JPH03236113A - 架空絶縁電線 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、優れた水密性を有しており、断線が生じ難い
架空絶縁電線に関する。

（従来の技術） 一般に架空絶縁電線のうち、導体を複数本の素線を撚り
合わせた撚線導体としたものは、この撚線導体上に、絶
縁体層、外部半導電層、金属遮蔽層及び防食・保護用の
ソース層が順次被覆・形成された構造になっている。

ところで、かかる架空絶縁電線の導体である撚線には、
時として断線（素線の一部若しくは全部の断線）が発生
することがある。この断線の主な原因としては、応力腐
食割れによるもの、すなわち雨水の浸入等に起因する撚
線の腐食と、各素線に撚を与えたことに起因する残留応
力との相互作用によるものが一般に知られている。

従って、従来より、このような応力腐食割れによる断線
の防止処理をした架空絶縁電線が製造されている。

この断線防止処理をした電線としては、撚線と絶縁体層
との空隙に、水密性の樹脂組成物を満たした構造の架空
絶縁電線の製造が広く行われている。このような構造の
架空絶縁電線は、水密性の樹脂組成物の存在によって雨
水等の侵入を防止し、残留応力を減少させることによっ
て断線の発生を防止するものである。

このような水密性の樹脂組成物を構成材料として用いた
架空絶縁電線の中でも、近年、作業性などの点て優れて
いることから、ゴム、プラスチック系の水密性の組成物
を用いた、いわゆるトライタイプの架空絶縁電線か増加
している。

（発明か解決しようとする課題） かかるトライタイプの架空絶縁電線用の水密性の組成物
としては、おもにエチレン−エチルアクリレート共重合
体やエチレン−酢酸ビニル共重合体を含有するものか多
く用いられている。ところか、これら組成物を使用した
場合には、残留応力に基つく断線原因は解決できるもの
の、依然として次のような問題がある。

まず、エチレン−エチルアクリレート共重合体を含有す
る組成物を用いた場合には、この組成物とｍｓとの密着
性が不良であることから、水密性が低下して雨水の侵入
等の防止か不十分となるという問題がある。

次に、エチレン−酢酸ビニル共重合体を含有する組成物
を用いた場合には、前記共重合体の耐熱性が不十分であ
ることに起因する製造工程上の問題と、それにともなう
水密性低下の問題かある。

すなわち、電線の製造工程上、押出成形機により絶縁体
層を被覆・形成する際には熱が加えられるが、この熱に
よって前記エチレン−酢酸ビニル共重合体か熱分解を生
してしまい、被覆作業か困難となるという問題かある。

そして絶縁体層の被覆・形成作業が困難となり、表面に
図画が発生することかある。その結果、製品の外観が不
良となり、また、その凹凸の部分が長期的には雨水侵入
の要因になるという問題かある。

そこで本発明は、上記の問題点を解決し、優れた水密性
を有しており、雨水の侵入等に起因する撚線導体の腐食
による断線の発生件数を著しく減少させることかできる
架空絶縁電線を提供することを目的とする。

（課題を解決するための手段及び作用）上記した目的を
達成するために、本発明においては、複数の素線を撚り
合わせてなる撚線とそれを被覆する絶縁体層とを中心部
に有する架空絶縁電線において、前記複数の素線相互に
より形成される空隙及び前記撚線と絶縁体から形成され
る空隙か、Ｍ、　Ｆ、　Ｒ，が２０　ｇ／１０ｍｉｎ以
上のエチレン−メチルメタクリレート共重合体を含有す
る樹脂組成物で満たされていることを特徴とする架空絶
縁電線を提供する。

以下、本発明を願書に添付した図面に基ついて説明する
。

図は、本発明の架空絶縁電線の周方向の部分断面図であ
り、絶縁体層より上層は省略している。

本発明の架空絶縁電線ｌは、複数本（図では１９本）の
素線２が撚り合わされてなる撚線３と、撚線３の周囲に
被覆・形成されている絶縁体層５とから構成されている
。

また、本発明の架空絶縁電線１は、図から明らかなとお
り、複数の素線２相互により形成される空隙及び撚線３
と絶縁体５により形成される空隙が、エチレン−メチル
メタクリレート共重合体を含有する樹脂組成物４で隙間
なく満たされている。

樹脂組成物４に含有されるエチレン−メチルメタクリレ
ート共重合体は、Ｍ、Ｆ、Ｒ，（ｍｅｌｔ　ｆｌｏｗ　
ｒａｔｅ）か２０　ｇ／１０ｍｉｎ以上のものである。

ここで〜１．　Ｆ、　Ｒ，か２０　ｇ／１０ｍｉｎ未満
の場合には流動性が低下するので、樹脂組成物４により
前記空隙を満たす作業か困難となり、水密性を低下させ
る要因ともなる。

かかるエチレン−メチルメタクリレート共重合体のＭ、
　Ｆ、　Ｒ，は、４０　ｇ／ｌｏｍｉｎ以上が好ましい
。

また、エチレン−メチルメタクリレート共重合体を構成
するエチレン単位とメチルメタクリレート単位の含有割
合は特に制限されるものではないか、通常はエチレン単
位が６０〜８０重量％であることが本発明の目的を達成
する上で好ましい。

樹脂組成物４には、エチレン−メチルメタクリレート共
重合体のほかに本発明の目的を損なわない範囲内で、酸
化防止剤、有機過酸化物、カーボンブラックなどの顔料
、架橋剤、架橋促進剤等を含有させることができる。

なお、絶縁体層５の構成材料として未架橋の重合体１例
えば、未架橋ポリオレフィン等を使用した場合には、絶
縁体層５を形成したのち、それを連続架橋装置内に導入
して架橋反応を行い、その後、上層の被覆・形成を行う
。

本発明の架空絶縁電線においては、その構成材料である
水密性の樹脂組成物の撚線導体との密着性及び流動性か
優れていることから、撚線導体と絶縁体層との間に空隙
か生しることかなく、また、絶縁体層の被覆・形成作業
も容易であることからその表面に凹凸が生しることかな
い。従って、雨水の侵入を防止できる。

（実施例） 実施例１〜３及び比較例１〜３ 撚線３としては、計１９本の硬銅型の素線２を撚り合わ
せた断面積が２２ｍｍ２のものを用いた。

また、樹脂組成物４としては、それぞれ表に示すものを
用いた。

これらの構成材料を用いて、以下の方法で本発明の架空
絶縁電線ｌを製造した。

まず、溶融状態の前記樹脂組成物４を撚線３の外側から
高圧で圧入し、複数本の硬銅製素線２相互により形成さ
れる空隙内部にまで樹脂組成物４を侵入させた。その後
もさらに圧入を継続し、撚線３の周囲にも樹脂組成物４
を付着させた。なお、この場合の圧入量は、絶縁体層５
を形成した際に、絶縁体層５と撚線３により形成される
空隙が樹脂組成物４によって、隙間なく満たされるよう
に適宜調節した。

次いで、このように樹脂組成物４を付着させた撚線３の
外周面に、押出口にクロスへラドダイを備えた押出機に
よってポリオレフィンからなる絶縁体層５を被覆形成し
て本発明の架空絶縁電線１を得た。

このようにして得られた本発明の架空絶縁電線■につい
て、絶縁体層５の表面状態及び架空絶縁電線ｌの水密性
について試験した。

絶縁体層５の表面状態については、外部半導電層形成前
の絶縁体層５の表面を目視により観察した。

水密性については、長さ１．５ｍに切断した架空絶縁電
線１の一方の切断面に、０．５ｋｇ／ｃＩｆｌ′の水圧
を印加して２４時間放置した場合に他方の切断面に水が
滲出するかとうかで判断した。

（以下余白） ４゜ （発明の効果） 本発明の架空絶縁電線においては、素線相互により形成
される空隙及び撚線とそれを被覆する絶縁体層とで形成
される空隙とが、水密性の樹脂組成物で満たされている
。

従って、本発明の架空絶縁電線は水密性が優れており、
雨水の侵入等に起因する撚線導体の腐食による断線の発
生件数を著しく低下させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の架空絶縁電線の周方向の部分断面で
ある。 ｌ・・・架空絶縁電線、２・・・素線、３・・・撚線、
４・・・樹脂組成物、５・・・絶縁体層

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 複数の素線を撚り合わせてなる撚線とそれを被覆する絶
   縁体層とを中心部に有する架空絶縁電線において、前記
   複数の素線相互により形成される空隙及び前記撚線と絶
   縁体により形成される空隙が、Ｍ．Ｆ．Ｒ．が２０ｇ／
   １０ｍｉｎ以上のエチレン−メチルメタクリレート共重
   合体を含有する樹脂組成物によって満たされていること
   を特徴とする架空絶縁電線。