JPH0759104B2 - 表示付無線選択呼出受信機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は，基地局から無線により選択的に呼出しをうけ
ることのできる小型携帯用の無線選択呼出受信機に関
し，特に表示機能付無線選択呼出受信機に関する。

〔従来の技術〕

近年，携帯用無線選択呼出受信機によるサービスとし
て，従来からの呼出サービス（呼出を受けた加入者は所
定のところへ連絡をとる）だけでなく，メッセージ情報
の伝達サービスも行なえるようになってきた。こうなる
と，特定の個人向けに呼出や情報伝達サービスを行なう
だけでなく，複数以上の加入者への同じメッセージの伝
達や，さらには一般性のある情報を希望する加入者全て
に伝達することも可能になった。

従来は，表示付無線選択呼出受信機（以下受信機と略
す）に２つの呼出番号を設け,1つを個別呼出用，他方を
共通呼出用として，同じメッセージを得たい加入者は同
じ共通呼出番号を持つことによって，個別および共通の
メッセージサービスを受けている。

また，従来のこの種の受信機においては，平均消費電力
の低減と，呼出番号情報ビットを減らして加入者数を多
くするために，バッテリーセービングが行なわれてい
る。バッテリーセービングとは，次の２つの動作から成
る。第１の動作は，送信基地局側からのプリアンブル信
号（送信基地局側の送信開始を表す1/0信号）を検出す
るために，一定時間に１回，検出に必要な時間だけ受信
機の電源を入れ，それ以外の時間は電源を切っておく操
作である。

この状態でプリアンブル信号を検出すると，第２の動作
に移る。通常，受信機は，各自の呼出番号により，いく
つかのグループに分けられている。POCSAG方式の場合に
は，呼出番号を８で割った余りによって８グループに分
けられる。バッテリーセービングの第２の動作とは，受
信機の属するグループの呼出信号が送信されているフレ
ームに対応するタイミングに限って受信機の電源を入
れ，他のグループの呼出信号が送信されている間は電源
を切る操作である。したがって，グループが異なれば，
同時刻に受信状態になることはないから，これにより呼
出番号を２進数にした場合下位３ビット（000〜111の８
種類）は送信する必要がなくなる。たとえば，呼出番号
8nから8n＋７（ｎ＝1,2,…,N）までは送信される呼出番
号情報は同じであり，それらの区別は送信のタイミン
グ，即ちフレームの違いによってなされる。したがっ
て，違うグループの受信機は同じ共通呼出番号を持つこ
とはできないので，同じメッセージを受ける共通呼出サ
ービスは呼出番号を８個（POCSAG方式の場合）使うこと
になる。

〔発明が解決しようとする問題点〕

上述した従来の受信機は，バッテリーセービング動作を
行なっているため，自己の属するグループに対応するフ
レームでしか受信動作を行なわない。したがって，同じ
メッセージを受けたい加入者が各グループ間にまたがっ
ている場合，送信基地局側はそれぞれのグループのタイ
ミングに合わせて，グループの数だけ送信をくり返す必
要がある。POCSAG方式の場合，最悪で８回の呼出しを必
要とし，送信基地局側の負担が増大する。これにより，
今後加入者が増加するにつれて，送信基地局側の負担は
増していき，システム全体の効率が低下し，加入者容量
が抑えられてしまうという欠点があった。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明による表示付無線選択呼出受信機は，自己の呼出
番号の設定された番号設定手段と，受信信号から上記手
段に設定された選択呼出番号を識別する手段と，この手
段の識別出力に応じて受信信号から復調されたメッセー
ジ信号を光学的に表示する手段とを備えた表示付無線選
択呼出受信機において，上記番号設定手段には，個々の
受信機に固有な呼出番号（個別呼出番号）といくつかの
受信機で共通のメッセージを受信するための呼出番号
（共通呼出番号）とを含み，かつ上記呼出番号識別手段
により，上記個別呼出番号を自己の属するグループに対
応する時分割信号のフレームのタイミングで，上記共通
呼出番号を自己の属するグループに無関係にすべてのグ
ループに対応するタイミングで，それぞれ並行して検索
することを特徴とする。

上記の表示付無線選択呼出受信機によれば，プリアンブ
ル信号を検出してバッテリーセービングの第１動作を解
除したのち,SC信号によりフレームの同期を行なうが，
その後バッテリーセービングの第２の動作を行なわずに
電源を入れ続け,SC信号を２回続けて検出しない場合に
送信信号の終了と判断し，再びバッテリーセービングの
第１動作に戻る。そして，電源が供給されている間は，
全てのフレームに対して共通呼出番号を検索し，グルー
プに無関係にメッセージを受信する。

送信される共通呼出番号情報はフレームが違っても同じ
であるが，受信機が持つ共通呼出番号は８種類考えられ
るので,2進数にして下位３ビットを無視する形で番号照
合が行なわれる。また，並行して個別呼出番号を自己の
属するグループのフレームに限り検索する。このこと
は,POCSAG方式の場合，個別呼出番号においては，フレ
ームにおける区別が行なわれなければ個々の受信機の識
別ができないためである。

〔実施例〕

ここで，本発明の理解を容易にするために，従来技術に
ついて簡単に説明する。まず，第５図（ａ）および
（ｂ）は，それぞれPOCSAG方式の信号構成および符号構
成を示す。また，第６図は従来の受信機のバッテリーセ
ービング動作を説明するためのタイムチャートである。
この受信機では，プリアンブル信号を検出すると，バッ
テリーセービングの第１動作を解除し,SC信号によりフ
レーム同期をとり，自己の属するグループの呼出信号が
送信されているフレームに対応するタイミングに限って
信号を受信する動作，即ちバッテリーセービングの第２
動作に移行する。自己の呼出番号を検出した場合は，そ
れに続くメッセージが終了するまでは受信を続ける。

次に，本発明による実施例について図面を参照して説明
する。

第７図は本発明の受信機に適用されるPOCSAG方式による
受信動作の例を説明するためのタイムチャートである。
バッテリーセービングの第１動作は従来と同様であり，
プリアンブル信号を検出しSC信号によりフレームの同期
をとる。ただし，このあと，バッテリーセービングの第
２動作へは移行せず，そのまま受信を続けて共通呼出番
号をすべてのフレームについて，即ち２進数にして下位
３ビットを無視するかたちで検索し，グループに関係な
くメッセージを受信する。個別呼出番号は，フレームに
よる識別が必要であるから，従来通り自己の属するグル
ープに対応したフレームでのみ検索する。

第１図は，本発明による受信機の実施例の構成を示すブ
ロック図である。この受信機は，アンテナ1,無線部2,波
形整形回路3,デコーダ4,呼出番号が書き込まれているＰ
−ROM5,メッセージ情報を受信したり，表示部を制御す
るメッセージ処理部6,増幅器（バッファアンプ）7,スピ
ーカ8,メッセージ情報を表示する液晶表示部9,およびデ
コーダ４を動作させるための水晶発振子10により構成さ
れている。

また，第２図は，第１図におけるデコーダ４の具体的な
構成例をブロック図により示す。このデコーダには,DAT
Aをシーケンシャルに読み込み，デコーダ内のDATA読み
込み用クロックとの同期をとるビット同期回路102,フレ
ーム同期をとるためのSC検出及びプリアンブル検出も兼
ねるSC検出回路103,受信信号とあらかじめ定められた自
己の呼出番号が書き込まれている番号設定部（Ｐ−RO
M）５の内容を比較する呼出番号一致検出回路104,水晶
発振子10によりクロックを発生する発振回路105,デコー
ダ内のクロックおよび鳴音のためのクロックを発振回路
105の出力からつくる分周回路106および鳴音発生回路10
7が含まれる。

さらに，第３図は，第２図における呼出番号一致検出回
路104の具体的な構成例をブロック図により示す。この
例によれば,SC検出しフレームの同期をとったあとから
１ワード（32ビット）をカウントする32ビットカウンタ
108,32ビットカウンタ108のくり上がりを受けて１バッ
チ（17ワード）をカウントする17ワードカウンタ109,17
ワードカウンタから出力される各グループごとのタイミ
ングパルスPG1,…,PG8をＰ−ROM5からの自己の属するグ
ループ情報により選択し，個別呼出番号検出回路112に
出力するフレーム選択回路110,17ワードカウンタ109か
らの出力が出ている間,DATAとＰ−ROM5に書き込まれた
共通呼出番号との一致を調べる共通呼出番号検出回路11
1,これと並列にフレーム選択回路110から出力が出てい
る間,DATAで個別呼出番号の一致を調べる個別呼出番号
検出回路112とが含まれる。

さて，上記のごとく構成された実施例によれば，プリア
ンブル検出を兼ねるSC検出回路103によりプリアンブル
が検出されると，バッテリーセービングが解除されてSC
信号を検索する。SC検出回路103はSC信号を検出する
と，第４図のチャートに見られるように，パルスａを出
力して32ビットカウンタ108および17ワードカウンタ109
をリセットする。32ビットカウンタ108は，ビット同期
回路102からのクロックタイミングにより波形整形回路
３からのデータを読み込む。32ビットカウンタ108はデ
ータを32ビット数えると,17ワードカウンタ109にパルス
を送ると共に，個別呼出番号検出回路112および共通呼
出番号選択回路111にタイミングパルスｄを出力し，も
し呼出番号が検出されれば，このタイミングで呼出番号
検出パルスｆがメッセージ処理部６へ出力される。その
直後に，それぞれの呼出番号検出回路111,112へリセッ
トパルスｅを出力する。17ワードカウンタ109は,SC信号
検出パルスａによりリセットされると，共通呼出番号検
出回路111を起動させる制御信号ｂと，その時点で読み
込んでいるデータの属するフレームに対応する信号PG1
からPG8を順次出力する。

フレーム選択回路110では,P−ROM5より自己のグループ
番号を読み込み，それによって17ワードカウンタ109か
らの出力信号PG1〜PG8のうち，自己のグループに対応す
るものを選び出し，それを個別呼出番号検出回路112へ
タイミング制御信号ｃとして出力する。第３図では，グ
ループ４の受信機の場合を例として挙げており，したが
って，共通呼出番号検出回路111および個別呼出番号検
出回路112は，それぞれ第４図に見られるタイミング制
御信号ｂおよびｃのタイミングで起動し，データとＰ−
ROM5に書き込まれた共通呼出番号および個別呼出番号を
並列的に検索していく。呼出番号が検出されると，信号
ｆが32ビットカウンタ108から得られる出力タイミング
パルスｄのタイミングでメッセージ処理部６へ出力さ
れ，呼出番号に続くメッセージ情報の処理を行なう。ま
た，受信機の電源は，プリアンブル信号を検出した時点
から常に供給し続けられ,SC検出回路103の検出パルスａ
が２回続けてこない場合に切られる。

〔発明の効果〕

以上の説明により明らかなように，本発明によれば，デ
コーダ内の呼出番号一致検出回路において，共通呼出番
号をすべてのフレームに対し，個別呼出番号を自己の属
するフレームに対してそれぞれ並列して検索することに
より，共通呼出番号は自己の属するグループに無関係に
検出してメッセージを受けられるし，また，個別呼出に
ついては従来通りのサービスを保持でき，これによっ
て，送信基地局側の負荷が低減され，システム全体の効
率が上昇して加入者数を大きくとれる点，その得られる
効果は大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による実施例の構成を示すブロック図，
第２図は，第１図におけるデコーダの具体的な構成例を
示すブロック図，第３図は，第２図における呼出番号一
致検出回路の具体的な構成例を示すブロック図，第４図
は，第３図の回路の動作を説明するためのタイミングチ
ャート，第５図は表示付無線選択呼出受信機に適用され
るPOCSAG方式の信号構成を示すフォーマット，第６図は
従来の表示付無線選択呼出受信機のバッテリーセービン
グ動作を説明するためのタイムチャート，第７図は本発
明の受信機に適用されるバッテリーセービング動作と呼
出番号検出動作を説明するためのタイムチャートであ
る。 図において,3は波形整形回路,4はデコーダ,5はＰ−ROM,
6はメッセージ処理部,102はビット同期回路,103はSC検
出回路,104は呼出番号一致検出回路,108は32ビットカウ
ンタ,109は17ワードカウンタ,110はフレーム選択回路,1
11は共通呼出番号検出回路,112は個別呼出番号検出回路
である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】無線基地局からの送信信号を受信し復調信
   号を出力する無線手段と、 自己の呼出番号と、共通呼出番号とを記憶する記憶手段
   と、 前記復調信号と内部カウンタとの同期をとる同期確立手
   段と、 前記同期確率手段の確立した同期に基づき、前記復調信
   号のうち、現在受信している復調信号のフレーム番号を
   検出し、フレーム番号検出信号を出力するフレーム番号
   検出手段と、 前記フレーム番号検出信号を入力することにより、前記
   復調信号に予め定められたフレームに前記自己の呼出番
   号が含まれるのを検出し、自己呼出番号検出信号を出力
   する自己呼出番号検出手段と、 前記自己呼出番号検出手段の検出するフレーム以外の前
   記復調信号のフレームに前記共通呼出番号が含まれるの
   を検出し、共通呼出番号検出信号を出力する共通呼出番
   号検出手段と、 前記自己呼出番号検出信号あるいは共通呼出番号検出信
   号を入力すると、前記復調信号に含まれるメッセージ信
   号を解読し、メッセージ情報を出力するメッセージ処理
   手段と、 前記メッセージ情報を表示する表示手段と、 前記自己呼出番号検出信号あるいは共通呼出番号検出信
   号が入力されると呼出報知を行う報知手段と を備えることを特徴とする表示付無線選択呼出受信機。