JPH0755155B2 - アミノ酸の製造法 - Google Patents

アミノ酸の製造法

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JPH0755155B2
JPH0755155B2 JP61213572A JP21357286A JPH0755155B2 JP H0755155 B2 JPH0755155 B2 JP H0755155B2 JP 61213572 A JP61213572 A JP 61213572A JP 21357286 A JP21357286 A JP 21357286A JP H0755155 B2 JPH0755155 B2 JP H0755155B2
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瞭一 勝亦
治彦 横井
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協和醗酵工業株式会社
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12PFERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
    • C12P13/00Preparation of nitrogen-containing organic compounds
    • C12P13/04Alpha- or beta- amino acids
    • C12P13/10Citrulline; Arginine; Ornithine

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はエシェリシア属菌種のアセチルグルタミン酸キ
ナーゼ(以下AGKと略す:大腸菌K12株のargB遺伝子に対
応),N−アセチル−γ−グルタミルリン酸レダクターゼ
(以下AGPRと略す:argC遺伝子に対応),アルギニノス
クシナーゼ(以下ASと略す:argH遺伝子に対応)の合成
に関与する遺伝情報を担うDNA断片を含有する組換え体D
NA、または該DNA断片とアルギニノコハク酸シンテター
ゼ(以下ASSと略す:argG遺伝子に対応)の合成に関与す
る遺伝情報を担うDNA断片とを含有する組換え体DNAを保
有するコリネバクテリウム属またはブレビバクテリウム
属に属する微生物を培地に培養し、培養物中に生成蓄積
したL−アルギニン,L−シトルリン,またはL−オルニ
チンを採取することを特徴とするL−アルギニン,L−シ
トルリン,またはL−オルニチンの製造法に関する。従
って本発明はバイオインダストリーの産業分野に関し、
特に医薬,食品において有用なL−アルギニン,L−シト
ルリンまたはL−オルニチンの製造分野に関する。
従来の技術 コリネバクテリウム属やブレビバクテリウム属などのコ
リネ型グルタミン酸生産菌を用いる発酵法によるL−ア
ルギニンの生産法については、該菌株の野生株から誘導
されたL−アルギニン生産能を有する突然変異株を用い
る方法が知られている。
L−アルギニン生産性変異株としては、例えばアグリカ
ルチュラル・バイオロジカル・ケミストリィ(Agr.Bio
l.Chem.),36,1675(1972),特公昭54−37235,特開昭
57−150381などに記載されているように、アミノ酸のア
ナログや核酸のアナログに対する耐性変異あるいはそれ
らに核酸塩基の要求性を付与した菌株などが知られてい
る。また、組換えDNA技術により育種された菌株を用い
るL−アルギニンの製造法も知られている。例えば、大
腸菌のアルギニン生合成に関与する遺伝子、なかでもAG
K,AGPR,アセチルオルニチンデアセチラーゼ(以下AODと
略す),およびASの合成に関与する遺伝子(argB,argC,
argE,argH)を担うDNA断片を含む組換え体プラスミドDN
A(pEarg1)をコリネバクテリウム属またはブレビバク
テリウム属菌種に保有させ、該菌株を用いてL−アルギ
ニンを発酵生産する方法などが知られている(特開昭60
−66989)。
また、コリネバクテリウム属やブレビバクテリウム属な
どのコリネ型グルタミン酸生産菌を用いる発酵法によ
り、L−オルニチンまたはL−シトルリンを生産する方
法については、該菌種の野生株から誘導された栄養要求
性突然変異株を用いる方法が知られている。L−オルニ
チン生産性変異株としては、例えばジャーナル・オブ・
ジェネラル・アンド・アプライド・ミクロバイオロジィ
(J.Gen.Appl.Microbiol.),272(1958)に示されて
いるように、シトルリンまたはアルギニンの要求性を付
与した菌株が知られている。L−シトルリン生産性変異
株としては、例えばアミノ アシッド・ヌクレイック
アシッド(Amino Acid・Nucleic Acid)14,6(1966)
などに記載されているように、L−アルギニンの要求性
を付与した菌株が知られている。
発明が解決しようとする問題点 近年、L−アルギニン,L−オルニチン,およびL−シト
ルリンの需要が増大するにつれ、これらのアミノ酸の製
造法の改善がますます望まれている。
問題点を解決するための手段 本発明者は、組換えDNA技術によりコリネバクテリウム
属またはブレビバクテリウム属菌種のL−アルギニン,L
−シトルリン,およびL−オルニチンの生産能力が向上
した菌株を得るため、鋭意研究を重ねた。その結果、大
腸菌のAGK,AGPR,AOD,ASに対応する各々の遺伝子(argB,
argC,argE,argH)を含む組換え体プラスミドpEarg1より
AODに対応する遺伝子を欠損させた新たな組換え体プラ
スミド(pEarg2)を保有するコリネバクテリウム属また
はブレビバクテリウム属菌株を用いれば、pEarg1を保有
する菌株に比べてL−アルギニンの生産性が高まるこ
と、pEarg2を保有する菌株は保有しない菌株に比べ、L
−オルニチンまたはL−シトルリンの生産性が高まるこ
と、またpEarg2に大腸菌のASSに対応する遺伝子(arg
G)を含むDNA断片を組み込んだ組換え体DNA(pEarg4)
を保有するコリネバクテリウム属またはブレビバクテリ
ウム属菌株を用いれば、pEarg2を保有する菌株に比べ、
L−アルギニン生産性がさらに高まることを見出し、本
発明を完成するに至った。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、エシェリシア属に属する微生物のN−アセチ
ルグルタミン酸キナーゼ,N−アセチル−γ−グルタミル
リン酸レダクターゼおよびアルギニノスクシナーゼの合
成に関与する遺伝情報を担うDNA断片、またはN−アセ
チルグルタミン酸キナーゼ,N−アセチル−γ−グルタミ
ルリン酸レダクターゼ,アルギニノスクシナーゼおよび
アルギニノコハク酸シンテターゼの合成に関与する遺伝
情報を担うDNA断片とベクターDNAとの組換え体DNAを保
有するコリネバクテリウム属またはブレビバクテリウム
属に属する微生物を培地に培養し、培養物中にL−アル
ギニン,L−シトルリンまたはL−オルニチンを生成蓄積
させ、該培養物から該アミノ酸を採取することを特徴と
するアミノ酸の製造方法を提供する。
本発明の宿主微生物として用いるコリネバクテリウム属
またはブレビバクテリウム属に属する微生物としては、
いわゆるコリネ型グルタミン酸生産菌として知られてい
る微生物は全て用いることができるが、好適には下記の
菌株が用いられる。
コリネバクテリウム・グルタミクム ATCC31833 コリネバクテリウム・アセトアシドフィラム ATCC13870 コリネバクテリウム・ハーキュリス ATCC13868 コリネバクテリウム・リリウム ATCC15990 ブレビバクテリウム・ディバリカツム ATCC14020 ブレビバクテリウム・フラブム ATCC14067 ブレビバクテリウム・イマリオフィラム ATCC14068 ブレビバクテリウム・ラクトファーメンタム ATCC13869 ブレビバクテリウム・チオゲンタリス ATCC19240 L−アルギニンを製造する場合、宿主微生物としてL−
アルギニン生産性を有しない菌株を用いることもできる
が、すでにL−アルギニン生産性を有する菌株を用いる
こともできる。アルギニン生産性を有する菌株として
は、アミノ酸アナログ耐性変異株など公知の菌株が使用
できる。L−オルニチンあるいはL−シトルリンを製造
する場合には、宿主微生物としてアルギニン要求性が付
与され、すでにL−オルニチンあるいはL−シトルリン
生産性を有する菌株を用いる。
本発明においてAGK,AGPR,AS,およびASSに対応する遺伝
子の供給源となる微生物としてはエシェリシア属に属
し、AGK,AGPR,AS,およびASSの活性を有するものであれ
ばいかなる微生物でもよい。具体的に好適な一例として
は、大腸菌K12株の遺伝子を用いることができる。大腸
菌K12株ではAGK,AGPR,AS,ASSは、各々argB,argC,argH,a
rgGと称する遺伝子にコードされている〔ジェネティク
ス(Genetics)51,167(1965)〕。
これらの遺伝子の供給源となる染色体DNAは、これらの
酵素の活性を有する微生物の培養菌体をリゾチームおよ
び界面活性剤で処理して溶菌した後除蛋白し、ついでエ
タノールで沈殿させる常法〔バイオキミカ・エ・バイオ
フィジカ・アクタ(Biochem.Biophys.Acta)72,619(19
63)〕により単離できる。
アルギニン生合成に係わる酵素の遺伝子を含むDNA断片
を組み込むためのベクターとしては、コリネバクテリウ
ム属またはブレビバクテリウム属菌種中で複製できるも
のであれば特に限定されないが、例えばpCG1(特開昭57
−134500),pCG2(特開昭58−35197),pCG4,pCG11(い
ずれも特開昭57−183799),pCE51,pCE52,pCE53〔いずれ
もモレキュラー・アンド・ジェネラル・ジェネティクス
(Mol.Gen.Genet.),196,175(1984)〕pCE54,pCB101
(いずれも特開昭58−105999)あるいはそれらから誘導
されたプラスミドを使用することができる。ベクタープ
ラスミドDNAは、特開昭57−134500あるいは特開昭57−1
86489に開示された方法で、それらを保有する菌株の培
養菌体から単離精製することができる。
AGK,AGPR,AS,およびASSに対応する各遺伝子を含む供与
体DNAとベクターDNAとの組換え体DNAは、試験管内で両D
NAを制限酵素で切断した後、DNAリガーゼで連結反応さ
せ、この結合反応物を用いてAGK,AGPR,AS,またはASSが
欠損したコリネバクテリウム属またはブレビバクテリウ
ム属の変異株を形質転換し、欠損形質が相補された形質
転換株を選択することによって得ることができる。この
組換えDNA技法は、特開昭57−186492および特開昭57−1
86489に記載の方法に従って行うことができる。
コリネバクテリウム属またはブレビバクテリウム属菌株
で直接組換え体DNAを選択する代わりに、例えば大腸菌
のようにすでに遺伝子組換え技法が確立している宿主−
ベクター系を用いることもできる。すなわち、AGK,AGP
R,AS,ASSに対応する各遺伝子を含む供与体DNAと大腸菌
ベクターDNAの試験管内で切断、再結合した反応物を用
い、AGK,AGPR,AS,またはASSが欠損した大腸菌の変異株
を形質転換し、欠損形質が相補された形質転換株を選択
することによって目的遺伝子をクローン化することがで
きる。このクローン化したDNAとコリネバクテリウム属
およびブレビバクテリウム属菌種のベクターDNAを試験
管内で制限酵素で切断した後、DNAリガーゼで再結合反
応させ、この結合反応物を用いて再度、前述のアルギニ
ン生合成酵素が欠損した大腸菌変異株を形質転換し、コ
リネバクテリウム属あるいはブレビバクテリウム属菌種
のベクターDNAの選択マーカーを有し、しかも欠損形質
が相補された形質転換株を選択することによっても同様
な組換え体DNAが取得できる。宿主大腸菌でクローン化
したDNAとコリネバクテリウム属あるいはブレビバクテ
リウム属菌種のベクターDNAとの組換え体の選択は大腸
菌を用いず、アルギニン生合成に関与する酵素が欠損し
たコリネバクテリウム属あるいはブレビバクテリウム属
菌種の変異株を形質転換し、欠損形質が相補された形質
転換株を選択することによっても目的の組換え体DNAを
取得することができる。
AGK,AGPR,ASの遺伝子(argB,argC,argH)を含むDNAの具
体的に好適な例として、特開昭60−66989に記載されて
いるpEarg1があげられる。pEarg1は大腸菌K12株のジー
ンバンク中のプラスミドpLC20−10〔セル(Cell),9
1,(1976)〕とプラスミドpCE53〔モレキュラー・アン
ド・ジェネラル・ジェネティクス(Mol.Gen.Genet.)19
6,175(1984)〕との組換え体として取得したプラスミ
ドで、大腸菌のAGK,AGPR,ASの遺伝子(argB,argC,arg
H)に加えてAODの遺伝子(argE)を含有するものであ
る。pEarg1よりargB,argC,argHのみを含むプラスミドを
作製するには、例えば実施例1に示されるようにargEの
構造遺伝子に対応するDNA断片の一部を削除すればよ
い。
argG遺伝子のクローン化はASS活性を有する大腸菌K12株
亜株、例えばWA802株(FERM BP−718)の染色体DNAを
供与体として、前記の方法により実施できる。
また、argB,argC,argHおよびargG各遺伝子を全て含む組
換え体DNAは、たとえばargG遺伝子を含むDNA断片と、前
記のargB,argC,argH各遺伝子を含むプラスミドとを連結
することにより取得することができる。
以上のように取得したargB,argC,argHを含む組換え体DN
A、argGを含む組換え体DNA、あるいはargB,argC,argH,a
rgGを全て含む組換え体DNAは、特開昭57−186492および
特開昭57−186489に示したプロトプラストを使用する方
法により、コリネバクテリウム属あるいはブレビバクテ
リウム属菌種に導入することができる。これらの組換え
体DNA保有株によるL−アルギニン,L−シトルリン,あ
るいはL−オルニチンの生産は、従来の発酵法によるこ
れらアミノ酸の製造に用いられる方法により行うことが
できる。すなわち、該形質転換株を炭素源,窒素源,無
機物,アミノ酸,ビタミンなどを含有する通常の培地
中、好気的条件下、温度,pHなどを調節しつつ培養を行
えば、培養物中にL−アルギニン,L−シトルリン,ある
いはL−オルニチンが生成蓄積するので、これを採取す
る。
炭素源としてはグルコース,グリセロール,フラクトー
ス,シュークロース,マルトース,マンノース,澱粉,
澱粉加水分解液,糖蜜などの炭水化物、ポリアルコー
ル,ピルビン酸,フマール酸,乳酸,酢酸などの各種有
機酸が使用できる。さらに菌の資化性によって、炭化水
素,アルコール類なども用いうる。とくに廃糖蜜は好適
に用いられる。
窒素源としてはアンモニアあるいは塩化アンモニウム,
硫酸アンモニウム,炭酸アンモニウム,酢酸アンモニウ
ムなどの各種無機および有機アンモニウム塩類あるいは
尿素および他の窒素含有物質ならびにペプトン,NZ−ア
ミン,肉エキス,酵母エキス,コーン・スチープ・リカ
ー,カゼイン加水分解物,フィッシュミールあるいはそ
の消化物,脱脂大豆粕あるいはその消化物,蛹加水分解
物などの窒素含有有機物など種々のものが使用可能であ
る。
さらに無機物としては、燐酸第一水素カリウム,燐酸第
二水素カリウム,硫酸アンモニウム,塩化アンモニウ
ム,硫酸マグネシウム,塩化ナトリウム,硫酸第一鉄,
硫酸マンガンおよび炭酸カルシウムなどを使用する。微
生物の生育に必要とするビタミン,アミノ酸源などは、
前記したような他の培地成分に従って培地に供給されれ
ば特に加えなくてもよい。
培養は振盪培養あるいは通気撹拌培養などの好気的条件
下に行う。培養温度は一般に20〜40℃が好適である。培
養中の培地のpHは中性付近に維持することが望ましい。
培養期間は通常1〜5日間で培地中にL−アルギニン,L
−シトルリン,あるいはL−オルニチンが蓄積する。
培養終了後、菌体を除去して活性炭処理,イオン交換樹
脂処理などの公知の方法で培養液からL−アルギニン,L
−シトルリン,あるいはL−オルニチンを回収する。
このようにしてargB,argC,argHを含む組換え体DNAを保
有させたコリネバクテリウム属またはブレビバクテリウ
ム属菌株を用いることにより非保有株に比べ高い収率で
L−アルギニン,L−シトルリン,あるいはL−オルニチ
ンを生産することが、またargB,argC,argHおよびargGを
含む組換え体DNAを保有させたコリネバクテリウム属ま
たはブレビバクテリウム属菌株を用いることにより非保
有株に比べ高い収率でL−アルギニンを生産することが
できる。かかる微生物として、具体的にはたとえばコリ
ネバクテリウム・グルタミクムK62(アルギニン生産性;
FERM BP−1112),コリネバクテリウム・グルタミクム
K63(アルギニン生産性;FERM BP−1113)があげられ
る。それらは、シトルリン生産菌コリネバクテリウム・
グルタミクムK61(FERM BP−1111)とともに工業技術
院微生物工業技術研究所(微工研)に昭和61年7月24日
付で寄託されている。
以下に本発明の実施例を示す。
実施例 (1) 大腸菌のアルギニン要求性変異株の取得 アルギニン生合成遺伝子のクローニングおよびクローン
化した遺伝子の確認のために、アルギニン生合成遺伝子
を欠損した大腸菌株を以下のように取得した。
大腸菌K12株亜株WA802(メチオニン要求性;FERM BP−7
18)にN−メチル−N′−ニトロ−N−ニトロソグアニ
ジン(NTG)400γ/mlを用いて通常の変異処理を施した
後、ペニシリンを用いる栄養要求株の濃縮法〔エックス
ペリメント・イン・モレキュラー・ジェネティクス(Ex
periment in Molecular Genetics)p.230,コールド ス
プリング ハーバー ラボラトリー(1972)〕に従って
アルギニン要求株を濃縮後選択した。得られたアルギニ
ン要求株の変異遺伝子の同定は、各アルギニン生合成酵
素の活性を測定することによって行った。
活性測定法は、AGK,AODおよびASについては、ジャーナ
ル・オブ・ジェネラル・ミクロバイオロジィ(J.Gen.Mi
crobiol.)69,365(1971)、AGPRについては、バイオキ
ミカ・エ・バイオフィジカ・アクタ(Biochem.Biophys.
Acta)108,306(1965)、ASSについては、ジャーナル・
オブ・バイオケミストリィ(J.Biochem.)85,1309(197
9)に従って行った。その結果、AGK(argB)欠損変異株
としてEA−21、AGPR(argC)欠損変異株としてEA−35、
AOD(argE)欠損変異株としてEA−4、ASS(argG)欠損
変異株としてEA−51、AS(argH)欠損変異株としてEA−
77を取得した。
(2) 大腸菌のargB,argC,argH各遺伝子を含みargE遺
伝子を含まないプラスミドDNAの作製 特開昭60−66989に示されているように、大腸菌のargB,
argC,argH,argE各遺伝子からなるクラスターを含む組換
え体DNApEarg1は、pLC20−10とpCE53との組換え体とし
て取得できる。pCL20−10は大腸菌K12株のジーンバンク
中から得られ、上記遺伝子群を有することが知られてい
る〔セル(Cell),91(1976)〕。pCE53はモレキュラ
ー・アンド・ジェネラル・ジェネティクス(Mol.Gen.Ge
net.)196,175(1984)に示したプラスミドで、選択マ
ーカーとしてカナマイシン耐性遺伝子を有し、大腸菌と
コリネバクテリウム属またはブレビバクテリウム属など
のコリネ型グルタミン酸生産菌の双方で複製する。pEar
g1は第1図に示すような各種制限酵素の切断部位を有し
ているが、このうち2ヶ所存在するSal I切断部位は、
いずれもargEの構造遺伝子内に存在することが示されて
いる〔ジーン(Gene),207(1979)〕。
pEarg1からargB,argC,argH各遺伝子を含み、argE遺伝子
を含まないプラスミドDNAの取得は以下の方法により行
った。まずpEarg1を保有する大腸菌K12株亜株WA802の培
養菌体から、アンらの方法〔ジャーナル・オブ・バクテ
リオロジィ(J.Bacteriol.)140,400(1979)〕に従い
単離した。pEarg1プラスミドDNA2μgを含む制限酵素Sa
l I用反応緩衝液〔10mMトリス(ヒドロキシルメチル)
アミノメタン(以下トリスと略す),150mM NaCl,7mM
MgCl2,pH8.0〕100μに5単位のSal I(宝酒造社製,8
単位/μ)を添加し、37℃で1時間反応させた。該消
化物を65℃で1時間加温した後、10倍濃度のT4リガーゼ
反応緩衝液(660mMトリス,66mM MgCl2,100mMジチオス
レイトール,pH7.6)12μ,ATP(100mM)3μ,T4リガ
ーゼ(宝酒造社製,350単位/μ)1μを加え、4℃
で24時間反応させた。このリガーゼ反応混合物を形質転
換に供した。受容菌としては、(1)で取得したargEを
欠損した大腸菌K12株亜株EA−4(アルギニン,メチオ
ニン要求性)を用いた。EA−4のコンピテント・セルは
ダジェルトらの方法〔ジーン(Gene),23(1979)〕
で調製した。
すなわち、L培地(バクトトリプトン10g,酵母エキス5
g,グルコース1gおよびNaCl5gを水1に含み、pH7.2に
調整した培地)50mlにEA−4株を植菌し、東京光電比色
計で660nmにおける吸光度(OD)(以下、特記しないか
ぎり吸光度は660nmで測定)が0.5になるまで37℃で培養
した。培養液を氷水中で10分間冷却してから遠心した。
冷却した0.1M CaCl220mlに菌体を再懸濁し、0℃に20
分間置いた。菌体を再遠心し、0.1M CaCl20.5mlに懸濁
し、0℃で18時間置いた。CaCl2処理した菌液150μに
前記リガーゼ反応混合物50μを添加混合し、0℃に10
分間置いてから37℃で5分間加温した。次いでL培地2m
lを添加し、37℃で2時間振盪培養した。生理食塩水で
2回遠心洗浄後、25μg/ml相当のカナマイシンを添加し
たL寒天培地〔L培地1に寒天16gを含む培地〕に塗
布し、37℃で1日培養した。出現した形質転換株は、メ
チオニン30μg/mlを含むデービス最少寒天培地〔グルコ
ース2g,(NH42SO41g,K2HPO47g,KH2PO42g,MgSO4・7H2O
0.1g,クエン酸3ナトリウム塩0.5g,サイアミン塩酸塩4m
g,および寒天16gを水1に含み、pH7.2に調整した培
地〕,およびメチオニンとアルギニン各30μg/mlを含む
デービス最少寒天培地に塗布し、アルギニン要求性を調
べた。このうちアルギニン要求性を示した形質転換株の
培養菌体から、前記のpEarg1を単離したのと同様の方法
によりプラスミドDNAを単離した。このプラスミドDNAは
制限酵素消化とアガロースゲル電気泳動で解析した結
果、第1図に示すようにpEarg1の2ヶ所のSal I切断部
位にはさまれた0.5KbのDNA断片が欠失した構造を有して
いた。このプラスミドをpEarg2と命名した。
このプラスミドDNAを用いてEA−4株を前記と同様に再
形質転換した結果、得られたカナマイシン耐性形質転換
株は全てアルギニン要求性を有していた。しかし、argB
を欠損した大腸菌K12株亜株EA−21,argCを欠損した大腸
菌K12株亜株EA−35およびargHを欠損した大腸菌K12株亜
株EA−77(以上いずれもアルギニン,メチオニン要求
性)をpEarg2で形質転換した結果、得られたカナマイシ
ン耐性形質転換株はすべてアルギニン非要求性であっ
た。このことよりpEarg2はargB,argC,argH各遺伝子を含
み、argE遺伝子は含まないプラスミドであることが判明
した(第1図参照)。
(3) pEarg2保有株によるL−アルギニン,L−シトル
リン,L−オルニチンの生産 コリネバクテリウム・グルタミクムATCC31833,コリネバ
クテリウム・ハーキュリスATCC13868,ブレビバクテリウ
ム・フラブムATCC14067,L−オルニチン生産性菌株コリ
ネバクテリウム・グルタミクムATCC13232,およびコリネ
バクテリウム・グルタミクムATCC13032よりアルギニン
要求株として分離したシトルリン生産性菌株コリネバク
テリウム・グルタミクムK61(FERM BP−1111)のプロ
トプラストを形質転換してpEarg2を導入した。コリネバ
クテリウム・グルタミクムATCC31833,コリネバクテリウ
ム・ハーキュリスATCC13868,ブレビバクテリウム・フラ
ブムATCC14067,コリネバクテリウム・グルタミクムATCC
13232,コリネバクテリウム・グルタミクムK61(FERM B
P−1111)をそれぞれNB培地(粉末ブイヨン20g,酵母エ
キス5gを水1に含みpH7.2に調整した培地)にて30℃
で一昼夜振盪培養し、その種培養0.1mlを10mlのSSM培地
〔グルコース10g,NH4Cl4g,尿素2g,酵母エキス1g,KH2PO4
1g,K2HPO43g,MgCl2・6H2O0.4g,FeSO4・7H2O10mg,MnSO4
・4〜6H2O0.2mg,ZnSO4・7H2O0.9mg,CuSO4・5H2O0.4mg,
Na2B4O7・10H2O0.09mg,(NH46Mo7O24・4H2O0.04mg,ビ
オチン30μg,サイアミン塩酸塩1mgを純水1に含みpH
7.2に調整した培地〕,あるいはアルギニン200μg/mlを
添加したSSM培地10mlの入ったL字型試験管に接種し、
モノ−型培養槽にて30℃で振盪培養した。ODが0.15にな
った時点で0.5単位/mlになるようにペニシリンGを添加
した。さらに培養を続け、ODが約0.6になったところで
細胞を集菌し、RCGP培地〔グルコース5g,カザミノ酸5g,
酵母エキス2.5g,K2HPO43.5g,KH2PO41.5g,MgCl2・6H2O0.
41g,FeSO4・7H2O10mg,MnSO4・4〜6H2O2mg,ZnSO4・7H2O
0.9mg,(NH46Mo7O24・4H2O0.04mg,ビオチン30μg,サ
イアミン塩酸塩2mg,コハク酸二ナトリウム135g,ポリビ
ニルピロリドン(分子量10,000)30gを水1に含む培
地〕に1mg/mlのリゾチームを含む液2.5ml(pH7.6)に約
109細胞/mlとなるように懸濁し、L型試験管に移して30
℃で15時間緩やかに振盪反応してプロトプラスト化し
た。このプロトプラスト菌液0.5mlを小試験管にとり、
2,500×gで5分間遠心分離し、TSMC緩衝液〔10mM MgC
l2,30mM CaCl2,50mMトリス,400mMショ糖,pH7.5〕1mlに
懸濁して遠心洗浄後、TSMC緩衝液0.1mlに再懸濁した。
この菌液に2倍濃度のTSMC緩衝液とpEarg2プラスミドDN
A溶液との1対1混合液100μを加えて混和し、次いで
TSMC緩衝液中に20%ポリエチレングリコール(PEG)6,0
00(半井化学薬品社製)を含む液1.0mlを添加して混合
した。3分後2,500×gで5分間遠心分離にかけて上澄
液を除去し、沈降したプロトプラストを1mlのRCGP培地
(pH7.4)に懸濁してから30℃で2時間緩やかに振盪し
た。ついでこのプロトプラスト懸濁液の0.3mlをカナマ
イシン400μg/mlを含むRCGP寒天培地(RCGP培地に1.6%
寒天を含む培地、pH7.4)に塗抹し、3℃で8日間培養
した。
出現したカナマイシン耐性形質転換抹を400mlSSM培地で
振盪培養し、ODが0.15になったところで0.5単位/mlとな
るようにペニシリンGを添加し、さらにODが0.65になる
まで培養した。培養液から菌体を集菌し、TES緩衝液
(トリス0.03M,EDTA0.005M,NaCl0.05M,pH8.0)で洗浄
後、リゾチーム液(25%ショ糖,0.1M NaCl,0.05Mトリ
ス,0.8mg/mlリゾチーム:pH8.0)10mlに懸濁し、37℃で
4時間反応させた。反応液に5M NaCl2.4ml,0.5M EDTA
(pH8.0)0.6ml,および4%ラウリル硫酸ナトリウムと
0.7M NaClからなる溶液4.4mlを順次添加し、緩やかに
混和してから氷水中に15時間置いた。溶解物全量を遠心
管に移し、4℃で60分間69,400×gの遠心分離にかけ上
澄液を回収した。これに重量百分率10%相当のPEG6,000
(半井化学薬品社製)を加え、静かに混和して溶解後、
氷水中に置いた。10時間後、1,500×gで10分間遠心分
離してペレットを回収した。TES緩衝液5mlを加えてペレ
ットを静かに再溶解してから1.5mg/mlエチジウムブロマ
イド2.0mlを添加し、これに塩化セシウムを加えて静か
に溶解し、密度を1.580に合わせた。この溶液を105,000
×g,18℃で48時間超遠心分離にかけた。この密度勾配遠
心により共有結合で閉じられた環状のDNAは、紫外線照
射することによって遠心チューブ中下方の密度の高いバ
ンドとして見出された。このバンドを注射器で遠心チュ
ーブの側面から抜きとることによってプラスミドを分離
した。ついで分離液を等容量のイソプロピルアルコール
液〔容量百分率90%イソプロピルアルコール,10%TES緩
衝液(この混液中に飽和溶解量の塩化セシウムを含
む)〕で5回処理してエチジウムブロマイドを抽出除去
し、しかる後にTES緩衝液に対して透析した。こうして
プラスミドDNAを得た。
これらのプラスミドを制限酵素消化とアガロースゲル電
気泳動で解析した結果、各種制限酵素切断様式で特徴付
けられるpEarg2と同一の構造を有するものであることが
わかった。
こうして形質転換株コリネバクテリウム・グルタミクム
ATCC31833/pEarg2,コリネバクテリウム・ハーキュリスA
TCC13868/pEarg2,ブレビバクテリウム・フラブムATCC14
067/pEarg2,コリネバクテリウム・グルタミクムATCC132
32/pEarg2およびコリネバクテリウム・グルタミクムK61
/pEarg2を取得した。このうち形質転換株コリネバクテ
リウム・グルタミクムATCC31833/pEarg2はコリネバクテ
リウム・グルタミクムK62(FERM BP−1112)として微
工研に寄託されている。
また同様の操作によってコリネバクテリウム・グルタミ
クムATCC31833,コリネバクテリウム・ハーキュリスATCC
13868,ブレビバクテリウム・フラブムATCC14067,コリネ
バクテリウム・グルタミクムATCC13232,およびコリネバ
クテリウム・グルタミクムK61にpEarg1を導入し、各々
の形質転換株を得た。
得られたpEarg1,pEarg2各形質転換株について、以下の
ようにL−アルギニン,L−シトルリン,あるいはL−オ
ルニチンの生産試験を行った。
NB培地中で30℃,16時間振盪培養した種培養0.5mlを生産
培地5ml〔廃糖蜜80g(グルコース換算),(NH42SO44
0g,KH2PO40.5g,K2HPO40.5g,CaCO320gを水1に含み、p
H7.0に調整した培地〕の入った試験管に接種し、30℃で
72時間振盪培養した。ただし、L−シトルリンまたはL
−オルニチンの生産試験では、該生産培地5mlに100μg/
mlのL−アルギニンを添加した。培養後、培養濾液をペ
ーパークロマトグラフィーにかけ、ニンヒドリン発色後
比色定量してL−アルギニン,L−シトルリン,およびL
−オルニチンの生成量を測定した。
結果を第1表,第2表,第3表に示す。
以上の結果より、pEarg1(argB,argC,argHおよびargE遺
伝子を含有)よりargE遺伝子を欠失させて得たプラスミ
ドpEarg2の導入株では、pEarg1導入株に比べ、アルギニ
ン,オルニチンまたはシトルリンの生産性が向上するこ
とが明らかになった。
(4) 大腸菌argG遺伝子を含むプラスミドDNAの調製 大腸菌argG遺伝子を含む染色体DNAは、前記の大腸菌K12
株亜株WA802(FERM BP−718)より常法〔バイオキミカ
・エ・バイオフィジカ・アクタ(Biochem.Biophys.Act
a)72,619(1963)〕により単離した。
ベクターとして使用したpBR322(アンピシリン耐性,テ
トラサイクリン耐性)は宝酒造社製の市販品を用いた。
pBR322プラスミドDNA1μgおよびWA802染色体DNA3μg
を含む制限酵素Ban III用反応液(10mMトリス,50mM Na
Cl,7mM MgCl2,pH7.5)100μに16単位のBan III(東
洋紡績社製)を添加し、37℃で60分間反応後、65℃で40
分間加温して反応を停止した。該反応消化物に10倍濃度
のT4リガーゼ緩衝液12μ,100mM ATP3μおよびT4リ
ガーゼ(宝酒造社製)350単位を加え、12℃で16時間反
応させた。このリガーゼ反応混合物を(1)で取得した
大腸菌K12株亜株EA−51(アルギニン,メチオニン要求
性)の形質転換に供した。EA−51株のコンピテント・セ
ルは実施例(2)に記した方法により調製した。選択培
地は30μg/mlのメチオニン,および50μg/mlのアンピシ
リンを添加したデービス最少寒天培地を用いた。出現し
た形質転換株の培養菌体から前記のアンらの方法により
プラスミドDNAを単離した。形質転換株から得られ、pEa
rg3と命名したプラスミドは、各種制限酵素での消化と
アガロースゲル電気泳動による解析の結果、pBR322の唯
一のBan III(Cla Iと切断認識部位が同一)切断部位に
7キロベースのBan III DNA断片が挿入された構造であ
ることが示された。pEarg3を用い、EA−51株を前記と同
様に再形質転換したところ、アンピシリン耐性で選択さ
れた形質転換株は全てアルギニン非要求性を示した。こ
のことから大腸菌argG遺伝子がクローン化されているこ
とが確認された。pEarg3の作製過程を第1図に示す。
(5) pEarg2と大腸菌argG断片との組換えプラスミド
の作製 実施例(2)で作製したpEarg2と実施例(4)でクロー
ン化した大腸菌argG断片とを組み換えて、argB,argC,ar
gH,argGの4遺伝子を全て含むプラスミドpEarg4を作製
した。
pEarg2DNA2μgを含む制限酵素Ban III用反応液100μ
に0.単位のBan IIIを添加し、37℃で1時間反応後65℃
で40分間加温して反応を停止した。一方、pEarg3DNA2μ
gを含むBan III用反応液100μに4単位のBan IIIを
添加し、37℃で1時間反応後65℃で40分間加温して反応
を停止した。両反応消化物を混合した後、10倍濃度のT4
リガーゼ緩衝液23μ,100mM ATP 5μ,およびT4
リガーゼ350単位を加え、12℃で16時間反応させた。こ
のリガーゼ反応混合物を用いてEA−51株の形質転換を行
った。選択培地は30μg/mlのメチオニン,および25μg/
mlのカナマイシンを添加したデービス最少寒天培地を用
いた。出現した形質転換株の培養菌体から得られ、pEar
g4と命名したプラスミドは、各種制限酵素での消化とア
ガロースゲル電気泳動による解析の結果、pEarg2の2ヶ
所のBan III切断部位のうちカナマイシン耐性遺伝子外
にある部位に、pEarg3でみられた7キロベースのBan II
I断片が挿入された構造をしていることが示された。pEa
rg4を用い、(1)で取得したEA−21,EA−35,EA−77,お
よびEA−51を形質転換したところ、カナマイシン耐性で
選択された各形質転換株はアルギニン非要求性を示し、
pEarg4にはargB,argC,argHおよびargGの4遺伝子が含ま
れていることが確かめられた。
また、このpEarg4を用いてコリネバクテリウム・グルタ
ミクムLA−A36(アルギニン要求性)を形質転換した。
該株は、コリネバクテリウム・グルタミクムATCC31833
由来のリゾチーム感受性変異株ATCC31834から通常用い
られる変異処理により誘導されたアルギニン要求性の変
異株であり、アルギニン生合成の中間体であるシトルリ
ンを生育要求物質であるアルギニンに代替できないこ
と、およびpEarg2を導入してもアルギニン要求性はかわ
らないことから、その欠損変異はASS遺伝子(大腸菌のa
rgG遺伝子産物に対応)にあると推察されるものであ
る。コリネバクテリウム・グルタミクムLA−A36の種培
養0.1mlをNB培地10mlに植菌し、30℃で振盪培養した。O
D0.6になった時点で集菌し、以下実施例(3)と同様の
操作を行ってpEarg4による形質転換を行った。選択培地
は400μg/mlのカナマイシンを含むRCGP寒天培地を用い
た。得られたカナマイシン耐性形質転換株についてその
アルギニン要求性を調べたところ、全ての株がアルギニ
ン非要求性を示した。従って大腸菌argG遺伝子はコリネ
バクテリウム属またはブレビバクテリウム属菌種中にお
いても発現することが確認された。pEarg4の作製過程を
第1図に示す。
(6) pEarg4保有株によるL−アルギニンの生産 コリネバクテリウム・グルタミクムATCC31833,コリネバ
クテリウム・ハーキュリスATCC13868,およびブレビバク
テリウム・フラブムATCC14067を実施例(3)と同様な
方法でプロトプラスト化し、pEarg4を導入した。
これら形質転換株より実施例(3)で示したのと同様な
方法によりプラスミドを単離し、各種制限酵素消化とア
ガロースゲル電気泳動による解析を行った結果、pEarg4
と同一の構造を有するものであることが確認された。こ
れら形質転換株のうち、コリネバクテリウム・グルタミ
クムATCC31833/pEarg4は、コリネバクテリウム・グルタ
ミクムK63(FERM BP−1113)として微工研に寄託され
ている。
pEarg4保有株,pEarg2保有株,およびプラスミド非保有
株のL−アルギニン生産試験を実施例(3)と同様の方
法により行った。
結果を第4表に示す。
以上の結果より、pEarg2(argB,argC,argH遺伝子を含
有)と大腸菌由来のargG遺伝子を含むDNA断片とを組み
換えて得たプラスミドpEarg4の導入株では、pEarg2導入
株に比べアルギニンの生産性が向上することが明らかに
なった。
発明の効果 本発明によれば、エシェリシア属菌種のAGK,AGPR,ASの
合成に関与する遺伝子(argB,argC,argH)を含有する組
換え体DNA,あるいは該遺伝子とASSの合成に関与する遺
伝子(argG)を含有する組換え体DNAを保有させること
により、コリネバクテリウム属またはブレビバクテリウ
ム属菌種におけるL−アルギニン,L−シトルリン,ある
いはL−オルニチンの生産性を向上させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、pEarg2,pEarg3,pEarg4の制限酵素BamH I,Ban
III,Pst I,Sal Iの切断地図とその作製過程を示す。図
中BmはBamH I,BnはBan III,PはPst I,SはSal Iを表す。
プラスミドの大きさは、キロベース(Kb)で表示されて
いる。pEarg2,pEarg3,pEarg4の太い実線部分はpEarg1由
来のアルギニン生合成遺伝子群(argB,argC,argH)を含
むDNA断片を、白ヌキ太線部分は、WA802株染色体DNAよ
りクローン化したargG遺伝子を含むDNA断片を表してい
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12P 13/10 C 2121−4B //(C12P 13/10 C12R 1:13) (C12P 13/10 C12R 1:15) (C12N 15/09 C12R 1:185) C12R 1:185)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エシェリシア属に属する微生物のN−アセ
    チルグルタミン酸キナーゼ,N−アセチル−γ−グルタミ
    ルリン酸レグクターゼおよびアルギニノスクシナーゼの
    合成に関与する遺伝情報を担い、かつアセチルオルニチ
    ンデアセチラーゼの合成に関与する遺伝情報は担わない
    DNA断片、またはN−アセチルグルタミン酸キナーゼ,N
    −アセチル−γ−グルタミルリン酸レダクターゼ,アル
    ギニノスクシナーゼおよびアルギニノコハク酸シンター
    ゼの合成に関与する遺伝情報を担い、かつアセチルオル
    ニチンデアセチラーゼの合成に関与する遺伝情報は担わ
    ないDNA断片とベクターDNAとの組換え体DNAを保有する
    コリネバクテリウム属またはブレビバクテリウム属に属
    する微生物を培地に培養し、培養物中にL−アルギニ
    ン,L−シトルリンまたはL−オルニチンを生成蓄積さ
    せ、該培養物から該アミノ酸を採取することを特徴とす
    るアミノ酸の製造法。
  2. 【請求項2】組換え体DNAを保有する微生物が、コリネ
    バクテリウム・グルタミクムK62(FERM BP−1112)ま
    たはコリネバクテリウム・グルタミクムK63(FERM BP
    −1113)である特許請求の範囲1項記載のアミノ酸の製
    造方法。
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