JPH0753991B2 - 植生マット - Google Patents

植生マット

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JPH0753991B2
JPH0753991B2 JP31665792A JP31665792A JPH0753991B2 JP H0753991 B2 JPH0753991 B2 JP H0753991B2 JP 31665792 A JP31665792 A JP 31665792A JP 31665792 A JP31665792 A JP 31665792A JP H0753991 B2 JPH0753991 B2 JP H0753991B2
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bag
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slope
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三千兵 坂手
廣之 神部
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Nisshoku Corp
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  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、例えば山腹や河川堤防の法面又
は道路建設や土地造成跡などに形成される法面などの緑
化工事に用いられる植生マットに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、上述したような法面には、その
保護と景観を保持するために植物を植生して緑化するこ
とが行われている。しかして、従来では、土壌改良材や
肥料などから成る育成基板の下面側に肥料入りのジュー
ト繊維フェルトを設け、この育成基板と繊維フェルトと
の両者をジュート繊維の編織布と綿体との間に植物種子
を介在させた種子付き布で包被すると共に、これら育成
基板と繊維フェルト及び種子付き布の三者を、幅方向の
所定間隔置きに畝が形成されるように一体に縫着して形
成された植生マット(例えば実公平3−20348号公
報)が使用され、斯かる植生マットを前記法面に敷設す
ることにより、該法面の緑化を行うようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、以上のよう
な植生マットは、前記法面に接触される前記種子付き布
を構成するジュート繊維フェルトが比較的硬質であるこ
とから、前記植生マットの法面に対する馴染性が悪く、
該植生マットの裏面側が部分的に法面から浮き上がった
状態となり易く、しかも、前記ジュート繊維フェルトは
水分を含んでも腐食するには長期間を要し、前記育成基
板の土壌改良材や肥料などが前記法面側に落下し難いの
であり、従って、前記植生マットと法面との間に隙間が
生じ、たとえ植物種子が発芽しても根付き難くて枯死す
ることが多い問題があった。
【0004】また、前記植生マットの単体を用いて前記
法面の緑化を行う場合には、種子の発芽成育不良の状態
で前記種子付き布が腐食分解された際に、前記育成基板
の凍上や降雨などによる流亡が起こり易いことから、通
常では、前記植生マットを法面に敷設した後、該植生マ
ットの上面全体を合成樹脂製のネットで被覆したりして
いるが、斯かるネットの被覆作業は非常に面倒で多くの
手間と人手を必要とするため、施工コストが高くなる問
題もあった。
【0005】さらに、以上の植生マットを用いて法面の
緑化を行うときには、前記種子付き布に、法面の早期安
定を図ることを目的として成長が比較的早い牧草と、成
長は遅いものの前記法面の緑化復元に有用な花や野草及
び樹木などの種子を混在させるのであるが、このように
各種の植物種子を混在させるときには、前記牧草の生命
力が非常に強いため、前記花や野草及び樹木などの成長
を被圧してしまい、これら樹木などが成長できないまま
の状態で牧草のみが成長して、最終目的である法面の樹
木などによる緑化復元ができない問題もある。
【0006】本発明は以上のような問題に鑑みてなした
もので、その第1の目的は、法面への馴染性が良好で植
物種子の発芽成育を良好に行うことができ、施工性並び
にコスト面で優れた植生マットを提供することにあり、
また、第2の目的は、第1目的と同様に、施工性を高
め、かつ、植物種子の発芽成育を良好としながら、牧草
などで法面の早期安定化を図るにも拘らず、牧草などに
よる被圧を受けることなく、花や野草及び樹木など法面
の緑化復元に有用な植物種子を発芽育成させることがで
きる植生マットを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、第1発明の植生マットは、少なくとも部分的に分解
可能とされた表裏シートと、土壌改良剤や有機質材など
の一種以上と植物種子とから成る植生材料と、内部に肥
料が充填された肥料袋と、前記表シートの表面側に付設
される植物種子の発芽成育可能な目合いをもつネットと
を備え、前記表裏シート間に前記植生材料を介装させ
て、前記表裏シートの少なくとも面部間を結合すること
により、該表裏シートで前記植生材料を包被し、また、
前記肥料袋は前記表裏シートで植生材料と共に包被する
か前記ネット側に担持させたことを特徴とするものであ
る。
【0008】また、第2発明の植生マットは、少なくと
も部分的に分解可能とされた表裏シートと、肥料や土壌
改良剤及び有機質材などの一種以上と植物種子とから成
る植生材料と、内部に前記植生材料の植物種子とは異な
る種類の植物種子が充填された種子袋と、前記表シート
の表面側に付設される植物種子の発芽成育可能な目合い
をもったネットとを備え、前記表裏シート間に、前記植
生材料を介装させ、かつ、前記種子袋を所定間隔置きに
介装させて、前記表裏シートの少なくとも面部間を結合
することにより、該表裏シートで前記植生材料と種子袋
とを包被させたことを特徴とするものである。
【0009】
【作用】第1発明の植生マットでは、植生材料が表裏シ
ートで包被され、これら表裏シートは柔軟性を備えてい
ることから、前記植生マットの法面への敷設時に、その
マット全体が法面に馴染み易くて、部分的に浮き上がっ
たりすることなく、前記法面に密着させることができ、
また、前記表裏シートは少なくとも部分的に分解可能と
されているため、前記法面への敷設後に、前記裏シート
が雨水などで分解されることにより、前記植生材料を法
面に密着させて、該植生材料と法面との間に隙間が発生
したりするのを効果的に防止することができ、しかも、
前記表裏シート間に介装され、又は、前記ネットに担持
された肥料袋内に充填された速効,緩効,遅効性の肥料
成分を前記植生材料に含まれる植物種子に供給して、該
植物種子を前記法面で良好に発芽成育させることができ
る。
【0010】また、前記表シートの表面側には、前記植
物種子の発芽成育可能な目合いをもつネットが付設され
ているため、該ネットで前記表シートが雨水などで分解
されても、前記植生材料の流亡を効果的に防止すること
ができ、しかも、前記ネットは前記表シートの表面に予
め付設されていることから、後でネットを敷設する従来
の場合に較べ、施工性を良好としながら施工コストを低
廉にできる。
【0011】第2発明の植生マットは、第1発明の場合
と同様な表裏シートやネットを備えていることから、前
述した場合と同様に、施工性を高め、かつ、施工コスト
を低廉としながら、前記植生材料に含まれる植物種子
と、前記種子袋に充填された前記植生材料の植物種子と
は異なる種類の植物種子とを法面で良好に発芽成育させ
ることができる。
【0012】しかも、第2発明の植生マットでは、前記
植生材料に植物種子が含有され、また、該植物種子とは
異なる種類の植物種子が前記種子袋内に充填されている
ことから、例えば前記植生材料に花や野草及び樹木など
法面の緑化復元に有用な植物種子を含有させ、一方、前
記種子袋内には牧草などの成長が早くて生命力の強い植
物種子を充填させておくことにより、前記種子袋内の牧
草種子などを早期に発芽育成させて、この牧草などで前
記法面の早期安定化を図りながら、前記種子袋の周辺部
で前記牧草などによる被圧を受けることなく、前記法面
の緑化復元に有用な樹木などの植物種子を発芽育成させ
ることができ、最終的に前記法面の樹木などによる緑化
復元が行えるのである。
【0013】
【実施例】以下、本発明にかかる植生マットの実施例を
図面に基づいて説明する。図1は第1発明にかかる植生
マットM1の一例を示しており、この植生マットM1
は、部分的に溶解可能とされた表シート1と水溶性の裏
シート2とを使用し、これら両者の端縁同士を小さな目
合いで縫着3して袋体4を形成し、該袋体4の内部に植
生材料5を装填させ、かつ、前記袋体4内に所定間隔置
きに複数の肥料袋6を装填させた状態で、前記表裏シー
ト1,2の中間複数箇所で面部同士を互いに所定方向に
大きな目合いで縫着7することにより、前記袋体4内に
前記植生材料5と肥料袋6とを移動不能に収容させると
共に、前記表シート1の外表面には、前記植生材料5に
含有される植物種子の発芽成育可能な目合いをもつネッ
ト8を付設させている。
【0014】また、図2は第2発明にかかる植生マット
M2の一例を示しており、この植生マットM2は、第1
発明の場合と同様に、部分的に溶解可能とされた表シー
ト1と水溶性の裏シート2とを使用し、これら両者の端
縁同士を小さな目合いで縫着3して袋体4を形成し、該
袋体4の内部に植生材料5を装填させ、かつ、前記袋体
4内に所定間隔置きに複数の種子袋9を装填させた状態
で、前記表裏シート1,2の中間複数箇所で面部同士を
互いに所定方向に大きな目合いで縫着7することによ
り、前記袋体4内に前記植生材料5と種子袋9とを移動
不能に収容すると共に、前記表シート1の外表面には、
前記植生材料5に含有される植物種子の発芽成育可能な
目合いをもつネット8を付設させている。
【0015】以上の第1及び第2発明にかかる植生マッ
トM1,M2は、前記袋体4内に植生材料5と共に肥料
袋6を装填させるか種子袋9を装填させるかの主要相違
があるものの、その他はほぼ同一構成であるため、第
1,第2発明の構成部材については併記して説明する。
【0016】第1,第2発明で使用される前記袋体4を
構成する表シート1は、図3で示したように、例えばパ
ルプ繊維の30〜50%と、ポリプロピレン繊維の35
〜45%と、パウダー状又は繊維状とされたポリビニル
アルコールの10〜30%とから成る水溶性シート状体
10の一側面に、例えばビニロン30番手10本の縦糸
11と、スフ6本/インチの横糸12とを用いて、目合
いが2〜8mmのカヤ地13を接合一体化して構成する
ものであり、前記シート状体10をスキアゲ手段で製造
する際に、該シート状体10の構成素材である前記ポリ
ビニルアルコールに前記カヤ地13を接合させることに
より、前記表シート1が形成される。
【0017】また、前記袋体4の構成素材である前記裏
シート2は、例えばパルプ繊維の30〜50%と、ポリ
プロピレン繊維の35〜45%と、パウダー状又は繊維
状とされたポリビニルアルコールの10〜30%とから
成る水溶性シートで形成される。
【0018】前記表シート1のシート状体10と前記裏
シート2との構成素材である前記パルプ繊維は、その添
加比率を30%以下とし、かつ、前記ポリプロピレン繊
維の添加比率を35%以下とするときには、前記ポリビ
ニルアルコールの添加比率が相対的に大となるため、該
ポリビニルアルコールの水分吸収に伴う溶解により前記
表裏シート1,2の強度が弱くなる問題が発生し、一
方、前記パルプ繊維の添加比率を50%以上とし、か
つ、前記ポリプロピレン繊維の添加比率を45%以上と
する場合には、前記ポリビニルアルコールの添加比率が
相対的に少なくなることから、水分吸収による溶解性が
悪くなる問題が発生する。また、前記ポリビニルアルコ
ールの添加比率を10%以下とするときには、水分吸収
による溶解性が悪くなる問題が発生し、一方、30%以
上とするときには、前記パルプ繊維とポリプロピレン繊
維との添加比率が相対的に少なくなることから、前記表
裏シート1,2の強度が弱くなる問題が発生する。
【0019】以上のことから、前記パルプ繊維とポリプ
ロピレン繊維及びポリビニルアルコールとを、上述した
ような配合比率として、前記表シート1のシート状体1
0及び前記裏シート2の溶解性と一定強度とを確保する
ようにしている。また、前記表シート1のシート状体1
0と前記裏シート2との最も好ましい構成は、前記パル
プ繊維として針葉樹のものを用い、前記ポリプロピレン
繊維として2デニール太さで長さ5mmのものを使用
し、かつ、前記ポリビニルアルコールとして1デニール
太さで長さ3mmのものを使用し、これらパルプ繊維の
40とポリプロピレン繊維の40%とポリビニルアルコ
ールの20%との配合構成から成るものである。
【0020】さらに、前記表シート1としては、前述し
た部分溶解性のもの以外に、例えばスフなどを素材とし
た分散性不織布やポリビニルアルコールを素材とした水
溶性シートなどを用いることが可能であり、また、前記
裏シート2としては、前述した水溶性のもの以外に、例
えば前記表シート1のように部分溶解性としたものや分
散性不織布などを使用することができる。
【0021】以上の素材から成る表裏シート1,2は、
それぞれ柔軟性に富むことから、前記各植生マットM
1,M2を法面に敷設したとき、そのマット全体が法面
に馴染み易くなって、部分的に浮き上がったりすること
なく、前記法面に密着させることができ、また、前記表
裏シート1,2は部分的又は全面的に分解可能とされて
いるため、前記法面への敷設後に、前記裏シート2が雨
水などで分解されることにより、前記植生材料5を法面
に密着させて、該植生材料5と法面との間に隙間が発生
したりするのを効果的に防止することが可能となって、
前記植生材料5に含まれる植物種子を前記法面で良好に
発芽成育させることができる。
【0022】前記植生材料5として、第1発明の場合に
は、例えば一般的な土壌改良材、バーク堆肥やピートモ
スなどの有機質材、バーミュキライトやパーライトなど
の無機質材、高吸水性ポリマーなどの一種以上と、牧
草、花、野草又は樹木などの植物種子(これらについて
は後で詳述する)とを混合させた粒状のものが使用され
る。尚、第1発明の場合には、前記袋体4内に肥料袋6
が装填されているため、前記植生材料5には必ずしも肥
料を混合させる必要はない。
【0023】第1発明で使用される前記肥料袋6は、前
述した分散性不織布や布地又は紙などの腐食性材料から
成り、その内部に速効性や緩効性及び遅効性などの肥料
を充填させて形成され、斯かる肥料袋6の複数個を前記
植生材料5と共に前記袋体4の内部に所定間隔を置いて
装填させるのであり、そして、前記植生材料5に含有さ
れる植物種子に前記肥料袋6内に充填された各種肥料を
効果的に供給して、前記植物種子を法面で良好に発芽成
育させるのである。
【0024】前記肥料袋6は、前記袋体4内に前記植生
材料5と共に装填させるだけではなく、本発明では、前
記表シート1の外表面に付設される前記ネット8を有効
利用し、該ネット8を二重構造としてその内部に前記肥
料袋6を挿入するか、又は、前記表シート1とネット8
との間に挿入させて紐体などで固定させるようにしても
よい。
【0025】また、第2発明で使用される植生材料5と
しては、例えば上述したような各種肥料、土壌改良材、
バーク堆肥やピートモスなどの有機質材、バーミュキラ
イトやパーライトなどの無機質材、高吸水性ポリマーな
どを粒状に混合させて形成する。第2発明の場合には、
前記肥料袋6が使用されないことから、前記植生材料5
に各種肥料を混合させる必要がある。
【0026】さらに、第2発明では、前記袋体4の内部
に前記植生材料5と共に種子袋9を所定間隔置きに装填
するのであるが、この種子袋9の構成素材としては、上
述した肥料袋6と同様なものが使用され、前記種子袋9
内に前記植生材料5の植物種子とは種類の異なる植物種
子を充填させるのである。
【0027】つまり、前記植生材料5に含有させる植物
種子としては、郷土色に富み法面の緑化復元に有用な花
や野草及び樹木などの植物種子を充填させるのである
が、花の種子としては、例えば黄デジー,フランス菊,
大錦鶏菊,のこぎり草,ハエトリナデシコ,カルフォル
ニアポピー,ムラサキハナ,カスミソウ,コスモス,ケ
イトウ,カワラナデシコ,テンニンギクなどが使用さ
れ、また、野草の種子としては、例えば、よもぎ,すす
き,めどはぎ,いたどりなどが用いられ、さらに、樹木
の種子としては、あかまつ,やしゃぶし,いたちはぎ,
やまはぎ,こまつなぎなどが使用される。一方、前記種
子袋9内に充填される植物種子としては、前記植生材料
5の植物種子とは種類が異なり、生命力が強く成長が早
くて法面を早期安定化させるのに有用な外来牧草種子が
主に用いられ、その種類としては、例えばグリーピング
レッドフェスク,ハイランドベングラス,レッドトッ
プ,バミューダグラス,ケンタッキーブルーグラスなど
がある。
【0028】以上のように、前記植生材料5に上述した
ような花や野草及び樹木など法面の緑化復元に有用な植
物種子を含有させ、一方、前記種子袋9内には成長が早
くて生命力の強い外来牧草種子などを充填させておくこ
とにより、該種子袋9内の牧草種子を早期に発芽育成さ
せて、この牧草などで前記法面の早期安定化を図りなが
ら、前記種子袋9の周辺部で前記牧草などによる被圧を
受けることなく、前記法面の緑化復元に有用な樹木など
の植物種子を発芽育成させることができ、最終的には前
記法面を樹木などで覆って郷土色に富んだ緑化復元を行
うことが可能となる。
【0029】また、図4で示したように、前記植生材料
5を棒状に成形し、かつ、前記肥料袋6及び種子袋9も
棒状に形成すると共に、前記袋体4の表裏シート1,2
間に複数の収容部41を設けて、これら収容部41内に
前記植生材料5の複数個を収容し、かつ、前記肥料袋6
と種子袋9とを前記各植生材料5に対し所定間隔置きに
収容させることも可能である。
【0030】さらに、各図の実施例では前記植生材料5
を粒状に形成しているが、この植生材料5を平板形状に
保形させて、該植生材料5と前記肥料袋6とを前記表裏
シート1,2間にサンドウィッチ状に介装させて各者一
体状に縫着するようにしてもよい。
【0031】また、第1及び第2発明において、前記表
シート1の外表面に設ける前記ネット8の構成素材とし
ては、合成繊維から成る非腐食性繊維の他に、微生物で
分解腐食されて経時的に消失する例えば、綿、絹、麻な
どの天然繊維やビスコースレーヨンなどの生分解性化学
繊維、又は、ポリノジックレーヨンやタイヤコード用ビ
スコースレーヨンなどの強力レーヨンなどの腐食性繊維
が使用される。
【0032】特に、上述した強力レーヨンを使用する場
合、この強力レーヨンは、引張強度が大で湿潤時におけ
る強度低下が少なく、かつ、法面への敷設後半年経過し
ても当初の90%程度の引張強度を保持し、その後経時
的に腐食して土に同質化することから、以上の強力レー
ヨンで前記ネット8を形成すれば、植物種子が発芽成育
するまでの半年〜2年程度は充分な強度を保持して、前
記ネット8で前記植生材料5の凍上や雨水などによる流
亡を効果的に防止することができ、また、植物がある程
度成長した後には徐々に腐食分解されて最終的には土に
帰されることとなるため、半永久的に変質しない前記ポ
リエチレンなどの非腐食性繊維から成るネット8を用い
る場合のように、該ネット8が法面に半永久的に残った
りして公害問題を招いたりすることなく、環境緑化に好
適となる。尚、本発明では、前述した合成繊維から成る
非腐食性繊維の前記ネット8としての使用を必ずしも排
除するものではない。
【0033】また、前記ネット8の構成素材として、前
記天然繊維やビスコースレーヨンなどの生分解性化学繊
維などを使用する場合には、これら繊維の外表面に撥水
剤や接着剤などによる撥水処理、又は、防黴剤や防バク
テリア剤及び防腐剤などによる防腐処理を行うことが望
ましく、斯くすることにより、前述した強力レーヨンの
場合と同様に、湿潤時における強度低下を少なくし、法
面への敷設後一定期間は所定の引張強度を保持し、その
後経時的に腐食させて土に同質化させ得るのであり、従
って、前記ネット8で前記植生材料5の流亡を効果的に
防止しながら、最終的には土に同質化させることができ
る。
【0034】さらに、前記ネット8の構成素材として
は、非腐食性繊維と腐食性繊維との混紡繊維を使用する
ことも可能であり、例えば、前記非腐食性繊維として、
微生物では分解されることなく半永久的に所定の引張強
度が確保される例えばポリビニールアルコールなどのビ
ニロン系、ポリエステルなどのポリエステル系、ナイロ
ンなどのポリアミド系及びアクリルなどのポリアクリル
ニトリル系などを用い、また、腐食性繊維としては上述
した各種のものを使用して、これら腐食性繊維の60〜
80%と非腐食繊維の40〜20%とを混合したものが
好ましく、斯かる混紡繊維を使用して前記ネット8を構
成する場合でも、前述した場合と同様に、前記ネット8
で前記植生材料5の流亡を効果的に防止しながら、前記
ネット8の全体を法面に半永久的に残したりすることな
く、環境緑化に寄与することが可能となる。
【0035】また、前記ネット8の構成素材としては、
前述したもの以外に、ビスコースレーヨンに高分子エマ
ルジョン又は水溶性ポリマーの少なくとも一方を内添し
た混繊レーヨンを用いることが可能である。具体的に
は、微生物で分解腐食される再生セルロースからなる前
記ビスコースレーヨンに、微生物では分解腐食されるこ
となく、このビスコースレーヨンの分解腐食による強度
低下を補う、例えば酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、エ
チレン酢酸ビニル樹脂などの高分子エマルジョンと、ポ
リビニルアルコール、ポリアクリルアマイドなどの水溶
性ポリマーとの何れか一方を内添するか、又は、前記エ
マルジョンとポリマーとの両者を内添したものが使用さ
れる。
【0036】また、前記混繊レーヨンは、前記ビスコー
スレーヨンに対し前記高分子エマルジョンや水溶性ポリ
マーを2〜15%の割合で内添したものが最も好まし
い。以上の混繊レーヨンを使用して前記ネット8を構成
する場合でも、前述した場合と同じく、前記ネット8で
前記植生材料5の流亡を効果的に防止しながら、前記ネ
ット8を法面に半永久的に残したりすることなく、環境
緑化に寄与することができる。
【0037】次に、第1及び第2発明にかかる植生マッ
トM1,M2を製造する場合の一例について説明する。
先ず、図5のAで示したように、搬送コンベアにより裏
シート2を搬送し、また、同図Bで示したように、前記
裏シート2の両側端部を別途配置するガイドなどで上方
側に折り曲げ、その上面側に植生材料5を供給装填させ
る。そして、同図Cで示したように、前記裏シート2に
装填された植生材料5の上部側に、第1発明の場合には
肥料袋6を、また、第2発明の場合には種子袋9を載置
し、さらに、これら肥料袋6又は種子袋9の上部側に前
記植生材料5を供給装填させた後に、同図Dで示したよ
うに、前記裏シート2の上部側に表シート1を、また、
該表シート1上にネット8を載置する。しかる後に、同
図Eで示したように、前記表裏シート1,2の各面部間
を大きな目合いで縫着7し、この後同図Fで示したよう
に、前記表裏シート1,2の両端部を縫着3することに
より、第1及び第2発明の植生マットM1,M2が得ら
れる。
【0038】前記各植生マットM1,M2を製造するに
際しては、同図Cに示す作業工程において、前記肥料袋
6又は種子袋9の上部側に前記植生材料5を供給装填さ
せることなく、前記表裏シート1,2間を縫着3,7す
ることにより、前記植生材料5が前記肥料袋6又は種子
袋9の下部側のみに装填された植生マットM1,M2を
製造することもできる。また、同図Bに示す作業工程に
おいて、前記裏シート2上に前記植生材料5を供給装填
させることなく、前記裏シート2上に前記肥料袋6又は
種子袋9を直接載置し、これら肥料袋6又は種子袋9の
上部側にのみ前記植生材料5を供給装填させて、前記表
裏シート1,2間を縫着3,7することにより、前記植
生材料5が前記肥料袋6又は種子袋9の上部側のみに装
填された植生マットM1,M2を製造することも可能で
ある。
【0039】さらに、同図Dの作業工程において、前記
表シート1の上部側に前記ネット8を載置させることな
く、前記表裏シート1,2間を縫着3,7することによ
り前記各植生マットM1,M2を製造し、この後に前記
表シート1の外表面側に前記ネット8を適当な手段で一
体状に付設させるようにしてもよい。また、第1発明の
場合には、同図Cの作業工程において、前記裏シート2
の上部側に前記肥料袋6を載置させることなく、前記裏
シート2の上部側には前記植生材料5だけを供給装填さ
せて、前記表裏シート1,2間を縫着3,7することに
より前記植生マットM1を製造し、この後に前記表シー
ト1の外表面側に付設される前記ネット8に前記肥料袋
9を担持させることも可能である。
【0040】また、第1及び第2発明にかかる植生マッ
トM1,M2は、次のように使用される。つまり、図6
で示したように、前記各植生マットM1,M2の複数枚
を法面14に沿って幅方向端縁部が互いに重合するよう
に敷設して、その各重合部から前記法面14にアンカー
15や止め釘16を打ち込んで、前記各植生マットM
1,M2を法面14に固定する。
【0041】以上のようにして、前記各植生マットM
1,M2を法面14に敷設すると、前記各植生マットM
1,M2の構成素材である前記表裏シート1,2は柔軟
性に富むことから、マット全体が法面14に馴染み易く
なって、部分的に浮き上がったりすることなく、この法
面14に沿って密着され易くなるのであり、また、前記
表裏シート1,2は部分的又は全面的に分解可能とされ
ているため、前記法面14への敷設後に、前記裏シート
2が雨水などで分解されることにより、前記植生材料5
が法面14に密着されることとなって、これら植生材料
5と法面14との間に隙間が発生したりするのを効果的
に防止される。
【0042】そして、第1発明の植生マットM1では、
前記表裏シート1,2間に肥料袋6が、又は、該肥料袋
6が前記表シート1の外表面に付設されたネット8に担
持されているため、前記肥料袋6内に充填された速効,
緩効,遅効性の肥料成分が前記植生材料5に含有される
植物種子に効果的に供給されて、この植物種子を前記法
面14で良好に発芽成育させることができる。
【0043】また、前記各植生マットM1,M2では、
前記表シート1の外表面側に前記植物種子の発芽成育可
能な目合いをもつネット8が付設されているため、該ネ
ット8で前記表シート1が雨水などで分解されても、前
記植生材料5の流亡を効果的に防止することができ、し
かも、前記ネット8は前記表シート1の外表面に予め付
設していることから、後でネットを敷設する従来の場合
に較べ、施工性を良好としながら施工コストを低廉にで
きる。
【0044】さらに、第2発明の植生マットM2では、
前記植生材料5に植物種子が含有され、また、該植物種
子とは異なる種類の植物種子が前記種子袋9内に充填さ
れていることから、例えば前記植生材料5に上述した花
や野草及び樹木など法面14の緑化復元に有用な植物種
子を含有させ、一方、前記種子袋9内には外来牧草など
の成長が早くて生命力の強い植物種子を充填させておく
ことにより、前記種子袋9内の牧草種子などを早期に発
芽育成させて、この牧草などで前記法面14の早期安定
化を図りながら、前記種子袋9の周辺部で前記牧草など
による被圧を受けることなく、前記法面14の緑化復元
に有用な樹木などの植物種子を発芽育成させることがで
き、最終的に前記法面14の樹木などによる緑化復元が
行えるのである。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、第1発明にかかる
植生マットでは、植生材料が表裏シートで包被され、こ
れら表裏シートは柔軟性を備えていることから、前記植
生マットの法面への敷設時に、そのマット全体を法面に
馴染み易くして、部分的に浮き上がったりすることな
く、前記法面に密着させることができ、また、前記表裏
シートは少なくとも部分的に分解可能とされているた
め、前記法面への敷設後に、前記裏シートが雨水などで
分解されることにより、前記植生材料を法面に密着させ
て、該植生材料と法面との間に隙間が発生したりするの
を効果的に防止することができ、しかも、前記表裏シー
ト間に介装され、又は、前記ネットに担持された肥料袋
内に充填された速効,緩効,遅効性の肥料成分を前記植
生材料に含まれる植物種子に供給して、該植物種子を前
記法面で良好に発芽成育させることができる。
【0046】また、前記表シートの表面側には、前記植
物種子の発芽成育可能な目合いをもつネットが付設され
ているため、該ネットで前記表シートが雨水などで分解
されても、前記植生材料の流亡を効果的に防止すること
ができ、しかも、前記ネットは前記表シートの表面に予
め付設されていることから、後でネットを敷設する従来
の場合に較べ、施工性を良好としながら施工コストを低
廉にできる。
【0047】さらに、第2発明の植生マットでは、第1
発明の場合と同様な表裏シートやネットを備えているこ
とから、前述した場合と同様に、施工性を高め、かつ、
施工コストを低廉としながら、前記植生材料に含まれる
植物種子と、該植生材料に対し所定間隔置きに設けられ
る種子袋に充填された前記植生材料の植物種子とは異な
る種類の植物種子とを法面で良好に発芽成育させること
ができる。
【0048】しかも、第2発明の植生マットでは、前記
植生材料に植物種子が含有され、また、該植物種子とは
異なる種類の植物種子が前記植生材料に対し所定間隔置
きに設けられる前記種子袋内に充填されていることか
ら、例えば前記植生材料に花や野草及び樹木など法面の
緑化復元に有用な植物種子を含有させ、一方、前記種子
袋内には牧草などの成長が早くて生命力の強い植物種子
を充填させておくことにより、前記種子袋内の牧草種子
などを早期に発芽育成させて、この牧草などで前記法面
の早期安定化を図りながら、前記種子袋の周辺部で前記
牧草などによる被圧を受けることなく、前記法面の緑化
復元に有用な樹木などの植物種子を発芽育成させること
ができて、最終的には前記法面の樹木などによる緑化復
元を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1発明にかかる植生マットの一例を示す斜断
面図である。
【図2】第2発明にかかる植生マットを示す斜断面図で
ある。
【図3】表シートを拡大した概略的な斜視図である。
【図4】各発明の他の実施例を示す斜断面図である。
【図5】第1,第2発明にかかる植生マットの製造例を
示す工程図である。
【図6】施工例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1,2…表裏シート、5…植生材料、6…肥料袋、8…
ネット、9…種子袋。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも部分的に分解可能とされた表
    裏シートと、土壌改良剤や有機質材などの一種以上と植
    物種子とから成る植生材料と、内部に肥料が充填された
    肥料袋と、前記表シートの表面側に付設される植物種子
    の発芽成育可能な目合いをもったネットとを備え、前記
    表裏シート間に前記植生材料を介装させて、前記表裏シ
    ートの少なくとも面部間を結合することにより、該表裏
    シートで前記植生材料を包被し、また、前記肥料袋は前
    記表裏シートで植生材料と共に包被するか前記ネット側
    に担持させていることを特徴とする植生マット。
  2. 【請求項2】 少なくとも部分的に分解可能とされた表
    裏シートと、肥料や土壌改良剤及び有機質材などの一種
    以上と植物種子とから成る植生材料と、内部に前記植生
    材料の植物種子とは異なる種類の植物種子が充填された
    種子袋と、前記表シートの表面側に付設される植物種子
    の発芽成育可能な目合いをもったネットとを備え、前記
    表裏シート間に前記植生材料を介装させ、かつ、前記種
    子袋を所定間隔置きに介装させて、前記表裏シートの少
    なくとも面部間を結合することにより、該表裏シートで
    前記植生材料と種子袋とを包被させたことを特徴とする
    植生マット。
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