JPH0756003B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JPH0756003B2
JPH0756003B2 JP60127468A JP12746885A JPH0756003B2 JP H0756003 B2 JPH0756003 B2 JP H0756003B2 JP 60127468 A JP60127468 A JP 60127468A JP 12746885 A JP12746885 A JP 12746885A JP H0756003 B2 JPH0756003 B2 JP H0756003B2
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貞信 加藤
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はポリフエニレンエーテルと耐衝撃性スチレン系
樹脂とよりなる高耐衝撃性と良着色性を有する熱可塑性
樹脂組成物に関するものである。さらに詳しくは耐衝撃
性スチレン系樹脂の強靱化剤として使用するポリブタジ
エンが特殊な分子量分布をもつものとすることで、高い
耐衝撃強度と色剤による着色特性に優れた熱可塑性樹脂
組成物に関するものである。
(従来の技術) ポリフエニレンエーテルは米国特許第3306874号、第330
6875号、第3257357号および第3257358号明細書をはじめ
多くの文献に記されている。
ポリフエニレンエーテルは、機械的性質、電気的性質、
耐熱性に優れており、近年非常に注目されているエンジ
ニアリングプラスチツクスであるが、軟化点が高い為に
加工性が悪く、又、耐衝撃性も劣るという欠点を有す
る。
この高い軟化点を低下させて加工性を向上させる方法と
しては、ポリフエニレンエーテルとスチレン系重合体と
の組成物が知られている。(特公昭43−17812号)。
又、耐衝撃性を向上させるために、ポリフエニレンエー
テルと、ポリブタジエンやスチレン−ブタジエン共重合
体等のゴム状重合体を含むスチレン系重合体との組成物
が知られている。(例えば特公昭47−32730号、特公昭4
8−26381号など。)この様にポリフエニレンエーテル樹
脂とスチレン系樹脂とを配合してその特性を変えうるこ
とは、当業界では公知である。特にこの様な組成物の特
性のうち、衝撃強度と光沢は耐衝撃性スチレン系樹脂の
特質が、ほとんどそのまま寄与する為、ポリフエニレン
エーテル樹脂と配合してなる組成物を得る際も、この耐
衝撃性スチレン系樹脂に、いかなるものを選択するか極
めて重要な点である。
耐衝撃性スチレン系樹脂の性質は、分散された弾性体粒
子を形成する強靱化剤として使用するゴムの種類および
量によつて大きく決まることが一般に認められており、
ポリフエニレンエーテルと耐衝撃性スチレン系樹脂とか
らなる組成物にあつて、耐衝撃性スチレン系樹脂に使用
するゴムについて規定した技術としては特開昭57−4965
0号で、1,2ビニル含量が15〜35%であるポリブタジエン
を使用し耐衝撃性、耐熱安定性、光沢および加工性の優
れた組成物となることが提案されているが、ゴム量の割
に、耐衝撃強度が弱く、ポリフエニレンエーテル樹脂と
配合してなる組成物を得る際も同一の耐衝撃強度の組成
物を得るのに耐衝撃性スチレン系樹脂の割合いを増さね
ばならず、組成物の耐熱性を低下させてしまう。
一方特開昭47−39456号や特開昭52−33949号には、ゴム
補強スチレン系重合体のゴム成分が90%以上のシス1,4
構造を有するポリブタジエンを使用することが提案され
ている。これら技術については、たしかに耐衝撃強度
は、前記の特開昭57−49650号例よりも優れているが、
かかる耐衝撃性スチレン系樹脂は色剤による着色性が悪
く、深い色調に着色し得ない欠点がある。したがつて、
この耐衝撃性スチレン系樹脂をポリフエニレンエーテル
と配合して得た組成物も色剤による着色性が悪い欠点が
ある。
ポリフエニレンエーテル樹脂と耐衝撃性スチレン系樹脂
とからなる組成物は、複写機等事務機器の各種部品やハ
ウジング、パソコンのデイスプレー、プリンター等のハ
ウジング等の用途や自動車の内装部品やホイルキヤツプ
等の外装部品等に押出成形射出成形等の成形法によつて
成形し、使用されることが多いが、その場合、耐熱性と
実用的な耐衝撃性が要求され、さらには需要の多様化に
伴ない、外観の色調が重視される為、色剤による着色性
の良いことが望まれる。
ポリスチレン等、強靱化剤を含有しないスチレン系樹脂
は本来、ポリエチレン等の他の樹脂に比らべ、着色性の
良好な樹脂であるが、耐衝撃性を改善する目的で、ゴム
状の強靱化剤が添加されると、その着色性が著しく損な
われる。この傾向は、ポリブタジエンゴムを強靱化剤と
する方が、スチレン−ブタジエンゴムの場合よりも著し
い。
一般にゴム変性スチレン系樹脂は、ゴム相とポリスチレ
ン相とから成る二相構造をとつているが、ゴム変性スチ
レン系樹脂の着色性減退の一因は、この二相構造にある
と推察されている。つまり、ゴム相が存在することによ
り透明性が低下し、且つ、分散したゴム相は内部にスチ
レン系重合体を包含したいわゆるサラミ構造を持つもの
のポリブタジエン部分が着色性が悪く、ひいては総体と
してのゴム変性スチレン系樹脂の着色性を低下させてい
ると考えられてきた。
従来よりポリブタジエンゴムでも、リチウム系触媒によ
つて溶液重合して得られるシス1,4結合構造が25〜45%
である様ないわゆる低シスポリブタジエンゴムはチーグ
ラー系触媒によつて溶液重合して得られるシス1,4結合
構造が90%以上であるようないわゆる高シスポリブタジ
エンゴムよりも着色性は良いが、逆に実用的な耐衝撃性
においては高シスポリブタジエンゴムの方が良いことは
一般に知られているところである。
したがつて、実用的な耐衝撃性を求めると特開昭47−39
456号や特開昭52−33949号の技術となるが着色性が劣
り、色調の深い性能を求めると、特開昭57−49650号の
技術となるが、実用的な耐衝撃性の点で十分ではない。
実用的な高い耐衝撃性を有し、且つ着色性の良い技術は
いまだ明らかにされていない。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明者はかかる問題を解決し、実用上重要な物性上の
バランスがすぐれた、ポリフエニレンエーテル樹脂と耐
衝撃性スチレン系樹脂とからなる組成物を得るべく、鋭
意研究の結果、まつたく以外なことに、耐衝撃性スチレ
ン系樹脂で強靱化剤として用いる高シスポリブタジエン
ゴムで、特定な構造のものを用いることで、実用的な耐
衝撃性は従来知見以上の強度を示すと共に、着色性が優
れた組成物が得られることを見出し、本発明を完成させ
るに至つた。
(問題点を解決する為の手段) すなわち、本発明は (a) ポリフェニレンエーテル樹脂80〜20重量部と (b) 耐衝撃性スチレン系樹脂20〜80重量部からなる
組成物であって、前記耐衝撃性スチレン系樹脂とは、ポ
リブタジエンゴム5〜15重量部の存在下でスチレン系単
量体85〜95重量部を重合してなるものであり、かつポリ
ブタジエンゴムが、シス1,4結合構造が90モル%以上で
あり、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との
比(Mw/Mn)が3.5以上で二峰性の分子量分布曲線を示
し、さらに25℃で測定した5重量%トルンエ溶液粘度
(S.V.)が100〜250CPSの範囲内にあることを特徴とす
る熱可塑性樹脂組成物を提供するものである。以下、さ
らに本発明を詳しく説明する。
本発明に使用するポリフエニレンエーテルは米国特許第
3306874号及び第3306875号明細書を含めた多くの刊行物
に記載されている。すなわち、ポリフエニレンエーテル
は銅錯体触媒の存在下にフエノールを酸素と反応させる
ことによつて作られる一価単核フエノールの自己縮合生
成物である。一般に分子量は反応時間によつて調節さ
れ、時間が長くなればなる程循環単位の平均数が大とな
る。好ましいポリフエニレンエーテルは式 の循環構造単位を有する。式中一つの単位の酸素エーテ
ル原子は次の燐酸単位のベンゼン核に接続しており、n
は正の整数で少なくとも50であり、Qは水素、ハロゲ
ン、三級α−炭素原子を含有しない炭化水素基、ハロゲ
ン原子とフエニル核の間に少なくとも2個の炭素原子を
有するハロ炭化水素基、炭化水素オキシ基からなる群よ
り選択した一価置換基を示す。
ポリフエニレンエーテルの代表的な例としては、ポリ
(2,6−ジラウリル−1,4−フエニレン)エーテル;ポリ
(2,6−ジフエニル−1,4−フエニレン)エーテル;ポリ
(2,6−ジメトキシ−1,4−フエニレン)エーテル;ポリ
(2,6−ジエトキシ−1,4−フエニレン)エーテル;ポリ
(2−メトキシ−6−エトキシ−1,4−フエニレン)エ
ーテル;ポリ(2−エチル−6−ステアリルオキシ−1,
4−フエニレン)エーテル;ポリ(2,6−ジクロロ−1,4
−フエニレン)エーテル;ポリ(2−メチル−フエニル
−1,4−フエニレン)エーテル;ポリ(2,6−ジベンジル
−1,4−フエニレン)エーテル;ポリ(2−エトキシ−
1,4−フエニレン)エーテル;ポリ(2−クロロ−1,4−
フエニレン)エーテル;ポリ(2,5−ジブロモ−1,4−フ
エニレン)エーテルおよび同等物がある。
本発明の目的のため、特に好ましいポリフエニレンエー
テルの群は酸素エーテル原子に対する二つのオルソ位に
アルキル置換基を有するもの、すなわち各Qがアルキル
基、好ましくは炭素原子1〜4個のアルキル基を有する
ものであり、最も好ましいポリフエニレンエーテル樹脂
は、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フエニレン)エーテル
である。こ樹脂はポリスチレン樹脂とあらゆる割合で相
溶性を有し、かつ単一相組成物を容易に形成する。
本発明において、ポリフエニレンエーテルと配合する耐
衝撃性スチレン系樹脂はマトリツクスポリスチレンに分
散した形態で存在するゴム状重合体を基幹とするエラス
トマ相がスチレンがグラフトしたグラフト化エラストマ
ゲルの粒子から成るものである。この耐衝撃性スチレン
系樹脂をつくる際に使用する強靱化剤として用いるポリ
ブタジエンゴムについて述べる。本発明で用いられる特
定のポリブタジエンゴムは、シス1,4結合構造が90%以
上である俗にいう高シスポリブタジエンゴムであること
が必要である。シス1,4結合構造が90%未満の俗にいう
低シスポリブタジエンゴムの場合は、実用強度が十分で
ない。さらに、ポリブタジエンゴムの重量平均分子量
(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3.5以上で
且つ二峰性の分子量分布曲線を示すものであることが必
要である。Mw/Mnが3.5未満であれば、着色性が不十分で
あり、又、分子量分布曲線が二峰性を示さず、一つのピ
ークのみを示す場合も又、着色性が不十分であると共に
実用強度が十分ではない。さらに、25℃で測定した5重
量%トルエン溶液粘度(S.V.)が100〜250cps、好まし
くは130〜180cpsの範囲である。S.V.が100cps未満では
強度の発現が十分でなく、250cpsを超えると、工業的に
ゴム変性スチレン系樹脂を製造する場合に、非常に多き
な撹拌動力を必要とし、撹拌装置の点で好ましくない。
この様なポリブタジエンゴムを製造する方法は、好まし
くは、コバルト化合物、ハロゲン含有の有機アルミニウ
ム化合物および多価アルコールから得られる触媒を用
い、1,3ブタジエンを重合する方法があり、以下に詳し
く例を挙げるが、本発明の特許請求の範囲に記載の範囲
を満足するポリブタジエンであるならば、従来公知のい
かなる方法を用いてもよい。
前記のコバルト化合物としては、コバルトオクトエー
ト、コバルトナフトエート、コバルトベンゾエート等の
炭素数6以上の有機カルボン酸のコバルト塩、塩化コバ
ルトピリジン錯体、塩化コバルトエチルアルコール錯体
等のハロゲン化コバルト錯体、コバルトアセト酢酸エチ
ルエステル錯体のようなコバルトのβ−ケト酸エステル
錯体等を挙げることができる。
前記のハロゲン含有の有機アルミニウム化合物として
は、ジエチルアルミニウムモノクライド、ジエチルアル
ミニウムモノプロマイド、ジイソブチルアルミニウムモ
ノクロライドなどのジアルキルアルミニウムハライド
や、エチルアルミニウムセスキクロライドのようなアル
キルアルミニウムセスキハライドなどを挙げることがで
きる。
前記の多価アルコールとしては、エチレングリコール、
プロピレングリコール、α−ブチレングリコール、テト
ラメチレングリコールなどの2価アルコール、あるいは
グリセリンのような3価アルコール等を挙げることがで
きる。
本発明の様にMw/Mnが3.5以上と大きく、すなわち、分子
量分布が広く、且つ2峰性を示す分布とするには好まし
い方法としては、重合反応を2段階に分けて行なう方法
である。例えば、ある重合率迄は塊状重合し、その後、
溶媒を糸内に添加して溶液重合を行なう方法がある。こ
の様な場合、公知の分子量調節剤、例えば、エチレン、
プロピレン、スチレン、ブテン−1等のα−オレフイン
類やシクロオクタジエン、アレン等の非共役ジエン類を
それぞれの重合段階で使用したり、使用しないことによ
り、2峰性の分子量分布の内、高分子量側ピークを増し
たり、あるいは低分子量側ピークを増したりすることが
可能である。
この様なポリブタジエンゴムの分子量を変更することに
よつてS.V.を変更することも可能となる。
本発明に用いるポリブタジエンゴムには、通常用いられ
る老化防止剤、例えば、2,−ジタ−シャリーブチル−4
−メチルフエノール(BHT)、トリ(ノニル化フエニ
ル)ホスフアイト(TNP)、2,2′メチレンビス(4−メ
チル−6−ターシャリーブチルフエノール)、オクタデ
シル3−(3′,5′ジターシャリーブチル4′ヒドロキ
シフエニル)プロピオネート、テトラキス−〔メチレン
−(3,5ジターシャリーブチル−4−ヒドロキシハイド
ロシンナメート)〕メタン、トリス(2,4−ジターシャ
リーブチルフエニル)フオスフアイトなどを単独あるい
は2種以上組合せて配合されていることが好ましい。
本発明の耐衝撃性スチレン系樹脂の製造方法において、
ポリブタジエンゴム対スチレン系単量体の使用割合は5
〜15重量部対85〜95重量部が好ましい。ポリブタジエン
ゴムとスチレン系単量体の含量に対し、ポリブタジンエ
ンゴムの濃度が5重量%未満では生成樹脂の衝撃強度発
現が不充分であり、又15重量%を越えると経済性の割合
に強度向上の程度が小さく、かつ重合系の粘度が高くな
り過ぎる等の問題が生じやすいので5〜15重量%の範囲
が最も適当である。
本発明の耐衝撃性スチレン系樹脂の製造方法としては、
塊状、溶液または塊状−懸濁重合法が有利に用いられ
る。
たとえば、塊状−懸濁重合法による場合は本発明のポリ
ブタジエンゴムをスチレン系単量体に溶解し、かかる溶
液を、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘ
キサンカーボニトリル等のアゾ化合物や、過酸化ベンゾ
イル、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジt−ブチ
ルパーオキサイド、シクミルパーオキサイド等の過酸化
物などの触媒の存在下、もしくは、不存在下にこの溶液
を撹拌下に加熱してラジカル重合させ、重合率20〜40%
に達した時点で重合溶液を、水中に懸濁させて重合を続
け、重合を完結させる。この際メルカプタンなどの分子
量調整剤、白色鉱油等の可塑剤を必要に応じ適宜使用す
ることもできる。又、触媒、分子量調整剤を重合途中で
別途加えることも可能である。
本発明においてスチレン系単量体とは、スチレン、パラ
メチルスチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチ
レン、クロルスチレン等であり、これらの単独あるいは
混合したものである。又、これらとラジカル共重合しう
る単量体、たとえば、アクリロニトリル、メタクリル酸
メチル、アクリル酸メチル等の単量体でスチレン系単量
体の一部を置き換えてもよい。
本発明の組成物においてポリフエニレンエーテル樹脂と
耐衝撃性スチレン系樹脂の組成割合いは、ポリフエニレ
ンエーテル樹脂が80重量部を超えると加工性が不十分で
多くの用途に不適当になる。また20重量部未満ではポリ
フエニレンエーテル樹脂の特徴である耐熱性が著しく損
なわれるため、実用上好ましくない。したがつて、ポリ
フエニレンエーテル樹脂80〜20重量部であり、耐衝撃性
スチレン系樹脂20〜80重量部の範囲が実用上好ましい。
本発明におけるポリフエニレンエーテル樹脂と耐衝撃性
スチレン系樹脂との組成物の製造方法は、充分な分散と
混合を可能にするならば厳密な新規はない。好ましい方
法は、ヘンシエルミキサー等を用いて混合し、これを押
出機を用いて加熱溶融させて押し出しし、ペレツト状に
カツトする方法によつて得られる。
このように得られたペレツト状の組成物は例えば押出し
成形、熱成形、射出成形等によつて所望の形状に成形す
る。
本発明の組成物中には当業者にとつては明らかなよう
に、他の添加剤例えば可塑剤、顔料、難燃剤、補強剤例
えばガラスフイラメントまたは繊維、安定剤等を含有さ
せ得ることは勿論である。
以下に実施例、比較例をあげて本発明を具体的に説明す
る。
実施例(1) Mw/Mnが4.2で、第1図に示される様に二峰性の分子量分
布曲線を示し、S.V.が193cps、シス1,4結合構造が97.8
%であるポリブタジエンゴム(宇部興産(株)ウベボー
ルBR100)8重量部をスチレン92重量部に溶解した。こ
のゴム溶液を100のオートクレーブに仕込み、ジクミ
ルパーオキサイド0.08重量部、直鎖ドデシルメルカプタ
ン0.04重量部を加え、150rpmで撹拌した。オートクレー
ブ中を窒素ガスで置換してから、密閉し、昇温した。10
5℃で6時間重合した後、冷却し、次いで容量200のオ
ートクレーブ中に純水100、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム0.5g、第三リン酸カルシウム800gを加
え、130rpmで撹拌しているところに、新たに2,2ビス
(ターシャリーブチルパーオキシ)ブタン70gとジクミ
ルパーオキサイド28gを加えた前記予備重合液70kgを入
れ、窒素置換後、密閉、昇温し、温度115℃で5時間、1
35℃で4時間重合し、冷却した。常法にしたがい、中
和、脱水、乾燥した後、重合物を押出機により通常のペ
レツト形状として、耐衝撃性スチレン系樹脂を得た。
次いでポリ(2,6−ジメチル−1,4−フエニレン)エーテ
ル45重量部、上記の耐衝撃性スチレン系樹脂55重量部、
ポリエチレン1.5部、トリデシルホスフアイト0.5重量
部、エチレンビスステアロアミド0.25重量部、二酸化チ
タン2重量部とをヘンシエルミキサーで混合した後、押
出機で押し出しし、通常のペレツト形状とした後、射出
成形機により試験片を成形した。
これらの物性測定結果は後記例とともに第1表に示す。
実施例2 Mw/Mnが3.6で二峰性の分子量分布曲線を示し、S.V.が15
3cps、シス1,4結合構造が97.8%であるポリブタジエン
ゴム(宇部興産(株)ウベボールBR101)を用いた以外
は、実施例1と同様に行ない耐衝撃性スチレン系樹脂を
得た。次いでこの耐衝撃性スチレン系樹脂を用い実施例
1と同様に樹脂組成物を作つた。物性値を第1表に示
す。
比較例1 Mw/Mnが3.7で、二峰性を示さない分子量分布曲線であ
り、S.V.が156cps、シス1,4結合構造が96.9%であるポ
リブタジエンゴム(日本合成ゴム(株)BR01)を用いた
以外は実施例1と同様に行ない、樹脂組成物を得た。
(この比較例のポリブタジエンゴムは特開昭52−33949
号実施例2に例示されたものである。)物性値を第1表
に示す。
比較例2 Mw/Mnが4.1で、二峰性の分子量分布曲線を示し、S.V.が
60cps、シス1,4結合構造が35.4%であるポリブタジエン
ゴム(旭化成(株)アサブレン760)を用いた以外は実
施例1と同様に行ない樹脂組成物を得た。この物性測定
結果を第1表に示す。
(この比較例のポリブタジエンゴムは特開昭57−49650
号に記載されたものである。) ポリブタジエンゴムのミクロ組成は、赤外分光光度計
(日本分光製A−302型)を用い、二硫化炭素を溶媒と
して赤外スペクトルを測定し、モレロ法〔D Morero等、
Chim.61nd.,41、758(1959)〕によつて計算した。
ポリブタジエンのMw/Mnは、GPC〔東洋曹達製HLC−802
A〕を用いて、以下の条件で測定した。
溶媒:テトラヒドロフラン(THC) カラム:東洋曹達製GMH−6 2Feet 2本 カラム恒温槽温度:38℃ 溶媒流量:1.5ml/min 試料濃度:0.1重量% 試料注入量:0.5ml 検出器:示差屈折計 データ処理装置:東洋曹達製CP−8000 実施例3〜4と比較例3〜4 実施例1と同様の方法によつて得られた耐衝撃性スチレ
ン系樹脂とポリ(2,6−ジメチル−1,4−フエニレン)エ
ーテルとの混合割合みを変化させて組成物をつくり射出
成形試験片の物性値を第2表に示す。
尚、荷重たわみ温度はASTMD648の測定法で測定した。
又メルトフローレートは250℃10kg荷重で測定した。
樹脂組成物の物性は次の方法で測定した。
(1) 引張強さ:JIS−K−6871による。
(2) アイゾツト衝撃強さ:JIS−K−6871による。
(3) 落錘強度:射出成形による2mm厚の12cm×12cm
の正方形角板の中心に、錘先端5R、錘径14mmφ1kgの錘
を落下させ、割れの発生しない高さ(cm)と錘重量の積
で強度をあらわす。
成形機は(株)新潟鉄工所製2オンスインラインスクリ
ユー射出成形機SN−51Bにて、成形温度260℃で成形し
た。尚、射出成形による成形品は方向性を受け易く、外
部からの力によつて割れる際も成形流れの方向に割れ易
い。この点、落錘強度は最も方向性を見出し易いので、
本発明では実際の状況に合つた表わし方として落錘強度
を採用した。
(4) 着色性:樹脂100重量部に対し、日本ピグメン
ト社青色顔料PSD−B−871を1.0部添加し、射出成形に
より3段ステツププレートを成形し、濃い群青色を呈
し、顔料自体の色に最も近く、着色性が最もすぐれるも
のをAとし、青色が薄く灰青色を呈し、着色性が最も劣
るものをEとし、その中間を順にB、C、Dと評価し
た。
【図面の簡単な説明】 第1図は実施例で用いたゴム状重合体成分のGPCによる
分子量分布曲線である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−203112(JP,A) 特開 昭61−148213(JP,A) 特開 昭60−104112(JP,A) 特開 昭60−223850(JP,A) 特公 昭59−3482(JP,B2) 特公 平3−18648(JP,B2)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a) ポリフェニレンエーテル樹脂80〜
    20重量部と (b) 耐衝撃性スチレン系樹脂20〜80重量部からなる
    組成物であって、前記耐衝撃性スチレン系樹脂とは、ポ
    リブタジエンゴム5〜15重量部の存在下でスチレン系単
    量体85〜95重量部を重合してなるものであり、かつポリ
    ブタジエンゴムが、シス1,4結合構造が90モル%以上で
    あり、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との
    比(Mw/Mn)が3.5以上で二峰性の分子量分布曲線を示
    し、さらに25℃で測定した5重量%トルンエ溶液粘度
    (S.V.)が100〜250CPSの範囲内にあることを特徴とす
    る熱可塑性樹脂組成物。
JP60127468A 1985-06-12 1985-06-12 熱可塑性樹脂組成物 Expired - Lifetime JPH0756003B2 (ja)

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