JPH0754740Y2 - 空調用コンプレッサーの防音構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、圧縮式ヒートポンプを形成するためのコンプ
レッサーを、内側の吸音材と外側の防音ケースで囲んだ
空調用コンプレッサーの防音構造に関する。

〔従来の技術〕

従来、実開昭58−8071号公報に示されるように、コンプ
レッサーに板状の吸音材を巻付け、その外側に、周壁部
と上壁部の全体が一体になった防音ケースをかぶせてい
た。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、コンプレッサーの点検補修のために防音ケース
と吸音材を取外した時、防音ケースと吸音材がばらばら
になるため、再びコンプレッサーに吸音材と防音ケース
を取付ける作業が面倒であり、また、防音ケースが一体
的であるためその下部開口を通して配管をコンプレッサ
ーに接続しなければならず、配管の配置制約のために空
調機をコンパクトに構成することが困難であった。

本考案の目的は、空調用コンプレッサーの防音構造を、
点検補修が実行しやすいものに、かつ、コンプレッサー
に対する配管の位置を自由に選定できるものに改良する
点にある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案の特徴構成は、 防音ケースのうち少なくとも周壁部と上壁部を、コンプ
レッサーに接続した配管の貫通口を横切る分割線で左右
に分割形成して、取外し自在に設け、 前記防音ケースのうち取外し自在な分割部分の内側に吸
音材を一体的に取付けたことにあり、その作用効果は次
の通りである。

〔作用〕

防音ケースの周壁部と上壁部を左右分割構造にすると共
に、分割部分に吸音材を一体的に取付けてあるから、防
音構造物の脱着が極めて簡単になり、コンプレッサーの
点検補修を容易迅速に実行できる。

また、防音ケースの周壁部や上壁部に配管の貫通口を形
成し、防音ケースの分割線を貫通口に対して横切らせる
ことによって、防音構造物の脱着を配管の分解無しで容
易迅速に実行できながら、配管の位置選択を自由に設計
でき、空調機をコンパクトに設計することが容易にな
る。

〔考案の効果〕

その結果、点検補修面で便利であり、配管設計面で有利
な、一段と優れた空調用コンプレッサーの防音構造が得
られた。

〔実施例〕

次に、第１図ないし第５図により実施例を示す。

第１図に示すように、ケーシング（４）内を隔壁（1
3），（14）により室内側部分（１）、室外側部分
（２）、ダクト部分（３）に分割してある。

第１図及び第２図に示すように、室内側部分（１）に形
成した風路に、プレフィルター（５）、メインフィルタ
ー（６）、室内用熱交換器（７）、除湿器（８）、電動
ファン（９）を、前者ほど上流側になるように配置し、
隔壁（10）により風路とは区画形成した空間にコンプレ
ッサー（11）と膨張弁（12）を配置し、室内用熱交換器
（７）の一端側にコンプレッサー（11）をかつ他端側に
膨張弁（12）を夫々配管（17），（18）で接続してあ
る。

第１図及び第３図に示すように、室外側部分（２）に形
成した風路に室外用熱交換器（15）と電動ファン（16）
を設け、室外用熱交換器（15）をコンプレッサー（11）
と膨張弁（12）に接続して、圧縮式ヒートポンプを形成
してある。

第１図に示すように、ダクト部分（３）に隔壁（19）で
室内側風路（20）と室外側風路（21）を区画形成し、室
内側風路（20）と室外側風路（21）の入口夫々に電動フ
ァン（22），（23）を設け、室内側風路（20）の出口
（24）を室内側部分（１）の風路に、かつ、室外側風路
（21）の出口（25）を室外側部分（２）の風路に接続し
てある。

要するに、空調対象空間に接続した排気ダクト（26）を
ダクト部分（３）の室内側風路（20）に、空調対象空間
に接続した給気ダクト（27）を室内側部分（１）の電動
ファン（９）に、大気供給用ダクト（28）をダクト部分
（３）の室外側風路（21）に、大気放出用ダクト（29）
を室外側部分（２）の電動ファン（６）に夫々接続し、
室内用熱交換器（７）と室外用熱交換器（15）にわたっ
て冷媒を循環させ、空調対象空間の冷房や暖房を実行で
きるように構成してある。

第４図及び第５図に示すように、コンプレッサー（11）
を内側の吸音材（30）と外側の防音ケース（31）で囲
み、防音ケース（31）において、防振具（34）を介して
コンプレッサー（11）と共にケーシング（４）に取付け
た底壁部分（31a）に対して周壁部（31b）と上壁部（31
c）を分割形成して取外し自在に載置し、底壁部（31a）
と周壁部（31b）の間に防振ゴム（32）を介在させ、周
壁部（31b）と上壁部（31c）を、コンプレッサー（11）
に接続した配管（17），（18）の貫通口（33）を横切る
分割線で左右に分割して、その分割部分（Ａ），（Ｂ）
どうしを連結解除自在にボルト連結してある。そして、
分割部分（Ａ），（Ｂ）の内側に吸音材（30）を、接着
などの適宜手段により一体的に取付けてある。

〔別実施例〕

次に別実施例を説明する。

コンプレッサー（11）を使用する空調機の型式は各種変
更自在である。

吸音材（30）はグラスウールなどの公知のものを適宜選
定できるが、断熱性にすぐれれたものや高周波音に対す
る吸音効果の高いものが望ましい。

防音ケース（31）は、材質、形状、分割構造等において
適当に変更できるが、鉄などの低周波音に対する防音効
果の高い材料が望ましい。また、第６図に示すように、
防音ケース（31）全体を左右に２分割できるように構成
してもよい。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便利
にする為に符号を記すが、該記入により本考案は添付図
面の構造に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第５図は本考案の実施例を示し、第１図は
全体概念図、第２図は第１図のII−II矢視図、第３図は
第１図のIII−III矢視図、第４図は要部断面図、第５図
は要部分解図である。第６図は本考案の別実施例を示す
要部分解図である。 （11）……コンプレッサー、（17），（18）……配管、
（30）……吸音材、（31）……防音ケース、（31b）…
…周壁部、（31c）……上壁部、（33）……貫通口、
（Ａ），（Ｂ）……分割部分。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】コンプレッサー（11）を内側の吸音材（3
   0）と外側の防音ケース（31）で囲んだ空調用コンプレ
   ッサーの防音構造であって、 前記防音ケース（31）のうち少なくとも周壁部（31b）
   と上壁部（31c）を、前記コンプレッサー（11）に接続
   した配管（17），（18）の貫通口（33）を横切る分割線
   で左右に分割形成して、取外し自在に設け、 前記防音ケース（31）のうち取外し自在な分割部分
   （Ａ），（Ｂ）の内側に前記吸音材（30）を一体的に取
   付けてある空調用コンプレッサーの防音構造。