加えて土練機に供給する。土練機
の排出口には押出成形用の口金を設けるものであるが、
この成形用の口金は最終成形体の形状のものでなく、な
るべく単純な、例えば板状体、柱体、などの形状の口金
を使用して押出して生地とする。その後この押出された
生地をロールで平板状に延展する。しかる後延展された
生地の周縁部を切除して中央部分のみの生地により最終
製品形状に成形するものであり、この成形後は通常のよ
うに乾燥、焼成の工程を経て製品を得るものである。

本発明の製造方法にあつては、単一体の製造で一々生地
を延展して成形することは勿論であるが、ローラーコン
ベアー上を土練機からの排出から延展、切除き、成形、
乾燥、焼成までを一連のラインにより連続的に行うこと
も可能であり、本発明で意図するような外壁用の板体の
場合では、セラミック製品といえども少しでも弾力性が
有ることが望ましく、本発明においては原料粘土に繊維
質物を混入するものである。そして成形工程においては
ロール等によりコンベアー上の生地の縁部の曲げや溝切
り加工を行い、そのままトンネル型の乾燥炉、焼成炉内
を通過させて連続成形するものである。

一般に土練機からの押出成形の際に、最終製品の形状に
成形する場合は、形状が複雑になればなる程生地に歪が
生じ易く、口金が複雑となり押出のために高圧を必要と
し、ラミネーシヨン効果が得られず、かつ内部歪も残る
という欠点があつた。

本発明においては、土練機から初めに押出成形される生
地は、単純な形状の平板や柱体であり、これを一旦ロー
ルで所望厚みの平板状に延展するためラミネーシヨン効
果は改善されて中央部は緻密な生地となつているが、こ
の際の生地の周縁部は歪や密度差による不均一な部分が
押出されて生じ易く粗悪となつており、本発明にあつて
はこの周縁部を切除いて生地の良いところのみを使用し
て成形するため、成形の時点において生地に材質として
歪や不均一な箇所がなく、したがつて乾燥や焼成工程を
経てもピンホールや亀裂あるいは変形を生じることがな
く、製品の歩止まり率がきわめてよいという製造上の効
果を奏するものである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】原料粘土にパルプ、アスベスト、ワラステ
   ナイト等の繊維物を混入し、水を加えて配合調整して土
   練機で混練し、初め板状体や柱状体の単純な形に押出成
   形し、次にこれを延展して平板状に成形し、さらに該平
   板状成形体の周縁部を切除して残された中央部分のみを
   外壁形状に成形して乾燥、焼成してなることを特徴とし
   た外壁用セラミック成形体の製造方法。