JPH0754022B2 - トラス梁 - Google Patents
トラス梁Info
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- JPH0754022B2 JPH0754022B2 JP10238889A JP10238889A JPH0754022B2 JP H0754022 B2 JPH0754022 B2 JP H0754022B2 JP 10238889 A JP10238889 A JP 10238889A JP 10238889 A JP10238889 A JP 10238889A JP H0754022 B2 JPH0754022 B2 JP H0754022B2
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- lower chord
- truss
- truss beam
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- Joining Of Building Structures In Genera (AREA)
- Rod-Shaped Construction Members (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、トラス梁に係わり、特に、プレストレスが導
入され、長大スパン構造物に好適に用いられるトラス梁
に関するものである。
入され、長大スパン構造物に好適に用いられるトラス梁
に関するものである。
[従来の技術] 従来、長大スパン構造物の架構形式、例えば、大規模空
間を覆って設けられる屋根等の架構形式として、トラス
構造、シェル構造、吊り構造、そして、空気膜構造等、
種々の技術が採用されている。
間を覆って設けられる屋根等の架構形式として、トラス
構造、シェル構造、吊り構造、そして、空気膜構造等、
種々の技術が採用されている。
これらの技術の内、長大スパンの平行弦トラス梁を用い
るトラス構造は、形成される空間部が必要以上に拡大さ
れてしまうことがなく、また、増築に容易に対応できる
等の利点を有していることから、広く用いられている。
るトラス構造は、形成される空間部が必要以上に拡大さ
れてしまうことがなく、また、増築に容易に対応できる
等の利点を有していることから、広く用いられている。
ところで、従来において用いられている平行弦トラス梁
では、そのスパンが著しく大きくなったときに、撓みが
大きくなるばかりでなく、構造物の全体重量に対するト
ラス梁の重量の割合が大きくなって不経済になってしま
うといった不具合があった。
では、そのスパンが著しく大きくなったときに、撓みが
大きくなるばかりでなく、構造物の全体重量に対するト
ラス梁の重量の割合が大きくなって不経済になってしま
うといった不具合があった。
そこで、本願出願人は、前述の不具合を解決するため
に、上弦材、下弦材、ラチス材によりトラス状に組み上
げられてなるトラス梁において、前記上弦材あるいは下
弦材にPC鋼線を装着し、このPC鋼線によって前記上弦材
あるいは下弦材にプレストレスを与える技術を提案し
た。
に、上弦材、下弦材、ラチス材によりトラス状に組み上
げられてなるトラス梁において、前記上弦材あるいは下
弦材にPC鋼線を装着し、このPC鋼線によって前記上弦材
あるいは下弦材にプレストレスを与える技術を提案し
た。
この提案によって、トラス梁の撓み量を減少させるばか
りでなく、トラス梁の重量増加を抑制して、経済的な架
構をも実現させることが可能となった。
りでなく、トラス梁の重量増加を抑制して、経済的な架
構をも実現させることが可能となった。
一方、前記トラス梁は、第8図に示すようにして組み上
げられる。
げられる。
すなわち、鋼管によって形成された上弦材1、下弦材
2、および、ラチス材3により複数の梁構成体4をトラ
ス状に組み上げておくとともに、所定の間隔をおいて立
設された壁構造体5間に複数の構台6を建方しておき、
前記梁構成体4をクレーンによって順次構台6間に吊り
上げて位置決めしたのちに、隣接する梁構成体4の上弦
材1および下弦材2の端部を、第9図に示すように、溶
接によって接合する(図中に溶接線をWで示す)。
2、および、ラチス材3により複数の梁構成体4をトラ
ス状に組み上げておくとともに、所定の間隔をおいて立
設された壁構造体5間に複数の構台6を建方しておき、
前記梁構成体4をクレーンによって順次構台6間に吊り
上げて位置決めしたのちに、隣接する梁構成体4の上弦
材1および下弦材2の端部を、第9図に示すように、溶
接によって接合する(図中に溶接線をWで示す)。
そして、前記下弦材2の内部に、第9図に示すように、
複数本のPC綱線8を挿入するとともに、これらの端部を
下弦材2の端部に固定して張力を与えることによって、
前記下弦材2にプレストレスを与え、しかるのちに、前
記構台6を除去することにより、トラス梁7を壁構造体
5間に架設する。
複数本のPC綱線8を挿入するとともに、これらの端部を
下弦材2の端部に固定して張力を与えることによって、
前記下弦材2にプレストレスを与え、しかるのちに、前
記構台6を除去することにより、トラス梁7を壁構造体
5間に架設する。
[発明が解決しようとする課題] ところで、前述した従来のトラス梁7においては、次の
ような改善すべき点が残されている。
ような改善すべき点が残されている。
すなわち、各梁構成体4の接合に溶接を用いていること
から、接合作業に要する時間が長期化する傾向にあり、
また、屋外での作業であることから、接合作業が天候に
左右されてしまって、工事の進行に大きな影響を与えて
いるといった点である。
から、接合作業に要する時間が長期化する傾向にあり、
また、屋外での作業であることから、接合作業が天候に
左右されてしまって、工事の進行に大きな影響を与えて
いるといった点である。
また、梁構成体4の接合を行うために、構台6を構築
し、かつ、トラス梁7を組み上げたのちにおいては、前
記構台6の撤去を行わなければならず、工期の長期化の
一因となっている。
し、かつ、トラス梁7を組み上げたのちにおいては、前
記構台6の撤去を行わなければならず、工期の長期化の
一因となっている。
さらに、前記構台6は、建物の床部分に設けられること
から、前記トラス梁7の組み上げ作業が完了して構台6
が撤去されるまで、床部分への諸作業が行えず、この点
においても工期の短縮化の妨げとなっている。
から、前記トラス梁7の組み上げ作業が完了して構台6
が撤去されるまで、床部分への諸作業が行えず、この点
においても工期の短縮化の妨げとなっている。
さらに、これらの不具合を解消するための一方法とし
て、上弦材1や下弦材2をボルトによって接合すること
が考えられる。
て、上弦材1や下弦材2をボルトによって接合すること
が考えられる。
この方法によると、第10図および第11図に示すように、
ボルト(9)接合に用いられるガゼットプレート10を、
前記下弦材2を半径方法に貫通させて設ける必要があ
る。
ボルト(9)接合に用いられるガゼットプレート10を、
前記下弦材2を半径方法に貫通させて設ける必要があ
る。
このように、ガゼットプレート10を半径方向に貫通させ
て設けるのは、下弦材2の接合部に作用する力が、管壁
から離れた位置にあるボルト9を介して作用し、これに
より、前記ガゼットプレート10と下弦材2との固着部分
に曲げモーメントが発生して強度の低下を招くことが想
定されるために、前記力をガゼットプレート10の両端部
に均一に作用させて、前記曲げモーメントを打ち消すた
めに採られた処置である。
て設けるのは、下弦材2の接合部に作用する力が、管壁
から離れた位置にあるボルト9を介して作用し、これに
より、前記ガゼットプレート10と下弦材2との固着部分
に曲げモーメントが発生して強度の低下を招くことが想
定されるために、前記力をガゼットプレート10の両端部
に均一に作用させて、前記曲げモーメントを打ち消すた
めに採られた処置である。
しかも、応力を管壁に均一に分散させるためには、ガゼ
ットプレート10を、第11図に示すように、少なくとも直
交させて設ける必要がある。
ットプレート10を、第11図に示すように、少なくとも直
交させて設ける必要がある。
しかしながら、このようなガゼットプレート10の配置で
あると、下弦材2の中心部がガゼットプレート10によっ
て占められ、PC鋼線を挿通することができなくなってし
まい、あるいは、挿通方法に工夫をしなければならず、
有効な手段とはなり得ていない。
あると、下弦材2の中心部がガゼットプレート10によっ
て占められ、PC鋼線を挿通することができなくなってし
まい、あるいは、挿通方法に工夫をしなければならず、
有効な手段とはなり得ていない。
したがって、従来においてはこのような不具合への対処
が望まれており、本発明は、従来において残されている
このような課題を解決せんとするものである。
が望まれており、本発明は、従来において残されている
このような課題を解決せんとするものである。
[課題を解決するための手段] 本発明は、前述の課題を有効に解決し得るトラス梁を提
供せんとするもので、このトラス梁は、特に、上弦材、
下弦材、および、ラチス材によりトラス状に組み上げら
れた複数の梁構成体を備え、これらの梁構成体が、その
上弦材および下弦材の端部において接合されることによ
って構成され、かつ、上弦材あるいは下弦材内に、これ
らにプレストレスを与えるPC鋼線が挿通されたトラス梁
であって、前記上弦材あるいは下弦材が筒状に形成さ
れ、筒状に形成された上弦材あるいは下弦材の接合端部
には、長さ方向に沿うスリットが周方向に間隔をおいて
複数形成され、これらのスリットを貫通してガゼットプ
レートが固着され、かつ、これらのガゼットプレートの
内方側の端部が、前記上弦材あるいは下弦材の内部に挿
入されたガイド管に一体に連結され、前記ガゼットプレ
ートが、梁構成体間に架け渡される連結プレートを介し
てボルト締結されることにより、前記各梁構成体が接合
されていることを特徴とする。
供せんとするもので、このトラス梁は、特に、上弦材、
下弦材、および、ラチス材によりトラス状に組み上げら
れた複数の梁構成体を備え、これらの梁構成体が、その
上弦材および下弦材の端部において接合されることによ
って構成され、かつ、上弦材あるいは下弦材内に、これ
らにプレストレスを与えるPC鋼線が挿通されたトラス梁
であって、前記上弦材あるいは下弦材が筒状に形成さ
れ、筒状に形成された上弦材あるいは下弦材の接合端部
には、長さ方向に沿うスリットが周方向に間隔をおいて
複数形成され、これらのスリットを貫通してガゼットプ
レートが固着され、かつ、これらのガゼットプレートの
内方側の端部が、前記上弦材あるいは下弦材の内部に挿
入されたガイド管に一体に連結され、前記ガゼットプレ
ートが、梁構成体間に架け渡される連結プレートを介し
てボルト締結されることにより、前記各梁構成体が接合
されていることを特徴とする。
[作用] 本発明に係わるトラス梁は、ガゼットプレートおよび連
結プレートとにより、梁構成体間がボルトによって接合
され、これによって、作業性の向上が図られる。
結プレートとにより、梁構成体間がボルトによって接合
され、これによって、作業性の向上が図られる。
上弦材あるいは下弦材に設けられる複数のガゼットプレ
ートが、内部に装着されたガイド管によって相互に連結
されることにより、各ガゼットプレートに作用する外力
が、全体として上弦材あるいは下弦材の軸方向となされ
て、ガゼットプレートと上弦材あるいは下弦材との接合
部に生じる曲げモーメントが軽減される。
ートが、内部に装着されたガイド管によって相互に連結
されることにより、各ガゼットプレートに作用する外力
が、全体として上弦材あるいは下弦材の軸方向となされ
て、ガゼットプレートと上弦材あるいは下弦材との接合
部に生じる曲げモーメントが軽減される。
また、前記ガイド管によって、上弦材あるいは下弦材の
略中心部に空間部が形成されて、PC鋼線の挿通が可能と
なる。
略中心部に空間部が形成されて、PC鋼線の挿通が可能と
なる。
[実施例] 以下、本発明の第1実施例について、第1図ないし第3
図に基づき説明する。
図に基づき説明する。
第1図中、符号11は本実施例に係わるトラス梁を示す。
このトラス梁11は、所定間隔をおいて立設された壁構造
体12間に架設されるもので、第2図に示すように、上弦
材13、下弦材14、および、ラチス材15によりトラス状に
組み上げられた複数の梁構成体16を備え、これらの梁構
成体16が、その上弦材13および下弦材14の端部において
接合されることによって構成され、かつ、下弦材14内
に、これらにプレストレスを与えるPC鋼線17が挿通され
てなり、前記上弦材13、下弦材14、および、ラチス材15
が筒状に形成され、下弦材14の接合端部には、第3図に
示すように、長さ方向に沿うスリット18が周方向に間隔
をおいて複数形成され、これらのスリット18を貫通して
ガゼットプレート19が固着され、かつ、これらのガゼッ
トプレート19の内方側の端部が、前記下弦材14の内部に
挿入されたガイド管20に一体に連結され、前記ガゼット
プレート19が、第2図に示すように、梁構成体16間に架
け渡される連結プレート21を介してボルト22によって連
結されることにより、前記各梁構成体16が接合された概
略構成となっている。
体12間に架設されるもので、第2図に示すように、上弦
材13、下弦材14、および、ラチス材15によりトラス状に
組み上げられた複数の梁構成体16を備え、これらの梁構
成体16が、その上弦材13および下弦材14の端部において
接合されることによって構成され、かつ、下弦材14内
に、これらにプレストレスを与えるPC鋼線17が挿通され
てなり、前記上弦材13、下弦材14、および、ラチス材15
が筒状に形成され、下弦材14の接合端部には、第3図に
示すように、長さ方向に沿うスリット18が周方向に間隔
をおいて複数形成され、これらのスリット18を貫通して
ガゼットプレート19が固着され、かつ、これらのガゼッ
トプレート19の内方側の端部が、前記下弦材14の内部に
挿入されたガイド管20に一体に連結され、前記ガゼット
プレート19が、第2図に示すように、梁構成体16間に架
け渡される連結プレート21を介してボルト22によって連
結されることにより、前記各梁構成体16が接合された概
略構成となっている。
次いで、これらの詳細について説明すれば、前記下弦材
14の接続端部に形成されるスリット18は、本実施例にお
いては、下弦材14の端縁からその長さ方向に沿って所定
長さに、かつ、周方向に90°の間隔で4箇所に形成され
ている。
14の接続端部に形成されるスリット18は、本実施例にお
いては、下弦材14の端縁からその長さ方向に沿って所定
長さに、かつ、周方向に90°の間隔で4箇所に形成され
ている。
前記ガゼットプレート19は、前記各スリット18に装着さ
れるべく4個設けられており、下弦材14の中心を通る直
交した2平面に沿うように装着され、かつ、下弦材14の
内方および外方に所定量露出した状態で溶接等により下
弦材14へ一体に固着されている。
れるべく4個設けられており、下弦材14の中心を通る直
交した2平面に沿うように装着され、かつ、下弦材14の
内方および外方に所定量露出した状態で溶接等により下
弦材14へ一体に固着されている。
また、これらのガゼットプレート19の下弦材14の外方に
位置させられた部分には、前記ボルト22が挿通される貫
通孔(図示略)が下弦材14の長さ方向に所定間隔をおい
て複数形成されている。
位置させられた部分には、前記ボルト22が挿通される貫
通孔(図示略)が下弦材14の長さ方向に所定間隔をおい
て複数形成されている。
前記ガイド管20は、前記下弦材14と略同軸となるように
配設され、その外周面に前記各ガゼットプレート19の内
方側の端部が溶接等によって連結されている。
配設され、その外周面に前記各ガゼットプレート19の内
方側の端部が溶接等によって連結されている。
一方、本実施例においては、第2図に示すように、上弦
材13の接続端部においてもほぼ同様の構成が適用されて
おり、これについては説明を省略する。
材13の接続端部においてもほぼ同様の構成が適用されて
おり、これについては説明を省略する。
次いで、本実施例のトラス梁11の架設方法について説明
する。
する。
まず、前述のように、上弦材13、下弦材14、ラチス材15
をトラス上に組み上げて梁構成体16を複数組み上げてお
く。
をトラス上に組み上げて梁構成体16を複数組み上げてお
く。
次いで、これらの梁構成体16の上弦材13および下弦材14
の接合端部を突き合わせたのちに、隣接するガゼットプ
レート19の両面に連結プレート21を架け渡して、これら
の連結プレート21とガゼットプレート19とをボルト22に
よって連結することにより、梁構成体16の複数を順次接
合して、所定スパンのトラス梁11を組み上げる。
の接合端部を突き合わせたのちに、隣接するガゼットプ
レート19の両面に連結プレート21を架け渡して、これら
の連結プレート21とガゼットプレート19とをボルト22に
よって連結することにより、梁構成体16の複数を順次接
合して、所定スパンのトラス梁11を組み上げる。
このような梁構成体16の接合作業において、この接合
が、ガゼットプレート19と連結プレート21とのボルト22
による接合によって行われるから、ボルト22の締結作業
といった簡便な作業によって行えるとともに、天候に左
右されることなく行える。
が、ガゼットプレート19と連結プレート21とのボルト22
による接合によって行われるから、ボルト22の締結作業
といった簡便な作業によって行えるとともに、天候に左
右されることなく行える。
これより、前記接合された下弦材14内にPC鋼線17を挿通
して、その両端部を接合状態にある下弦材14の両端部に
固定するとともに、前記PC鋼線17に張力を与えることに
より、下弦材14に一次のプレストレスを与える。
して、その両端部を接合状態にある下弦材14の両端部に
固定するとともに、前記PC鋼線17に張力を与えることに
より、下弦材14に一次のプレストレスを与える。
このとき、前記下弦材14の接合端部の内部には、ガイド
管20によって長さ方向に沿う空間部が形成されているこ
とにより、前記PC鋼線17が容易に挿通され、かつ、下弦
材14に確実にプレストレスが与えられる。
管20によって長さ方向に沿う空間部が形成されているこ
とにより、前記PC鋼線17が容易に挿通され、かつ、下弦
材14に確実にプレストレスが与えられる。
このようにして組み上げられたトラス梁11を、トロッコ
等を用いて、第1図の鎖線で示すように、上架位置下方
まで搬送する。
等を用いて、第1図の鎖線で示すように、上架位置下方
まで搬送する。
次いで、第1図に示すように、前記トラス梁11を、その
両端部に取り付けたクレーン23によって吊り上げて、各
端部を壁構造体12の上方の取付部に対向させる。
両端部に取り付けたクレーン23によって吊り上げて、各
端部を壁構造体12の上方の取付部に対向させる。
これよりトラス梁11の各端部を壁構造体12に連結するこ
とによって、このトラス梁11の上架を完了する。
とによって、このトラス梁11の上架を完了する。
そして、長尺状に組み上げられたトラス梁11を吊り上げ
る際に、前述のように下弦材14にプレストレスが与えら
れていることから、下弦材14に過剰の引っ張り応力が生
じることはない。
る際に、前述のように下弦材14にプレストレスが与えら
れていることから、下弦材14に過剰の引っ張り応力が生
じることはない。
また、トラス梁11は、全体として組み上げられたのちに
一括して上架されるから、架設作業のための構台が不要
となる。
一括して上架されるから、架設作業のための構台が不要
となる。
一方、前記構成においてもトラス梁11の架設後は、自重
等により、下弦材14に張力が作用し、この張力が、梁構
成体16の接合部において、ガゼットプレート19および連
結プレート21を介して、下弦材14の管壁から離間した位
置に作用する。
等により、下弦材14に張力が作用し、この張力が、梁構
成体16の接合部において、ガゼットプレート19および連
結プレート21を介して、下弦材14の管壁から離間した位
置に作用する。
ここで、前記各ガゼットプレート19がその内部側の端部
においてガイド管20に接続されていることから、下弦材
14の中心に対し両側に配設された一対のガゼットプレー
ト19間において、前記張力が相互に作用することとな
る。
においてガイド管20に接続されていることから、下弦材
14の中心に対し両側に配設された一対のガゼットプレー
ト19間において、前記張力が相互に作用することとな
る。
これによって、前記ガゼットプレート19に作用する張力
が、前述のように下弦材14の管壁から離間していても
(この偏倚量を第3図に示すようにε1とする)、ガゼ
ットプレート19、および、このガゼットプレート19と下
弦材14との接合部に生じる曲げモーメントが抑制され、
前記張力の殆どが、下弦材14の管壁に軸方向荷重として
作用させられる。
が、前述のように下弦材14の管壁から離間していても
(この偏倚量を第3図に示すようにε1とする)、ガゼ
ットプレート19、および、このガゼットプレート19と下
弦材14との接合部に生じる曲げモーメントが抑制され、
前記張力の殆どが、下弦材14の管壁に軸方向荷重として
作用させられる。
したがって、下弦材14の強度が充分に確保される。
このように本実施例に係わるトラス梁11によれば、ボル
ト22による梁構成体16の接合によって構成されるから、
接合作業が簡便なものとなり、かつ、天候に左右される
ことなく行え工期の大幅な短縮化が可能となる。
ト22による梁構成体16の接合によって構成されるから、
接合作業が簡便なものとなり、かつ、天候に左右される
ことなく行え工期の大幅な短縮化が可能となる。
しかも、ガゼットプレート19や連結プレート21とボルト
22により、下弦材14の管壁から離間した位置に張力が作
用する状況下においても、内部に装着されるガイド管20
の作用により、前記偏倚して作用する張力により接合部
に曲げモーメントが生じることを抑制し、かつ、前記ガ
イド管20により、下弦材14内へのPC鋼線17の装着を容易
にして、強度が充分に確保される。
22により、下弦材14の管壁から離間した位置に張力が作
用する状況下においても、内部に装着されるガイド管20
の作用により、前記偏倚して作用する張力により接合部
に曲げモーメントが生じることを抑制し、かつ、前記ガ
イド管20により、下弦材14内へのPC鋼線17の装着を容易
にして、強度が充分に確保される。
この結果、トラス梁11を全体として組み上げたのちに、
一括して上架することができ、この点からも、工期の大
幅な短縮化が可能となる。
一括して上架することができ、この点からも、工期の大
幅な短縮化が可能となる。
次に、第4図に基づき、本発明の第2実施例について説
明する。
明する。
本実施例においては、連結プレート30に変更を加えたも
ので、各連結プレート30の下弦材14側の縁部に、ガゼッ
トプレート19から離間する方向へ突出するリブ31を一体
に設け、かつ、これらの連結プレート30のボルト22によ
る締結部と下弦材14の管壁との偏倚量ε2を前記実施例
のそれよりも小さく設定したものである。
ので、各連結プレート30の下弦材14側の縁部に、ガゼッ
トプレート19から離間する方向へ突出するリブ31を一体
に設け、かつ、これらの連結プレート30のボルト22によ
る締結部と下弦材14の管壁との偏倚量ε2を前記実施例
のそれよりも小さく設定したものである。
ここで、前記第1実施例と第2実施例とに示す下弦材14
の引張特性を荷重と変位との関係として見たところ、第
5図に示す結果が得られた。
の引張特性を荷重と変位との関係として見たところ、第
5図に示す結果が得られた。
この図において曲線Aが第1実施例に係わる特性を示
し、また、曲線Bが第2実施例に係わる特性を示す。
し、また、曲線Bが第2実施例に係わる特性を示す。
この結果から、両者ともに充分に満足できる設計強度が
得られることが確認された。
得られることが確認された。
また、弾性変形領域においては、両者ともに同一の挙動
を示すが、塑性変形領域における挙動において、第1実
施例の方が変形能力が大きく、この点で第1実施例の方
が有効である。
を示すが、塑性変形領域における挙動において、第1実
施例の方が変形能力が大きく、この点で第1実施例の方
が有効である。
さらに、本発明の第3実施例について第6図および第7
図に基づき説明する。
図に基づき説明する。
本実施例は、第1実施例に示す下弦材14の接合部構造を
基本とし、前記スリット18の一端部近傍に位置させられ
るとともに、下弦材14の開口端内周面に一体に取り付け
られた内側リング40と、前記スリット18の他端部近傍に
位置させられるとともに、下弦材14の外周に一体に取り
付けられた外側リング41とを新たに設け、さらに、ボル
ト22による連結部と下弦材14の管壁との偏倚量ε3を、
第2実施例よりもさらに小さく設定した点において、第
1実施例と構成を異にする。
基本とし、前記スリット18の一端部近傍に位置させられ
るとともに、下弦材14の開口端内周面に一体に取り付け
られた内側リング40と、前記スリット18の他端部近傍に
位置させられるとともに、下弦材14の外周に一体に取り
付けられた外側リング41とを新たに設け、さらに、ボル
ト22による連結部と下弦材14の管壁との偏倚量ε3を、
第2実施例よりもさらに小さく設定した点において、第
1実施例と構成を異にする。
このような構成としたことによる引っ張り特性を前記実
施例と同様に荷重と変位との関係において見てみると、
第5図の曲線Cで示す結果が得られた。
施例と同様に荷重と変位との関係において見てみると、
第5図の曲線Cで示す結果が得られた。
この結果からも明らかなように、弾性変形領域において
は前記各実施例と同様の挙動を示すが、塑性変形領域に
おいては、前記各実施例に比して格段の変形能力を有す
ることが理解できる。
は前記各実施例と同様の挙動を示すが、塑性変形領域に
おいては、前記各実施例に比して格段の変形能力を有す
ることが理解できる。
このことは、この実施例において新たに付加した内外両
リング40・41による作用が大きく寄与しているものと判
断される。
リング40・41による作用が大きく寄与しているものと判
断される。
そして、その原因としては、応力集中部となり易い各ス
リット18の端部において、前記両リング40・41により応
力が分散されて、これによって、前記スリット18の端部
からの破壊の進行が抑制されることが考えられる。
リット18の端部において、前記両リング40・41により応
力が分散されて、これによって、前記スリット18の端部
からの破壊の進行が抑制されることが考えられる。
このことは、次表−1に示すように、各実施例における
破断の位置からも裏付けられる。
破断の位置からも裏付けられる。
なお、前記特性試験に用いた試験体の諸条件は次表−2
に示すとおりである。
に示すとおりである。
なお、前記各実施例において示した各構成部材の諸形状
や寸法等は一例であって、適用する構造物の種類や設計
要求等に基づき種々変更可能である。
や寸法等は一例であって、適用する構造物の種類や設計
要求等に基づき種々変更可能である。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明に係わるトラス梁によれ
ば、次のような優れた効果を奏する。
ば、次のような優れた効果を奏する。
トラス梁が、梁構成体のボルトによる接合によって構成
されるから、接合作業が簡便なものとなり、かつ、天候
に左右されることなく行え工期の大幅な短縮化が可能と
なる。
されるから、接合作業が簡便なものとなり、かつ、天候
に左右されることなく行え工期の大幅な短縮化が可能と
なる。
しかも、ガゼットプレートや連結プレートおよびボルト
により、下弦材の管壁から離間した位置に張力が作用す
る状況下においても、内部に装着されるガイド管の作用
により、前記偏倚して作用する張力を下弦材の軸方向に
沿わせ、これによって、接合部に生じる曲げモーメント
を抑制し、かつ、前記ガイド管により、下弦材内へのPC
鋼線の装着を容易にして、強度を充分に確保することが
できる。
により、下弦材の管壁から離間した位置に張力が作用す
る状況下においても、内部に装着されるガイド管の作用
により、前記偏倚して作用する張力を下弦材の軸方向に
沿わせ、これによって、接合部に生じる曲げモーメント
を抑制し、かつ、前記ガイド管により、下弦材内へのPC
鋼線の装着を容易にして、強度を充分に確保することが
できる。
この結果、トラス梁を全体として組み上げたのちに一括
して上架することができ、作業用の構台の設置を不要に
して、この点からも、工期の大幅な短縮化が可能とな
る。
して上架することができ、作業用の構台の設置を不要に
して、この点からも、工期の大幅な短縮化が可能とな
る。
また、トラス梁を上架する際にのみ、構造物の床部が占
有され、その他の期間においては前記床部が開放されて
いることから、構造物の内部工事の同時進行が可能とな
る。
有され、その他の期間においては前記床部が開放されて
いることから、構造物の内部工事の同時進行が可能とな
る。
図面中、第1図ないし第3図は本発明の第1実施例を示
すもので、第1図はトラス梁の架設方法の概略を説明す
るための正面図、第2図は接合部の拡大図、第3図は第
2図のA−A線に沿う矢視断面図、第4図は本発明の第
2実施例を示す第3図と同様の図、第5図は引っ張り特
性を説明するための荷重−変形曲線図、第6図および第
7図は本発明の第3実施例を示すもので、第6図は接合
部の拡大正面図、第7図は第6図のB−B線に沿う矢視
断面図、第8図は従来のトラス梁の架設方法の概略を説
明するための正面図、第9図は従来の梁構成体の接合部
を示す要部の拡大正面図、第10図は従来の他の例を示す
第9図と同様の図、第11図は第10図のC−C線に沿う矢
視断面図である。 11……トラス梁、13……上弦材、14……下弦材、15……
ラチス材、16……梁構成体、17……PC鋼線、18……スリ
ット、19……ガゼットプレート、20……ガイド管、21…
…連結プレート、22……ボルト、30……連結プレート。
すもので、第1図はトラス梁の架設方法の概略を説明す
るための正面図、第2図は接合部の拡大図、第3図は第
2図のA−A線に沿う矢視断面図、第4図は本発明の第
2実施例を示す第3図と同様の図、第5図は引っ張り特
性を説明するための荷重−変形曲線図、第6図および第
7図は本発明の第3実施例を示すもので、第6図は接合
部の拡大正面図、第7図は第6図のB−B線に沿う矢視
断面図、第8図は従来のトラス梁の架設方法の概略を説
明するための正面図、第9図は従来の梁構成体の接合部
を示す要部の拡大正面図、第10図は従来の他の例を示す
第9図と同様の図、第11図は第10図のC−C線に沿う矢
視断面図である。 11……トラス梁、13……上弦材、14……下弦材、15……
ラチス材、16……梁構成体、17……PC鋼線、18……スリ
ット、19……ガゼットプレート、20……ガイド管、21…
…連結プレート、22……ボルト、30……連結プレート。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 持田 泰秀 東京都中央区京橋2丁目16番1号 清水建 設株式会社内 (72)発明者 浅井 政宏 東京都中央区京橋2丁目16番1号 清水建 設株式会社内 (72)発明者 矢部 喜堂 東京都中央区京橋2丁目16番1号 清水建 設株式会社内 (72)発明者 坂本 真一 東京都中央区京橋2丁目16番1号 清水建 設株式会社内 (72)発明者 寺田 岳彦 東京都中央区京橋2丁目16番1号 清水建 設株式会社内 (72)発明者 鈴木 進 東京都中央区京橋2丁目16番1号 清水建 設株式会社内 (72)発明者 村瀬 正一 東京都中央区京橋2丁目16番1号 清水建 設株式会社内
Claims (1)
- 【請求項1】上弦材、下弦材、および、ラチス材により
トラス状に組み上げられた複数の梁構成体を備え、これ
らの梁構成体が、その上弦材および下弦材の端部におい
て接合されることによって構成され、かつ、上弦材ある
いは下弦材内に、これらにプレストレスを与えるPC鋼線
が挿通されたトラス梁であって、前記上弦材あるいは下
弦材が筒状に形成され、筒状に形成された上弦材あるい
は下弦材の接合端部には、長さ方向に沿うスリットが周
方向に間隔をおいて複数形成され、これらのスリットを
貫通してガゼットプレートが固着され、かつ、これらの
ガゼットプレートの内方側の端部が、前記上弦材あるい
は下弦材の内部に挿入されたガイド管に一体に連結さ
れ、前記ガゼットプレートが、梁構成体間に架け渡され
る連結プレートを介してボルト締結されることにより、
前記各梁構成体が接合されていることを特徴とするトラ
ス梁
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10238889A JPH0754022B2 (ja) | 1989-04-21 | 1989-04-21 | トラス梁 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10238889A JPH0754022B2 (ja) | 1989-04-21 | 1989-04-21 | トラス梁 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02282541A JPH02282541A (ja) | 1990-11-20 |
JPH0754022B2 true JPH0754022B2 (ja) | 1995-06-07 |
Family
ID=14326067
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10238889A Expired - Lifetime JPH0754022B2 (ja) | 1989-04-21 | 1989-04-21 | トラス梁 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0754022B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002054268A (ja) * | 2000-08-07 | 2002-02-20 | Kawasaki Heavy Ind Ltd | トラス構造の継手構造 |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003082615A (ja) * | 2001-09-13 | 2003-03-19 | East Japan Railway Co | 鋼箱桁の高力ボルト接合方法 |
RU2475605C1 (ru) * | 2011-09-21 | 2013-02-20 | Федеральное государственное образовательное учреждение высшего профессионального образования "Казанский государственный архитектурно-строительный университет" КазГАСУ | Решетчатая конструкция |
-
1989
- 1989-04-21 JP JP10238889A patent/JPH0754022B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002054268A (ja) * | 2000-08-07 | 2002-02-20 | Kawasaki Heavy Ind Ltd | トラス構造の継手構造 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02282541A (ja) | 1990-11-20 |
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