JPH0754011B2 - 衛生洗浄装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、用便後の局部を洗浄する衛生洗浄装置に関す
るものである。

従来の技術 従来のこの種衛生洗浄装置は第12図に示すように、洗浄
ノズル１から噴出する水（湯）の量を調節する手段とし
ては、水路中に設けた流量調節弁２の弁軸に連動した流
量調節つまみ３を回動することにより流量調節を行うも
のが一般的で、水回路中に若干の空気等の気体の混入が
あっても性能には何ら影響を及ぼすものではなかった。

上記の様な手動による流量調節では、水道の圧力変化に
対応しきれず、非常に使い勝手が悪いものであったた
め、本発明者らは以下のような構成を考えてきた。第８
図は、衛生洗浄装置の便器４より左側に延出している部
分の要部横断面図であり第９図は、同要部縦断面図であ
る。これらの図において、５は温水タンクユニットであ
りタンク６とタンク蓋７とパッキン８により構成されて
いる。このタンク蓋７には入水口９と出湯口10が設けら
れており入水口９には、タンク６の下方に延出している
給水パイプ11を設けている。12はヒータでありタンク６
の底面部に相対した部分のみ発熱する。13は前記タンク
蓋７の最上面の入水口９に設けられた流量センサーであ
り第６図に示すように、センサー部14と、検出部15から
構成しており、センサー部14は、回転体ケース16の内側
の中央に円すい状のガイドボス17が突設しており、この
ガイドボス17を中心に、フェライト系ステンレス等の磁
性体金属から成る回転体18が回転するようなセンサー室
19が構成されている。すなわち、回転体ケース16の流入
口20は、前記ガイドボス17を中心とした円周の接線方向
から流入するように配設し、流出口21は、前記ガイドボ
ス17の中心軸方向へと流出するように構成している検出
部15は、磁気抵抗素子22等の電子部品等から構成されて
おり、前記フェライト系ステンレス等の磁性体金属から
成る回転体18が水圧により回転する時の回転数を検知
し、電気的なパルス信号に変換し、制御部へ入力信号と
して送るようになっている。なお23は水シール用０リン
グである。

24は流量調節手段であり、詳しくは第５図に示すよう
に、流量調節弁ユニット25と、モータユニット26と、伝
達歯車27により構成されており、流量調節弁ユニット25
の入水部28より導かれた水は、モータユニット26と連動
している弁軸29の回転によって、弁軸先端29aと、弁座3
0とのスキ間を調節することにより流量調節されて、出
水部31へ連なっている。32は、モータユニット26の回転
数を減速するための数個の歯車からなる減速機であり、
33は０リングである。

34は止水用の電磁弁であり、入口側34aが装置本体35外
壁に設けた給水口36に連通しており、出口側34bは前記
流量調節弁ユニット25の入水部28へ連通している。37は
連通管であり前記流量調節弁ユニット25の出水部31と、
前記流量センサー13の回転体ケース16の流入口20へ連通
している。

発明が解決しようとする問題点 しかしこのような構成においては、流量センサー13が、
温水タンクユニット５の最上部に設けている上、流出口
21が急激に内径の大きな給水パイプに開口しているため
給水口36に導かれる水に、空気等の気体が混入している
と、第６図にドットでマーキングしたところは空気等の
気体の溜まり易い構造のため、気体の溜まりが発生し、
流入口20からの水の供給が止まると、この気体が、流出
口21を通って、流量センサー13の回転体ケース16内の回
転体18が回転する様に作られているセンサー室19内に溜
まる。ここで再度流入口20から水が供給されると、セン
サー室19内の気体の存在により前記回転体18の回転数が
変わってしまうことになる。この水の流れに上記気体が
何とかセンサー室19から流出口21に押し出されても、給
水パイプ11の流出口21付近が気体の溜まり易い構造であ
るために再度気体はそこに溜まることになり、水の供給
・停止と共に、流出口21付近センサー室19間の往復運動
をして、回転体18の回転性能にバラツキを生じていた。

第10図はその特性を示す。横軸が回転体18の回転周波数
ｆ（Hz）、縦軸が流量Ｑ（l/min）であり実線カーブ
が、空気等が混入していない状態の時であり、破線カー
ブが空気等が混入している時である。つまり回転体ケー
ス16のセンサー室19に空気等が溜っているとそれが抵抗
となって回転体18が、回転しにくくなっている。そし
て、その傾向は、回転体18が回転し始める時において最
も著しいものであった。第11図は、横軸に衛生洗浄装置
の設定ダイヤルを示し、縦軸に肛門洗浄ノズルより噴出
する洗浄流量を示す。図中斜線部の上側が空気等が混入
している時を示し下側が空気等が混入していない時であ
り、使用者が、例えば設定ダイヤル１を選んだ時におい
ては、空気等が混入している時は、約0.5l/minの洗浄流
量であり、空気等が混入していない時の設定ダイヤル値
２に相当することになり使用者にとって流量調節におい
てバラツキが生じ不具合であった。

本発明は上記問題点に鑑み、常に設定ダイヤル値に対応
した噴出水流量を得ることのできる衛生洗浄装置を提供
するものである。

問題点を解決するための手段 そして上記問題点を解決するための本発明の技術的な手
段は、センサー部と検出部からなる流量センサーと、前
記流量センサーの検出した信号により制御される流量調
節手段と、水を加熱する温水タンクと、前記温水タンク
に給水する給水パイプと、洗浄ノズルを備え、前記セン
サー部は水平断面が円形状のセンサー室と、前記センサ
ー室の接線方向に設けた流入口と、前記センサー室の底
面の略中心に垂直方向に設けた流出口と、前記センサー
室内を旋回する回転体からなり、前記給水パイプは、前
記センサー部の流出口に連なり、内径が前記流出口径と
同寸法から徐々に拡大して、前記温水タンクの上面から
タンク底面に向って給水するようにしたものである。

作用 この技術的な手段による作用は次の様である。装置本体
に供給される水に空気等の気体が混入されていても、給
水パイプが流量センサーのセンサー部流出口に連なり、
内径が流出口径と同寸法から徐々に拡大して、温水タン
クの上面からタンク底面に向って給水するような構成な
ので、給水パイプ内部や流量センサーのセンサー室等に
空気等の気体が溜まらず温水タンク内にスムーズに排出
され、回転体がスムーズに回転し、従って、設定流量に
対してバラツキの少ない衛生洗浄装置となる。

実施例 以下本発明の一実施例を添付図面に基づいて説明する。
従来の技術にて説明したものと同一部材は同一番号を付
しその説明を省略する。

先ず水回路について第３図にもとづいて説明すると、先
ず上流側から水道管38、止水栓39、ストレーナ40、逆流
防止弁41、給水口36を通り、電磁止水弁34を通り、ここ
で、主洗浄回路42と、捨水回路43とに分岐している。主
洗浄回路42側には、流量調節手段24の一部である流量調
節弁ユニット25および、流量センサー13のセンサー部14
を経て、水をヒータ12で加熱し温水にする熱交換器44へ
連なり切換用電磁弁45を経て、それぞれ肛門洗浄用ノズ
ル46aおよびビデ洗浄ノズル46bへと連なっている。

また、捨水回路43側には定流量弁47があり、１次圧にか
かわらず１/min流れる様設定されている。

次に前記流量調節手段24について説明する。流量調節手
段24は、第５図に示すように、流量調節弁ユニット25と
モータユニット26と、伝達歯車27により構成されてお
り、流量調節弁ユニット25の入水部28より導かれた水
は、モータユニット26と連動している弁軸29の回転によ
って、弁軸先端29aと、弁座30とのスキ間を調節するこ
とにより流量調節されて、出水部31へ連なっている。32
は、モータユニット26の回転数を減速するための数個の
歯車からなる減速機であり、33は０リングである。

次に流量センサー13について説明する。

流量センサー13は、第６図に示すように、センサー部1
4、検出部15から構成している。センサー部14は、回転
体ケース16の内側中央には円すい状のガイドボス17が突
設しており、このガイドボス17を中心に、フェライト系
ステンレス等の磁性体金属から成る回転体18が回転する
ようなセンサー室19が構成されている。すなわち回転体
ケース16の流入口20は、前記ガイドボス17を中心とした
円周の接線方向（Ｘ矢視）から流入するように配設し、
流出口21は、前記ガイドボス17の中心軸方向へと流出す
るように構成している検出部15は、磁気抵抗素子22等の
電子部品等から構成されており、前記フェライト系ステ
ンレス等の磁性体金属から成る回転体18が水圧により回
転する時の回転数を検知し、電気的なパルス信号に変換
し、制御部へ入力信号として送るようになっている。

次に、本実施例における電気的な接続について概略を説
明する。

第１図，第２図，第３図において、48は操作パネルであ
り肛門洗浄スイッチ49、ビデ洗浄スイッチ50、乾燥スイ
ッチ51、停止スイッチ52と、希望洗浄流量および希望乾
燥温度に設定するための強弱スイッチ53（流量設定手
段）と、洗浄流量および乾燥温度の「強」〜「弱」およ
び「高」〜「低」までを表示する表示ランプ54を備えて
いる。

55は制御部であり、入力側には前記操作パネル48の各ス
イッチおよび熱交換器44の湯温センサー（図示せず）等
が接続されており、出力側には、電源部56を介して前記
流量調節手段24の流量調節弁ユニット25と連動したモー
タユニット26および熱交換器44のヒータ12および、洗浄
ノズル切換電磁弁45および乾燥ヒータ（図示せず）およ
び乾燥モータ（図示せず）等に接続している。

第４図は前記制御部55の流量調節部の制御ブロック図で
あり流量センサー13によって検出した検出流量信号と前
記操作パネル48で設定した設定流量とを比較し、その差
分に応じて、流量調節手段24のモータユニット26を駆動
して、洗浄流量を調節するフィードバック制御を行なっ
ている。

次に本発明の一実施例を示す衛生洗浄装置の具体的構成
について説明する。

第１図に於いて57は給水パイプであり、その他部品の構
成は、第８図，第９図に示す従来例と同じである。

次にこの実施例の構成における作用を説明する。使用者
が便座（図示せず）に座って用便をした後、操作パネル
48の肛門洗浄スイッチ49を押すと、電磁止水弁34および
切換用電磁弁45a（肛門洗浄用電磁弁）が開くと同時
に、給水口36より供給された水は、水道圧により流量調
節手段24の流量調節弁ユニット25を経て流量センサー13
のセンサー部14へと流れる。この時の流量に応じて回転
体18が回転し、検出部15によりこのときの流量および回
転数に応じたパルス信号として検出し、制御部55へ入力
され所定の設定値に設定されている設定値、又は、使用
者が操作パネル48の強弱スイッチ54によって設定した設
定値とを比較し第４図流量調節ブロック図に示すよう
に、流量設定値と、流量検出値との差に応じて流量調節
手段24のモータユニット26を作動させ、モータユニット
26と連動した流量調節弁ユニット25の弁軸29と弁座30の
開放度を、自動的に調節し、流量コントロールする。こ
の時流入口20より供給された水中に空気等の気体が混入
していても、給水パイプ57が流量センサー13のセンサー
部14の流出口21に連なり、内径が流出口21径と同寸法か
ら徐々に拡大して、温水タンク６の上面からタンク底面
に向って給水するような構成なので、給水パイプ57内部
や流量センサー13のセンサー室19等に空気等の気体が溜
まらず温水タンク６内にスムーズに排出される。従って
回転体18の回転が安定し、第８図に示す実線カーブの特
性となりその結果、流入口20から入る水に、空気等の気
体が混入していても、混入していない時と同じ回転特性
が得られるので設定流量に対し、洗浄ノズル46a又は46b
から噴出する洗浄流量はほとんど差が生じないので使用
者に不具合を与えないのである。また、上記の様な構成
とすることにより、給水パイプ57の内径が給水パイプ57
上部から下部に向かうにつれ大きくなっているので、給
水パイプ57をほぼ一定の流量で水が通過すると、その流
速は給水パイプ57上部から下部に向かうにつれ小さくな
る。即ち、第７図によれば流速V₁＞流速V₂となる。従っ
て、使用者が洗浄のため出湯した時、温水タンク６内の
湯と水の混合をしにくくし、出湯湯温を長時間、高い温
度で維持でき洗浄中使用者に洗浄水の温度変化を体感さ
せる様な不具合は生じないのである。

発明の効果 このように本発明によれば、センサー部と検出部からな
る流量センサーと、前記流量センサーの検出した信号に
より制御される流量調節手段と、水を加熱する温水タン
クと、前記温水タンクに給水する給水パイプと、洗浄ノ
ズルを備え、前記センサー部は水平断面が円形状のセン
サー室と、前記センサー室の接線方向に設けた流入口
と、前記センサー室の底面の略中心に垂直方向に設けた
流出口と、前記センサー室内を旋回する回転体からな
り、前記給水管は、前記センサー部の流出口に連なり、
内径が前記流出口径と同寸法から徐々に拡大して、前記
温水タンクの上面からタンク底面に向かって給水するよ
うにしているので、給水口より供給される水に空気等の
液体が混入していても、給水パイプや流量センサーに空
気等の気体が溜まらないので、流量センサーの回転体が
安定して回り、従って、設定流量に対して、洗浄ノズル
から噴出する洗浄流量は、殆んど誤差が生じないので使
用者に不具合を与えない。

また、上記の様な構成とすることにより、給水パイプの
内径が給水パイプ上部から下部に向かうにつれ大きくな
っているので、給水パイプをほぼ一定の流量で水が通過
すると、その流速は給水パイプ上部から下部に向かうに
つれ小さくなる。従って使用者が洗浄のため出湯した
時、温水タンク内の湯と水の混合をしにくくし、出湯湯
温を長時間、高い温度で維持でき、洗浄中、使用者に洗
浄水の温度変化を体感させる様な不具合は生じない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明一実施例における衛生洗浄装置の温水タ
ンク部の横断面図、第２図は同縦断面図、第３図は同衛
生洗浄装置の水回路図、第４図は同衛生洗浄装置の流量
調節の制御ブロック図、第５図は同衛生洗浄装置の流量
調節装置の要部横断面図、第６図は同衛生洗浄装置の流
量センサーの要部横断面図、第７図は第１図の局部拡大
図、第８図は従来の衛生洗浄装置の温水タンク部の横断
面図、第９図は同縦断面図、第10図は本発明一実施例に
おける衛生洗浄装置および従来の衛生洗浄装置の流量セ
ンサーの回転体の回転周波数と、流量の関係を示す図、
第11図は本発明の一実施例における衛生洗浄装置と、従
来の衛生洗浄装置の設定ダイヤルと、肛門洗浄流量との
関係を示す図、第12図は従来の一般的な水道直結式衛生
洗浄装置の水回路図である。 ６……温水タンク、13……流量センサー、14……センサ
ー部、15……検出部、18……回転体、19……センサー
室、20……流入口、21……流出口、24……流量調節手
段、46a,46b……洗浄ノズル、51……給水パイプ。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】センサー部と検出部からなる流量センサー
   と、前記流量センサーの検出した信号により制御される
   流量調節手段と、水を加熱する温水タンクと、前記温水
   タンクに給水する給水パイプと、洗浄ノズルを備え、前
   記センサー部は水平断面が円形状のセンサー室と、前記
   センサー室の接線方向に設けた流入口と、前記センサー
   室の底面の略中心に垂直方向に設けた流出口と、前記セ
   ンサー室内を旋回する回転体からなり、前記給水パイプ
   は、前記センサー部の流出口に連なり、内径が前記流出
   口径と同寸法から徐々に拡大して、前記温水タンクの上
   面からタンク底面に向かって給水するようにした衛生洗
   浄装置。
2. 【請求項２】センサー部を温水タンクの上面に固定して
   なる特許請求の範囲第１項記載の衛生洗浄装置。