JPH075614B2 - オルガノシランから多官能性シランの除去方法 - Google Patents

オルガノシランから多官能性シランの除去方法

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JPH075614B2
JPH075614B2 JP63329487A JP32948788A JPH075614B2 JP H075614 B2 JPH075614 B2 JP H075614B2 JP 63329487 A JP63329487 A JP 63329487A JP 32948788 A JP32948788 A JP 32948788A JP H075614 B2 JPH075614 B2 JP H075614B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、オルガノシラン中のより高次官能性シラン不
純物をオルガノシランに転換して、所望の生成物である
オルガノシランからのこれらの不純物の単離及び除去を
促進する方法に係る。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
シリコーン流体及びシリコーンエラストマーの製造に利
用される線状オルガノポリシロキサンの調製のために高
純度オルガノシランモノマー、特にジオルガノジハロシ
ランが必要とされ、その需要がずっと増加している。例
えば、高品質高性能シリコーンエラストマーの調製は線
状オルガノポリシロキサンが最少限量、好ましくは100p
pm(重量基準)以下のレベルの三官能性及び四官能性分
岐単位を含むことが必要である。
本発明の目的において、次の定義が有用である。「官能
性」はシロキサン種の末端封鎖構造を形成する能力
(「単官能性」)、線状構造を形成する能力(「二官能
性」)、分岐構造を形成する能力(「三官能性」)、ネ
ットワーク構造を形成する能力(「四官能性」)に関す
る定義である。
「より高次の官能性シラン」は四官能性シランが三官能
性シランよりより高次の官能性シランであること、三官
能性シランが二官能性シランよりより高次の官能性であ
ること、そして以下同様のことを意味する。例えば高性
能シリコーンエラストマーの調製では、二官能性シロキ
サンモノマーが最少限のより高次官能性すなわち三官能
性及び四官能性の分岐単位を有することが必要である。
ジメチルジクロロシランと少量のメチルトリクロロシラ
ンの混合物は三官能性の不純物を含む二官能性物質の例
である。
オルガノシランの製造では、反応混合物から個々の種の
分離は慣用的に蒸留によって行われている。この場合個
々のオルガノシラン成分の沸点は非常に近く、蒸留操作
が非常に難かしくする。非常に困難な蒸留分離の一例
は、ジオルガノジハロシランとオルガノトリハロシラン
の組み合せである。この様な組み合せの例には次の混合
物がある。
ジメチルジクロロシラン/メチルトリクロロシラン、 メチルビニルジクロロシラン/ビニルトリクロロシラ
ン、 フェニルメチルジクロロシラン/フェニルトリクロロシ
ラン、 ジメチルジクロロシラン/フェニルトリクロロシラン 分離が困難な例として、ジメチルジクロロシランとメチ
ルトリクロロシランの沸点は約4℃離れているだけであ
る。ジメチルジクロロシランにおけるメチルトリクロロ
シラン含有量をシリコーン産業が要求するレベルまで十
分に低減するためには現在極めて厳しい蒸留操作が必要
である。現在の蒸留法ではこの困難な分離を実現するた
めに、蒸留装置のための大きな資本投下と大量の還流要
件を満たす蒸気の形での大量のエネルギー消費を必要と
する。この点を説明するために、Lucasは米国特許第2,5
94,946号明細書(1952年4月29日発行)においてシリコ
ンと塩化メチルとの直接反応法から得られるジメチルジ
クロロシランを蒸留して分離する場合、200プレートの
カラムによって最も注意深く分離してもジメチルジメチ
ルシランは約99.6モル%のジメチルジクロロシランと0.
4モル%のメチルトリクロロシランを含むことを述べて
いる。
本発明の1つの目的は蒸留による現在の純化方法よりも
より安価にオルガノシランのより高次官能性シラン含分
を顕著に低減する方法を提供することにある。本発明の
もう1つの目的は所望のオルガノシラン生成物を変化さ
せることなくより高次官能性シランを転換することであ
る。最後に本発明の目的の1つはオルガノトリハロシラ
ン物質の化学的転換及び単離のために必要な化学試薬及
び触媒の取扱い量及び廃棄量を最少限にすることであ
る。
〔課題を解決するための手段及び作用効果〕
少量のオルガノトリハロシラン又は四官能性シランを含
むオルガノシランをトリジオルガノシロキサンと接触さ
せてより高次官能性シランをシロキサン物質中に混合
し、所望のオルガノシランからより高次官能性シラン不
純物の分離をより容易にすることができることが見い出
された。より高次官能性シランとポリオルガノシロキサ
ンの反応はリン含有化合物、チッソ含有化合物及び活性
化炭素等の触媒の存在で促進される。触媒はリン酸又は
活性化炭素の様な入手容易な安価な材料であることがで
きる。更に、ポリオルガノシロキサンは所望のジオルガ
ノハロシランの対応するシロキサンであることができ
る。こうしてポリオルガノシロキサンはジオルガノジハ
ロシランの後の処理から又は少量部分のジオルガノハロ
シランの単純な加水分解によって入手可能である。本発
明はオルガノシランのより高次官能性シラン含分を100p
pm以下のレベルに低減することが可能である。
本発明はLucasの米国特許第2,594,946号明細書に開示さ
れているジオルガノジアシロキシシランに、Cahoyの独
国特許DE1,087,601号明細書に開示されているジオキサ
ン、又は日本国特許公報昭61-2545945号のアプロティッ
ク(非プロトン性)極性溶剤及びアルキレンオキシド化
合物のような特別の試薬を必要としない。更に、本発明
はHyde米国特許第2,738,359号明細書及び英国特許第1,0
96,476号明細書に開示されている多官能性シランと固体
錯体を生成する特別の高価な試薬を必要としない。最後
に、オルガノシランはTolentinoの米国特許第4,421,926
号明細書に開示されているアルコキシシランの様なその
他の化学種に化学的に変換されること無くそのまま回収
される。
本発明に従えば、以下に詳しく説明される様な条件下で
オルガノシランを処理してより高次官能性シランの含有
量を低減する方法が提供される。即ちこの方法は、式Ri
aSiX4-a(式中、各Riはそれぞれ独立して水素原子、ア
ルキル基、置換アルキル基、アルケニル基及びアリール
基からなる群より選ばれ、各Xはそれぞれ独立してハロ
ゲン原子から選ばれ、aは1,2,3又は4の値を有し、少
なくとも1個のRiはアルキル基、置換アルキル基、アル
ケニル基又はアリール基でなければならない。)を有す
るオルガノシランを、式Rii bSiX4-b(式中、各Riiはそ
れぞれ独立してアルキル基、置換アルキル基、アルケニ
ル基、アリール基及び置換アリール基からなる群より選
ばれ、bは0,1,2又は3の値を有しかつaより小さくな
ければならず、Xは上記定義の通りである。)を有する
より高次官能性シランの含分を低減して純化する方法で
あって、(A)主成分としての上記オルガノシランと少
量成分としての1種又は2種以上のより高次官能性シラ
ンとの混合物を、 〔式中、Riは上記定義の通りであり、各Yはそれぞれ独
立してハロゲン原子及びトリアルキルシロキシ基からな
る群より選ばれ、nは3〜9の値を有し、mは約1000以
下の値を有する。〕からなる群より選ばれたオルガノシ
ロキサン、及び該より高次官能性シランと該オルガノシ
ロキサンとの反応を推進するのに有効な量の触媒と接触
させ、(B)該より高次官能性シランと該オルガノシロ
キサンとの間の前記反応を促進して、該より高次官能性
シランを式 〔式中、各Pはそれぞれ独立して-SiRii 2X,-SiRiiX2
び-SiX3からなる群より選ばれ、各Rii,X及びYはそれぞ
れ独立して選ばれかつ上記定義の通りであり、qは約10
00以下の値を有する。〕を有する多官能性シロキサンに
転換し、そして(C)該オルガノシランを該多官能性シ
ロキサン及び該オルガノシロキサンから単離する工程か
らなる方法が提供される。この方法はより特定的には式
Ri cSiX4-c(RiおよびXは上記定義の通りであり、cは
2,3又は4の値を有する。)を有するオルガノシランの
純化に適用することができる。更に、より高次官能性シ
ランは式Rii dSiX4-b(式Rii及びXは上記定義の通りで
あり、dは0又は1の値を有する。)を有することがで
きる。
この方法は更に工程(B)においてオルガノシラン及び
より高次官能性シランの前記混合物、前記オルガノシロ
キサン、及び前記触媒と、ハロゲン化水素とを触媒させ
る工程を含むことができる。ハロゲン化水素はより高次
官能性シランを多官能性シロキサンへの変換に有用な作
用を与えると考えられる。ハロゲン化水素は例えばフッ
化水素、塩化水素、臭化水素又はヨウ化水素であること
ができる。
本発明の目的において、触媒に関して、用語「より高次
官能性シランとオルガノシロキサンの間の反応を推進す
るのに有効な」はより高次官能性シランとオルガノシロ
キサンの間の反応を推進して多官能性シロキサンを生成
する全ての触媒を指称する。この様な触媒の例にはリン
含有化合物、チッソ含有化合物及び活性化炭素がある。
リン含有化合物は例えばリン酸、有機リン酸、有機ホス
ホン酸、有機ホスホン酸塩、ホスホニトリルハライド、
第四級ホスホニウムハライド及びホスフィンオキシドで
あることができる。チッ素含有化合物は例えば脂肪族ア
ミン、芳香族アミン、第四級アンモニウム水酸化物、第
四級アンモニウムハライド、アミンヒドロハライド、ア
ミンのカルボン酸塩、第四級アンモニウム水酸化物の炭
酸塩であることができる。同様に触媒は固体担体上に担
持されることができる。固体担体は例えば有機樹脂、シ
リカゲル、又は活性化炭素であることができる。好まし
い触媒はリン酸及び活性化炭素である。
リン含有化合物はオルガノシラン及びより高次官能性シ
ランの混合物に関して約0.1重量%以上の濃度で存在す
べきである。0.1重量%より低いリン含有化合物の濃度
でも反応は推進されると考えられる。しかしながら、こ
の様な低い濃度では長い反応時間を必要とし、不活性化
及び被毒に対してより敏感になるであろう。リン含有化
合物の好ましい濃度は約0.1〜10重量%の範囲である。
更に高濃度のリン含有化合物も利用できるが、それ以上
の付加的な利益は得られない。
以上の記載はチッ素含有化合物にも適用可能であると考
えられる。
オルガノシランとより高次官能性シランの混合物を基準
とする触媒としての活性化炭素の濃度は約2.0重量%以
上であるべきである。
純化される非分岐オルガノシランモノマー、例えば、メ
チルトリフルオロシラン、メチルトリクロロシラン、エ
チルトリブロモシラン、エチルトリクロロシラン、i−
プロピルトリクロロシラン、n−ブチルトリクロロシラ
ン、フェニルトリクロロシラン、ビニルトリクロロシラ
ン、アリルトリブロモシラン、トリフルオロプロピルト
リクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジメチルジ
ブロモシラン、メチルジクロロシラン、メチルエチルジ
クロロシラン、ジエチルジクロロシラン、フェニルメチ
ルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、フェニ
ルジクロロシラン、メチルビニルジクロロシラン、エチ
ルアリルジブロモシラン、トリフルオロプロピルメチル
ジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、ジメチルク
ロロシラン、t−ブチルジメチルクロロシラン、ジフェ
ニルメチルクロロシラン、ジメチルビニルクロロシラ
ン、メチルフェニルビニルクロロシラン、テトラメチル
シラン、又はテトラエチルシランである。
この方法で除去されるより高次官能性シランモノマーに
は例えばテトラオルガノシランを除く上記オルガノシラ
ンモノマーの全てを含む。更に、より高次官能性シラン
モノマーは、例えば、テトラフルオロシラン、テトラク
ロロシラン、テトラブロモシラン、テトラヨウドシラ
ン、又は置換アルキルシラン及び置換アリールシラン、
例えばCl3SiC6H10SiCl3,Cl2C6H5SiCH2SiCl3,(SiCl3)2C6
H3SiCl3,(SiCl3OSiCl2)C6H4SiCl3,C6H5SiCl2CH(CH3)SiC
l3,C5H11C6H4SiCl3,Cl3SiC6H4CH2SiCl3、又はC3H7SiCl2
C6H4SiCl3がある。オルガノシラン中の多官能性シラン
の初期濃度は通常約0.1重量%以上であろう。多官能性
シランの初期濃度は一般的には約0.1〜5.0重量%の範囲
であろう。
オルガノシランはいろいろな商業的方法から混合物とし
て製造される。例えば、シリコンと塩化メチルの直接反
応からメチルクロロシランを製造する場合には、主生成
物はジメチルジクロロシランと、少量生成物としてのメ
チルシラン、クロロシラン及び水素含有シランのいろい
ろな混合物である。いろいろのメチルクロロシランは蒸
留のような慣用の手段で分離及び単離される。しかしな
がらメチルトリクロロシラン混入からのジメチルジクロ
ロシランの単離は約1重量%以下の濃度では慣用の蒸留
法では非常に難かしくなる。慣用の蒸留法ではジメチル
ジクロロシランのメチルトリクロロシラン含有量を約0.
5〜2.0重量%の範囲内のレベルに容易に低減する。約0.
1重量%以下のレベルのメチルトリクロロシランは非常
に厳しい蒸留によって達成され、多段の蒸留工程と蒸留
カラムへの非常に高い還流率によって達成される。
より高次官能性シランと混合して用いることができるオ
ルガノシロキサンにはシクロポリジオルガノシロキサ
ン、水酸基末端封鎖線状ポリジオルガノシロキサン、ハ
ロ末端封鎖線状ポリジオルガノシロキサン、トリアルキ
ルシロキシ末端封鎖線状ポリジオルガノシロキサン、又
はヘキサオルガノジシロキサンがある。シクロポリジオ
ルガノシロキサンの例はヘキサメチルシクロトリシロキ
サン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、テトラメ
チルテトラビニルシクロテトラシロキサン、又はヘキサ
フェニルシクロトリシロキサンである。線状ポリジオル
ガノシロキサンの例は である。ヘキサオルガノジシロキサンは例えばヘキサメ
チルジシロキサン、テトラメチルジビニルジシロキサン
又はジメチルジフェニルジビニルジシロキサンであるこ
とができる。
用いるオルガノシロキサン及び除去すべきより高次官能
性シランに応じて、対応するより高次官能性シロキサン
が生成するであろう。多官能性シロキサンは例えば、 である。
オルガノシロキサンはオルガノシランとより高次官能性
シランの混合物に関して約1重量%以上の濃度で存在す
べきである。オルガノシラン、より高次官能性シランオ
ルガノシロキサン及び多官能性シロキサンの間で化学的
平衡が実現される。1重量%のオルガノシロキサン濃度
が、より高次官能性シランが有効に多官能性シロキサン
に転換される下限であると考えられる。それより低い濃
度のオルガノシロキサンも利用できるが、より高次官能
性シランの転換が減少するであろう。10〜20重量%のオ
ルガノシロキサン濃度が好ましい。しかしながら、それ
より高濃度のオルガノシロキサンも逆効果無く利用でき
る。オルガノシロキサンの価値の損失を最少限にするた
めに、オルガノシロキサンと多官能性シロキサンの混合
物を再循環することができる。しかしながら、再循環は
上記の化学平衡及び純化されたオルガノシラン中のより
高次官能性シランの必要なレベルによって制約されるで
あろう。
より高次官能性シランとオルガノシロキサンの反応は周
囲温度又は約20℃以上の温度で進行することが見い出さ
れた。より高い温度が反応速度を高めるので有利であ
る。しかしながら約200℃より高い温度は有機基の開裂
やより高次官能性シランの追加を生じて生成物品質に対
して悪影響があると考えられる。
オルガノシランとより高次官能性シランの混合物、オル
ガノシロキサン、及び触媒の間の反応は所与の適当な触
媒及び温度条件で非常に急速に起きることができる。こ
の反応は数分あるいはそれ以下で完了することができ
る。
一度より高次官能性シランが多官能性シロキサンに転換
されると、所望のオルガノシランと比べてより高い沸点
の多官能性シランは慣用の蒸留法でより高次官能性の著
しく減少した含有量を持ってオルガノシランの単離を促
進する。この蒸留の要件は本発明以外の所望のオルガノ
シランからより高次官能性シランの分離のために必要と
されるより数桁のオーダーで小さいことができる。
本発明を適用することによって、オルガノシラン中のよ
り高次官能性シラン含有量の80%以上の減少を実現する
ことができる。例えば、ジメチルジクロロシランからメ
チルトリクロロシランを分離する場合、90%以上、より
典型的には99%以上のメチルトリクロロシラン含有量の
減少を実現することができる。
本発明の方法はバッチモードで実現することができる。
バッチモードは例えば機械的攪拌器で混合して反応体及
び触媒の接触を促進する手段を有する慣用のバッチ式反
応器であることができる。バッチ式反応器は加熱及び冷
却手段並びに反応基内容物を液相に保つことを確実にす
る圧力下で操作する手段を有することができる。又、バ
ッチ式反応器は、慣用のバッチ式又は連続式蒸留カラム
を一体化することもできる。
本発明の方法は連続モードでも実施することができる。
連続モードは例えば慣用の充填カラム又はトレー式カラ
ムのようなカラム型反応器であることができる。連続式
反応器はハロシラン、シロキサン及び触媒供給のための
分離された又は一体化された供給装置を取り付けたもの
であることができる。これらの供給装置は適当な流量制
御手段を有する慣用のポンプであることができる。連続
式反応器は加熱、冷却、及び圧力下操作のための手段を
有することができる。連続式反応系は系と一体化された
蒸留手段を有して純化されたオルガノシランを連続的に
回収することができる。代替的に、蒸留装置は反応装置
から分離されていることができる。
〔実施例〕
当業者が本発明をより良く理解できるようにするために
以下に実施例を説明する。これらの実施例は発明を説明
するものであって特許請求の範囲を限定するものと解釈
されてはならない。
例1(本発明の範囲外) 攪拌器と加熱及びガス排気手段を有する実験室反応器に
約1重量%のメチルトリクロロシラン(Me)、94重量%
のジメチルジクロロシラン(Me2)、及び5重量%オク
タメチルシクロテトラシロキサン(D4)から成る混合物
約100gを添加した。攪拌したシラン−シロキサン混合物
に0.001gの塩化第二鉄を添加した。反応温度は約30°〜
35℃に保持した。
約44時間の間周期的にこの混合物の試料を採取した。こ
れの試料をガスクロマトグラフィーで分析した。ガスク
ロマトグラフィー分析はMe,Me2,D4、及び式 のクロロメチルシロキサンの含分によって試料を特徴づ
けた。表1はこの周期的採取試料の分析結果のまとめで
ある。表1において試料採取時間は時間で表わし、「時
間」で指示し、Me含分、Me2含分、D4含分、Cl2含分及び
Cl3含分はそれぞれ「%Me」,「%Me2」,「%D4」,
「%Cl2」、及び「%Cl3」で指示する。
上記の結果は塩化第二鉄の存在においてジメチルジクロ
ロシランとオクタメチルシクロテトラシロキサンの間に
反応が起きてジメチルジクロロシロキサンが生成したこ
とを示している。しかしながら三官能性メチルトリクロ
ロシランからシロキサン材料中への混入は起きなかっ
た。
例2(本発明の範囲外) 例1に記載したような反応器にMe2,Me、およびD4の混合
物100gを添加した。反応器温度は約30℃に保持した。無
水塩化水素をこの混合物を通してバブルした。
この混合物の試料を43時間の期間に亘って周期的に採取
した。これらの試料をガスクロマトグラフィーで分析し
た。ガスクロマトグラフィー分析はMe,Me2,D4、及びク
ロロメチルシロキサンの含分によって試料を特徴づけた
(例1に規定した通りである)。表2はこの周期的採取
試料の分析結果をまとめたものである。例1と同じ表記
法を表2でも適用する。
上記の結果は塩化水素はこれらの条件においてクロロシ
ラン/クロロシロキサン交換反応のメチルトリクロロシ
ランの反応によるクロロシロキサンの生成も触媒しない
ことを示している。
例3 加熱及びガス排気手段を取り付けた攪拌される実験室反
応器に約1gのMe及び99gのMe2から成る混合物約100gを添
加した。このクロロシラン混合物に0.8gの水を添加し
た。次に攪拌したこの混合物に85%O−リン酸0.6gを添
加した。反応混合物を周囲圧力下約30℃に保持した。
反応混合物の試料を116時間の期間に亘って周期的に採
取した。これらの試料をガスクロマトグラフィーで分析
した。ガスクロマトグラフィー分析はMe,Me2,D4、及び
クロロメチルシロキサンの含分によって試料を特徴づけ
た(例1に記載の通り)。表3はこの周期的採取試料の
分析結果をまとめたものである。例1におけると同じ表
記法を表3でも適用する。
次に反応器の内容物を蒸留して約100℃の反応器温度に
した。回収された蒸留物をガスクロマトグラフィーで分
析し、400ppm以下のMeを持つMe2であることを見い出し
た。
上記の結果はジメチルジクロロシランとジクロロシロキ
サンの間に平衡が実現されていることを示している。こ
の結果は更に、メチルトリクロロシランが消費され、メ
チルトリクロロシランの消滅がトリクロロシロキサンの
増加と対応することを示している。更に重要なことに
は、上記の結果は上記の如くジメチルジクロロシラン/
メチルトリクロロシラン混合物が著しく減少した量のメ
チルトリクロロシランを有するジメチルジクロロシラン
を生成することを示している。
例4 上記の例に記載したような実験室反応器においてMe2
に約1%のMeを含んで成る混合物109gに約4gのポリジメ
チルシロキサンジオール を添加した。
このポリジエチルシロキサンディオールはqの値として
約50を有した。
この混合物に85%O−リン酸0.8gを添加した。反応器は
約5ポンド毎平方インチの塩化水素ゲージ圧(psig)を
保持する手段を有した。混合物は約45℃に保持した。
混合物の試料を115時間の期間に亘って周期的に採取し
た。これらの試料をガスクロマトグラフィーで分析し
た。ガスクロマトグラフィー分析はMe,Me2,D4、及びク
ロロメチルシロキサンの含分によって試料を特徴づけた
(例1によると同様)。表4は周期的採取試料の分析結
果のまとめである。例1において用いたと同じ表記法を
表4でも適用する。
上記の結果はポリジメチルシロキサンジオールが所望の
クロロシラン/シロキサン交換のためのシロキサン材料
の適当なソースであることを示している。上記の結果は
ジメチルジクロロシランジクロロシロキサンの間で平衡
が実現されることを示している。この結果は更に、メチ
ルトリクロロシランが消費され、メチルトリクロロシラ
ンの消滅がトリクロロシランの増加と対応することも示
している。
例5 例3に記載したような容器にMe2/Me/D4の混合物105gを
添加した。この混合物に約9gのDuolite ES-467イオン交
換樹脂を添加した。この弱酸型樹脂はポリスチレンポリ
マーに結合したアミノ/ホスホン酸感応性を意味する。
Duolite ES-467はダイヤモンドシャムロック社(オハイ
オ州クリーブランド)の商品名である。塩化水素と思わ
れるガスの発生が認められた。反応器圧力を5psigに保
持し、温度を48℃に保持した。
混合物の試料を58時間の期間に亘って周期的に採取し
た。これらの試料をガスクロマトグラフィーで分析し
た。ガスクロマトグラフィー分析はMe,Me2,D4、および
クロロメチルシロキサンの含分によって試料を特徴づけ
た(例1におけると同様)。表5はこの周期的採取試料
の分析結果のまとめである。例1におけると同じ表記法
を表5においても適用する。
これらの上記結果はリン含有物質がメチルトリクロロシ
ランを消費して、トリクロロシロキサン材料を取り入れ
ることを促進することを示している。
例6 例4に記載したように反応器にMe/Me2/D4混合物75gを充
填した。この混合物に10gのシリカゲルを添加した。シ
リカゲルは70マイクロmの平均粒径を有した。固体及び
液体の混合物を十分に攪拌した。スラリーの温度を約45
℃に保持し、圧力を5psigに保持した。
試料を約75時間後に採取した。試料をガスクロマトグラ
フィーで分析した。この分析はMeが実質的に全く消費さ
れていないことを示した。
この時点で、混合物に85%のO−リン酸0.5gを添加し
た。90分後に試料を採取した。この試料を試料Aとして
現わす。ガスクロマトグラフィーはこの試料が0.001%
以下のMeを有することを示した。この反応混合物に更に
1.2gのMeを添加した。この混合物を続いて47時間の期間
に亘って試料を採取した。この混合物は試料Bとして現
わす。これらの試料をガスクロマトグラフィーで分析し
た。ガスクロマトグラフィーはMe,Me2,D4、及びクロロ
メチルシロキサンの含分によって試料を特徴づけた(例
1におけると同様)。表6は周期的採集試料の分析結果
のまとめである。表1におけると同じ表記法を表6でも
適用する。
これらの上記結果はリン物質がメチルトリクロロシラン
のトリクロロシロキサンへの変換を促進することを現わ
している。
例7 例4で用いたと同様の反応基にMe/Me2/D4の混合物約100
gを添加した。混合物を41℃に加熱して保持した。反応
混合物に活性化炭素15gを添加した。活性化炭素はAtlas
Chemical Industriesによって製造されたDarco Grade4
×12であった。活性化炭素中の水とクロロシランの反応
から気体状塩化水素が発生したことが気付かれた。反応
器の圧力は10psigに保持した。
混合物の試料を122時間の期間に亘って周期的に採取し
た。これらの試料をガスクロマトグラフィーで分析し
た。ガスクロマトグラフィー分析はMe,Me2,D4及びクロ
ロメチルシロキサンの含物によって試料を特徴づけた
(例1に記載の通り)。表7は周期的採取試料の分析結
果のまとめである。例1におけると同じ表記方法を例7
でも採用する。
上記の結果は塩化水素の存在における活性化炭素がメチ
ルトリクロロシランの反応によるトリクロロシロキサン
の生成の有効な触媒であることを示している。
例8 例7の装置及び手順を用いてもう1つの実験を行なっ
た。唯一の変更は温度を67℃に保持したことである。
混合物の試料を120時間の期間に亘って周期的に採取し
た。これらの試料をガスクロマトグラフィーで分析し
た。ガスクロマトグラフィー分析はMe,Me2,D4、および
クロロメチルシロキサンの含分によって試料を特徴づけ
た(例1と同様)。表8は周期的採取試料の分析の結果
のまとめである。例1で用いたと同じ表記方法を表8で
も用いる。
上記の結果は、活性化された炭素がメチルトリクロロシ
ランのトリクロロシロキサンへの有効な触媒であること
を示している。この結果は又温度がこの反応に著しく影
響しないことを示している。
例9 先行例に記載した装置にMe/Me2/D4混合物を約100g添加
した。この混合物を46℃の温度に加熱して保持した。攪
拌した混合物に4gのAmberlyst A-26イオン交換樹脂ビー
ズを添加した。Amberlyst A-26はローム・アンド・ハー
ス社から購入した市販の材料である。Amberlyst A-26は
ポリマー骨格に結合したアミン官能基を有する強塩基型
樹脂である。この樹脂は50重量%の水分含有量を有す
る。本樹脂を混合物に添加すると塩化水素ガスの発生が
明らかに示された。混合物の試料を36時間の期間に亘っ
て周期的に採取した。これらの試料をガスクロマトグラ
フィーで分析した。ガスクロマトグラフィー分析はMe,M
e2,D4およびクロロメチルシロキサンの含分によって試
料を特徴づけた(例1に程示と同様)。表9は周期的採
取試料の結果をまとめたものである。例1に用いたと同
じ表記方法を表9でも適用する。
表記の結果は窒素含有材料がメチルトリクロロシランの
トリクロロシロキサンへの変換の触媒として用いること
ができることを示している。
例10 N,N−ジメチルホルムアミドの触媒としての使用を評価
した。参考例で用いた装置及び手順を採用した。反応器
にMe/Me2/D4混合物100gを添加した。攪拌した混合物に1
07gのジメチルホルムアミドを添加した。
混合物の試料を36時間の期間に亘って周期的に採取し
た。これらの試料をガスクロマトグラフィーで分析し
た。ガスクロマトグラフィー分析はMe,Me2、オクタメチ
ルシロキサン(D4)、及びクロロメチルシロキサンの含
分によって試料を特徴づけた(例1と同様)。表10は周
期的採取試料の分析結果のまとめである。例1で用いた
と同じ表記方法を表10でも適用する。
ガスクロマトグラフィー分析によると、著しい量の高沸
点材料がより高次のシロキサン材料であると考えられる
ことを示した。表記の結果はN,N−ジメチルホルムアミ
ドがメチルトリクロロシランの高沸点シロキサンへの変
換の触媒であることができることを示している。
例11 メチルトリクロロシランのトリクロロシロキサンへの転
換に際する触媒の濃度及びシロキサン濃度の作用を調べ
るための一連の実験を行った。用いた装置及び手順は先
行例に記載したものと同様であった。変更した手順はN
e,D4、およびO−リン酸を反応基中で一夜一緒に混合し
てジクロロシロキサンの生成を促進させたことである。
4つの実験を夫々試料D,E,F,G,H,JおよびKとして特定
する。全ての実験は約30℃の温度及び約3psigの圧力で
行った。表11はこれらの実験を行った条件をまとめたも
のである。特定された条件は「%Me」で指示される試料
中のMeの重量%、「%D4」で指示されるD4の重量%、
「%触媒」で指示されるO−リン酸の重量%であり、試
料の残りはMe2である。
触媒及びD4の濃度が高いと反応が非常に急に起きること
が見い出された。試料の分析を促進させるために、反応
器の蒸気空間からガス試料を採取してMeとMe2を反応器
中の触媒から分離し、それらを反応する前に試料が更に
反応することを回避した。反応器から15,30、及び60分
に及び4時間後にそれぞれ試料を採取した。4時間後に
採取したクロロシラン試料を反応器から蒸留して反応器
の内容物の温度が120℃に達成するまで蒸留した。
表12はこれらの実験のまとめである。「分」又は「時
間」で試験を指示されたいろいろな時間での反応期間、
及び「蒸留試料」として指示された蒸留物についての結
果をMe2中のppmMe2で報告する。
上記の結果は触媒濃度及びD4(又はその他のシロキサ
ン)濃度がメチルトリクロロシランが高沸点トリシロキ
サンとして消費される速度に著しく影響することを示し
ている。
例12 ジメチルジクロロシランをシロキサン及び活性化炭素で
連続的に処理してシクロロジクロロシランのメチルトリ
クロロシラン含分を低減する様子を評価するために実験
室装置を組み立てた。
実験室装置は真中の首に取り付けたガラス製カラムを持
つ1の三首フラスコから成った。このカラムは直径3/
4インチ、高さ約8インチであった。カラムに約35mlの
活性化炭素果粒を充填した。活性化炭素は12×32メッシ
ュのCalgon PCBであった。フラスコを半球状加熱マント
ル中に置き、カラムを電気加熱テープで巻いた。加熱マ
ントルに電流を流し、加熱テープを制御してフラスコ中
及びカラム中の温度を保持した。
ジメチルジクロロシランとメチルトリクロロシランの流
体供給混合物を実験室シリンジポンプでフラスコに供給
した。塩化水素ガスを圧縮ガスシリンダーからフラスコ
へ供給した。ガス流量は回転計で制御した。ジメチルジ
クロロシラン/メチルトリクロロシラン混合物をフラス
コ中で蒸気化した。塩素末端封止ジメチルシロキサンの
流体供給物を実験室シリンジポンプでカラムの頂部に供
給した。装置の装作において、クロロシラン蒸気と塩化
水素ガスを上向きにカラム中に通過させた。これらの蒸
気はカラムを下方向に通過する流体シロキサンと接触し
た。カラム温度は約130℃に制御して処理したジメチル
ジクロロシランの蒸気のカラムからの流出を促進した。
これらの蒸気を凝縮してガスクロマトグラフィーで分析
した。シロキサンをフラスコ中で集めた。
1.08重量%のメチルトリクロロシランを含むジメチルジ
クロロシランを16ml/hrの速度でフラスコに供給した。
塩化水素を0.5l/hrで供給した。シロキサンを約16ml/hr
でカラムの頂部に供給した。カラムの頂部で集めたジメ
チルジクロロシランは100ppm以下のメチルトリクロロシ
ランを含有した。
上記の結果はジメチルジクロロシラン中のメチルトリク
ロロシラン含分を連続濃度で活性化炭素の存在において
クロロシロキサンで処理することによって著しく低減す
ることができることを示している。
例13 ジメチルジクロロシランをシロキサン及びリン含有物質
で連続的に処理してジメチルジクロロシラン中のメチル
トリクロロシラン含分を低減する様子を評価するために
実験室装置を組み立てた。
例12に用いたと類似の装置及び手順を用いた。充填カラ
ムではないカラムは10個のトレイ式ダブルキャップカラ
ムであった。ダブルキャップトレイ断面は直径約2cm、
高さ25cmであった。ダブルキャップカラムは真空ジャケ
ットに収容した。更に、ジメチルジクロロシラン供給物
をフラスコに供給する前に予備加熱器に通過させた。
ジメチルジクロロシラン供給物は0.5重量%のメチルト
リクロロシランを含有した。シロキサン/触媒供給物は
60gのジメチルジクロロシランと35gのオクタメチルクロ
ロテトラシロキサンを混合して調整し、この混合物を試
薬級85%のオルトリン酸5gをゆっくり添加した。
予備加熱温度を110°に保持した。フラスコ温度は120°
に制御した。カラムの頂部は85°に制御した。
160時間の長い実験を行った。ジメチルジクロロシラン
を約0.6〜0.9g/hrの速度で供給した。塩化水素ガスを0.
7g/hrの速度で供給した。シロキサン/触媒混合物をカ
ラムの頂部に約0.01〜0.04ml/hrの速度で供給した。
実験の途中で採取した処理済みジメチルジクロロシラン
の試料は重量基準で100ppm以下のメチルトリクロロシラ
ンの含分を有した。上記の結果はジメチルジクロロシラ
ン中のメチルトリクロロシラン含分が連続モードでリン
含有触媒の存在におけるシロキサンによる処理によって
著しく低減できることを示している。
例14 1フラスコに粗ジフェニルジクロロシラン(Ph2
〔(C6H5)2SiCl2〕約600gとオクタフェニルシクロテトラ
シロキサン(Ph2環状物)約60gを添加した。フラスコに
は機械的攪拌器、加熱及び冷却手段、流体及び蒸気供給
物の添加手段、及びガス排気手段を取り付けた。このフ
ラスコを窒素でパージした。約30gのO−リン酸85%工
業品を10〜15分の期間に亘ってフラスコにゆっくり添加
し、塩化水素(HCl)と思われる蒸気を系から排気し
た。フラスコ及びその内容物を55℃に加熱した。HClガ
スを圧縮ガスシリンダーからフラスコ中の混合物を通し
てバブルした。
フラスコ及びその内容物をこの条件に約2日間保持し
た。フラスコの内容物を系が50℃に達した後1.25時間及
び10時間で試料を採取した。これらの試料を約10時間ガ
スクロマトグラフィー(GC)法で分析した。個々の化学
種は予めガスクロマトグラフィー/質量分析法で同定し
た。
粗Ph2は主な不純物として一般式RiiSiCl3(Riiが置換ア
ルキル基又は置換アリール基である)の官能性クロロシ
ランであった。粗Ph2中の同定された三官能性トリクロ
ロシランの幾つかはCl3SiC6H10SiCl3,Cl2C6H5SiCH2SiCl
3,(SiCl3)2C6H3SiCl3,(SiCl3OSiCl2)C6H4SiCl3,C6H5SiC
l2CH(CH3)SiCl3,C5H11C6H4SiCl3,Cl3SiC6H4CH2SiCl3
又はC3H7SiCl2C6H4SiCl3である。
表13は反応前及び混合物を温度に導いた後各々1.25時間
及び10時間後に採取した混合物の分析の結果をまとめた
ものである。表13において試料は採取した時間で指示
し、「時間」で表した。分析の結果は存在するクロロシ
ランを基準とするGCの面積の%「%」で報告する。クロ
ロシランは「成分」として表す。同定した成分は所望の
Ph2及び全三官能性クロロシラン含分であり、夫々「P
h2」及び「三官能」で表す。
上記の結果は粗ジフェニルジクロロシラン混合物中の三
官能性クロロシラン含分がリン酸の存在におけるフェニ
ルシロキサンとの反応によって低減することができるこ
とを表わしている。
例15 例14の装置及び手順を用いて第2の実験を行った。この
手順で純化したPh2は蒸留によって単離した。614.8gの
粗Ph2,61.4gのPh2環状物、及び31.1gのリン酸を用い
た。フラスコの内容物を実験の初め及びフラスコ及びそ
の内容物が90℃に達した後1.1時間及び9時間後に試料
を採取した。表14はその結果のまとめである。例14で用
いた表記を適用する。
次にフラスコの内容物を標準のバッチ式真空蒸留法で蒸
留した。圧力はフラスコの温度を約160〜170℃で11mgHg
に保持した。10/1の還流率を用いた。回収したPh2は1
%以下の三官能性含分を有した。上記の結果は粗ジフェ
ニルジクロロシラン混合物中の三官能性クロロシラン含
分がリン酸の存在におけるフェニルシロキサンとの反応
で低減できることを示している。更に、上記の結果はこ
の様にして純化されたジクロロジフェニルシランを蒸留
によって回収することができることを示している。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式Ri aSiX4-a(式中、各Riはそれぞれ独立
    して水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アルケニ
    ル基及びアリール基からなる群より選ばれ、各Xはそれ
    ぞれ独立してハロゲン原子から選ばれ、aは1,2,3又は
    4の値を有し、少なくとも1個のRiはアルキル基、置換
    アルキル基、アルケニル基又はアリール基でなければな
    らない。)を有するオルガノシランを、式Rii bSiX
    4-b(式中、各Riiはそれぞれ独立してアルキル基、置換
    アルキル基、アルケニル基、アリール基及び置換アリー
    ル基からなる群より選ばれ、bは0,1,2又は3の値を有
    しかつbはaより小さくなければならず、Xは上記定義
    の通りである。)を有するより高次官能性シランの含分
    を低減して、高純度化する方法であって、 (A)主成分としての上記オルガノシランと少量成分と
    しての1種又は2種以上のより高次官能性シランとの混
    合物を、 (式中、Riは上記定義の通りであり、各Yはそれぞれ独
    立してハロゲン原子及びトリアルキルシロキシ基からな
    る群より選ばれ、nは3〜9の値を有し、mは1000以下
    の値を有する。) からなる群より選ばれたオルガノシロキサン、及び、該
    より高次官能性シランと該オルガノシランの反応を推進
    するのに有効な量の触媒、に接触させ、 (B)該より高次官能性シランと該オルガノシロキサン
    との間の前記反応を促進して、該より高次官能性シラン
    を式 (式中、各Pはそれぞれ独立して-SiRii 2X,-SiRiiX2
    び-SiX3からなる群より選ばれ、各Rii,X及びYはそれぞ
    れ独立して選ばれかつ上記定義の通りであり、qは約10
    00以下の値を有する。)を有する多官能性シロキサンに
    転換し、そして (C)該オルガノシランを該多官能性シロキサン及び該
    オルガノシロキサンから単離する工程からなる方法。
  2. 【請求項2】式Ri cSiX4-c(式中、各Riはそれぞれ独立
    して水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アルケニ
    ル基、及びアリール基からなる群より選ばれ、各Xはそ
    れぞれ独立してハロゲン原子から選ばれ、cは2,3又は
    4の値を有し、少なくとも1個のRiはアルキル基、置換
    アルキル基、アルケニル基、又はアリール基でなければ
    ならない。)を有するオルガノシランを、式Rii dSiX4-d
    (式中、各Riiは各々独立してアルキル基、置換アルキ
    ル基、アルケニル基、アリール基及び置換アリール基か
    ら成る群より選ばれ、Xは上記に定義した通りであり、
    dは0又は1の値を有する。)を有するより高次官能性
    シランの含分を低減して、高純度化する方法であって、 (A)主成分としての前記オルガノシランと少量成分と
    しての一種又は二種以上のより高次官能性シランを含む
    混合物を、 (これらの式中、各Riは上記定義の通りであり、各Yは
    各々独立してハロゲン原子及びトリアルキルシロキシ基
    からなる群より選ばれ、nは3〜9の値を有し、mは10
    00以下の値を有する。) からなる群より選ばれたオルガノシロキサン、及び、該
    より高次官能性シランと該オルガノシロキサンとの間の
    反応を推進するのに有効な量の触媒、に接触させ、 (B)該より高次官能性シランと該オルガノシロキサン
    との間の前記反応を促進して、該より高次官能性シラン
    を式 又はRi 3SiO-P、(式中、各Pは各々独立して-SiRiiX2
    び-SiX3からなる群より選ばれ、各Rii,X及びYは各々独
    立して選ばれかつ上記定義の通りであり、qは1000以下
    の値を有する)を有する多官能性シロキサンに転換し、
    そして (C)該オルガノシランを該多官能性シロキサン及び該
    オルガノシロキサンから単離する工程からなる方法。
  3. 【請求項3】ハロゲン化水素を、オルガノシランとより
    高次官能性シランの前記混合物、前記オルガノシロキサ
    ン及び前記触媒と、接触させる工程をさらに含む請求項
    1又は2記載の方法。
  4. 【請求項4】前記オルガノシランがジメチルジクロロシ
    ランであり、より高次官能性シランがメチルトリクロロ
    シランであり、前記オルガノシロキサンが から成る群より選ばれ、前記触媒がリン酸であり、前記
    混合物が0.1重量パーセント以上のメチルトリクロロシ
    ランを含み、前記混合物を該混合物の重量を基準に1重
    量パーセント以上のオルガノシロキサンと接触させ、前
    記リン酸の濃度が該混合物の重量を基準に0.1〜5重量
    パーセントの範囲内であり、前記反応が20℃より高い温
    度で促進され、前記ジメチルジクロロシランが蒸留によ
    って単離され、単離されたジメチルジクロロシランのメ
    チルトリクロロシラン含分が90%以上減少している請求
    項2記載の方法。
  5. 【請求項5】前記オルガノシランがジフェニルジクロロ
    シランであり、前記より高次官能性シランが式RiiSiX3
    を有し、前記オルガノシロキサンが〔(C6H5)2SiO〕
    あり、前記触媒がリン酸であり、前記混合物が1重量%
    以上のRiiSiX3を含み、前記混合物が該混合物の重量を
    基準に1重量%のオルガノシロキサンと接触され、前記
    リン酸の濃度が該混合物の重量を基準に1〜10重量%の
    範囲内であり、前記反応が20℃より高い温度で促進さ
    れ、前記ジフェニルジクロロシランが蒸留により単離さ
    れ、単離されたジクロロジフェニルシランのより高次官
    能性シランの含分が80%以上に減少される請求項2記載
    の方法。
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