JPH0757556A - 水密性絶縁電線 - Google Patents
水密性絶縁電線Info
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- JPH0757556A JPH0757556A JP5223830A JP22383093A JPH0757556A JP H0757556 A JPH0757556 A JP H0757556A JP 5223830 A JP5223830 A JP 5223830A JP 22383093 A JP22383093 A JP 22383093A JP H0757556 A JPH0757556 A JP H0757556A
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- Japan
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- conductor
- watertight
- composition
- twisted conductor
- electric wire
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
- Y02A30/00—Adapting or protecting infrastructure or their operation
- Y02A30/14—Extreme weather resilient electric power supply systems, e.g. strengthening power lines or underground power cables
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- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Organic Insulating Materials (AREA)
- Insulated Conductors (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 優れた水密性を有し、かつ、長期間にわたっ
て撚線導体の断線を生じさせない水密性絶縁電線を提供
する。 【構成】 複数本の素線を撚り合わせてなる撚線導体
と、該撚線導体の外周に設けられた絶縁体層とを有する
水密性絶縁電線において、前記撚線導体の素線相互間の
空隙部および撚線導体と絶縁体層間の空隙部が、プロピ
レン−ブテン−1ランダム共重合体20〜80重量%と
プロピレン−エチレンランダム共重合体80〜20重量
%との配合割合で配合した樹脂分を主体とし、MFRが
10〜300g/10minの組成物に、その樹脂分1
00重量%に対して、4,4, −チオビス(3−メチル
−6−ターシャリブチルフェノール)を0. 1〜1. 0
重量%添加した水密性組成物により満たされていること
を特徴とする。 【効果】 絶縁体層の表面は凹凸もなく美麗であり、し
かも優れた水密性を具備している。従って、長期間にわ
たり、撚線導体内に雨水などが浸入しないので、応力腐
食割れなどによる撚線導体の断線などを防止できる。
て撚線導体の断線を生じさせない水密性絶縁電線を提供
する。 【構成】 複数本の素線を撚り合わせてなる撚線導体
と、該撚線導体の外周に設けられた絶縁体層とを有する
水密性絶縁電線において、前記撚線導体の素線相互間の
空隙部および撚線導体と絶縁体層間の空隙部が、プロピ
レン−ブテン−1ランダム共重合体20〜80重量%と
プロピレン−エチレンランダム共重合体80〜20重量
%との配合割合で配合した樹脂分を主体とし、MFRが
10〜300g/10minの組成物に、その樹脂分1
00重量%に対して、4,4, −チオビス(3−メチル
−6−ターシャリブチルフェノール)を0. 1〜1. 0
重量%添加した水密性組成物により満たされていること
を特徴とする。 【効果】 絶縁体層の表面は凹凸もなく美麗であり、し
かも優れた水密性を具備している。従って、長期間にわ
たり、撚線導体内に雨水などが浸入しないので、応力腐
食割れなどによる撚線導体の断線などを防止できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた水密性を有し、
かつ、長期間にわたって撚線導体の断線を生じさせない
水密性絶縁電線に関する。
かつ、長期間にわたって撚線導体の断線を生じさせない
水密性絶縁電線に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、絶縁電線の内、複数本の素線を
撚り合わせて撚線導体とし、この撚線導体上に絶縁体層
を設けた構造の電線、あるいは前記絶縁体層上に、更に
外部半導電層、金属遮蔽層および防食・保護用シース層
などを順次被覆形成した構造の電線は、架空絶縁電線等
に使用されている。ところで、このような構造の絶縁電
線を架空配線路に使用すると、絶縁電線の導体である撚
線導体が、時として、その一部の素線もしくは撚線導体
自体が断線を生じることがある。この撚線導体の断線の
主な原因としては、応力腐食割れによるもの、即ち、絶
縁電線の端部などから撚線導体内に浸入した雨水に起因
する腐食と、撚線導体を構成する各素線に撚りを加えた
ことに起因する残留応力との相互作用によるものが一般
的に知られている。
撚り合わせて撚線導体とし、この撚線導体上に絶縁体層
を設けた構造の電線、あるいは前記絶縁体層上に、更に
外部半導電層、金属遮蔽層および防食・保護用シース層
などを順次被覆形成した構造の電線は、架空絶縁電線等
に使用されている。ところで、このような構造の絶縁電
線を架空配線路に使用すると、絶縁電線の導体である撚
線導体が、時として、その一部の素線もしくは撚線導体
自体が断線を生じることがある。この撚線導体の断線の
主な原因としては、応力腐食割れによるもの、即ち、絶
縁電線の端部などから撚線導体内に浸入した雨水に起因
する腐食と、撚線導体を構成する各素線に撚りを加えた
ことに起因する残留応力との相互作用によるものが一般
的に知られている。
【0003】従って、従来より、撚線導体にこのような
応力腐食割れによる断線を防止する処理を施した架空用
絶縁電線が製造されていた。この断線防止処理の代表的
な方法は、撚線導体を構成する素線相互により形成され
る空隙部、および撚線導体とその上の絶縁体層間の空隙
部に、水密性組成物を充填して絶縁電線全体を水密構造
にすることで、かかる水密性組成物の存在によって撚線
導体内への雨水等の浸入を阻止し、撚線導体の雨水等の
浸入に起因する応力腐食割れなどで発生する断線を防止
するものである。このような目的で用いる水密性組成物
の構成材料として、近年、作業性等の点で優れているゴ
ム、プラスチック系の水密性組成物を用いた所謂ドライ
タイプ系の架空用絶縁電線が増加している。かかるドラ
イタイプ系の架空用絶縁電線に用いられる水密性組成物
としては、主に、エチレン−エチルアクリレート共重合
体やエチレン−酢酸ビニル共重合体をベースとしたもの
が多用されている。
応力腐食割れによる断線を防止する処理を施した架空用
絶縁電線が製造されていた。この断線防止処理の代表的
な方法は、撚線導体を構成する素線相互により形成され
る空隙部、および撚線導体とその上の絶縁体層間の空隙
部に、水密性組成物を充填して絶縁電線全体を水密構造
にすることで、かかる水密性組成物の存在によって撚線
導体内への雨水等の浸入を阻止し、撚線導体の雨水等の
浸入に起因する応力腐食割れなどで発生する断線を防止
するものである。このような目的で用いる水密性組成物
の構成材料として、近年、作業性等の点で優れているゴ
ム、プラスチック系の水密性組成物を用いた所謂ドライ
タイプ系の架空用絶縁電線が増加している。かかるドラ
イタイプ系の架空用絶縁電線に用いられる水密性組成物
としては、主に、エチレン−エチルアクリレート共重合
体やエチレン−酢酸ビニル共重合体をベースとしたもの
が多用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、これらの樹
脂をベースとする水密性組成物を使用した場合、撚線導
体の空隙部への充填により、撚線導体の応力腐食割れに
よる断線発生は抑制できるものの、依然として次のよう
な問題があった。まず、エチレン−エチルアクリレート
共重合体ベースの水密性組成物を用いた場合では、この
樹脂組成物と撚線導体とは密着性が良くないことから、
得られた水密性絶縁電線は、その水密性が低く、雨水等
の撚線導体内への浸入防止効果が不十分であった。ま
た、エチレン−酢酸ビニル共重合体ベースの水密性組成
物を用いた場合では、エチレン−酢酸ビニル共重合体の
耐熱性が不十分であることに起因する押出加工性の問題
と、それに伴う水密性の低下であった。即ち、絶縁電線
の製造工程上、押出成形機により撚線導体上に絶縁体層
形成のため、絶縁材料を押出被覆し架橋する際に熱が加
えられるが、この際の熱によって前記水密性組成物のベ
ース樹脂のエチレン−酢酸ビニル共重合体に熱分解が生
じてしまい、このことが導体の腐食の要因となるもので
ある。
脂をベースとする水密性組成物を使用した場合、撚線導
体の空隙部への充填により、撚線導体の応力腐食割れに
よる断線発生は抑制できるものの、依然として次のよう
な問題があった。まず、エチレン−エチルアクリレート
共重合体ベースの水密性組成物を用いた場合では、この
樹脂組成物と撚線導体とは密着性が良くないことから、
得られた水密性絶縁電線は、その水密性が低く、雨水等
の撚線導体内への浸入防止効果が不十分であった。ま
た、エチレン−酢酸ビニル共重合体ベースの水密性組成
物を用いた場合では、エチレン−酢酸ビニル共重合体の
耐熱性が不十分であることに起因する押出加工性の問題
と、それに伴う水密性の低下であった。即ち、絶縁電線
の製造工程上、押出成形機により撚線導体上に絶縁体層
形成のため、絶縁材料を押出被覆し架橋する際に熱が加
えられるが、この際の熱によって前記水密性組成物のベ
ース樹脂のエチレン−酢酸ビニル共重合体に熱分解が生
じてしまい、このことが導体の腐食の要因となるもので
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点に
着目し、鋭意研究した結果、優れた水密性を具備し、雨
水などの浸入に起因する撚線導体の応力腐食割れによる
断線の発生を著しく減少できる水密性絶縁電線を開発し
得たものである。即ち、本発明の水密性絶縁電線は、複
数本の素線を撚り合わせてなる撚線導体と、該撚線導体
の外周に設けられた絶縁体層とを有する水密性絶縁電線
において、前記撚線導体の素線相互間の空隙部および撚
線導体と絶縁体層間の空隙部が、プロピレン−ブテン−
1ランダム共重合体20〜80重量%とプロピレン−エ
チレンランダム共重合体80〜20重量%との配合割合
で配合した樹脂分を主体とし、MFRが10〜300g
/10minの組成物に、その樹脂分100重量%に対
して、4,4, −チオビス(3−メチル−6−ターシャ
リブチルフェノール)を0. 1〜1. 0重量%添加した
水密性組成物により、満たされていることを特徴とする
ものである。
着目し、鋭意研究した結果、優れた水密性を具備し、雨
水などの浸入に起因する撚線導体の応力腐食割れによる
断線の発生を著しく減少できる水密性絶縁電線を開発し
得たものである。即ち、本発明の水密性絶縁電線は、複
数本の素線を撚り合わせてなる撚線導体と、該撚線導体
の外周に設けられた絶縁体層とを有する水密性絶縁電線
において、前記撚線導体の素線相互間の空隙部および撚
線導体と絶縁体層間の空隙部が、プロピレン−ブテン−
1ランダム共重合体20〜80重量%とプロピレン−エ
チレンランダム共重合体80〜20重量%との配合割合
で配合した樹脂分を主体とし、MFRが10〜300g
/10minの組成物に、その樹脂分100重量%に対
して、4,4, −チオビス(3−メチル−6−ターシャ
リブチルフェノール)を0. 1〜1. 0重量%添加した
水密性組成物により、満たされていることを特徴とする
ものである。
【0006】本発明にて用いる水密性組成物のベース樹
脂の一つであるプロピレン−ブテン−1ランダム共重合
体としては、プロピレンの含有量が30〜70重量%の
ものが、また、他の一つのプロピレン−エチレンランダ
ム共重合体としては、エチレンの含有量が40〜80重
量%のものを用いるのが好ましいものである。また、ベ
ース樹脂の配合割合を、プロピレン−ブテン−1ランダ
ム共重合体が20〜80重量%とプロピレン−エチレン
ランダム共重合体が80〜20重量%と規定した理由
は、いずれかの樹脂が少なくとも20重量%以上含有し
ていないと得られる樹脂組成物からは良好な水密性が得
られないためである。
脂の一つであるプロピレン−ブテン−1ランダム共重合
体としては、プロピレンの含有量が30〜70重量%の
ものが、また、他の一つのプロピレン−エチレンランダ
ム共重合体としては、エチレンの含有量が40〜80重
量%のものを用いるのが好ましいものである。また、ベ
ース樹脂の配合割合を、プロピレン−ブテン−1ランダ
ム共重合体が20〜80重量%とプロピレン−エチレン
ランダム共重合体が80〜20重量%と規定した理由
は、いずれかの樹脂が少なくとも20重量%以上含有し
ていないと得られる樹脂組成物からは良好な水密性が得
られないためである。
【0007】本発明で、4,4, −チオビス(3−メチ
ル−6−ターシャリブチルフェノール)を添加する目的
は、ケーブル製造時に絶縁体層中の架橋剤が、水密性組
成物中に移行し、ケーブル製造時の熱により水密性組成
物を劣化させるのを防止するためで、4,4, −チオビ
ス(3−メチル−6−ターシャリブチルフェノール)
は、この際の水密性組成物の劣化防止の効果が顕著なた
めである。なお、この4,4, −チオビス(3−メチル
−6−ターシャリブチルフェノール)の添加量は、ベー
ス樹脂100重量%に対して、0. 1重量%未満の添加
量では水密性組成物の劣化防止への効果が薄く、従って
得られる絶縁電線の水密性の低下が防げない。また、
1. 0重量%を超して多量に添加しても当該水密性組成
物の劣化防止の効果の一層の向上は認められない。従っ
て、4,4, −チオビス(3−メチル−6−ターシャリ
ブチルフェノール)の添加量は、ベース樹脂100重量
%に対して0. 1〜1. 0重量%の範囲内で添加すると
良い。
ル−6−ターシャリブチルフェノール)を添加する目的
は、ケーブル製造時に絶縁体層中の架橋剤が、水密性組
成物中に移行し、ケーブル製造時の熱により水密性組成
物を劣化させるのを防止するためで、4,4, −チオビ
ス(3−メチル−6−ターシャリブチルフェノール)
は、この際の水密性組成物の劣化防止の効果が顕著なた
めである。なお、この4,4, −チオビス(3−メチル
−6−ターシャリブチルフェノール)の添加量は、ベー
ス樹脂100重量%に対して、0. 1重量%未満の添加
量では水密性組成物の劣化防止への効果が薄く、従って
得られる絶縁電線の水密性の低下が防げない。また、
1. 0重量%を超して多量に添加しても当該水密性組成
物の劣化防止の効果の一層の向上は認められない。従っ
て、4,4, −チオビス(3−メチル−6−ターシャリ
ブチルフェノール)の添加量は、ベース樹脂100重量
%に対して0. 1〜1. 0重量%の範囲内で添加すると
良い。
【0008】また、本発明において、プロピレン−ブテ
ン−1ランダム共重合体20〜80重量%とプロピレン
−エチレンランダム共重合体80〜20重量%との配合
割合で配合した樹脂分を主体とした組成物のMFRを1
0〜300g/10minと限定した理由は、前記組成
物のMFRが10g/10min未満の組成物では、流
動性が低すぎて撚線導体等への充填不良により良好な水
密性が付与できない。一方、前記組成物のMFRが30
0g/10minを超えて大きいものであると、組成物
の流動性が良すぎて撚線導体内への充填量の保持が難し
く、その結果、得られる絶縁電線は、その絶縁体層表面
に凹凸を発生するなどの事態を引き起こすようになるた
めである。なお、本発明にて用いる水密性組成物には、
本来の特性を損なわない範囲内で、半導電性付与を目的
として、アセチレンブラック、ファーネスブラック、ケ
ッチエンブラック等の導電性カーボンブラックを、その
他、銅害防止剤、酸化防止剤、有機過酸化物、架橋剤、
架橋促進剤、顔料等を配合しても良い。
ン−1ランダム共重合体20〜80重量%とプロピレン
−エチレンランダム共重合体80〜20重量%との配合
割合で配合した樹脂分を主体とした組成物のMFRを1
0〜300g/10minと限定した理由は、前記組成
物のMFRが10g/10min未満の組成物では、流
動性が低すぎて撚線導体等への充填不良により良好な水
密性が付与できない。一方、前記組成物のMFRが30
0g/10minを超えて大きいものであると、組成物
の流動性が良すぎて撚線導体内への充填量の保持が難し
く、その結果、得られる絶縁電線は、その絶縁体層表面
に凹凸を発生するなどの事態を引き起こすようになるた
めである。なお、本発明にて用いる水密性組成物には、
本来の特性を損なわない範囲内で、半導電性付与を目的
として、アセチレンブラック、ファーネスブラック、ケ
ッチエンブラック等の導電性カーボンブラックを、その
他、銅害防止剤、酸化防止剤、有機過酸化物、架橋剤、
架橋促進剤、顔料等を配合しても良い。
【0009】
【作用】本発明の水密性絶縁電線は、撚線導体の素線相
互により形成される空隙部および撚線導体と絶縁体層間
の空隙部に、撚線導体との密着性に優れ、耐熱劣化性に
富み、水密性の良好な樹脂組成物が緊密に充填されてい
るので、長期間に渡り、撚線導体内に雨水などが浸入せ
ず、従って長期間にわたり応力腐食割れなどによる撚線
導体の断線などが発生しない。
互により形成される空隙部および撚線導体と絶縁体層間
の空隙部に、撚線導体との密着性に優れ、耐熱劣化性に
富み、水密性の良好な樹脂組成物が緊密に充填されてい
るので、長期間に渡り、撚線導体内に雨水などが浸入せ
ず、従って長期間にわたり応力腐食割れなどによる撚線
導体の断線などが発生しない。
【0010】
【実施例】以下、本発明の水密性絶縁電線の実施例およ
び比較例を挙げて説明する。 (実施例1〜6および比較例1〜4)図1に示す如き1
9本の硬銅素線2を撚り合わせた断面積22sqmmの
撚線導体3に、表1に示す樹脂組成の水密性組成物の溶
融物を高圧で圧入し、撚線導体3の内部の素線2相互間
の空隙部4に前記水密性組成物の溶融物を充填させ、か
つ、前記撚線導体3の外周にも付着させた。なお、この
場合の水密性組成物の圧入量は、撚線導体3の外周に後
に絶縁体層5を形成した際に、絶縁体層5と撚線導体3
の外周間に形成される空隙部が、前記水密性組成物によ
って隙間無く満たされるように調節した。次いで、上述
のように水密性組成物を充填、かつ付着させた撚線導体
3の外周に、押出被覆機により架橋性のポリエチレン組
成物を押出被覆し、次いで加熱架橋処理して絶縁体層5
を設けて、それぞれの水密性組成物を用いた架空用絶縁
電線1を製造した。
び比較例を挙げて説明する。 (実施例1〜6および比較例1〜4)図1に示す如き1
9本の硬銅素線2を撚り合わせた断面積22sqmmの
撚線導体3に、表1に示す樹脂組成の水密性組成物の溶
融物を高圧で圧入し、撚線導体3の内部の素線2相互間
の空隙部4に前記水密性組成物の溶融物を充填させ、か
つ、前記撚線導体3の外周にも付着させた。なお、この
場合の水密性組成物の圧入量は、撚線導体3の外周に後
に絶縁体層5を形成した際に、絶縁体層5と撚線導体3
の外周間に形成される空隙部が、前記水密性組成物によ
って隙間無く満たされるように調節した。次いで、上述
のように水密性組成物を充填、かつ付着させた撚線導体
3の外周に、押出被覆機により架橋性のポリエチレン組
成物を押出被覆し、次いで加熱架橋処理して絶縁体層5
を設けて、それぞれの水密性組成物を用いた架空用絶縁
電線1を製造した。
【0011】上記のようにして製造した水密性の本発明
の架空用絶縁電線および比較例の架空用絶縁電線につい
て、水密性および絶縁体層の外観を調べた。なお、水密
性試験は、長さ1. 5mに切断した架空用絶縁電線の一
方の切断面に、0. 5kg/cm2 の水圧を印加して2
4時間経過した後、他方の切断面に水が滲み出すか否か
を判断した。また、絶縁体層の外観の判定は、絶縁体層
表面の目視観察により行った。得られた結果を表1に併
記する。
の架空用絶縁電線および比較例の架空用絶縁電線につい
て、水密性および絶縁体層の外観を調べた。なお、水密
性試験は、長さ1. 5mに切断した架空用絶縁電線の一
方の切断面に、0. 5kg/cm2 の水圧を印加して2
4時間経過した後、他方の切断面に水が滲み出すか否か
を判断した。また、絶縁体層の外観の判定は、絶縁体層
表面の目視観察により行った。得られた結果を表1に併
記する。
【0012】
【表1】
【0013】表1から明らかなように、実施例1〜6の
水密性組成物を用いた製造した架空用絶縁電線は、いず
れも絶縁体層の外観は良好であり、水密性試験におい
て、24時間経過後も絶縁電線の切断面から水の滲み出
しはなかった。これに対して、4,4, −チオビス(3
−メチル−6−ターシャリブチルフェノール)の添加量
が、樹脂分100重量%に対して0. 07重量%と本発
明での規定量より少ない添加量の水密性組成物を用いた
比較例1の絶縁電線は、絶縁体層の外観は良好であった
が、水密性試験において、24時間経過以前に絶縁電線
の切断面からの水の滲み出しがはじまった。ベース樹脂
に樹脂組成のMFRが、本発明での規定値を超えた35
0g/10minと大きいものを用いて調製した水密性
組成物を用いた比較例2の絶縁電線は、絶縁体層にかな
りの凹凸が発生した。しかし、水密性試験において、2
4時間経過後も絶縁電線の切断面から水の滲み出しは無
かった。
水密性組成物を用いた製造した架空用絶縁電線は、いず
れも絶縁体層の外観は良好であり、水密性試験におい
て、24時間経過後も絶縁電線の切断面から水の滲み出
しはなかった。これに対して、4,4, −チオビス(3
−メチル−6−ターシャリブチルフェノール)の添加量
が、樹脂分100重量%に対して0. 07重量%と本発
明での規定量より少ない添加量の水密性組成物を用いた
比較例1の絶縁電線は、絶縁体層の外観は良好であった
が、水密性試験において、24時間経過以前に絶縁電線
の切断面からの水の滲み出しがはじまった。ベース樹脂
に樹脂組成のMFRが、本発明での規定値を超えた35
0g/10minと大きいものを用いて調製した水密性
組成物を用いた比較例2の絶縁電線は、絶縁体層にかな
りの凹凸が発生した。しかし、水密性試験において、2
4時間経過後も絶縁電線の切断面から水の滲み出しは無
かった。
【0014】また、ベース樹脂に本発明で規定した樹脂
でないエチレンと酢酸ビニル共重合体を用い、4,4,
−チオビス(3−メチル−6−ターシャリブチルフェノ
ール)を樹脂分100重量%に対して、1. 0重量%添
加した水密性組成物を用いた比較例3の絶縁電線では、
絶縁体層の外観は良好でったが、4,4, −チオビス
(3−メチル−6−ターシャリブチルフェノール)が本
発明で規定した添加量内の量が添加されているにもかか
わらず、水密性試験においては、24時間経過以前に絶
縁電線の切断面からの水の滲み出しがはじまった。ま
た、ベース樹脂にエチレンと酢酸ビニル共重合体を用
い、4,4, −チオビス(3−メチル−6−ターシャリ
ブチルフェノール)を何ら添加しない水密性組成物を用
いた比較例4の絶縁電線では、絶縁体層にはかなりの凹
凸が発生したばかりでなく、水密性試験においては、2
4時間経過以前から絶縁電線の切断面からの水の滲み出
しがはじまった。
でないエチレンと酢酸ビニル共重合体を用い、4,4,
−チオビス(3−メチル−6−ターシャリブチルフェノ
ール)を樹脂分100重量%に対して、1. 0重量%添
加した水密性組成物を用いた比較例3の絶縁電線では、
絶縁体層の外観は良好でったが、4,4, −チオビス
(3−メチル−6−ターシャリブチルフェノール)が本
発明で規定した添加量内の量が添加されているにもかか
わらず、水密性試験においては、24時間経過以前に絶
縁電線の切断面からの水の滲み出しがはじまった。ま
た、ベース樹脂にエチレンと酢酸ビニル共重合体を用
い、4,4, −チオビス(3−メチル−6−ターシャリ
ブチルフェノール)を何ら添加しない水密性組成物を用
いた比較例4の絶縁電線では、絶縁体層にはかなりの凹
凸が発生したばかりでなく、水密性試験においては、2
4時間経過以前から絶縁電線の切断面からの水の滲み出
しがはじまった。
【0015】
【発明の効果】以上、実施例から明らかな如く、本発明
の水密性絶縁電線は、絶縁体層の表面は凹凸もなく美麗
であり、しかも優れた水密性を具備している。従って、
長期間にわたり、撚線導体内に雨水などが浸入しないの
で、応力腐食割れなどによる撚線導体の断線などを防止
できる。
の水密性絶縁電線は、絶縁体層の表面は凹凸もなく美麗
であり、しかも優れた水密性を具備している。従って、
長期間にわたり、撚線導体内に雨水などが浸入しないの
で、応力腐食割れなどによる撚線導体の断線などを防止
できる。
【図1】水密性絶縁電線の一実施例品の断面説明図であ
る。
る。
1・・・・水密性絶縁電線 2・・・・硬銅素線 3・・・・撚線導体 4・・・・素線相互間の空隙部 5・・・・絶縁体層
Claims (1)
- 【請求項1】 複数本の素線を撚り合わせてなる撚線導
体と、該撚線導体の外周に設けられた絶縁体層とを有す
る水密性絶縁電線において、前記撚線導体の素線相互間
の空隙部および撚線導体と絶縁体層間の空隙部が、プロ
ピレン−ブテン−1ランダム共重合体20〜80重量%
とプロピレン−エチレンランダム共重合体80〜20重
量%との配合割合で配合した樹脂分を主体とし、MFR
が10〜300g/10minの組成物に、その樹脂分
100重量%に対して、4,4, −チオビス(3−メチ
ル−6−ターシャリブチルフェノール)を0. 1〜1.
0重量%添加した水密性組成物により、満たされている
ことを特徴とする水密性絶縁電線。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5223830A JPH0757556A (ja) | 1993-08-16 | 1993-08-16 | 水密性絶縁電線 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5223830A JPH0757556A (ja) | 1993-08-16 | 1993-08-16 | 水密性絶縁電線 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0757556A true JPH0757556A (ja) | 1995-03-03 |
Family
ID=16804391
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5223830A Pending JPH0757556A (ja) | 1993-08-16 | 1993-08-16 | 水密性絶縁電線 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0757556A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007284688A (ja) * | 2007-06-11 | 2007-11-01 | Fujikura Ltd | 半導電水密組成物 |
-
1993
- 1993-08-16 JP JP5223830A patent/JPH0757556A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007284688A (ja) * | 2007-06-11 | 2007-11-01 | Fujikura Ltd | 半導電水密組成物 |
JP4708393B2 (ja) * | 2007-06-11 | 2011-06-22 | 株式会社フジクラ | 半導電水密組成物 |
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