JPH0758689B2 - 化合物半導体薄膜成長法 - Google Patents

化合物半導体薄膜成長法

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JPH0758689B2
JPH0758689B2 JP28886586A JP28886586A JPH0758689B2 JP H0758689 B2 JPH0758689 B2 JP H0758689B2 JP 28886586 A JP28886586 A JP 28886586A JP 28886586 A JP28886586 A JP 28886586A JP H0758689 B2 JPH0758689 B2 JP H0758689B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はIII−V族化合物半導体エピタキシャル成長法
に関し、特に原子のサイズのオーダーで平坦なヘテロ接
合界面を得、かつ成長温度を著しく低減させる方法に関
する。
[従来の技術] 従来の分子線エピタキシャル成長(MBE)技術によるIII
−V族結晶成長においては、真空容器中に配置された加
熱された基板上に、周期律表上のIII族金属元素の少な
くとも一種とV族元素の少なくとも一種を同時に供給す
ることにより行っていた。(Chang,L.L.et al;J.Vac.Sc
i.Technol.Vol.10,p.11,1973)。この成長技術では蒸気
圧の高いV族元素が成長層から抜けるのを防ぐために、
定常的に多量のV族元素材料が成長表面に供給されるた
め、成長表面に供給されたIII族元素はたちまちV族元
素と結合してIII−V分子を形成する。原子レベルで平
坦な結晶成長表面を得るためには、これらの分子が成長
表面で十分に拡散させなければならないが、これらの分
子の拡散係数はNeave,J.H.et al(Appl.Phys.Lett.Vol.
47.P100,1985)によれば、極めて小さく、従って成長表
面には常に数原子層の高さを持った凹凸が存在し、特に
ヘテロ接合界面を形成する場合、ヘテロ界面に激しい凹
凸が形成されるのは避けがたかった。成長を停止して成
長層を高温に保持し、分子の表面拡散を促進する手法も
考えられたが(Sasaki,H.et al;Japn.J.Appl.Phys.Vol.
24,L.417,1985)、もともと分子の拡散が遅いため、こ
の手法は凹凸の程度を少し緩和するに過ぎない。このヘ
テロ界面の凹凸のため薄層のヘテロ接合を組み合わせて
構成される量子井戸半導体レーザや超格子光変調器など
のデバイスではスペトクル幅が広くなり、特性が著しく
劣化する。MBEの改良法として、GaAs基板上にGa分子線
とAs分子線を交互に照射する方法が特開昭60−112692号
公報において提案されている。しかしこの方法はAs分子
線照射後Ga分子線照射まで一定時間の照射停止期間を設
けているので、成長結晶中からAsが抜ける危険があり、
また結晶成長に長時間を要する。
さらに従来技術におけるこの拡散速度が小さい問題は成
長温度の低減と共に益々顕著になり、例えばGaAs,InPで
は500℃以下、AlAsでは600℃以下で良質のエピタキシャ
ル結晶を得ることは不可能であり、GaAs,InPでは400
℃、AlAsでは450℃では結晶成長そのものが殆ど不可能
になってしまう。このため成長中に不純物の拡散が生
じ、不純物分布がボケてしまい、その結果レーザ、トラ
ンジスタ等の特性は理論値よりも著しく低いレベルに制
限されていた。
基板上にIII−V族化合物半導体薄膜を成長させる他の
方法に、有機金属気相成長法(MOCVD法)がある。本発
明者らはMOCVD法を改善し、キャリアガスと共に常時微
量のV族元素の水素化物を加熱基板上に流しながら、II
I族元素を含む有機金属化合物と高濃度に稀釈されたV
族元素の水素化物をキャリアガスと共に交互に基板に供
給して熱分解を起させて、III−V族化合物を基板上に
成長させる方法を提案した。(Inst.Phys.Conf.ser No.
79;Chapter13,pp737−738,1985)。
しかし、この方法は化合物半導体の成長をIII族元素の
有機金属化合物およびV族元素の水素化合物の熱分解に
頼っているために、成長温度を低くすることができなか
った。また原料である化合物の化合物半導体形成への寄
与の効率が低く、さらに高価であり、かつ有毒なガスを
使わなければならないという欠点があった。また原料化
合物から不純物が混入し易いという欠点があった。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明は上述した従来のIII−V族化合物半導体薄膜成
長法の欠点である(1)成長表面およびヘテロ接合界面
に1ないし数原子層厚の微小な凹凸が生ずること、
(2)エピタキシャル成長温度が高いこと、(3)成長
に長時間を要すること、(4)不純物原子をとりこみ易
いこと等、を解決し、原子面的に平坦な成長面、ヘテロ
界面をもち、結晶の品質の良いIII−V族化合物半導体
薄膜を低温の基板上に速い成長速度で形成することので
きる半導体エピタキシャル成長法を提供することを目的
とする。
[問題点を解決するための手段] このような目的を達成するために、本発明の化合物半導
体薄膜成長法は真空容器中に配置された加熱された基板
上に、周期律表上のIII族金属元素の少なくとも一種と
V族元素の少なくとも一種をそれぞれ分子ビームまたは
原子ビームとして供給して、基板上にIII−V族化合物
半導体を成長させる方法において、III族金属元素の少
なくとも一種を基板上に供給しながら、V族元素の少な
くとも一種をIII族金属元素と反応してIII−V族化合物
層を形成するに充分な第1の供給量と、III−V族化合
物層を形成しない第2の供給量とで交互に基板に供給す
る工程を含むことを特徴とする。
[作用] まず本発明の原理について説明する。
本発明は我々が発見した以下に述べる二つの現象に基づ
いている。すなわち 1)成長表面における成長物質の拡散が、V族元素の成
長表面における量を減少させることによって著しく促進
されること。これを高速マイグレーション現象と呼ぶ。
この現象は、金属原子が単独で成長表面を拡散する場
合、金属原子と下地の原子との間の結合は、強い化学結
合ではなく、金属結合に近い電子配位で拡散するため、
拡散が極めて速いことに原因している。
2)低いV族元素供給速度(成長を維持する必要最小限
の1/10以下)では、供給されるIII族金属原子は成長表
面の原子レベルの凹凸を埋めるように分布する。すなわ
ち、凹凸の低い部分から選択的に原子が埋まり、成長面
が平坦化される。この現象を自己平坦化現象と名づけ
る。これは原子のレベルの凹凸がある場合、凹凸端部の
上段の端部はエネルギー的に不安定な状態にあるため、
下段のより安定な位置に原子が落ち込むことによる。
これらの現象は共に平坦な原子面、ヘテロ接合面を得る
ためには極めて理想的な性質である。本発明はこれらの
性質を利用し、III族元素、V族元素の基板への供給を
制御して比較的低温の基板上に平坦な成長面あるいはヘ
テロ界面をもつ化合物半導体を形成させるものである。
本発明によれば、平坦な基板上の成長表面を原子レベル
で平坦にできるばかりでなく、下地に原子レベルの凹凸
があってもV族原子材料の供給量が極めて少ない状態で
III族金属原子を供給すると、これらの金属原子は凹部
を埋めて、表面を平坦化するように分布する。この性質
を利用すればIII族原子を定常的に基板上に供給し、V
族原子供給量を周期的に、あるいは一時的に成長を維持
するに必要な値から、これよりも十分に低い値に変化さ
せて、成長表面を平坦に保つことができる。
第1図(A),(B),および第2図を参照して先に述
べた自己平坦化現象に関する実験事実を説明する。実験
には分子線エピタキシ(MBE)に用いられる超高真空容
器を用い、材料としてはIII族元素としてGa,V族原子と
してAsを用い、基板にはGaAs単結晶(100)面を用い
た。基板温度は580℃とした。第1図(A)、(B)は
それぞれこの実験におけるGaとAsの供給量の時間変化を
示したもので、ともにインゴットを加熱蒸発させること
により、供給を行っている。Gaの供給は、この例では成
長表面、GaAsの(100)面の配位数(6.4×1014/cm2
の80%の量を1秒間隔で断続して供給している。一方As
は2つの異なる量R1とR2を交互に供給している。R1≫R2
で、この場合R2はR1の約5%であり、上述の成長温度で
はGaAsの成長を維持できない量である。第2図はこのよ
うな条件でのGaAsの成長過程で観察されるRHEEDの鏡面
反射ビームの強度(以下、RHEED強度と略す)の時間変
化を示したものである。RHEED強度はGaの供給と共に減
少し、Asの供給と共に増加して振動曲線を描く。しかし
第2図の特徴は明らかに約5周期毎にビートが見られ
る。ビートのピークが最も平坦性の回復した時点と考え
ると、この結果は5周期毎に平坦な面が現れていること
を示すことになる。
第3図に示すように、Gaの一周期当りの供給量を成長表
面の配位数つまり一原子層相当量(6.4×1014/cm2se
c)にすると、RHEED強度の振動は成長が続く限り永久に
続き、この場合にはビートは見られない。Gaの一周期当
りの供給量を成長表面の配位数の0.9にするとRHEED強度
の振動の10周期毎に、供給量を配位数の1/3にすると3
周期毎にビートが見られる。これは成長過程における表
面の凹凸の凹の部分にGa原子が選択的に分布すると考え
ることによってはじめて説明される。またこの現象を利
用して、凹凸を有する基板上に平坦な表面の成長面を形
成することができる。
第4図(A)〜(E)を参照して平坦な基板1上の成長
膜における自己平坦化機構を説明する。Ga原子とAs原子
の供給法は第1図(A),(B)に示したとおりとす
る。As原子で覆われた成長面(第4図(A))上に成長
面の配位数の80%の量のGa原子が供給されると、原子1
個分の段階を生ずる。Ga原子の覆う面は80%である(第
4図(B))。次にAs原子が供給されるとAs原子はGa原
子とのみ結合し、下段のAs原子とは結合しないので、Ga
As1分子に相当する階段を生ずる(第4図(C))。次
に再び配位数の80%のGa原子が供給されると、第4図
(D)に示すように、新しく供給されたGa原子のうちの
一部は上層の段差部にあるAs原子とでなく、下層に残さ
れた20%のAs原子と結合する。従って上層のGa原子の占
める面積は成長表面の60%となる。さらに次にAs原子が
供給されると、As原子はGa原子とのみ結合するので、第
4図(E)に示すように、段差の上層の面積が60%,下
層の面積が40%の成長表面が形成される。以下同様にGa
原子とAs原子の1周期の供給毎に段差の下層の部分が増
加し、上層の部分が減少する。そして5周期の繰返しで
平坦な面が形成される。これが第2図に示したRHEED強
度の振動に現れたビートの原因である。なお、第4図
(A)〜(E)の成長の各過程において、Ga供給周期に
は微量As原子が供給されているので、表面のAsが成長面
から抜けることはなく、また供給されたGa原子は同時に
供給されているAs原子と結合することはほとんどなく、
成長面上で露出しているいるAs原子面上に分布する。ま
たAs原子供給期におけるAs原子供給量は成長面に露出し
ているGa原子量より多いが、余分のAs原子は成長表面外
に取り出される。
次に第5図(A)〜(E)を参照して、段差のある基板
2上の成長における自己平坦化の機構について説明す
る。段差は4原子層(GaAs2分子層)の高さとし、Gaお
よびAsの供給法は第1図(A),(B)に示したとおり
とする。
第5図(A)に示すように、As面が成長表面に形成され
る。第5図(B)に示すように配位数の80%の量のGa原
子が供給されると、Ga原子は段差の下層のAs原子と優先
的に結合し、特に段差部の上層のAs原子とは結合しな
い。そのために第5図(C)に示すように、Ga原子とAs
原子が2周期供給されると、基板に当初存在していた段
差は消滅する。第5図(D)に示すように、第3周期で
供給されたGa原子は表面に露出しているAs原子のうちの
下層の原子と結合し、次のAs原子の供給によって、段差
は1分子層の高さとなる(第4図(E))。以後は第4
図(A)〜(E)で説明した成長過程における平坦化機
構と同じ機構によって成長表面の平坦化が行われる。
上述した自己平坦化は、もっぱらGa原子供給周期におけ
るGa原子の挙動によるものである。従って、Ga原子とAs
原子を基板上に同時に供給して化合物半導体層を形成す
る従来のMBE技術と、Ga原子と微量のAs原子を供給するG
a原子供給周期とを組合わせることによっても、成長表
面の自己平坦化は可能である。言い代えれば、通常の分
子線エピタキシャル成長の途中でV族原子供給量を一時
的に減少させることにより平坦な成長表面が得られる。
このようにすると、平坦な成長表面、平坦なヘテロ界面
の製作、低温成長が可能であるにも拘らず、第1図
(A)に示したGa供給法と比べてIII族原子供給のスイ
ッチが必要ではなく、かつ成長速度を大きくすることが
できる。
自己平坦化現象はGaだけでなく、広くIII族金属原子一
般について、見られる現象である。自己平坦化のために
はIII族金属原子供給量は成長表面の配位数を大きくこ
えず、望ましくは配位数以下とするのがよい。
本発明によれば、拡散速度の遅いIII−V分子のかわり
に、拡散速度の速いIII族原子を基板上に供給して拡散
させるので、成長表面における成長物質の拡散を実行的
に大きくできる。さらにIII族元素を常時基板上に供給
することにより、III族元素の供給を断続する必要がな
いので装置を簡略化できる。さらにIII族元素とV族元
素を基板上に同時に供給する従来のMBE法による成長モ
ードによって生じた凹凸を、V族元素の供給量を強弱に
変化させて自己平坦化させながら膜形成を行うことがで
きるので、大量の膜を原子的レベルでの平坦度を保ちな
がら作ることができる。
[実施例] 以下に本発明の実施例を説明する。
第6図(A),(B)は本発明の一実施例におけるGa原
子とAs原子の供給量の時間変化を示したものである。同
図(A)はGaのもので、MBE成長と同様コンスタントに
供給する。一方同図(B)はAsの供給状態を示したもの
で、第1図(B)と同様異なる供給量R1,R2を交互に供
給する。R1,R2の値も第1図(B)と同様である。R1供
給時間をτ1)R2供給時間をτ2とすると、τ1周期は
通常のMBE成長と全く同様であり、成長表面には原子レ
ベルの凹凸が発生する。しかしながらこれに続くτ2周
期(少量R2のAsを供給する周期)に供給されるGa原子が
凹部を埋めてしまうため、平坦な面が再現し第3図と同
様永続するRHEED強度の振動が観察される。τ1周期内
に供給されるGa原子の数を一原子層相当にした場合のRH
EED強度の振動の様子を第7図に示す。供給量を少し変
えても永続する振動が観察され、平坦化がうまくいって
いることを示唆している。このような振動は基板温度を
200℃まで下げても同様に観察された。
ところで通常のMBE成長における成長中の表面の凹凸は
高々5原子層程度の厚みを持っているにすぎないから、
平坦性が必要とされる部分、例えばヘテロ界面形成の直
前にこの方法を適用すれば目的は達成される可能性があ
る。つまり5原子層程度の凹凸は第6図のプロセスを数
周期繰り返すことによって完全に平坦になってしまうか
らであろう。これを確かめるための第一段階としτ1周
期に供給されるGa原子の数を5原子層程度まで増加させ
て実験を行った。この実験の供給量プログラムと対応す
るRHEED強度の時間変化をそれぞれ第8図(A)および
(B)に示す。この場合もτ2周期に平坦化が促進して
いることがわかる。
この考えをもっと長時間MBE成長を行なったあとに適用
した。第9図(A)にGaおよびAsの供給プログラムを、
同図(B)に対応するRHEED強度の時間変化を示す。通
常のMBE法により、基板温度580℃においてGaAsを2μm
成長させた後、本発明のプロセスを3〜4周期適用する
ことにより、一度消失した振動の振幅が元に戻り、平坦
性が復活していることが明らかである。
次にデバイスへの応用例について述べる。第10図は厚さ
10nmの活性層を持つ単一量子井戸半導体レーザの製作例
で、実際の成長は第6図に示す供給プログラムを用いて
τ1周期に供給されるGaの量が一原子層相当分になるよ
うに、またτ2=τ1として成長を行なった。基板温度
は580℃とした。第10図はその構造を示す。11はn−GaA
s基板、12は厚さ1,000nmのn−AlGaAs層、13は厚さ10nm
のGaAs量子井戸、14は厚さ1,000nmのp−AlGaAs層、15
は厚さ500nmのp−GaAs層である。
AlGaAs層は基板上にAl原子とGa原子を等量同時に供給し
て成長させることができる。得られたレーザダイオード
は、同じ装置を用いて通常のMBE法で製作したものに比
較してしきい電流が約50%低かった。
第11図(A),(B)は第10図に示した構造と同様のレ
ーザ構造について、ヘテロ界面を形成する直前にのみ、
第6図(A),(B)に示したプロセスを用いて製作し
た例を示している。第11図(A)はその構造を示し、第
11図(B)は各成長層に対応するRHEED強度の時間変化
を示している。本実施例の構造は第10図の構造と本質的
に同じである。成長温度も580℃と同じである。n−GaA
s基板11上に通常のMBE法でn−AlGaAs層12を成長させ、
その成長の最後の1nm(図では12Aで示す)を第6図に示
したプロセス(但しGaと共に等量のAlを供給する)で成
長させた後、厚さ10nmの量子井戸層13を通常のMBE法で
成長させ、その最後の1nm(図では13Aで示す)をやはり
第6図示のプロセスで成長させ、その上に通常の方法で
Siドープp−AlGaAs層14、Siドープp−GaAsキャップ層
15を成長させる。各成長層に対応するRHEED強度の時間
変化を成長層と同一参照番号で示してあるが本発明の適
用により、振動が復活していること、すなわち平坦性が
回復していることがわかる。
第12図(A)は580℃の基板上に同様な方法で作製した
二次元電子構造を示し、第12図(B)は各成長層に対応
するRHEED強度の時間変化を示す。図において、21は半
絶縁性GaAs基板、22は通常のMBE法で成長した1μm厚
の非ドープGaAs層,22Aは本発明の第6図のプロセスで成
長した1nm厚の非ドープGaAs層、23は10nm厚の非ドープA
lGaAs層、24は50nm厚のSiドープp−AlGaAs層で、二つ
のAlGaAs層22および23は通常のMBE法で成長させた。Si
は(Al+Ga)周期に(Al+Ga)と共に成長面に供給して
ドープすることができる。成長中のRHEED強度の変化か
らヘテロ界面の所で平坦性が回復していることがわか
る。この構造において特に高い二次元電子密度で高い移
動度が得られた(電子密度1×1012/cm2で4.2Kにおい
て2×105cm2/Vsec)。これらの結果はヘテロ界面の平
坦性の改善によって実現したものと考えられる。
第13図は第6図示のプロセスを用い、基板温度200℃に
おいて成長した4000原子層(1.1μm)のGaAsの4.2Kに
おけるフォトルミネッセンススペクトルを示したもので
ある。励起子ピーク(FXおよびDX)がよく観察されてい
る点、アクセブタ性の発光(eAo)が相対的にあまり強
くない点などから、成長結晶の結晶性および純度はかな
りよいことが予想される。
第14図はヘテロ界面においてのみ第6図示のプロセスに
より、その他は従来のMBE法によって300℃で成長させた
AlAs−GaAs量子井戸構造を示す。図において、31は半絶
縁性GaAs基板、32は厚さ500nmの非ドープGaAs層、33,3
5,37はそれぞれ厚さ50nmの非ドープAlAs層、34,36はそ
れぞれ厚さ22分子層のGaAs量子井戸層、38はGaAsキャッ
プ層である。AlAs層はこれまでの説明におけるGaにかえ
てAlを供給することによって成長させることができる。
第15図はこの量子井戸構造の4.2Kにおける発光スペクト
ルを示したものである。この構造はスペクトル幅は広い
が高温成長のものと同程度の強い発光を示した。
このことから、本発明の方法により、低温成長にもかか
わらず高い光学的品質のGaAs,AlAsが成長できることが
わかる。
本発明により良質のAlAs、GaAsの成長が200℃以上のい
かなる温度でも可能となった。本発明によればIII族原
子の供給をスイッチしなくてもよく、低温における成長
速度を従来の0.25μm/hから1μm/hに改善させることが
できた。
[発明の効果] 以上説明したように本発明は成長表面およびヘテロ界面
の平坦化と成長温度の著しい低下、成長温度の増加をも
たらすからIII族−V化合物半導体を用いた各種デバイ
スの高性能に極めて効果的である。
さらに本発明においては、III族金属元素、例えばGaは
常時一定量を流しておけるので、その供給を断続し、ま
た供給量を変化する必要がなく、それだけ装置を簡略化
することができる。なお、MOCVD法と比較すれば、MOCVD
法においては、III族金属元素の有機金属化合物のガス
を常時流しておくことはできない。そのようにするとMO
CVD法では新たな化合物を生成してしまう。本発明の効
果は、III族元素を原子の形で供給するMBE法を基礎とす
るために可能となる独自の効果である。
【図面の簡単な説明】
第1図(A),(B)はそれぞれ本発明の作用を説明す
るためのGa原子およびAs分子の基板への供給タイムチャ
ート、 第2図は第1図の(A),(B)のタイムチャートに従
って成長させたRHEED強度の時間変化を示す図、 第3図はGa原子の供給量を成長面の配位数と等しくした
時のRHEED強度の時間変化を示す図、 第4図(A)ないし(E)および第5図(A)ないし
(E)はそれぞれ本発明における自己平坦化現象を説明
する模式図、 第6図(A),(B)はそれぞれ本発明の一実施例にお
けるGa原子とAs分子の供給タイムチャート、 第7図は本発明の方法によって成長させたGaAsの一例の
RHEED強度の時間変化を示す図、 第8図(A),(B)はそれぞれ本発明の一実施例にお
けるGa原子,As分子の供給タイムチャートおよびRHEED強
度の時間変化を示す図、 第9図(A),(B)はそれぞれ本発明の他の実施例に
おけるGa原子,As分子の供給タイムチャートおよびRHEED
強度の時間変化を示す図、 第10図は本発明により作製した量子井戸レーザの構造を
示す図、 第11図(A),(B)はそれぞれ本発明により作製した
他の実施例量子井戸レーザの構造および各成長層のRHEE
D強度の時間変化を示す図、 第12図(A),(B)はそれぞれ本発明の方法によって
作製した二次元電子構造およびその各成長層のRHEED強
度の時間変化を示す図、 第13図は基板温度200℃で成長させたGaAs層の低温にお
けるフォトルミネッセンススペクトル図、 第14図および第15図はそれぞれ基板温度300℃で成長さ
せたAlAs/GaAs量子井戸構造およびその低温におけるフ
ォトルミネッセンススペクトル図である。 1,2,11,21,31…基板、12…n−AlGaAs層、13…GaAs量子
井戸、14…p−AlGaAs層、15…p−GaAs層、22…非ドー
プGaAs層、23…非ドープAlGaAs層、24…SiドープGaAs
層、32…非ドープGaAs層、33,35,37…非ドープAlAs層、
34,35…非ドープGaAs量子井戸、38…GaAsキャップ層。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空容器中に配置された加熱された基板上
    に、周期律表上のIII族金属元素の少なくとも一種とV
    族元素の少なくとも一種をそれぞれ分子ビームまたは原
    子ビームとして供給して、前記基板上にIII−V族化合
    物半導体を成長させる方法において、III族金属元素の
    少なくとも一種を前記基板上に供給しながら、V族元素
    の少なくとも一種を前記III族金属元素と反応してIII−
    V族化合物層を形成するに充分な第1の供給量と、III
    −V族化合物層を形成しない第2の供給量とで交互に前
    記基板に供給する工程を含むことを特徴とする化合物半
    導体薄膜成長法。
  2. 【請求項2】前記III−V族化合物半導体が、第1のIII
    −V族化合物半導体層と該第1の化合物半導体層上に成
    長させた第2のIII−V族化合物半導体層とのヘテロ接
    合を含み、前記第1の化合物半導体層の最終期の成長
    を、前記III族金属元素を前記基板上に供給しながら前
    記V族元素を前記第1および第2の供給量で交互に前記
    基板上に供給する前記工程で行うことを特徴とする特許
    請求の範囲第1項記載の化合物半導体薄膜成長法。
  3. 【請求項3】前記第2の供給量でV族元素を基板上に供
    給する期間における前記III族金属元素の基板への供給
    量が成長表面の原子的配位数以下であることを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項または第2項に記載の化合物半
    導体薄膜成長法。
  4. 【請求項4】前記第2の供給量が、III−V化合物を成
    長維持するに必要な最小限の量の1/10以下であることを
    特徴とする特許請求の範囲第1項ないし第3項のいずれ
    かの項に記載の化合物半導体薄膜成長法。
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