JPH0753649B2 - メ−クアツプ化粧料 - Google Patents

メ−クアツプ化粧料

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JPH0753649B2
JPH0753649B2 JP60245738A JP24573885A JPH0753649B2 JP H0753649 B2 JPH0753649 B2 JP H0753649B2 JP 60245738 A JP60245738 A JP 60245738A JP 24573885 A JP24573885 A JP 24573885A JP H0753649 B2 JPH0753649 B2 JP H0753649B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、耐水性、耐油性、耐摩擦性に優れ、かつ使用
性に優れたメークアップ化粧料に関するもので、特には
水系アイメーク料として好適なものを提供せんとするも
のである。
従来、アイメーク料は、その形態から大きく乳化タイ
プ、被膜形成タイプ、非水系タイプに分類されるが、何
れのタイプにおいても基本的には処方中に配合されるワ
ックス、樹脂等の働きにより、耐水性、耐油性、耐摩擦
性を工場させることを狙いとしていた。
しかしながら、従来のこれらの各種タイプともそれぞれ
が欠点を有していた。すなわち、乳化タイプは使用性に
優れるが、耐水性、耐摩擦性に劣り、被膜形成タイプは
使用性、耐油性に優れるが、耐水性に劣る。また、非水
系タイプは耐水性に優れるが、使用性、耐油性に劣るも
のであった。
近年、乳化重合樹脂エマルジョンを配合して、耐水性、
耐摩擦性を改良した水系被膜タイプのアイメーク料が見
られるようになってきた。このタイプに用いられる樹脂
エマルジョンとしては、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル
酸エステル、スチレン/アクリル酸エステル等が知られ
ているが、これらを用いて得られた樹脂皮膜は、未だ多
量の汗や水に対しては、例えばポリ酢酸ビニル被膜にお
いては膨潤など、またポリアクリル酸エステル系被膜に
おいては層状剥離などの引き起し、耐水性の点で満足し
得るものとは言い難かった。同様に、これらの水に濡れ
た時の耐摩擦性もまた不充分であった。
一方、これらの樹脂エマルジョンに対して、樹脂の被膜
形成温度を引き下げて造膜性能を高め耐摩擦性を向上さ
せると共に、皮膜の特性をより疎水性化して耐水性を一
層向上させることを狙いとして可塑剤を添加する試みも
あった。尚、可塑剤を含有した状態での樹脂エマルジョ
ンも一部には市販されている。
従来、一般的に樹脂エマルジョンに用いられてきたこれ
ら可塑剤としては、樹脂との相溶性に優れ、且つ可塑化
効果の高い物質例えばフタル酸ジブチル、フタル酸ジオ
クチルなどのフタル酸エステル類、リン酸トリクレジル
などのリン酸エステル類、アジピン酸ジエチル、コハク
酸ジオクチルなどの二塩基酸ジエステル類等があった
が、これらは何れも元々皮膚に対する刺激を有し、また
それ自身加水分解し易く、製品の安全性、安全性上の問
題を残し、特に本発明の目的とするような化粧料には好
ましいものではなかった。
また、上記した物質以外でも、樹脂との相溶性、可塑化
効果、安全性等の何れをも満足し得るものはこれまで見
出されていなかった。
そこで、本発明者は、前記従来のメークアップ化粧料特
に水系被膜タイプのアイメーク料の抱える問題点を解決
し、耐水性、耐油性、耐摩擦性に優れたアイメーク料を
得んと、樹脂エマルジョン系の中でも元々比較的耐水性
の点で良好であるスチレン−アクリル酸エステル共重合
樹脂エマルジョンに着目して鋭意研究を重ねた結果、こ
れまで一般的に化粧料で広く使用され安全性上も問題の
ない各種油剤の中で、ある特定の油剤に上記スチレン−
アクリル酸エステル共重合樹脂を可塑化する効果を有す
るものが存在すること、及び処方系中にスチレン−アク
リル酸エステル共重合樹脂エマルジョンと特定の油剤を
均一に配合すると、得られた皮膜は可撓性に富み、仕上
り効果に優れ、且つ耐水性、耐油性、耐摩擦性の面でも
これまでにない優れたものが得られることを見出し、こ
れらの知見に基づいて本発明の完成に至った。
すなわち、本発明はスチレン−アクリル酸エステル共重
合樹脂エマルジョンと常温で液状乃至は半固体状を呈す
る高級脂肪酸アルキルエステル及び高級脂肪酸トリグリ
セライドより選択される可塑化油剤の1種以上とを配合
したことを特徴とするメークアップ化粧料に関するもの
である。
本発明に用いられるスチレン−アクリル酸エステル共重
合樹脂エマルジョンは、スチレン単量体とアクリル酸エ
ステル単量体例えばアクリル酸エチル、アクリル酸ブチ
ル、アクリル酸−2−エチルヘキシルなどとを、通常の
乳化重合法に従って重合し製造されるものである。
尚、ここでスチレン−アクリル酸エステル共重合樹脂エ
マルジョン中には、前記した如く安全性の点から一般的
な可塑剤を含まないものが好ましく、また耐水性や乾燥
速度の向上、ベタツキ感の解消などの点からは、スチレ
ンとアクリル酸エステルとの単量体構成比において、よ
りスチレン構成比の大きなものが有利に使用される。
また、斯るスチレン−アクリル酸エステル共重合樹脂エ
マルジョンとしては、市販のものを用いることもでき
る。このようなものとしては、ボンコート4130、ウオー
ルポル6460(以上大日本インキ化学工業)、セビアンA4
6728(ダイセル化学工業)などが知られている。
次に、スチレン−アクリル酸エステル共重合樹脂エマル
ジョンの配合量は、メークアップ化粧料全体に対して5
〜80重量%、好ましくは10〜50重量%の範囲が選択され
る。5重量%より少ない配合量では、含有樹脂量が連続
被膜を形成する有効量に達せず良好なメークアップ化粧
料が得られない。一方、配合量の上限については特に制
限的な点はないが、他の配合成分例えば可塑化油剤、ワ
ックス、顔料などを適宜目的に応じて添加し所望の化粧
料を調製し、且つその化粧料全体の安定生のバランスを
図る上からは、実際的には80重量%までがその限界とな
る。
尚、本発明に係るスチレン−アクリル酸エステル共重合
樹脂エマルジョンでは、その取扱いが容易となるようエ
マルジョン中に樹脂分を20〜50重量%の範囲で含有した
ものが好適に用いられる。
次に、本発明で同様に用いられる可塑化油剤としては、
常温で液状乃至は半固体状を呈する高級脂肪酸アルキル
エステル例えばミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン
酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステ
アリン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、オレイン
酸オレイル、オレイン酸デシル、オレイン酸オクチルド
デシル、2−エチルヘキサン酸セチル、ジメチルオクタ
ン酸ヘキシルデシル等や、高級脂肪酸トリグリセライド
例えば2−エチルヘキサン酸トリグリセライド、カプリ
ン酸トリグリセライド等が挙げられ、これらの中より1
種以上が選択され配合される。
すなわち、本発明においては、前述の如くスチレン含量
の高い樹脂エマルジョン言い換えると造膜温度の高い樹
脂エマルジョンが有利に用いられる訳であるが、反面、
化粧料としては常温付近で造膜すなわち化粧被膜を形成
することが必要とされる。このため、可塑化油剤の働き
としては、皮膜の疎水性化を図り耐水性の向上を行なう
とともに、造膜温度を常温領域まで引き下げる機能(可
塑化効果)が要求される。ここにおいて、従来化粧料に
用いられている各種油剤の中でも常温で固体のもの例え
ばステアリン酸セチル、パルミチン酸セチル、ソルビタ
ンモノステアレート、ステアリン酸トリグリセライドな
どは、皮膜の疎水性化の点では確かに貢献し得るかも知
れないが、可塑化効果すなわち造膜温度の引き下げ効果
では明らかに不充分であり、結果として得られた被膜は
均一な連続被膜となり得ず、耐摩擦性に劣ったものとな
ってしまう。
また、可塑化油剤の配合量としては、前記スチレン−ア
クリル酸エステル共重合樹脂エマルジョンの全体量に対
し0.5〜10重量%好ましくは1〜5重量%の範囲が選択
される。0.5重量%より少ない量では可塑化効果が不充
分であり良好な被膜が得られず、反対に10重量%を越え
る量を用いると可塑化効果が強くなり過ぎ、得られた被
膜は柔かく、強度が低下し、耐摩擦性も悪化してしま
う。
尚、本発明においては、樹脂エマルジョン中のスチレン
−アクリル酸エステル共重合樹脂分が均一に可塑化され
ていることが、良好な被膜を得る上で重要である。そし
て、このためには可塑化油剤が樹脂エマルジョン中に均
一に分散することが不可欠である。然しながら、本発明
において使用される可塑化油剤を始めとして一般的な化
粧料油剤は樹脂エマルジョンに対する相溶性が悪いこと
が知られていた。そこで、本発明者は、可塑化油剤をま
ず乳化し、次に樹脂エマルジョンと混合する工程を採用
することにより樹脂エマルジョン中に可塑化油剤を均一
に分散せしめ、良好な可塑化効果を発現させることに成
功したものである。
本発明のメークアップ化粧料は、上記の必須成分に加え
て、必要に応じてワックス、保湿剤、界面活性剤、増粘
剤、顔料、香料、防腐剤などが配合される。当然のこと
ながら、これらは本発明の目的を損わない条件下で使用
されなければならない。
本発明は、耐水性、耐油性、耐摩擦性に優れたメークア
ップ化粧料等に水系被膜タイプのアイメーク料を得るこ
とを目的としたものである。ここで、本発明によって得
られたアイメーク料が従来のものと比較して如何に優れ
たものであるかを評価した結果を以下に示す。
(評価方法) 後記実施例1で得られた本発明のマスカラと、比較品と
して後記比較例1−(1)〜1−(4)に示した従来品
の含めたマスカラ、また後記実施例2で得られた本発明
のアイライナーと、比較品として後記比較例2−(1)
〜2−(4)に示した従来品を含めたアイライナーとを
用いて、下記に示した耐水性、耐油性、被膜強度の試験
方法に従い比較試験を行った。その結果を表−1及び表
−2に示す。
(1) 耐水性試験 上記アイライナー、マスカラの各サンプルを樹脂板上に
ナイロン筆を用いて塗布。その後室温にて1時間風乾し
た後、流水下に10分間浸漬し、色落ち、にじみ、はがれ
等の有無とチエックした。サンプル数各10。評価は○:
変化なし、△:部分的に色消え、剥離あり、×:完全に
色消えまたは剥離。
(2) 耐油性試験 上記耐水性試験と同様に調整した各試験板をスクワラン
の循環流槽内に10分間浸漬し、上記試験と同様の評価基
準により評価した。
(3) 被膜強度試験 耐水性試験または耐油性試験を終了した各試験板につい
て、摩擦試験機を用い含水または含スクワランスポンジ
チップにて繰り返し摩擦して脱落、はがれの有無をチエ
ックした。評価は○:変化なし、△:部分的に剥離、脱
落、×:完全に剥離、脱落。
表−1、表−2の結果に示された如く、本発明のアイメ
ーク料は、先ず酢酸ビニル系、ポリアクリル酸エステル
系と比較して耐水性、乾燥性、使用感に優れるスチレン
−アクリル酸エステル共重合系を用いたこと、反面、樹
脂中にスチレン成分を導入したことによる造膜性能の低
下を特定の可塑化油剤の併用により解決し、更に耐水性
を向上させたことにより、比較品として示した従来のも
のを含むアイメーク料と較べて、耐水性、耐油性、耐摩
擦性のあらゆる点で優れたものとなっている。
尚、本発明の組成系は乳化重合系樹脂エマルジョンを使
用し得るような剤型、例えばしみかくし用ファンデーシ
ョン、口紅などのポイントメーク料への利用が可能であ
る。
以下に実施例及び比較例を示す。尚、配合割合は重量部
である。
実施例1. マスカラ (製 法) A部を80〜90℃に加熱し、溶解分散し、B部を80〜90℃
に加熱し、均一に溶解したのち、A部に添加し乳化す
る。冷却後樹脂エマルジョンを添加し均一に混合する。
比較例1−(1) マスカラ 実施例1のC部を酢酸ビニル重合樹脂エマルジョンに置
換え、更にA部の2−エチルヘキサン酸セチルを除いた
もの。
(製 法) 実施例1に同じ。
比較例1−(2) マスカラ 実施例1のC部を酢酸ビニル重合樹脂を置換えたもの。
(製 法) 実施例1に同じ。
比較例1−(3) マスカラ 実施例1のA部の2−エチルヘキサン酸を除いたもの。
(製 法) 実施例1に同じ。
比較例1−(4) マスカラ 実施例1のA部の2−エチルヘキサン酸セチルをパルミ
チン酸セチルに置換えたもの。
(製 法) 実施例1に同じ。
実施例2. アイライナー (製 法) A部を混合し、3本ロールで均一に分散しペーストとす
る。A部を80〜90℃に加熱溶解し、B部を80〜90℃に加
熱溶解したのち、B部に添加し乳化し冷却する。A部と
B、C部からなる乳液とD部を均一に混合する。
比較例2−(1) アイライナー 実施例2のD部をアクリル酸エチル重合樹脂エマルジョ
ンに置換え、更にA部のオレイン酸オクチルドデシルを
除いたもの。
(製 法) 実施例2に同じ。
比較例2−(2) アイライナー 実施例2のD部をアクリル酸エチル重合樹脂エマルジョ
ンに置換えたもの。
(製 法) 実施例2に同じ。
比較例2−(3) アイライナー 実施例2のA部のオレイン酸オクチルドデシルを除いた
もの。
(製 法) 実施例2に同じ。
比較例2−(4) アイライナー 実施例2のA部のオレイン酸オクチルドデシルをソルビ
タンモノステアレートに置換えたもの。
(製 法) 実施例2に同じ。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スチレン−アクリル酸エステル共重合樹脂
    エマルジョンと常温で液状乃至は半固体状を呈する高級
    脂肪酸アルキルエステル及び高級脂肪酸トリグリセライ
    ドより選択される可塑化油剤の1種以上とを配合したこ
    とを特徴とするメークアップ化粧料。
  2. 【請求項2】スチレン−アクリル酸エステル共重合樹脂
    エマルジョンの配合割合がメーックアップ化粧料全体に
    対して5〜80重量%である特許請求の範囲第1項記載の
    メークアップ化粧料。
  3. 【請求項3】可塑化油剤の配合割合がスチレン−アクリ
    ル酸エステル共重合樹脂エマルジョン全体に対して0.5
    〜10重量%である特許請求の範囲第1項記載のメークア
    ップ化粧料。
  4. 【請求項4】可塑化油剤を乳化したのち配合したもので
    ある特許請求の範囲第1項記載のメークアップ化粧料。
  5. 【請求項5】水系アイメーク料である特許請求の範囲第
    1項記載のメークアップ化粧料。
JP60245738A 1985-11-02 1985-11-02 メ−クアツプ化粧料 Expired - Lifetime JPH0753649B2 (ja)

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