JPH075391B2 - 薄板セラミックスの製造方法 - Google Patents

薄板セラミックスの製造方法

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JPH075391B2
JPH075391B2 JP1172231A JP17223189A JPH075391B2 JP H075391 B2 JPH075391 B2 JP H075391B2 JP 1172231 A JP1172231 A JP 1172231A JP 17223189 A JP17223189 A JP 17223189A JP H075391 B2 JPH075391 B2 JP H075391B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は新規性のある湾曲、波形等の形状を有する薄液
セラミックスの製造方法に関するものであり、本発明に
よって得られるセラミックスは触媒担体用基体あるいは
一般用構造材として使用できる。
従来の技術 従来、触媒担体用基体としては一般に押出成形したハニ
カム構造を有するセラミックスが使用されており、この
製造方法は、無機耐熱材料に適当量の成形助剤と水とを
加え、押出成形後、充分な乾燥を行い、その後所定の温
度まで焼成し、無機耐熱材料を焼結させて得るものであ
った。
発明が解決しようとする課題 しかし、従来の製造方法では、ハニカム構造体が平面形
状のものしか得られず、このことにより、使用上の制約
あるいはそれを用いた装置の構造上の制約が生じてい
た。
また、従来の製造方法では、湾曲、波形等の形状をした
自由度の大きな薄板セラミックス、応用範囲の広い薄板
セラミックスを簡便に製造することが困難であった。
課題を解決するための手段 本発明は、(1)少なくとも無機耐熱材料と、ある温度
以上になるとゲル化する結合剤と、可塑剤とからなる成
形体を、前記結合剤がゲル化する温度以上の熱水中に浸
漬し、前記成形体に柔軟性を発現させた後、前記成形体
を湾曲、波形等の所定成形形状を備え吸水性を有する耐
熱治具上に載せながら、乾燥、焼成を行うことを特徴と
する薄板セラミックスの製造方法、(2)少なくとも無
機耐熱材料と、ある温度以上になるとゲル化する結合剤
と、可塑剤とからなる成形体を、前記結合剤がゲル化す
る温度以上の熱水中に浸漬し、前記成形体に柔軟性を発
現させた後、前記成形体を湾曲、波形等の所定成形形状
を備え吸水性を有する耐熱治具によって挟みながら、乾
燥、焼成を行うことを特徴とする薄板セラミックスの製
造方法(3)少なくとも無機耐熱材料と、ある温度以上
になるとゲル化する結合剤と、可塑剤とからなる成形体
を、前記結合剤がゲル化する温度以上の熱水中に浸漬
し、前記成形体に柔軟性を発現させた後、前記成形体を
シート上に載せながら、湾曲、波形等の所定成形形状を
備え吸水性を有する耐熱治具上に移載し、その状態で乾
燥、焼成を行うことを特徴とする薄板セラミックスの製
造方法、(4)結合剤がメチルセルロース、ヒドロキシ
プロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロ
ースよりなる群から選ばれたものである薄板セラミック
スの製造方法、(5)可塑剤がソルビタン酸エステル、
ポリオレフィングリコールエーテルよりなる群から選ば
れたものである薄板セラミックスの製造方法、(6)無
機耐熱材料がAl2O35〜30wt、SiO270〜94wt%、TiO20.8
〜8wt%、K2O0.2〜2.0wt%の組成を有する薄板セラミッ
クスの製造方法である。
作用 本発明は上記手段により、湾曲、波形等の所定形状をし
た薄板セラミックスを容易に得ることができる。この結
果、前記薄板セラミックスを複合化させることにより様
々な形状の触媒担体用基体等を容易な方法で製造するこ
とができる。そのことにより、用途展開あるいは、従来
ハニカムセラミックスが利用されていた分野での特性改
善が期待できる。
具体的には、少なくとも無機耐熱材料とある温度以上に
なるとゲル化する結合剤と可塑剤とからなる成形体をま
ず、結合剤がゲル化する温度以上の熱水中に浸漬し、成
形体に柔軟性を発現させる。
ここで、ある温度以上になるとゲル化する結合剤(約30
℃以下の水では水溶性物質であるが、ある温度を越える
と物質のゲル化が起こるものを指す)とは、具体的には
セルロースエーテル系のものが知られており、メチルセ
ルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒド
ロキシプロピルセルロース等がある。たとえばメトロー
ズ60SH−4000(信越化学、商品名)の場合、低温では水
和した状態となる。しかし、60℃以上ではゲル化現象が
急激に起こってくる。これにより、メトローズ60SH−40
00を含有するハニカム成形体は熱水中でも充分な保形性
を維持できるだけの機械的強度を発現するようになる。
そして、その機械的強度は結合剤の添加量と熱水の温度
に依存する。
また、本発明での可塑剤とは上述の成形体をゲル化する
温度以上の熱水中に浸漬した時にも、成形体に柔軟性を
与えることができる材料であり、具体的にはソルビタン
酸エステル、ポリオレフィングリコールエーテル等が挙
げられる。成形体中にこの可塑剤を添加していない条件
で、成形体をゲル化する温度以上の熱水中に浸漬した時
には、成形体は本発明の目的には充分過ぎる程の機械的
強度を持つようになり、その後に成形体を湾曲、波形等
の形状に加工することは困難となってくる。また、添加
量を多くし過ぎると熱水中での柔軟性が増大し過ぎて、
製造工程中でのハンドリングが困難となる。また、ソル
ビタン酸エステルとポリオレフィングリコールエーテル
を比較するとソルビタン酸エステルのほうが成形体の柔
軟性に対する寄与が大きい。
このように、本発明における結合剤と可塑剤とは非常に
重要な役割を持ち、これらは密接な相互関係にある。し
たがって、成形体の形状等も鑑みながら、適切な結合剤
と可塑剤の選択および添加量を決定しなければならな
い。
次に、柔軟性を発現した成形体を湾曲、波形等の所定成
形形状を備え吸水性を有する耐熱治具上に載せる。
ここで、耐熱治具に吸水性の必要となる理由について述
べる。吸水性を持たない緻密なアルミナ製の治具上に成
形体を載せながら、乾燥を行うと、成形体からの水分が
成形体と治具との間に溜ってくるようになる。そして、
その水分が乾燥時に蒸発するが、その時成形体はその水
蒸気で治具から離れ易くなる。その結果、得られるセラ
ミックスは治具の形状とは異なるいびつなものとなり、
目的とする寸法形状は得られない。しかし、吸水性を有
する耐熱性治具上に載せながら、乾燥を行うと、成形体
からの水分はほとんど耐熱治具に吸収され、上述のよう
な問題は起こらない。
また、成形体の厚みが厚くなると吸水性を有する耐熱治
具上に載せただけでは湾曲加工が不十分となり、吸水性
を有する耐熱治具で成形体を挟むことが必要となる。
また、湾曲、波形等の所定形状をした厚みの薄いセラミ
ックスを得ようとする場合には、当然初期平板成形体の
厚みを薄くしければならないが、薄くすればそれだけ柔
軟性を発現させた時の成形体は非常に脆いものとなる。
したがって、成形体を耐熱治具上に移載するのにも非常
に慎重にしなければ、その途中で成形体を壊してしまう
ことになる。そこで、この問題を解決するために、まず
柔軟性を発現させた成形体をシート上に載せ、その後湾
曲、波形等の所定成形形状を備え耐熱治具上に移載す
る。ここでいうシートとは吸水性を有する紙等でも良い
し、柔軟性を有するメッシュ状のプラスチックでもよ
い。このようなシートを使用することにより、柔軟性を
発現させた、非常に脆い成形体をハンドリングよく耐熱
治具上に移載することができる。しかし、吸水性を有す
る紙を使用する場合に注意しなければいけない点とし
て、紙の目付けが大きいと、紙が乾燥する時の力で成形
体が治具から離れることがある。したがって、シートの
目付けは40g/m2以下にする必要がある。
本発明で使用する無機耐熱材料としてはシリカ、アルミ
ナ、チタニア、ジルコニア、ムライト、コージライト、
チタン酸カリウム、粘土等が挙げられる。しかし、この
中ではAl2O35〜30wt%、SiO270〜94wt%、TiO20.8〜8wt
%、K2O0.2〜2.0wt%の組成を有するセラミックスが、
熱膨張係数が小さくかつ機械的強度が大きいので、過酷
な条件にも耐えうる優れたものといえる。このセラミッ
クスは再水和性アルミナと溶融シリカと六チタン酸カリ
ウムを使用して調製したものが特性において優れてい
る。そして、使用する再水和性アルミナの添加量が5wt
%以下になると得られるセラミックスの機械的強度が劣
ってき、30wt%以上になると得られるセラミックスの収
縮率が大きくなる。また、使用する六チタン酸カリウム
の添加量が1wt%以下になると得られるセラミックスの
機械的強度が劣ってき、10wt%以上になるとこの六チタ
ン酸カリウム材料がアスペクト比の大きなファイバーで
あるため押出成形が困難となってくる。
以上本発明は目的とする湾曲、波形等の所定形状をした
薄板セラミックスを得るための加工性、生産性に優れた
製造方法である。
実 施 例 以下、本発明の一実施例における薄板セラミックスの製
造方法について説明する。
(実施例1) 再水和性アルミナ10重量部、溶融シリカ85重量部、六チ
タン酸カリウム5重量部と結合剤としてメトローズ60SH
−4000(信越化学、商品名)6.5重量部を混合し、その
後可塑剤としてソルビタン酸エステル1.5重量部と水と
を加え湿式混練し、ハニカム状に押出成形後、誘電加熱
方法で乾燥し、150mm×70mm、長さ150mm、セル密度60セ
ル/in2(セルピッチ3.3mm、リブ厚0.40mm)のハニカム
成形体を得た。その後、前記ハニカム成形体を厚み1.
0、2.0、3.0、4.0、5.0、6.0、7.0、8.0、9.0、10.0mm
にそれぞれ切出し、薄板ハニカム成形体を得た。その
後、以下のような製造方法A、B、Cでそれぞれ湾曲ハ
ニカムセラミックスを調製した。
<製造方法A> 第1図(a)に示す薄板ハニカム成形体1をアニオン系
界面活性剤が0.1wt%含まれる75℃の熱水2中に10分間
浸漬(第1図(b))し、結合剤(メトローズ60SH−40
00)をゲル化させるとともに、ハニカム成形体1に可塑
剤による柔軟性を発現させた。その後、第1図(c)に
示すように、このハニカム成形体1を湾曲成形形状を備
え吸水性を有する耐熱性の受け治具3(アルミナ80wt
%、シリカ20wt%、多孔度30%)上に載せ、曲率半径60
mmの曲面状となるようにした。次に、そのままの状態で
120℃で10分間乾燥した後、1200℃で1時間熱処理して
湾曲ハニカムセラミックス4(第1図(d))を得た。
<製造方法B> 第2図(a)に示す薄板ハニカム成形体1をアニオン系
界面活性剤が0.1wt%含まれる75℃の熱水2中に10分間
浸漬(第2図(b))し、結合剤(メトローズ60SH−40
00)をゲル化させるとともに、ハニカム成形体1に可塑
剤による柔軟性を発現させた。その後、第2図(c)
(d)に示すように、このハニカム成形体1を湾曲成形
形状を備え吸水性を有する耐熱性の受け治具3および押
え治具5(アルミナ80wt%、シリカ20wt%、多孔度30
%)によって挟み、曲率半径60mmの曲面状となるように
した。次に、そのままの状態で120℃で10分間乾燥した
後、1200℃で1時間熱処理して湾曲ハニカムセラミック
ス6(第2図(e))を得た。
<製造方法C> 第3図(a)に示す薄板ハニカム成形体1をアニオン系
界面活性剤が0.1wt%含まれる75℃の熱水2中に10分間
浸漬(第3図(b))し、結合剤(メトローズ60SH−40
00)をゲル化させるとともに、ハニカム成形体1に可塑
剤による柔軟性を発現させた。その後、第3図(c)に
示すように、このハニカム成形体1を紙7(目付け30g/
m2)上に載せ、その紙を湾曲成形形状を備え吸水性を有
する耐熱性の受け治具3(アルミナ80wt%、シリカ20wt
%、多孔度30%)上に移載(第3図(d))し、曲率半
径60mmの曲面状となるようにした。次に、そのままの状
態で120℃で10分間乾燥した後、1200℃で1時間熱処理
して湾曲ハニカムセラミックス8(第3図(e))を得
た。
製造方法A、B、Cでそれぞれ調整した湾曲ハニカムセ
ラミックスの結果を第1表に示す。
ここで、〇は目的とした形状の湾曲した薄板セラミック
スが得られたものを示す。△は目的とした形状の湾曲し
た薄板セラミックスが得られる場合と得られない場合と
があったものを示す。×は 目的とした形状の湾曲した薄板セラミックスが得られな
かったものを示す。
この結果、製造方法Aでは厚み3.0〜6.0mmのものについ
て目的とした形状の湾曲した薄板セラミックスが得ら
れ、製造方法Bでは厚み3.0〜10.0mmのものについて目
的とした形状の湾曲した薄板セラミックスが得られ、製
造方法Cでは厚み1.0〜6.0mmのものについて目的とした
形状の湾曲した薄板セラミックスが得られた。すなわ
ち、製造方法A、Bでは厚み2.0mm以下のものを得るこ
とは製造作業上困難であった。具体的には熱水中から耐
熱治具上に移載中に成形体を壊してしまうことが多かっ
た。製造方法A、Cでは厚み7.0以上のものを得ること
は製造作業上困難であった。具体的には成形体が乾燥時
に耐熱治具から浮上がってき、所望の曲率半径が得られ
なかった。
(実施例2) 再水和性アルミナ10重量部、溶融シリカ85重量部、六チ
タン酸カリウム5重量部と結合剤としてメトローズ60SH
−4000(信越化学工業、商品名)6.5重量部を混合し、
その後可塑剤としてソルビタン酸エステル2.5重量部と
水とを加え湿式混練し、ハニカム状に押出成形後、誘電
加熱方法で乾燥し、150mm×70mm、長さ150mm、セル密度
60セル/in2(セルピッチ3.3mm、リブ厚0.40mm)のハニ
カム成形体を得た。その後、前記ハニカム成形体を厚み
1.0、2.0、3.0、4.0、5.0、6.0、7.0、8.0、9.0、10.0m
mにそれぞれ切出し、薄板ハニカム成形体を得た。その
後、実施例1と同じように製造方法A、B、Cでそれぞ
れ湾曲ハニカムセラミックスを調製した。その結果を第
2表に示す。
ここで、〇は目的とした形状の湾曲した薄板セラミック
スが得られたものを示す。△は目的とした形状の湾曲し
た薄板セラミックスが得られる場合と得られない場合と
があったものを示す。×は目的とした形状の湾曲した薄
板セラミックスが得られなかったものを示す。
この結果、製造方法Aでは厚み5.0〜9.0mmのものについ
て目的とした形状の湾曲した薄板セラミックスが得ら
れ、製造方法Bでは厚み5.0〜10.0mmのものについて目
的とした形状の湾 曲した薄板セラミックスが得られ、製造方法Cでは厚み
3.0〜9.0mmのものについて目的とした形状の湾曲した薄
板セラミックスが得られた。すなわち、製造方法A、B
では厚み4.0mm以下のものを得ることは製造作業上困難
であった。具体的には熱水中から耐熱治具上に移載中に
成形体を壊してしまうことが多かった。製造方法A、C
では厚み10.0mm以上のものを得ることは製造作業上困難
であった。具体的には成形体が乾燥時に耐熱治具から浮
上がってき、所望の曲率半径が得られなかった。
本実施例では実施例1よりも可塑剤の添加量を1.0部増
量させたことにより、熱水中における成形体の柔軟性が
増した。その結果、実施例1よりも厚い成形体まで目的
の形状に湾曲させることができた。しかし、薄い成形体
についてはさらにハンドリングしにくくなってしまっ
た。このことより、厚みが厚い湾曲した薄板セラミック
スを得ようとする時には、添加する可塑剤の量を多めに
調節すべきであることが明らかとなった。
(実施例3) 再水和性アルミナ10重量部、溶融シリカ85重量部、六チ
タン酸カリウム5重量部と結合剤としてメトローズ60SH
−4000(信越化学工業、商品名)9重量部を混合し、そ
の後可塑剤としてソルビタン酸エステル2.5重量部と水
とを加え湿式混練し、ハニカム状に押出成形後、誘電加
熱方法で乾燥し、150mm×70mm、長さ150mm、セル密度60
セル/in2(セルピッチ3.3mm、リブ厚0.40mm)のハニカ
ム成形体を得た。その後、前記ハニカム成形体を厚み1.
0、2.0、3.0、4.0、5.0、6.0、7.0、8.0、9.0、10.0mm
にそれぞれ切出し、薄板ハニカム成形体を得た。その
後、実施例1と同じように製造方法A、B、Cでそれぞ
れ湾曲ハニカムセラミックスを調製した。その結果を第
3表に示す。
ここで、〇は目的とした形状の湾曲した薄板セラミック
スが得られたものを示す。△は目的とした形状の湾曲し
た薄板セラミックスが得られる場合と得られない場合と
があったものを示す。×は目的とした形状の湾曲した薄
板セラミックスが得られなかったものを示す。
この結果、製造方法Aでは厚み3.0〜6.0mmのものについ
て目的とした形状の湾曲した薄板セラミックスが得ら
れ、製造方法Bでは厚み3.0〜10.0mmのものについて目
的とした形状 の湾曲した薄板セラミックスが得られ、製造方法Cでは
厚み1.0〜6.0mmのものについて目的とした形状の湾曲し
た薄板セラミックスが得られた。すなわち、製造方法
A、Bでは厚み2.0以下のものを得ることは製造作業上
困難であった。具体的には熱水中から耐熱治具上に移載
中に成形体を壊してしまうことが多かった。製造方法
A、Cでは厚み7.0以上のものを得ることは製造作業上
困難であった。具体的には成形体が乾燥時に耐熱治具か
ら浮上がってき、所望の曲率半径が得られなかった。
本実施例では実施例2よりも結合剤の添加量を2.5部増
量させたことにより、熱水中における成形体の機械的強
度が増した。その結果、目的とした形状の湾曲した薄板
セラミックスが得られた厚みの範囲は実施例1と同じに
なった。
実施例1〜3より、結合剤と可塑剤は本発明において密
接な相互関係にあることが明かとなった。
(実施例4) 再水和性アルミナ10重量部、溶融シリカ85重量部、六チ
タン酸カリウム5重量部と結合剤としてメトローズ60SH
−4000(信越化学工業、商品名)9重量部を混合し、そ
の後可塑剤としてソルビタン酸エステル1.5重量部と水
とを加え湿式混練し、ハニカム状に押出成形後、誘電加
熱方法で乾燥し、150mm×70mm、長さ150mm、セル密度30
0セル/in2(セルピッチ1.47mm、リブ厚0.20mm)のハニ
カム成形体を得た。その後、前記ハニカム成形体を厚み
1.0、2.0、3.0、4.0、5.0、6.0、7.0、8.0、9.0、10.0m
mにそれぞれ切出し、薄板ハニカム成形体を得た。その
後、実施例1と同じように製造方法A、B、Cでそれぞ
れ湾曲ハニカムセラミックスを調製した。その結果を第
4表に示す。
ここで、〇は目的とした形状の湾曲した薄板セラミック
スが得られたものを示す。△は目的とした形状の湾曲し
た薄板セラミックスが得られる場合と得られない場合と
があったものを示す。×は目的とした形状の湾曲した薄
板セラミックスが得られなかったものを示す。
この結果、製造方法Aでは厚み4.0mmだけのものについ
て目的とした形状の湾曲した薄板セラミックスが得ら
れ、製造方法Bでは厚み4.0〜10.0mmのものについて目
的とした形状の湾曲した薄板セラミックスが得られ、製
造方法Cでは厚み2.0〜4.0mmのものについて目的とした
形状の湾曲した薄板セラミックスが得られた。すなわ
ち、製造方法A、Bでは厚み3.0mm以下のもの、製造方
法Cでも厚み1.0mm以下のものを得ることは製造作業上
困難であった。具体的には熱水中から耐熱治具上に移載
中に成形体を壊してしまうことが多かった。製造方法
A、Cでは厚み5.0mm以上のものを得ることは製造作業
上困難であった。具体的には成形体が乾燥時に耐熱治具
から浮上がってき、所望の曲率半径が得られなかった。
本実施例(300セル/in2)は実施例1(60セル/in2)よ
りもセル密度が大きくなっており、そのことにより成形
体の湾曲加工は困難さを増していることがわかった。こ
の理由は平板状態にある成形体を自重あるいは荷重を加
えて湾曲させようとした時、セル密度が大きくなる程セ
ル壁も多くなるので、それに起因する曲げに対する抵抗
も増大してくるからである。
(実施例5) 再水和性アルミナ10重量部、溶融シリカ85重量部、六チ
タン酸カリウム5重量部と結合剤としてメトローズ60SH
−4000(信越化学工業、商品名)9重量部を混合し、そ
の後可塑剤としてソルビタン酸エステル2.5重量部と水
とを加え湿式混練し、ハニカム状に押出成形後、誘電加
熱方法で乾燥し、150mm×70mm、長さ150mm、セル密度30
0セル/in2(セルピッチ1.47mm、リブ厚0.20mm)のハニ
カム成形体を得た。その後、前記ハニカム成形体を厚み
1.0、2.0、3.0、4.0、5.0、6.0、7.0、8.0、9.0、10.00
mmにそれぞれ切出し、薄板ハニカム成形体を得た。その
後、実施例1と同じように製造方法A、B、Cでそれぞ
れ湾曲ハニカムセラミックスを調製した。その結果を第
5表に示す。
ここで、〇は目的とした形状の湾曲した薄板セラミック
スが得られたものを示す。△は目的とした形状の湾曲し
た薄板セラミックスが得られる場合と得られない場合と
があったものを示す。×は目的とした形状の湾曲した薄
板セラミックスが得られなかったものを示す。
この結果、製造方法Aでは厚み5.0と6.0mmのものについ
て目的とした形状の湾曲した薄板セラミックスが得ら
れ、製造方法Bでは厚み5.0〜10.0mmのものについて目
的とした形状の湾曲した薄板セラミックスが得られ、製
造方法Cでは厚み4.0〜6.0mmのものについて目的とした
形状の湾曲した薄板セラミックスが得られた。すなわ
ち、製造方法A、Bでは厚み4.0mm以下のもの、製造方
法Cでも厚み3.0mm以下のものを得ることは製造作業上
困難であった。具体的には熱水中から耐熱治具上に移載
中に成形体を壊してしまうことが多かった。製造方法
A、Cでは厚み7.0mm以上のものを得ることは製造作業
上困難であった。具体的には成形体が乾燥時に耐熱治具
から浮上がってき、所望の曲率半径が得られなかった。
本実施例でも、実施例1と実施例4とを比較した場合と
同様に、実施例2と比較するとセル密度が大きくなって
いるため、成形体の湾曲加工は困難さを増していること
がわかった。
また、本実施例では実施例4よりも可塑剤の添加量を増
量したことにより、熱水中における成形体の柔軟性が増
し、その結果、実施例4よりも厚い成形体まで目的の形
状に湾曲させることができた。しかし、薄い成形体につ
いてはさらにハンドリングしにくくなってしまった。
(実施例6) 再水和性アルミナ10重量部、溶融シリカ85重量部、六チ
タン酸カリウム5重量部と結合剤としてメトローズ60SH
−4000(信越化学工業、商品名)9重量部を混合し、そ
の後可塑剤としてソルビタン酸エステル2.5重量部と水
とを加え湿式混練し、ハニカム状に押出成形後、誘電加
熱方法で乾燥し、150mm×70mm、長さ150mm、セル密度30
0セル/in2(セルピッチ1.47mm、リブ厚0.20mm)のハニ
カム成形体を得た。その後、前記ハニカム成形体を厚み
1.0、2.0、3.0、4.0、5.0、6.0、7.0、8.0、9.0、10.0m
mにそれぞれ切出し、薄板ハニカム成形体を得た。その
後、製造方法A、B、Cにおける熱水の温度を95℃に変
更し、それぞれ湾曲ハニカムセラミックスを調製した。
その結果を第6表に示す。
ここで、〇は目的とした形状の湾曲した薄板セラミック
スが得られたものを示す。△は目的とした形状の湾曲し
た薄板セラミックスが得られる場合と得られない場合と
があったものを示す。×は目的とした形状の湾曲した薄
板セラミックスが得られなかったものを示す。
この結果、製造方法Aでは厚み3.0〜6.0mmのものについ
て目的とした形状の湾曲した薄板セラミックスが得ら
れ、製造方法Bでは厚み3.0〜10.0mmのものについて目
的とした形状の湾曲した薄板セラミックスが得られ、製
造方法Cでは厚み6.0mm以下のものについて目的とした
形状の湾曲した薄板セラミックスが得られた。すなわ
ち、製造方法A、Bでは厚み2.0mm以下のものを得るこ
とは製造作業上困難であった。具体的には熱水中から耐
熱治具上に移載中に成形体を壊してしまうことが多かっ
た。製造方法A、Cでは厚み7.0mm以上のものを得るこ
とは製造作業上困難であった。具体的には成形体が乾燥
時に耐熱治具から浮上がってき、所望の曲率半径が得ら
れなかった。
本実施例では実施例5よりも熱水の温度を20℃高温にし
た。そのことにより、熱水中における成形体の機械的強
度が増し、薄い成形体についてもハンドリングし易くな
った。また、成形体を耐熱治具上に移載した後には、あ
る程度成形体の温度は低下し、かなりの柔軟性を有して
いた。その結果、本実施例では実施例4、5に比べ、厚
みの広い範囲において成形体を目的の形状に湾曲させる
ことができた。
したがって、本実施例のように熱水の温度を調節するこ
とによっても、成形体の湾曲加工性は改善することがで
きた。
(比較例1) 実施例1において、厚み2.0〜6.0mmのハニカム成形体を
使用し、この成形体をアニオン系界面活性剤が0.1wt%
含まれる75℃の熱水中に10分間浸漬し、結合剤(メトロ
ーズ60SH−4000)をゲル化させるとともに、成形体に可
塑剤による柔軟性を発現させた。その後、湾曲成形形状
を備え吸水性を有しない耐熱治具(アルミナ製、多孔度
0.5%以下)上に載せ、曲率半径60mmの曲面状となるよ
うにした。次に、そのままの状態で120℃で10分間乾燥
した後、1200℃で1時間熱処理した。
その結果、目的とした形状の湾曲した薄板セラミックス
が得られたのは厚み3.0と4.0mmだけであり、厚み2.0mm
のものは熱水から耐熱治具上に移載するのが困難であ
り、5.0mm以上になると湾曲した治具からハニカム成形
体が浮上がってき、得られた薄板セラミックスは所望の
曲率半径には沿っていなかった。この原因は乾燥中に蒸
発してくる水蒸気とともに、湾曲した治具からハニカム
成形体が浮上がってくるためであった。
発明の効果 本発明によれば、湾曲、波形等の所定形状をした薄板ハ
ニカムセラミックスを容易に得ることができる。この結
果、前記薄板セラミックスを複合化させることにより様
々な形状の触媒担体用基体等を加工性、生産性よく製造
することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)〜(d)は本発明の一実施例における薄板
セラミックスの製造方法Aを示す工程図、第2図(a)
〜(e)は本発明の一実施例における薄板セラミックス
の製造方法Bを示す工程図、第3図(a)〜(e)は本
発明の一実施例における薄板セラミックスの製造方法C
を示す工程図である。 1……薄板ハニカム成形体、2……熱水、3……受け治
具、4、6、8……薄板セラミックス、5……押え治
具、7……シート。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも無機耐熱材料と、ある温度以上
    になるとゲル化する結合剤と、可塑剤とからなるハニカ
    ム成形体を、前記結合剤がゲル化する温度以上の熱水中
    に浸漬し、前記成形体に柔軟性を発現させた後、前記成
    形体を湾曲、波形等の所定成形形状を備え吸水性を有す
    る耐熱治具上に載せながら、乾燥、焼成を行うことを特
    徴とする薄板セラミックスの製造方法。
  2. 【請求項2】少なくとも無機耐熱材料と、ある温度以上
    になるとゲル化する結合剤と、可塑剤とからなるハニカ
    ム成形体を、前記結合剤がゲル化する温度以上の熱水中
    に浸漬し、前記成形体に柔軟性を発現させた後、前記成
    形体を湾曲、波形等の所定成形形状を備え吸水性を有す
    る耐熱治具によって挟みながら、乾燥、焼成を行うこと
    を特徴とする薄板セラミックスの製造方法。
  3. 【請求項3】少なくとも無機耐熱材料と、ある温度以上
    になるとゲル化する結合剤と、可塑剤とからなるハニカ
    ム成形体を、前記結合剤がゲル化する温度以上の熱水中
    に浸漬し、前記成形体に柔軟性を発現させた後、前記成
    形体をシート上に載せながら、湾曲、波形等の所定成形
    形状を備え吸水性を有する耐熱治具上に移載し、その状
    態で乾燥、焼成を行うことを特徴とする薄板セラミック
    スの製造方法。
  4. 【請求項4】結合剤がメチルセルロース、ヒドロキシプ
    ロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
    スよりなる群から選ばれたものである請求項1、2また
    は3記載の薄板セラミックスの製造方法。
  5. 【請求項5】可塑剤がソルビタン酸エステル、ポリオレ
    フィングリコールエーテルよりなる群から選ばれたもの
    である請求項1、2または第3記載の記載の薄板セラミ
    ックスの製造方法。
  6. 【請求項6】無機耐熱材料がAl2O35〜30wt%、SiO270〜
    94wt%、TiO20.8〜8wt%、K2O0.2〜2.0wt%の組成を有
    する請求項1、2または3記載の薄板セラミックスの製
    造方法。
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