JPH0758364B2 - レーザプローブおよびその製造方法 - Google Patents

レーザプローブおよびその製造方法

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JPH0758364B2
JPH0758364B2 JP1340255A JP34025589A JPH0758364B2 JP H0758364 B2 JPH0758364 B2 JP H0758364B2 JP 1340255 A JP1340255 A JP 1340255A JP 34025589 A JP34025589 A JP 34025589A JP H0758364 B2 JPH0758364 B2 JP H0758364B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、動物や人を対象とした医療用に供される接触
プローブ法のレーザ装置に用いられるレーザプローブに
関する。特に、手術または治療の医療分野において利用
され、生体組織に接触させて、前記生体組織の切開、蒸
散および止血、凝固を同時に行うことができるレーザプ
ローブに関する。
<従来の技術> レーザ光を主体に照射して手術または治療する方法とし
ては、ファイバーを利用する方法とミラー光学系を利用
する方法がある。前者は細くかつフレキシビリティがあ
るため操作性に優れているが、ファイバー透過後の光が
大きく拡散するため、たとえレンズを使っても小さく集
光することが困難であり、直接照射するのでは切開・蒸
散の手術には使えないという欠点がある。後者はミラー
と導光パイプ(マニピュレーター)あるいは手術顕微鏡
との組み合せになるため、大きい装置になってしまうと
いう欠点があるが、レーザ光を小さく集光できるため大
きいパワー密度を得ることができ、切開・蒸散の手術に
広く使用されてきている。
最近、ファイバー法の一つとして、ファイバーの先端に
ロッド状のプローブを取り付けることにより、従来のフ
ァイバー直接照射法の欠点であった切開ができないとい
う困難を解決できるようになった。これを、接触プロー
ブ法と呼んでいる。
従来レーザ手術に使用されてきたレーザにはCO2レーザ
と、Nd:YAGレーザがある。
CO2レーザは、波長10.6μmの赤外線で生体への吸収係
数が高く、生体組織表面で100%近く吸収されるため、
光から熱への変換が容易に起こり、その熱により組織の
熱変性、凝固、蒸発、燃焼、炭化により結果的には切開
および蒸散を行うことができる。一方、Nd:YAGレーザ
は、波長1.06μmの赤外線であり、生体への吸収係数が
低く、生体組織の深部にまで透過していく。従って生体
組織の切開・蒸散は通常起こらず止血、凝固作用が生ず
る。
Nd:YAGレーザを用いた医療用レーザ装置においても、切
開・蒸散作用を持たせることができる接触プローブを用
いたレーザメスが特公昭61−4019号に開示されている。
このレーザメスにおいては、ファイバー先端に接触プロ
ーブとして円錐状のロッド部材を取り付けることによ
り、入射レーザ光は、先端の細い径の所でエネルギー密
度が高くなり、組織の破壊効果を高めることができる。
接触プローブすなわち、円錐状ロッド部材は、ニューセ
ラミックス(サファイヤ等)製であり、ファイバー先端
に金具で取り付けられるが、熱的にも安定であり、生体
組織との反応性も低いので、直接生体組織に接触させる
ことができる。また、接触プローブが劣化した場合に
は、新しいものと容易に交換することも可能である。一
方、直接照射法ではファイバー先端を生体から離して照
射するが、もしファイバーを生体に直接接触させたとす
ると、ファイバーが瞬時に燃焼し導火線のごとく燃えつ
きてしまうのに対し、この接触プローブはこのような困
難を解決することができるものである。
しかし、接触プローブの欠点は、熱に変換する効率が悪
いことである。従って、接触プローブの表面に種々の加
工を施すことにより熱変換効率を高める工夫がなされて
きた。
例えば、実開昭60−190310号および特開昭63−318933号
公報には、先端部外表面を粗面加工またはきさげ加工し
た接触プローブが開示されている。また、実開昭63−93
911号および同63−103649号公報には、生体の凝固を行
うために先端部外表面の全部または一部に熱吸収するた
めの遮光部材を有するレーザ熱チップが開示されてい
る。
また、特開昭61−135649号公報には、レーザメスチップ
の先端部にカーボン液またはカーボン粉末を付着させて
切開手術をする方法および先端部にカーボン液または粉
末を付着させるための凹凸を有するレーザメスチップ、
実開昭61−100407号公報には、先端部にカーボンまたは
有機物を有するレーザメスチップ、特開昭63−130060号
公報にはプローブの表面に炭素膜およびその保護膜をス
パッタリング法またはイオンプレーティング法により順
次塗膜形成したレーザメスが開示されている。
さらに、特開昭63−318934号公報には、先端部のレーザ
放射面に所定割合のレーザエネルギを熱に変換する赤外
線吸収手段を有するレーザプローブおよびその製造方法
が開示され、このプローブにおいては、該赤外線吸収手
段が、10μmより小さい粉末の黒鉛、炭素、粘土、酸化
チタン、酸化マグネシウム、二酸化ケイ素、酸化鉄、二
酸化マンガン、酸化コバルト、酸化クロムであり、この
赤外線吸収手段を前記レーザプローブ先端部の凹凸状の
へこみ中に受け入れ、この赤外線吸収手段が、無定形ア
ルカリガラス、ZiO2SiO2などレーザ透過材で被覆されて
いる。またこのレーザプローブは以下の3つの工程によ
って製造されている。
1)プローブ表面をきさげ加工または粗面加工する。
2)赤外線吸収剤の懸濁体中にプローブを浸漬させる。
他の方法は、赤外線吸収剤の分散体を含浸させたコット
ンをプローブ表面にこすり付けて付着させることであ
る。
3)付着した赤外線吸収剤の上をさらに保護被覆する工
程を行う。この工程は、塗布→乾燥→焼成を繰り返す。
<発明が解決しようとする課題> ところで、プローブの先端に単に粗面加工あるいはきさ
げ加工をしただけおよび単に遮光部材を付けただけで
は、レーザエネルギの熱への変換が十分でなく、切開・
蒸散を行うには高出力レーザを必要とするという問題が
あった。
また、手術に先立って、プローブの先端部の凹凸部分に
カーボンを単に付着させたプローブ、先端にカーボンま
たは有機物を単に有するプローブでは容易にカーボンな
どが剥離して切開効果が低下するという問題があった。
また、先端部に炭素膜および保護膜をスパッタリング法
またはイオンブレーチィング法により順次塗膜形成した
プローブ、さらにプローブ表面に赤外線吸収手段を塗
布、さらにはその上に保護膜を形成したプローブなども
あるが、これらの塗膜は、プローブを形成するレーザ透
過材、例えばサファイヤ、水晶、ダイヤモンドなどと一
体化しておらず、単に付着しているだけであるので、例
え、保護膜があっても、使用中にいつかは剥離してしま
い、切開効果が低下するため、耐久性に問題があった。
また、上記従来の炭素膜や赤外線吸収手段は、熱による
分解、剥離、摩耗、破壊が起こるため、これを塗膜形成
したプローブは高価であるにもかかわらず劣化が早い消
耗品であった。
上記従来の熱変換効率を向上させたプローブにおいて、
切開効果の持続を図るために工夫がなされている。例え
ば、特開昭63−318934号では赤外線吸収手段を形成する
が、このために、放射域の凹みが1〜100μmになるよ
うに研削、粗面加工を行い、吸収材粉末懸濁体を作製
し、浸漬、塗布、乾燥、焼成を繰り返す必要がある。こ
のような製造方法は、基本的にレーザ透過材に赤外線吸
収手段を塗布する工程を含んでいるため、非常にコスト
と時間のかかる複雑な工程が必要になる。
上記問題に加え、上述の特開昭63−318934号に開示され
たプローブは、医療用材料として全く不適当な粘土、ま
だ安全性が確認されていない二酸化マンガン、酸化コバ
ルト、酸化クロム等を赤外線吸収材として用いるものが
含まれているので、生体組織に接触して使用する接触プ
ローブとして用いるには、安全性に問題があった。
本発明の目的は、生体に対して安全な材質から構成さ
れ、二酸化ケイ素を主成分とするレーザ透過材からなる
レーザプローブ本体の出射部の所定位置に、レーザ光を
吸収するために、このレーザ透過材と一体化した炭化ケ
イ素または窒化ケイ素などのケイ素系セラミックス含有
膜を形成して切開部を設け、また前記出射部の他の所定
位置をレーザ光が透過する止血部となすことにより、使
用中の劣化を最小限にすることができ、切開効果が長い
間持続でき、切開部のみならずプローブ自体の劣化や破
損が生じない耐久性に富み、切開・蒸散と止血・凝固を
同時に行うことができ、生体に接触してもまたは生体内
に入っても安全であるレーザプローブを提供することに
ある。
また、本発明の別の目的は、上述の特徴を有するレーザ
プローブを、その切開部を炭素に接続させ、または窒素
ガス雰囲気中で所要温度まで加熱もしくはCO2レーザ等
を照射することにより従来行われてきた、研削・粗面加
工、レーザ光吸収材粉末の懸濁体の作製、浸漬、塗布、
乾燥、焼成等の複雑な工程を行う必要がなく、簡単な工
程で、安価かつ容易に製造することができるレーザプロ
ーブの製造方法を提供することにある。
<課題を解決するための手段> 本発明者らは、生体に接触させて用いるレーザプローブ
の切開効果を産み出しているレーザ光吸収材あるいは熱
変換材の剥離に起因する切開効果の劣化、すなわち、レ
ーザプローブの耐久性、レーザプローブの生体に対する
安全性、レーザ手術時の生体の切開・蒸散とそれに続く
止血・凝固をスムーズに行うためのレーザプローブの機
能性およびこれらの性能を有するレーザプローブのコス
トと簡単かつ容易かつ安価な製造方法について、鋭意研
究を重ねた結果、レーザプローブ本体を石英、二酸化ケ
イ素含有ガラス等の二酸化ケイ素を主成分とするレーザ
透過材とし、出射部の一部を切開部とし、該切開部を、
塗布ではなく、炭素もしくは窒素ガスと接触させた状態
で、所定温度までの加熱もしくはCO2レーザ等による照
射により、炭素または窒素とレーザプローブ本体の材質
自体の化学変化により炭化ケイ素または窒化ケイ素など
のケイ素系セラミックス含有膜で形成することにより、
化学反応したプローブ自身の材質がレーザ光を熱に変換
でき、一体化しているので剥離を防止でき、切開効果の
劣化を最小限にでき、安全なレーザプローブを得ること
ができることを知見し、本発明に至ったものである。
すなわち、本発明は、導光体からレーザ光を入射させる
ための入射部と、入射したレーザ光を透光する透光部
と、前記レーザ光を透過しかつ熱に変換する出射部とを
有するレーザプローブであって、 前記入射部、透光部および出射部を構成するプローブ本
体は二酸化ケイ素を主成分とするレーザ透過材からな
り、前記出射部の少なくとも一部は、前記レーザ光を吸
収するケイ素系セラミックス含有膜が形成されてなるこ
とを特徴とするレーザプローブを提供するものである。
また、本発明は、上記レーザプローブであって、前記出
射部は、前記ケイ素系セラミックス含有膜が形成され前
記レーザ光を熱に変換する切開部、および前記レーザ光
を透過する止血部を有することを特徴とするレーザプロ
ーブを提供するものである。
また、上記レーザプローブであって、前記入射部近傍外
周に形成されたホルダ取付用溝を有することを特徴とす
るレーザプローブを提供するものである。
また、上記レーザプローブであって、前記出射部近傍に
形成された冷却用ポートを有することを特徴とするレー
ザプローブを提供するものである。
ここで、前記レーザ透過材は、石英または二酸化ケイ素
含有ガラスであるのが好ましい。
また、前記ケイ素系セラミックス含有膜は、炭化ケイ素
膜、炭化ケイ素と石英とが混在する膜、窒化ケイ素膜、
窒化ケイ素と石英とが混在する膜およびこれらの混合物
膜のいずれかであるのが好ましい。
また、前記出射部は、先端が山状であり、この先端部に
前記レーザ光の進行方向に対して対称な面を設け、この
対称な面の一方に前記切開部を、他方に前記止血部をそ
れぞれ設けたのが好ましい。
また、前記プローブ本体の形状が、円錐状、円柱状、角
錐状、角柱状および板状のいずれかであるのが好まし
い。
また、上記レーザプローブを製造するに際し、所定形状
のプローブ本体を形成し、このプローブ本体の切開部形
成部分を炭素に接続させた状態で出射部にCO2レーザを
照射してまたは1900〜2000℃に加熱して、前記切開部形
成部分に炭化ケイ素を生成させることを特徴とするレー
ザプローブの製造方法を提供するものである。
さらに、上記レーザプローブを製造するに際し、所定形
状のプローブ本体を形成し、このプローブ本体の切開部
形成部分を窒素ガス雰囲気中で出射部にCO2レーザを照
射してまたは1000〜1800℃に加熱して前記切開部形成部
分に窒化ケイ素を生成させることを特徴とするレーザプ
ローブの製造方法を提供するものである。
<実施態様> 本発明に係るレーザプローブを添付の図面に示す好適実
施例に基づいて詳細に説明する。
第1a図は、本発明に係るレーザプローブの一実施例の斜
視図であり、第1b図は、その使用状態を部分的に示す断
面図である。
これらの図に示すように、本発明のレーザプローブ10
は、レーザ光の入射部12と透光部14と出射部16からな
り、出射部16は、切開部18と止血部20とからなる。
入射部12は、円形断面を有し、第1b図に示すように図示
しないレーザから射出され、導光体からなる光ファイバ
22によって伝達され、光ファイバ22の端部22aから射出
されるレーザ光24が入射する部分である。また、透光部
14は、入射部12に入射したレーザ光24を出射部16まで透
過させる部分である。
入射部近傍外周にはホルダ取付用溝26が形成されてい
る。第1b図に示すように、ホルダ取付用溝26には、レー
ザプローブホルダ28の取付爪28aがしっかりと嵌合し、
レーザプローブ10を堅固に支持するように構成されてい
る。レーザプローブホルダ28の他端部にはねじ28bなど
の接続手段が形成され、光ファイバ22の外部チューブ等
に接続するコネクタ30に接続される。またホルダ28の中
央部には光ファイバ22が貫通する開口28cが設けられ、
光ファイバ22の端部22aは入射部12の円形端面とわずか
な隙間を介して配置される。
本発明において、レーザプローブ10と光ファイバ22の接
合は、第1b図に示す例に限定されるわけではなく、従来
公知の様々な接合方法が可能であり、直接コネクタ30に
嵌め込むようにしてもよい。また、ホルダ取付用溝26も
必ずしも設ける必要はなく、レーザプローブ10を外側か
ら堅固に把持するように構成してもよい。
出射部16は、本発明の最も特徴とする部分であって、透
光部14を透光したレーザ光24を熱に変換する切開部18
と、レーザ光24を透過する止血部20とを有している。切
開部18は、レーザ光24のエネルギを熱に変換し、発生し
た熱を一部の透過レーザ光とともに外に放射して、接触
している生体組織の切開と蒸散を行う部分である。止血
部20は、レーザ光24を透過し、切開および/または蒸散
された生体組織に透過レーザ光24を照射して、その生体
組織、特にその表面を直接熱変性して、あるいは炭化し
てその下層を熱変性して凝固および止血を行う部分であ
る。
本発明においては、切開部18による生体組織の切開・蒸
散が十分に行われるとともに、切開・蒸散が終了した生
体組織はできるだけ早く止血・凝固が行われるように、
レーザの種類および手術または治療される生体組織の部
位に応じて切開部18と止血部20とはその形状、寸法およ
び配置が適宜決定されるのが好ましい。
しかし、本発明のレーザプローブ10を切開および/また
は蒸散の目的で利用する場合は、レーザプローブ10の出
射部16の全部または一部を切開部18とし、止血部20を特
に設ける必要はない。また、切開部18のレーザ光24の熱
への変換量を制御することにより、すなわち、切開部18
からのレーザ光24の透過量を制御することにより、切開
部18において止血・凝固を行ってもよい。
本発明においては、入射部12、透光部14および出射部16
の一部、特に止血部20を構成するプローブ本体11は、石
英または二酸化ケイ素含有ガラスなどのような二酸化ケ
イ素(SiO2)を主成分とするレーザ透過材から構成され
る。ここで、レーザ透過材としては、二酸化ケイ素を主
成分とするものであれは、何でもよいが、特に石英、水
晶、二酸化ケイ素含有ガラスが好ましい。
一方、切開部18には、レーザ光24を吸収して、効率よく
熱に変換するためのケイ素系セラミックス含有膜19がレ
ーザプローブ本体11と一体的に形成されている。前記ケ
イ素系セラミックス含有膜19としては、炭化ケイ素(Si
C)膜、窒化ケイ素(Si3N4)膜、炭化ケイ素と二酸化ケ
イ素とが混在する膜、窒化ケイ素と二酸化ケイ素とが混
在する膜および炭化ケイ素と窒化ケイ素と二酸化ケイ素
とが混在する膜などが好ましい。これらのケイ素系セラ
ミックス含有膜は、炭素や窒素とプローブ本体11の切開
部相当部分の二酸化ケイ素と反応させることにより形成
されたものであるので、プローブ本体11と完全に一体化
しており、使用中、すなわち、生体組織と切開部18とを
接触させて使用していても、簡単には剥離しない。従っ
て、切開効果の劣化は極めて少なく、従来よりはるかに
長時間切開効果が持続する。従って、レーザプローブ10
の耐久性を従来に比してはるかに向上させることができ
る。
切開部18に形成される光熱変換材として炭化ケイ素や窒
化ケイ素などのケイ素系セラミックス含有膜を用いる理
由は、これらがレーザ光24を効率よく熱に変換できるこ
とおよびプローブ本体11を構成するレーザ透過材の化学
反応により一体的に形成されて剥離しにくいことに加え
て、化学的に安定であり、生体組織に対して極めて安全
であるからである。
すなわち、炭化ケイ素(SiC)は融点2700〜2830℃、微
小硬さ3000〜3500kg/mm2、熱膨張係数4.3〜4.5×10-6/d
egであり、耐熱性、機械的性質、耐摩耗性に優れてい
る。さらに、後述するが本発明に用いられるNd:YAGレー
ザの波長1.06μmに対して吸収が良い。
また、窒化ケイ素(Si3N4)は融点1900℃、微小硬さ267
0〜3260kg/mm2、熱膨張係数4.8×10-6/degであり、耐熱
性、機械的性質、耐摩耗性に優れている。さらに、Nd:Y
AGレーザの波長1.06μmに対して吸収が良い。
一方、プローブ本体11の材質を石英(SiO2)、水晶(Si
O2)、または二酸化ケイ素(SiO2)を含んガラスなどの
二酸化ケイ素を主成分とするレーザ透過材に限定した理
由は、二酸化ケイ素(SiO2)が以下のような特性を持っ
ているからである。
1)Nd:YAGレーザ(波長1.06μm)に対する透過性が良
い。
厚さ1mmの場合、入出射両面の反射損失を含めた透過率
が90%である。
2)軟化点が1710℃と高い。
3)化学的に安定である。
4)炭素と高温(1900〜2000℃)で下記の反応により化
合して炭化ケイ素SiCを生成することができる。
SiO2+3C→SiC+2CO 2CO+O2→2CO2 5)窒素ガス中、高温(1000〜1800℃)で下記の反応に
より窒化ケイ素Si3N4を生成することができる。
3Si+2N2→Si3N4 本発明に用いられるレーザ装置は、従来から接触プロー
ブ法を用いる医療用レーザ手術装置に使用されるレーザ
はどのようなものを用いてもよいが、本発明のレーザプ
ローブを用いるレーザ装置としては、特に発振波長が紫
外から可視を経て赤外すなわち0.2〜3μmのレーザが
使用可能である。このような具体的なレーザ装置として
は、例えば、エキシマレーザ、アルゴンイオンレーザ、
クリプトンレーザ、ダイレーザ、Nd:YAGレーザ等がある
が、さらに多数のレーザ装置を挙げることができる。
医療用レーザ装置においては、このようなレーザ装置か
ら光学ファイバーでレーザ光を導光し本発明のレーザプ
ローブに入射させ、その先端の切開部で熱に変換する。
従って、レーザは、光学ファイバーと本発明のプローブ
本体に対する透過率が良く、切開部の炭化ケイ素または
窒化ケイ素には透過率が悪く、吸収率が高くなくてはな
らない。すなわち、本発明のレーザプローブ先端の切開
部では効率よくレーザ光を熱に変換しなければならない
し、前記プローブ本体では透過率がよく、従って、止血
部ではレーザ光が十分に透過する必要がある。このこと
を考えると、本発明のレーザプローブに使用できるレー
ザの発振波長は0.2〜3μmの範囲に限定される。
なお、生体組織に対する吸収係数の高いCO2レーザは、
非接触のレーザメスとして広い用途を有しているが、波
長が10.6μmであるため、このレーザ光は、本発明に用
いられる石英等のレーザ透過材を透過せず、吸収されて
しまうので、本発明のレーザプローブには適用できな
い。
これに対し、本発明に用いられるNd:YAGレーザやアルゴ
ンイオンレーザなどは生体組織に対する吸収係数が低い
ため、従来は生体組織の止血・凝固の目的に使用されて
きた。しかし、本発明では上記Nd:YAGレーザやアルゴン
イオンレーザなどに止血・凝固の機能と同時に切開・蒸
散の機能を持たせようとするものである。
しかし、これらのレーザを用いる場合、単に生体組織に
石英やサファイヤ等のレーザ透過物質を接触させても、
それだけで組織の切開・蒸散を行うことはできない。切
開・蒸散のためには、接触面で発熱させなければならな
いが、本発明ではレーザ光を熱に変換する発熱面の材料
をプローブ本体を構成する石英等のレーザ透過材自身の
反応によって得られる炭化ケイ素や窒化ケイ素などから
なるケイ素系セラミックス含有膜とすることにより、こ
の発熱面を切開部として、Nd:YAGレーザやアルゴンレー
ザ等の0.2〜3μmの紫外・可視・赤外の波長域のレー
ザでも、切開・蒸散の機能を持たせることができる。
その上、本発明では、発熱面である切開部と透過面であ
る止血部とのコンビネーションにより、切開・蒸散と止
血・凝固とを1つのレーザプローブで行うことを可能と
している。
本発明では、上述したように切開部は、炭化ケイ素(Si
C)、窒化ケイ素(Si3N4)またはこれらとSiO2との混在
物からなる成分によって構成されるが、炭化ケイ素や窒
化ケイ素は、レーザ光の吸収中心または散乱中心となっ
てレーザ光から熱への変換を行う。
本発明のレーザプローブは基本的には以上のような構成
を有するが、本発明はこれに限定されず、以下に示す実
施例も本発明の範囲に含まれることは勿論である。
本発明のレーザプローブ10の形状は、特に限定的ではな
く、第1a図に示すように円錐状、第2a図に示すように楕
円錐状、第2b図および第2c図に示すように四角錐および
六角錐状などの角錐状であってもよい、図示しないが、
円柱状、楕円柱状、角柱状、板状であってもよいし、球
状、異形状であってもよい。
また、第3a図および第3b図に示すようにレーザプローブ
10の入射側端面から、プローブの中央部に円形孔部34を
設け、光ファイバーを挿入して入射部12と光学的に接続
し、光ファイバー22を支持するようにしてもよいし、空
気等の冷却用ガスまたは水等の冷却用液体を流し、切開
部18の発熱が挿入された光ファイバーに及ばないように
冷却し、光ファイバーの焼損から保護するように構成し
てもよい。
さらに、第4図に示すように、本発明のレーザプローブ
10に入射側端面からその中央部に円形孔部34を設けると
ともに、円形孔部34と外部とを連通する少なくとも1つ
の小孔36をプローブ本体11に設け、光ファイバー22をホ
ルダ28の開口28cを通して円形孔部34に挿入してレーザ
プローブ10と入射部12と光学的に接続するとともに、コ
ネクタ30の側からコネクタ30とファイバ22との間に水、
生理食塩水あるいはエアなどを流し、ホルダ28の開口28
cおよび円形孔部34を通り、小孔(冷却用ポート)36か
ら外部に流して、光ファイバー22の先端を冷却し、焼
損、変形、破壊等から保護するように構成すれば、本発
明のレーザプローブ10のみならず、医療用レーザ装置そ
のものの耐久性をも向上させることが可能となる。さら
に、この場合には、光ファイバ22側から同軸に流れる生
理的食塩水にて手術部位の冷却も可能であり、組織蒸散
に伴う生体組織の熱的障害を最小にすることができる水
中での組織蒸散を行うプローブとすることもできる。
次に、本発明のレーザプローブ10においては、その先端
部である出射部16およびその切開部18の形状も、上記の
各例のごとく、先端部の接頭球面に限定されず、手術ま
たは治療される生体組織の部位とその目的に応じて、適
宜選択することができる。
例えば、第5a図に示すように、出射部16を板状とし、切
開部18をその傾斜断面とし、第5b図に示すように出射部
16を板状とし、その先端面を円柱面として切開部18とす
ることによりライン状の切開用プローブとしてもよい
し、第5c図のように円錐状出射部16の先端切頭部を軸線
より傾けて切開部18を形成し、第5d図に示すように四角
柱の先端を針状に仕上げて切開部18とすることにより点
状の蒸散用プローブとすることができる。
本発明のレーザプローブ10は、その先端の出射部16にケ
イ素系セラミックス含有膜19が形成された切開部18と止
血部20とを有することを特徴とするが、第6a図および第
6b図に示すように、板状のレーザプローブ10の先端部を
山状として、図中先端部側面および上側の端面を止血部
20、下側の端面を切開部18とする出射部16としてもよ
い。この場合には、第6c図に示すように、レーザプロー
ブ10のプローブ本体11中を全反射してきたレーザ光24
は、図中左側の切開部18へ到達した場合には、ケイ素系
セラミックス含有層19の炭化ケイ素や窒化ケイ素に吸収
もしくは蒸散されて熱に変化されるが、他方、図中右側
の止血部20へ到達した場合には、止血部20の石英などの
レーザ透過材を透過する。
ここで、切開部18と止血部20とは治療あるいは手術の部
位または目的に応じて、それぞれの形状および寸法を適
宜選択できる。
第6a図および第6b図に示すように、レーザプローブ先端
の出射部16の先端を山状として、レーザ光の進行方向に
対して対称な面を先端部に設け、対称な面の一方に切開
部18を、他方の止血部20をそれぞれ設けることができる
し、第7a図、第7b図および第8a図、第8b図に示すように
先端面には切開部18のみを設け、出射部16の先端側面を
止血部20としてもよいし、さらに、第9a図、第9b図、第
10a図、第10b図、第11a図および第11b図に示すように、
通常の鋼性メスのように刀やナイフのような尖った刃を
有し、対称形状の出射部16を有し、その刃の両対称面の
部分に切開部18を設け、その峰や上側面を止血部20とし
てもよい。
このように刀状の出射部16を有する本発明のレーザプロ
ーブ10は、通常手術用の鋼性メスと全く同様なタッチで
使用することができる。
以上、本発明の様々な態様のレーザプローブについて説
明したが、これらのレーザプローブは、特に、手術また
は治療の医療分野において利用される。
すなわち、本発明のレーザプローブは、光エネルギーを
熱エネルギーに変換し、生体組織を熱的に変化させ、生
体組織の切開・蒸散および止血・凝固の作用により、広
く手術一般に使用される。主として使用される診療科に
は、例えば消火器外科、消火器内科、外科、耳鼻咽喉
科、脳神経外科、産婦人科、泌尿器科、形成外科、整形
外科、心臓血管外科がある。
これらの科においては、例えばオープンサージェリーで
の使用、内視鏡的使用、経皮的アンジオプラスティでの
使用を挙げることができる。例えばオープンサージェリ
ーでは本発明のレーザプローブをホルダーに取り付け術
者がホルダーを手に持って手術に使用する。内視鏡的使
用においては、消化管等に内視鏡を挿入し、内視鏡のチ
ャンネル(穴)を通してレーザプローブが先端に取り付
いた光ファイバを挿入し、内視鏡で観察しながらレーザ
手術を行う。
経皮的アンジオプラスティでは皮膚を通してカテーテル
を血管内に挿入し、カテーテル内を通してプローブ付フ
ァイバーを挿入し、血管内の閉塞性動脈硬化症を治療す
る。
その他に、低出力レーザを使うことにより疼痛治療や組
織吻合にも使用できる。
このような本発明のレーザプローブは以下のようにして
製造することができる。
まず始めに、本発明に用いられる石英等の二酸化ケイ素
を主成分とするレーザ透過材を切り出し、所定形状およ
び寸法に加工し、成形する。この成形加工は、切削によ
ってもよいが、ガラス状のものの場合は、加熱した後プ
レス加工によってもよい。この時、光ファイバが挿入さ
れる円形孔部34、冷却用小孔36の穴加工およびホルダー
やファイバ先端金具に取り付けるための金具をかしめる
ための金具取付用溝26の溝加工を行う。
成形後、レーザプローブ10の出射部16の切開部18にプロ
ーブ本体の二酸化ケイ素と炭素または窒素を反応させて
ケイ素系セラミックス含有膜19の形成を行う。
本発明では、第12図に示すように炭化ケイ素を生成させ
るためには、レーザプローブ10の先端の切開部相当部分
を炭素40に接触させた状態でその接触部にレンズ42によ
って集光したCO2レーザ光44を照射する。レーザプロー
ブ10を構成する石英はCO2レーザ光49(波長10.6μm)
を吸収するので表面が瞬時に高温になり、炭素と化学反
応して二酸化ケイ素(SiC)が生成する。
この時、効率は落ちるが他のレーザを使っても良い。
例えば、第13図に示すように、Nd:YAGレーザを用いて石
英からなるプローブ本体11の先端の切開部を炭素40と接
触させて、レーザプローブ10の入射部12側からレーザ光
46を照射し、内側から接触している炭素を加熱してプロ
ーブ本体11と反応させて炭化ケイ素を生成することがで
きる。
この時、レーザ光のスポットサイズとパワーを調整する
ことにより表面温度を1900〜2000℃になるようにパワー
密度を設定することができる。表面温度は放射温度計で
測定するのがよい。
SiO2+3C→SiC+2CO 2CO2+O2→2CO2 の反応によりSiCが生成される。ここで全てのSiO2がSiC
に変化する必要はない。
SiO2とSiCが混在する状態で膜が形成されていても良
い。
第12図に示すように、レーザプローブ10を回転させなが
らレーザ光44を照射することにより先端全周に一様に反
応を起こすことができる。
また、第14図に示すように、炭素薄膜40をレーザプロー
ブ10の切開部18に被覆し、CO2レーザのレーザ光44を上
下(矢印B方向)に移動してスキャンして、全面に一様
に反応を起こすこともできる。
窒化ケイ素の形成は、レーザプローブ10の相当部分を窒
素ガス中でCO2レーザを照射することにより、あるいは1
000〜1800℃まで加熱することにより、化学反応を生じ
させて行うことができる。
CO2レーザは微小な点に集光することにより非接触で微
細加工を行うことができるので発熱面である切開部の形
成を自在に行うのに都合が良い。
プローブの回転および移動とレーザ光のスキャンにより
発熱面である切開部の形成を行うことができる。
もちろん、効率は落ちてもCO2レーザ以外のレーザを使
って加工することも可能であるし、他の加熱手段を用い
て形成してもよい。他の加熱の手段としては、もちろん
ヒーターやバーナーなど多くの手段があるが、但し、ヒ
ーターやバーナー等では微細加熱は極めて困難である。
この他、炭化ケイ素は、シリカと炭素の高温反応SiO2
3C→SiC+2COによって作られ、生産方法としては、アチ
エソン法、気相反応法、焼結法等があり、膜を作る方法
としては、真空蒸着、イオンプレーティング、CVD(Che
mical Vapor Deposition)法等がある。
窒化ケイ素の他の製法としては、高温でシリコンの窒化
反応:3Si+2N2→Si3N4によって作られる。生産方法とし
ては、この他に気相反応法、焼結法等があり、膜を作る
方法としては、イオンプレーティング、スパッタ、CVD
等の方法がある。
本発明法では、本発明のレーザプローブ先端の出射部に
化学変化を起させることにより、炭化ケイ素又は窒化ケ
イ素を生成させることができれば、上部のいずれの方法
を用いてもよい。
このように、ケイ素系セラミックス含有膜を切開部に形
成させた後、入射部は研磨加工を施す。研磨加工は面精
度はあまり必要としないが、キズがないことが望まし
い。
以上のようにして、本発明のレーザプローブを低コス
ト、短時間かつ簡単に製造できる。
<発明の効果> 以上、詳述したように、本発明のレーザプローブによれ
ば、 1.切開(蒸散)と止血(凝固)を同一のプローブで行な
うことができる。従って、手術または治療において切開
しながら凝固を行なうことができる。
2.光から熱への変換効率が良いので、切開と蒸散を効率
良く行なうことができる。
3.発熱面である切開部を形成する炭化ケイ素および/ま
たは窒化ケイ素含有膜は化学的に安定でありかつ生体組
織に対して安全であり、レーザプローブ本体の反応によ
り形成されているので、使用中の剥離等による劣化がな
いので、耐久性を向上させることができる。
4.切開部以外の周囲の生体組織への熱の影響を小さくで
きる。
5.接触型プローブであり、従来の鋼刃メスと同様のタッ
チで接触感のある手術ができる。
6.オープンサージェリーや内視鏡的手術あるいはレーザ
ーアンジオプラスティ(レーザー血管形成術)等広い分
野で応用できる。
内視鏡を通して腫瘍の切除蒸散を効率良く実施できる。
カテーテルを通して血管内の閉塞性動脈硬化症等の治療
に使用できる。すなわち血管の閉塞部や狭窄部を熱的に
拡大し血流を再疎通することができる(アンジオプラス
ティ)。
また、本発明のレーザプローブの製造方法によれば、レ
ーザプローブの先端部の切開部を炭素に接触させた状態
であるいは窒素ガス中でCO2レーザ光を照射しあるいは
所定温度まで加熱して、塗布・乾燥・焼成の繰り返しを
行なうことなく1回の化学変化により、SiO2自身を変化
させることにより、安価、短時間かつ簡単に製造するこ
とができる。
また、本発明法によれば、種々の形状の切開部(発熱
面)を製造可能であるし、CO2レーザを用いれば、微細
な切開部の加工が可能である。
【図面の簡単な説明】
第1a図および第1b図は、それぞれ本発明に係るレーザプ
ローブの一実施例の斜視図およびその使用状態を示す断
面図である。 第2a図、第2b図および第2c図は、それぞれ本発明に係る
レーザプローブの他の実施例の斜視図である。 第3a図および第3b図は、それぞれ本発明に係るレーザプ
ローブの他の実施例の断面図である。 第4図は、本発明のレーザプローブの他の実施例の使用
状態を示す断面図である。 第5a図、第5b図、第5c図および第5d図は、それぞれ、本
発明のレーザプローブの異なる形状の出射部を有する実
施例の部分斜視図である。 第6a図、第6b図および第6c図は、本発明のレーザプロー
ブの他の実施例の斜視図および右側面図および説明図で
ある。 第7a図および第7b図は、それぞれ本発明のレーザプロー
ブの他の実施例の斜視図および右側面図、第8a図および
第8b図は、それぞれ本発明のレーザプローブの他の実施
例の斜視図および上面図である。 第9a図、第10a図および第11a図は、それぞれ本発明のレ
ーザプローブの他の実施例の正面図であり、第9b図、第
10b図および第11b図は、それぞれその右側面図である。 第12図、第13図および第14図は、本発明のレーザプロー
ブの製造方法のそれぞれ別の実施例を示す斜視図であ
る。 符号の説明 10……レーザプローブ、 11……プローブ本体、 12……入射部、 14……透光部、 16……出射部、 18……切開部、 19……ケイ素系セラミックス含有膜、 20……止血部

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導光体からレーザ光を入射させるための入
    射部と、入射したレーザ光を透光する透光部と、前記レ
    ーザ光を透過しかつ熱に変換する出射部とを有するレー
    ザプローブであって、 前記入射部、透光部および出射部を構成するプローブ本
    体は二酸化ケイ素を主成分とするレーザ透過材からな
    り、前記出射部の少なくとも一部は、前記レーザ光を吸
    収するケイ素系セラミックス含有膜が形成されてなるこ
    とを特徴とするレーザプローブ。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のレーザプローブであっ
    て、前記出射部は、前記ケイ素系セラミックス含有膜が
    形成され前記レーザ光を熱に変換する切開部、および前
    記レーザ光を透過する止血部を有することを特徴とする
    レーザプローブ。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載のレーザプローブ
    であって、前記入射部近傍外周に形成されたホルダ取付
    用溝を有することを特徴とするレーザプローブ。
  4. 【請求項4】請求項1ないし3のいずれかに記載のレー
    ザプローブであって、前記出射部近傍に形成された冷却
    用ポートを有することを特徴とするレーザプローブ。
  5. 【請求項5】前記レーザ透過材は、石英または二酸化ケ
    イ素含有ガラスである請求項1ないし4のいずれかに記
    載のレーザプローブ。
  6. 【請求項6】前記ケイ素系セラミックス含有膜は、炭化
    ケイ素膜、炭化ケイ素と石英とが混在する膜、窒化ケイ
    素膜、窒化ケイ素と石英とが混在する膜およびこれらの
    混合物膜のいずれかである請求項1ないし5のいずれか
    に記載のレーザプローブ。
  7. 【請求項7】前記出射部は、先端が山状であり、この先
    端部に前記レーザ光の進行方向に対して対称な面を設
    け、この対称な面の一方に前記切開部を、他方に前記止
    血部をそれぞれ設けた請求項2ないし6のいずれかに記
    載のレーザプローブ。
  8. 【請求項8】前記プローブ本体の形状が、円錐状、円柱
    状、角錐状、角柱状および板状のいずれかである請求項
    1ないし7のいずれかに記載のレーザプローブ。
  9. 【請求項9】請求項1ないし8のいずれかに記載のレー
    ザプローブを製造するに際し、所定形状のプローブ本体
    を形成し、このプローブ本体の切開部形成部分を炭素に
    接続させた状態で出射部にCO2レーザを照射して前記切
    開部形成部分に炭化ケイ素を生成させることを特徴とす
    るレーザプローブの製造方法。
  10. 【請求項10】請求項1ないし8のいずれかに記載のレ
    ーザプローブを製造するに際し、所定形状のプローブ本
    体を形成し、このプローブ本体の切開部形成部分を炭素
    に接続させた状態で出射部を1900〜2000℃に加熱して前
    記切開部形成部分に炭化ケイ素を生成させることを特徴
    とするレーザプローブの製造方法。
  11. 【請求項11】請求項1ないし8のいずれかに記載のレ
    ーザプローブを製造するに際し、所定形状のプローブ本
    体を形成し、このプローブ本体の切開部形成部分を窒素
    ガス雰囲気中で出射部にCO2レーザを照射して前記切開
    部形成部分に窒化ケイ素を生成させることを特徴とする
    レーザプローブの製造方法。
  12. 【請求項12】請求項1ないし8のいずれかに記載のレ
    ーザプローブを製造するに際し、所定形状のプローブ本
    体を形成し、このプローブ本体の切開部形成部分を窒素
    ガス雰囲気中で出射部を1000〜1800℃に加熱して前記切
    開部形成部分に窒化ケイ素を生成させることを特徴とす
    るレーザプローブの製造方法。
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