JPH0755556Y2 - 密着写真焼付機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は密着写真焼付機構に関し、特にプリンタープ
ロセッサの焼付部を積極的に利用した密着写真焼付機構
に関する。

（従来の技術） 従来は、原版となるフィルムと同じ大きさで、各駒の連
なった密着写真を焼付けるには、ネガと印画紙の膜面を
互いに密着させて焼付け露光するための密着焼付装置を
使用するか、あるいはエンラージャーを転用して密着写
真焼付を行っていた。しかし、これら密着写真焼付装置
はいずれも印画紙を装置にセットする関係上、一連の作
業は専ら暗室にて行われていた。

（考案が解決しようとする課題） 従来の密着写真焼付装置への印画紙とネガとの位置合わ
せ等のセッティングは遮光を必要とするため、その焼付
作業は専ら暗室内に行われていた。

ために、焼付作業は非能率的で、密着写真焼付が多用さ
れる工事焼写真などにあっては、顧客の要求に対して迅
速に対応することができない問題点があった。

この考案は、光源より発せられる露光光によって、所定
の露光位置に供給された帯状印画紙に、ネガ画像を焼
付、露光する焼付部を備えた既設のプリンタープロセッ
サの前記焼付部を積極的に、かつ有効に活用して、従
来、暗室内に限られていた密着写真焼付作業を明室にて
行い、密着写真焼付作業の簡易化、迅速化に対処するプ
リンタープロセッサを用いた密着写真焼付機構を提供す
ることを目的としている。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成するために、この考案はつぎのような構
成を採用している。すなわちこの考案に係る密着写真焼
付機構は、プリンタープロセッサを用い、プリンタープ
ロセッサのうち、光源より発せられる露光光によって、
所定の露光位置に供給された帯状印画紙に、ネガ画像を
露光、焼付する焼付部を内部に納めた焼付ボックスの側
壁部には、配置された帯状印画紙の直前側方部位置に遮
光された挿入口が設けられ、該挿入口からは、その露光
用開口部に、単数または複数のネガを装填したペーパー
マスクが、前記露光位置にひき出された帯状印画紙の直
前部分に挿し込まれる構成からなる。

そして、ペーパーマスクの露光用開口部へのネガの装填
のための支持部材は全て透光部材にて形成されており、
さらに該支持部材はペーパーマスクの周枠の厚みより以
上には隆起しない構成からなっている。

（実施例） つぎにこの考案に係る密着写真焼付機構の具体的実施例
を図面を用いて説明する。

プリンタープロセッサ（１）の一部を構成する焼付ボッ
クス（２）内には一般のプリント処理を実施するための
光源（４）、レンズ（５）およびミラー（反射板）
（６）などから成る露光調節部材が納められており、ミ
ラー（６）よりの反射光は、焼付ボックス（２）上方の
ペーパー供給部（８）より露光位置に引出された帯状印
画紙（９）面に照射される。

焼付ボックス（２）の一部を形成する側壁には、遮光手
段を講じた挿入口（10）を開設し、前記引出された帯状
印画紙の直前側方部に位置して、該挿入口（10）には、
ネガ（11）をペーパーマスク（14）の露光用開口（12）
部に、透光性支持部材（13）をもって装填したペーパー
マスク（14）が挿し込まれる。これによりネガ（11）は
露光位置内にて、かつ引き出された帯状印画紙（９）の
直前部にセットされる。

なお、前記挿入口（10）は、挿入式ペーパーマスクを使
用するタイプのプリンタープロセッサにあっては、予め
焼付ボックス（２）の側壁部に形成されているので、こ
れを利用することができ、さらに挿入式ペーパーマスク
を露光位置に支承するための支承機構をも利用すること
ができる。

また、ペーパーマスクの開口量を外部より自在に可変で
きるタイプのペーパーマスクを予め内部に備えた形式の
プリンタープロセッサにあっては、予め焼付ボックス
（２）の側壁部に、遮光手段を講じた挿入口（10）を設
けておき、通常の、即ち開口量可変形のペーパーマスク
を用いての一般の焼付作業時には、該挿入口には盲蓋を
被せておく。

ネガ（11）を装填するペーパーマスク（14）にあって、
特筆すべきは、ペーパーマスク（14）の露光用開口（1
2）部に装填されるネガ（11）は、透光性支持部材（1
3）にて支承され、かつこれら透光性支持部材（13）は
ペーパーマスク（14）の周枠（15）の厚み以上に隆起し
ないよう配慮されている構成にある。

つぎに、本ペーパーマスクの二三の具体的実施例を詳記
するに、第３図に示すペーパーマスク（14）は、ペーパ
ーマスクの露光用開口（12）部には、ペーパーマスクの
周枠（15）面に対して略、面一状に、表裏一対の透光枠
片（16a）（16b）を一組として、この一組の透光枠片を
所定の間隔を保って左右に配して、表裏一対の枠片（16
a）（16b）間にて、ネガの側縁部を支承する形態の複数
本のネガ装填溝（17）を形成する。

なお、前記表裏一対の透明枠片（16a）（16b）のうち表
側枠片（16a）のみを心持ち短か目となし、ネガ（11）
のネガ装填溝（17）への着脱を容易なものとしている。

また、第５図に例示するペーパーマスク（14）は、ペー
パーマスク（14）の露光用開口（12）部にペーパーマス
クの周枠（15）の厚みより肉薄の透光板（18）を嵌め込
み、該透光板（18）上には帯状ネガ（11）の両端部を粘
着テープ（19）などをもって貼着固着する。

また、第７図に例示するペーパーマスク（14）は、ペー
パーマスク（14）の露光用開口（12）部に、表裏一対の
透光板（20a）（20b）を、ペーパーマスクの周枠（16）
の厚み以上に隆起しないように嵌め込み、裏側透光板
（20b）は同板（20b）とペーパーマスクの周枠（15）間
に粘着テープ（19）などにて固定せしめる。一方両透光
板（20a）（20b）間にネガ（11）を挾持した開閉形の表
側透光板（20a）は、ネガ装填後、同じく同板（20a）と
ペーパーマスクの周枠（15）間にかけて粘着テープ（1
9）などを用いて固定される。

（考案の効果） この考案は、プリンタープロセッサにおける既設の焼付
部を活用して、所定の露光位置に供給された帯状印画紙
の直前部に、ネガを装填したペーパーマスクをプリンタ
ープロセッサの外部より挿し込み、プリンタープロセッ
サをして、本来の投影写真焼付装置に加え密着写真焼付
装置として利用することにより、既設の装置の無駄のな
い、かつ既存装置の利用分野を拡大させしめることがで
きる。また帯状印画紙の直前部へ挿入されるネガを装填
したペーパーマスクは、明室でのネガの装填、交換など
の諸作業が出来るので、従来の暗室中心の密着焼付作業
に比べ、作業は簡易かつ迅速なものとなり、顧客の要求
に即応体勢を常時とっておくことができる。

また、ネガ自体をペーパマスクに装填せしめる折、ネガ
を支持せしめるための支持部材を透光部材をもって形成
することにより、ネガの焼付作業時、ネガ側縁部を含め
てネガの全面焼付が可能となり、各ネガ毎に付せられた
コマナンバーも一体に焼付けることができ、これにより
でき上ったプリントとネガの関連が明瞭なものとなり、
爾後のネガの選別を中心とする焼付け作業を容易なもの
とすることができる。

また、ネガを支持するための部材は、その肉厚をペーパ
ーマスクの周枠の厚み以上には隆起しないよう配慮する
ことにより、このペーパーマスクを帯状印画紙の直前部
分の挿入せしめるセット作業の折にも、前記ネガの支持
部材がペーパーマスク挿入作業上、邪魔なものとなるこ
ともなく、またこれら支持部材にて帯状印画紙の膜面を
損傷せしめる危惧もない。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る機構を備えたプリンタープロセ
ッサの一部の斜視図、第２図は露光部における光路説明
図、第３図はネガを装填したペーパーマスクの斜視図、
第４図は第３図のＡ−Ａ線拡大断面図、第５図は他の実
施例を示す第３図に相当する図、第６図は第５図のＢ−
Ｂ線拡大断面図、第７図はさらに他の実施例を示す第３
図に相当する図、第８図は第７図のＣ−Ｃ線拡大断面図
である。 （１）……プリンタープロセッサ、（２）……焼付ボッ
クス、（４）……光源、（５）……レンズ、（６）……
ミラー、（９）……帯状印画紙、（10）……挿入口、
（11）……ネガ、（12）……露光用開口、（13）……透
光性支持部材、（14）……ペーパーマスク、（15）……
周枠。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】光源より発せられる露光光によって、所定
   の露光位置に供給された帯状印画紙に、ネガ画像を露光
   焼付する焼付部を備えたプリンタープロセッサにおい
   て、帯状印画紙の直前側方部の、前記焼付部を納めた焼
   付ボックス側壁部に設けた挿入口より、単数または複数
   のネガを装填したペーパーマスクを挿入セットすること
   を特徴とする密着写真焼付機構。
2. 【請求項２】前記ペーパーマスクの露光用開口に装填さ
   れるネガは、ペーパーマスクの露光用開口に設置された
   透光性支持部材にて支承されている請求項１記載の密着
   写真焼付機構。
3. 【請求項３】前記透光性支持部材はペーパーマスクの周
   枠の厚み以上には隆起することのない請求項２記載の密
   着写真焼付機構。