JPH0731235Y2 - 記念文字等の焼込み装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は写真焼付け装置、すなわちプリンターまたはエ
ンラージャーにおける記念文字等の焼込み装置に関する
ものである。

（従来の技術） 長尺の写真印画紙、すなわちロール状に巻かれたペーパ
ーに焼付けを行うプリンターまたはエンラージャーに
は、記念文字等をペーパーの余白に焼込むために、記念
文字等の焼込み装置が組込まれている。そして、従来の
この種の焼込み装置は、プリンターにあっては、プリン
ターの前カバーに記念文字等の焼込み用リス・フイルム
を先端部に貼付けたリス・フイルム貼付け枠の挿入用に
供する遮光用ローラー部を設け、該遮光用ローラー部に
てプリンター内に挿入されたリス・フイルム貼付け枠の
先端部を支持するように、プリンター内のイーゼル本体
に前記遮光用ローラー部寄りの縁辺に焼込み用開口部を
形成したペーパーマスクを装着し、前記焼込み用開口部
の下部に光源と散光板またはレンズとを有する焼込み専
用光源部を装着し、前記焼込み用開口部に前記リス・フ
イルムをセットせしめて、第４図と第５図に示すよう
に、光源1,2からの光を散光板３とレンズ４にて拡散光
と平行光にしてリス・フイルム20の記念文字等をペーパ
ー70の余白に焼込むようになしたものである。

（考案が解決しようとする問題点） 第４図に示す拡散光による場合にあっては、ペーパー70
とリス・フイルム20とを密着させないと焼付文字等にに
じみが生じ、また色つけのためにカラーフイルターをリ
ス・フイルム20と散光板３との間に入れると、カラーフ
イルターの厚さの分だけリス・フイルム20と散光板３の
間が開いて密着状態にできず、にじみの原因となるの
で、前記のにじみを少なくするためには、ペーパー70と
リス・フイルム20が完全に密着するようにリス・フイル
ム20のリス・フイルム貼付け枠への貼り方をきっちりと
しなければならないという難点があり、さらにペーパー
70と散光板３との間にリス・フイルム20を挿入して密着
させることによって、リス・フイルム20をリス・フイル
ム貼付け枠に貼付ける押えテープ等によりペーパー70に
傷がつくばかりでなく、リス・フイルム20が磨耗するの
で不具合である。第５図に示す平行光による場合には、
前述の拡散光による場合の難点や不具合はないけれど
も、平行光を得るためにレンズ４を用いるものであるた
めに、構造が複雑になるという欠点がある。

本考案は、前述の難点や、不具合や、欠点を解決するた
めになされたものであって、構造が簡単になり、従来の
焼込み装置の難点や不具合や、欠点を解決できる記念文
字等の焼込み装置の提供を目的とするものである。

（問題点を解決するための手段） 前記の目的を達成するために、本考案の記念文字等の焼
込み装置は、その焼込み光として、拡散板を用いての拡
散光あるいはレンズを用いての平行光を利用する従来よ
りの方式に代わって、近似点光源による近似平行光を利
用したものであり、すなわち焼込み用開口部の内部に一
辺が1.5〜2mmの正方形状となしたフィラメントを配置し
てなる近似点光源を有する焼込み専用光源部を装着し、
前記焼込み用開口部にリス・フィルムをセットせしめ
て、前記近似点光源からの近似平行光によってリス・フ
ィルムの記念文字等をペーパーの余白に焼込むようにな
したものである。

（作用） そこで、所望の記念文字等を有するリス・フイルムを焼
込み用開口部にセットしたのち、ペーパーマスクにペー
パーを固定し、一辺が1.5〜2mmの正方形状となしたフィ
ラメントを配置して焼込み光を近似平行光となり易くし
た近似点光源にて焼込みを行うと、該近似点光源からの
近似平行光によって、前記リス・フイルムの記念文字等
がにじむことなくペーパーの余白に焼込まれるものであ
る。

（実施例） 以下、本考案をプリンターに実施した場合の実施例を図
面によって詳細に説明することとする。

図において、11はプリンター10の前カバーにして、これ
にはリス・フイルム貼付け枠21挿入用の遮光用ローラー
部30の前面現出用の開口部12が開けられ、その裏面全周
には、遮光用ローラー部30形成用の箱体31の前面全周よ
りの遮光用突縁32が嵌入する遮光用植毛付きチャンネル
型金具13が取付けられている。前記リス・フイルム貼付
け枠21の先端部には、所望の記念文字等を有するリス・
フイルム20が貼付けてあり、リス・フイルム貼付け枠21
の後端部には、摘子22が取付けてある。前記遮光用ロー
ラー部30形成用の箱体31には、各別の遮光用ローラー取
付け室33,34が並設せしめられ、その各隔壁のほぼ中央
部には、リス・フイルム貼付け枠21の挿入用孔35、遮光
用植毛布付き挿入用孔36,37が一列に設けられ、また各
遮光用ローラー取付け室33,34には、前記挿入用孔35か
ら箱体31内に挿入されるリス・フイルム貼付け枠21を挟
むように変形可能な材料からなる黒色の遮光用ローラー
38,38′,39,39′が回転可能に装着してあり、箱体31の
前面には、リス・フイルム貼付け枠21の摘子22を規制す
るストッパー23が突設してあって、リス・フイルム貼付
け枠21を遮光用ローラー部30にてプリンター10内に挿入
するようになっている。

また、40はプリンター10内に配置したイーゼル本体であ
り、該イーゼル本体40の上端には、ペーパー70の送り方
向に直交して遮光用ローラー部30にてプリンター10内に
挿入されたリス・フイルム貼付け枠21の先端部を支持す
るようにペーパーマスク50が設置してあり、該ペーパー
マスク50の遮光用ローラー部30寄りの縁辺51には、焼込
み用開口部52が形成してあり、該開口部52の下部には、
現今の各種プリンターにおける記念文字等の焼込み装置
のサイズからみて、透明ガラスで覆われていて、一辺1.
5〜2mmの正方形状となしたフィラメントにより焼込み光
が近似平行光となり易くした１個の近似点光源60を有す
る壁面が黒色の焼込み専用光源部61が装着してあり、前
記焼込み用開口部52には、リス・フイルム貼付け枠21の
先端部を嵌入せしめて、リス・フイルム20の上面とペー
パーマスク50の上面とを面一にしてセットできるように
凹溝53が形成してあり、焼込みを行う際には、図外の押
圧機構にて押圧するペーパー押え71にてペーパー70をペ
ーパーマスク50に圧着するようになっている。

なお、前記焼込み専用光源部61のスペースを小さくする
ために、第３図に示すように、近似点光源60からの光を
ミラー62などによって反射させるようにしてもよい。

以上のように構成されている記念文字等の焼込み装置に
て記念文字等の焼込みを行うには、所望の記念文字等を
有するリス・フイルム20をリス・フイルム貼付け枠21の
先端部に貼付け、該リス・フイルム貼付け枠21の遮光用
ローラー部30形成用の箱体31の挿入用孔35に挿入し、遮
光用ローラー38,38′,39,39′にて遮光状態を保ちなが
らリス・フイルム貼付け枠21をプリンター10内へ挿入す
ると、リス・フイルム貼付け枠21の先端部はペーパーマ
スク50の遮光用ローラー部30寄りの縁辺51の凹溝53に嵌
入し、リス・フイルム貼付け枠21の摘子22がストッパー
23に当接すると同時に、リス・フイルム20がペーパーマ
スク50の焼込み用開口部52にセットされる。次いで、ペ
ーパー70をペーパーマスク50に送込んで、ペーパー押え
71にてペーパー70をペーパーマスク50に圧着したのち
に、近似点光源60にて焼込みを行うと、該近似点光源60
からの近似平行光によって、前記リス・フイルム20の記
念文字等がにじむことなくペーパー70の余白に焼込まれ
るのである。以上のように、記念文字等の焼込みに近似
平行光を用いるものであることによって、ペーパー70と
リス・フイルム20とを密着させても、密着させることな
く僅かの間隙をおいても、ペーパー70の余白に焼込まれ
る文字等ににじみが生じないのである。焼込み専用光源
部61には散光板やレンズが装着していないので、構造が
簡単となり、取扱いが容易になるのである。

前記の実施例に替えて、現今のエンラージャーにおける
記念文字等の焼込み装置のサイズからみて、前記プリン
ターと同様に、エンラージャーに焼込み用開口部を形成
し、該焼込み用開口部の内部に近似点光源を有する焼込
み専用光源部を装着し、前記焼込み用開口部にリス・フ
イルムをセットせしめて、近似点光源からの近似平行光
によって、リス・フイルムの記念文字等をペーパーの余
白に焼込むようになしてもよい。

（考案の効果） 以上の記載から明らかなように、長尺の写真印画紙、す
なわちロール状に巻かれたペーパーの余白に所望の記念
文字等を焼込む焼込み装置において、本考案は、その焼
込み光として、拡散板を用いての拡散光あるいはレンズ
を用いての平行光を利用する従来よりの方式に代わっ
て、近似点光源による近似平行光を利用し得る如くなし
たるをもって、拡散板やレンズ等が不要となり、その構
造がきわめて簡単となったにもかかわらず、所望の記念
文字等を有するリス・フイルムとペーパーとが密着ある
いは僅かの間隙をおいての非密着の状態にあっても、焼
込み記念文字等ににじみが生じなくなったばかりでな
く、この種の焼込み作業が簡単にできるようになったと
いう特筆すべき効果に加え、いわゆる密着焼きをしなく
てもにじみが生じないため、色フイルターを自由に重ね
られるようになったという効果をも奏することができる
ようになった。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の記念文字等の焼込み装置をプリンター
に組込んだ状態を示す断面図、第２図と第３図は本考案
の作用説明図、第４図と第５図は従来の記念文字等の焼
込み装置の作用説明図である。 10:プリンター、11:前カバー 20:リス・フイルム、21:リス・フイルム貼付け枠 30:遮光用ローラー部 40:イーゼル本体 50:ペーパーマスク、51:縁辺 52:焼込み用開口部 60:近似点光源、61:焼込み専用光源部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】焼込み用開口部の内部に一辺が1.5〜2mmの
   正方形状となしたフィラメントを配置してなる近似点光
   源を有する焼込み専用光源部を装着し、前記焼込み用開
   口部にリス・フィルムをセットせしめて、前記近似点光
   源からの近似平行光によってリス・フィルムの記念文字
   等をペーパーの余白に焼込むようになしたことを特徴と
   する記念文字等の焼込み装置。