JPH0755848Y2 - ロアピンガイド連結装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はロアピンガイド連結装置に係り、トラクタの左
右のロアリンクに連結されるクイックカプラに農作業機
のロアピンを連結するものに関する。

（従来の技術） 従来、この種のロアピンガイド連結装置としては、たと
えば、ロアピンの先端近傍部に係止孔を、ロアピンの軸
方向に対して直交方向に貫通形成し、このロアピンにロ
アピンガイドを嵌挿し、このロアピンガイドの先端近傍
部に前記係止孔に連通する連通孔を、ロアピンガイドの
軸方向に対して直交方向に貫通形成し、このロアピンガ
イドの連通孔から前記ロアピンの係止孔内にロールピン
を貫通係止してロアピンにロアピンガイドを連結固定す
る構造が採られている。

そして、ロアピンのロアピンガイドに対してクイックカ
プラを後退するとともに、このクイックカプラの後方に
開口した係合凹部を嵌合連結するようになっている。

（考案が解決しようとする課題） 前記従来の構造では、ロアピンガイドはロアピンにロー
ルピンにて固着されているため、このロアピンガイドに
クイックカプラの係合凹部を嵌合する際には、通常はロ
アピンガイドと係合凹部との位置が一致する場合が少な
いので、このロアピンガイドに係合凹部が引掛かり易
く、その相互の摩擦抵抗によってロアピンガイドに係合
凹部を円滑に嵌合することができないことがあるととも
に、その相互が摩耗し易く、また、ロアピンガイドを固
着したロールピン５の端部が、ロアピンガイドの外面部
に突出している場合も同様の問題がある。

本考案はこのような課題に鑑みてなされたもので、左右
のロアピンにロアピンガイドをそれぞれ回動自在に取着
支持することができるようにし、左右のロアピンガイド
にクイックカプラを摩擦抵抗が少なく円滑に嵌合できる
とともに、その相互が摩耗することが少ないロアピンガ
イド連結装置を提供することを目的とするものである。

（課題を解決するための手段） 本考案のロアピンガイド連結装置は、農作業機に突設さ
れた左右のロアピンアームにそれぞれ固定されトラクタ
に懸架したクイックカプラに連結する左右のロアピン
と、この左右のロアピンにそれぞれ回動自在に嵌挿され
た左右のロアピンガイドと、を具備し、前記左右のロア
ピンは、その先端外周部に環状の係止溝をそれぞれ形成
し、前記左右のロアピンガイドは、その先端内壁部に前
記左右のロアピンの係止溝に対向した環状溝をそれぞれ
形成し、前記左右のロアピンの係止溝と前記左右のロア
ピンガイドの環状溝との間に前記左右のロアピンガイド
を回動自在に支持し、かつ、この左右のロアピンガイド
を軸方向に抜け止めする弾性リングを介在したものであ
る。

（作用） 本考案のロアピンガイド連結装置では、左右のロアピン
にロアピンガイドを軸方向からそれぞれ嵌挿するととも
に、この左右のロアピンに形成した環状の係止溝と、こ
の左右のロアピンガイドに形成した環状溝との間に弾性
リングを介在することにより、この左右の弾性リングに
て左右のロアピンガイドが回動自在に支持されるととも
に、この左右のロアピンガイドが軸方向に抜け出ること
が防止される。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。

第１図において、10は農作業機Ａの左右両側部から前下
方に向けて突設された左右のロアピンアームで、この左
右のロアピンアーム10の先端部にはこのロアピンアーム
10と直交する方向の外方に向かって突出された左右のロ
アピン11がその基端部12において着脱交換自在に、かつ
一体的に固着されている。

前記左右のロアピン11は、円柱状に形成され、その基端
部12には前記ロアピンアーム10の外側部に係合したフラ
ンジ13及びこのフランジ13から突出されてロアピンアー
ム10の取付孔14内に挿通されたねじ軸15が形成され、こ
のねじ軸15にロアピンアーム10の内側部に係合した座金
16及びワッシャ17を介して締着されたナット18によって
着脱交換自在に固着されている。

また、前記左右のロアピン11の軸方向の先端外周部には
軸心方向に切込んだ環状の係止溝19がそれぞれ形成さ
れ、この係止溝19より先端部にはテーパ状の案内面20が
それぞれ形成されている。

21はロアピンガイドで、このロアピンガイド21は、中空
円筒状に形成され、その内壁部には前記左右のロアピン
11に対して回動自在に嵌挿した挿通孔22が形成され、そ
の基端部に形成された取付段部23には前記左右のロアピ
ン11のフランジ13を被覆する椀形状のガイド体24がそれ
ぞれ一体に固着されている。

また、前記ロアピンガイド21の軸方向の先端内壁部には
前記左右のロアピン11の環状の係止溝19に対向した環状
溝25がそれぞれ形成され、この環状溝25は前記挿通孔22
に連続して形成されている。

26は前記左右のロアピン11の係止溝19と前記左右のロア
ピンガイド21の環状溝25との間に介在させる弾性リング
で、この弾性リング26にて前記左右のロアピン11に左右
のロアピンガイド21を回動自在に支持し、かつ、この左
右のロアピンガイド21を軸方向に抜け止めするようにな
っている。

つぎに、前記実施例の作用を説明する。

農作業機Ａの左右のロアピンアーム10に固着された左右
のロアピン11に左右のロアピンガイド21を軸方向から嵌
挿するものであるが、この際、左右のロアピンガイド21
の環状溝25内に弾性リング26を嵌着するとともに、この
左右のロアピンガイド21をその挿通孔22にて左右のロア
ピン11に対して軸方向から嵌挿する。

そして、この左右のロアピンガイド21の基端部がそれぞ
れのロアピン11のフランジ13に近接するとともに、弾性
リング26がロアピン11の案内面20を通過してロアピン11
の先端外周部に係合する。そうして、この左右のロアピ
ン11に対して左右のロアピンガイド21を更に強く軸方向
に押動すると、その左右の弾性リング26が弾性変形しつ
つ左右のロアピン11の係止溝19内に嵌着されるととも
に、この左右のロアピンガイド21の基端部がロアピン11
のフランジ13に当接される。

したがって、左右のロアピン11に左右のロアピンガイド
21が簡単にセットされ、この左右のロアピン11の先端部
の係止溝19と左右のロアピンガイド21の先端部の環状溝
25との間に弾性リング26が介在される。そして、この弾
性リング26にて左右のロアピン11に左右のロアピンガイ
ド21が回動自在に支持され、かつ、左右のロアピンガイ
ド21がそれぞれのロアピン11から軸方向に抜け出ること
が防止される。

また、左右のロアピン11に対して左右のロアピンガイド
21を嵌挿する際において、左右のロアピン11の係止溝19
内に弾性リング26を嵌着するとともに、この弾性リング
26を左右のロアピンガイド21の挿通孔22によって弾性変
形させながら左右のロアピン11に対して左右のロアピン
ガイド21を圧入し、この弾性リング26をロアピンガイド
21の環状溝25内に嵌着させるようにしてもよい。この場
合も左右のロアピンガイド21は左右のロアピン11に対し
て回動自在にセットされるとともに、弾性リング26によ
って左右のロアピンガイド21がロアピン11から軸方向に
抜け出ることが防止される。

つぎに、第２図に示すように、トラクタＢのトップリン
ク27及び左右のロアリンク28に連結懸架されたクイック
カプラ29に農作業機Ａを連結する場合には、クイックカ
プラ29の上部の連結凹部30内に農作業機Ａのマスト31の
連結杆32を係止した状態で、トラクタＢのトップリンク
27及び左右のロアリンク28を上昇回動すると、農作業機
Ａは持上げられながら農作業機Ａがクイックカプラ29側
に引寄せられる。そして、クイックカプラ29の左右の連
結板33に形成された後方開放の係合凹部34内に農作業機
Ａの左右のロアピン11がそのロアピンガイド21を介して
自動的に嵌合されるが、この際、左右のロアピンガイド
21が係合凹部34の挿入端部やその上下部に当接した場合
には、左右のロアピンガイド21はそれぞれのロアピン11
に対して回動しながら係合凹部34内に円滑に嵌合され
る。なお、図中35はハンドル36によって上下方向に回動
自在にロックアームである。

（考案の効果） 本考案によれば、農作業機の左右のロアピンアームに固
定した左右のロアピンにロアピンガイドをそれぞれ回動
自在に取着したので、トラクタに懸架したクイックカプ
ラに農作業機を連結する際には、左右のロアピンガイド
の回動案内作用によってクイックカプラに左右のロアピ
ンガイドを円滑に連結することができ、このクイックカ
プラ及び左右のロアピンガイドの相互に抵抗が少なく簡
単に摩耗することがなく、その相互を容易に連結するこ
とができる。

また、左右のロアピンの先端部の係止溝と左右のロアピ
ンガイドの先端部の環状溝との間に弾性リングを介在し
たので、この弾性リングにて左右のロアピンガイドを回
動自在に支持できるとともに、この左右のロアピンガイ
ドがそれぞれのロアピンから軸方向に抜け出ることを確
実に防止でき、この左右のロアピンガイドの回動を維持
しつつこのロアピンガイドが軸方向に抜け出ることを防
止する構造が簡単でコストメリットが大きいものであ
る。

さらに、左右のロアピンに左右のロアピンガイドを嵌挿
して係止溝と環状溝との間に弾性リングを介在できるの
で、左右のロアピンに左右のロアピンガイドをワンタッ
チで簡単に連結することができ、その連結操作が容易で
ある。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示すもので、第１図はロアピン
ガイド連結装置の断面図、第２図はトラクタに農作業機
を連結した状態の側面図である。 10……ロアピンアーム、11……ロアピン、19……係止
溝、21……ロアピンガイド、25……環状溝、26……弾性
リング、29……クイックカプラ、Ａ……農作業機、Ｂ…
…トラクタ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】農作業機に突設された左右のロアピンアー
   ムにそれぞれ固定されトラクタに懸架したクイックカプ
   ラに連結する左右のロアピンと、この左右のロアピンに
   それぞれ回動自在に嵌挿された左右のロアピンガイド
   と、を具備し、 前記左右のロアピンは、その先端外周部に環状の係止溝
   をそれぞれ形成し、 前記左右のロアピンガイドは、その先端内壁部に前記左
   右のロアピンの係止溝に対向した環状溝をそれぞれ形成
   し、 前記左右のロアピンの係止溝と前記左右のロアピンガイ
   ドの環状溝との間に前記左右のロアピンガイドを回動自
   在に支持し、かつ、この左右のロアピンガイドを軸方向
   に抜け止めする弾性リングを介在した ことを特徴とするロアピンガイド連結装置。