JPH0753622A - オレフィン重合触媒及びポリオレフィンの製造方法 - Google Patents

オレフィン重合触媒及びポリオレフィンの製造方法

Info

Publication number
JPH0753622A
JPH0753622A JP20169593A JP20169593A JPH0753622A JP H0753622 A JPH0753622 A JP H0753622A JP 20169593 A JP20169593 A JP 20169593A JP 20169593 A JP20169593 A JP 20169593A JP H0753622 A JPH0753622 A JP H0753622A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
polymer
catalyst
polymerization
transition metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP20169593A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuyuki Kibino
信幸 黍野
Hiroyuki Ohira
博之 大平
Akihiro Hori
昭博 堀
Shigenobu Miyake
重信 三宅
Shintaro Inasawa
伸太郎 稲沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Denko KK filed Critical Showa Denko KK
Priority to JP20169593A priority Critical patent/JPH0753622A/ja
Publication of JPH0753622A publication Critical patent/JPH0753622A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【構成】 (a)遷移金属化合物が、(b)有機アルミ
ニウム化合物と水との反応生成物に担持されていること
を特徴とするオレフィン重合触媒。上記触媒の存在下
に、オレフィンを重合または共重合させるポリオレフィ
ンの製造方法。 【効果】 重合器壁へのポリマーの付着がなく、高活性
で、安定的にオレフィンを重合することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オレフィン重合触媒及
びこの触媒を用いたポリオレフィンの製造方法に関す
る。詳しくはポリオレフィンをスラリー重合または気相
重合において、高活性でポリマーの反応器壁への付着等
が無く、安定的に製造することが出来るオレフィン重合
触媒及びこの触媒を用いたポリオレフィンの製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】メタロセン化合物とメチルアルミノキサ
ンを触媒として用いるポリエチレン及びエチレン−α−
オレフィン共重合体の製造方法が知られている。例え
ば、特開昭58−19309号公報にはビスシクロペン
タジエニルジルコニウムジクロリドと線状あるいは環状
メチルアルミノキサンとを触媒とするエチレン及びエチ
レンとC3 〜C12のα−オレフィンとの共重合体の製造
方法が開示されている。この方法は、遷移金属当たりの
活性が大きく優れ、また共重合性に優れた方法である
が、高価なメチルアルミノキサンを大量に使用すること
が必要で工業的見地から問題がある。また、これらの触
媒系は均一系であるために、生成する重合体粒子が微粉
となり取り扱いが困難となる上、ファウリングを起こす
ため工業的な安定生産が困難であった。
【0003】これらの問題を解決するために、メタロセ
ン化合物あるいはメチルアルミノキサンをある種の固体
状担体に担持する検討が行われている。例えば、特開昭
61−296008、特開昭63−280703、特開
昭63−22804、特開昭63−51405、特開昭
63−51407、特開昭63−54403、特開昭6
3−61010、特開昭63−248803、特開平4
−100808、特開平3−74412、特開平3−7
09、特開平4−7306号公報等において、シリカ、
アルミナ、シリカアルミナなどの多孔質無機金属酸化物
にメタロセン化合物とメチルアルミノキサンを担持させ
た固体触媒を用いたオレフィンの重合方法が開示されて
いる。特開昭63−89505、特開昭63−1526
08、特開昭63−280703、特開平4−870
4、特開平4−11604、特開平4−213305、
特開平2−84407号公報には、上記の様な固体触媒
を予備重合して用いる方法が記載されている。
【0004】また、特開昭61−276805、特開平
3−74415号公報においてはメチルアルミノキサン
のみを担持した金属酸化物とメタロセン化合物を用いた
重合方法が開示されている。特開平1−259004、
特開平1−259005号公報には、シクロペンタジエ
ニル配位子の置換基としてアルコキシシラン基を持つ特
殊なメタロセン化合物をシリカ等の多孔質無機金属酸化
物担体に担持した触媒を用いる方法が記載されている。
特開平1−207303、特開昭61−31404、特
開平4−224808号公報には未脱水のシリカ等に有
機アルミニウム化合物を接触させて、その担体にメタロ
セン化合物を担持した触媒を用いる方法が記載されてい
る。特開平3−234710号公報には、シリカと有機
アルミニウム化合物と水からなる担体にメタロセン化合
物を担持した触媒を用いる方法が記載されている。特開
平3−234709号公報には、ホウ素化合物と反応さ
せたカチオン型のメタロセン化合物をシリカなどの多孔
質無機金属酸化物に担持した触媒を用いる方法が記載さ
れている。
【0005】特開昭64−6003、特開昭64−60
04、特開昭64−6005、特開昭64−1110
4、特開昭64−11105号公報には、メタロセン化
合物とアルミノキサンを有機マグネシウム化合物に担持
した触媒を用いる方法が記載されている。また、特開平
4−211404、特開平4−211405号公報に
は、球状の塩化マグネシウム担体にメタロセン化合物と
アルミノキサンを担持した触媒を用いる方法が記載され
ている。特開平3−210307、特開平3−6671
0号公報には、メタロセン化合物とアルミノキサンを固
体状のマグネシウム化合物と共粉砕した触媒を用いる方
法が記載されている。また、特開昭63−26090
3、特開平4−31403、特開平3−74411号公
報には、ポリエチレン、ポリスチレンなどのポリマーに
メタロセン化合物とアルミノキサンを担持した触媒を用
いる方法が記載されている。特開平4−234405号
公報には、ポリ(ハロゲン化メチルスチレン)に結合さ
せたシクロペンタジエニル基を用いて錯体を形成させ、
固体触媒化を行う方法が記載されている。また、特開昭
63−199206号公報には、固体化させたメチルア
ルミノキサンにメタロセン化合物を担持した触媒を用い
る方法が記載されている。特開平2−292311、特
開平2−300212号公報には、溶液状の触媒を予備
重合することで固体化し、プロピレン重合を行う方法が
記載されている。しかし、これら従来技術に記載された
担持触媒は、スラリー重合法あるいは気相重合法に対す
る適応性は向上したものの、ポリマーの反応器壁への付
着防止については安定運転をするには不十分なものであ
った。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ポリオレフ
ィンをスラリー重合または気相重合において、高活性で
ポリマーの反応器壁への付着等がなく、安定的に製造す
ることが出来るオレフィン重合触媒を提供すると共に、
この触媒を用いてポリオレフィンを製造することを目的
としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ついに目的
にかなう新規なオレフィン重合触媒及びポリオレフィン
の製造方法を見いだし、本発明に到達した。即ち、本発
明に係るオレフィン重合触媒は、(a)一般式(1)、
または一般式(2)
【化3】
【化4】 〔式中、R1 〜R10は水素または炭化水素基(炭素数1
〜20を有するアルキル、アルケニル、アリール、アル
キルアリール、アリールアルキルなどである)または炭
素−炭素結合を持つ4〜6員環であり、それぞれ同一で
も異なってもよく、R11は炭素数1〜20のアルキレン
基、アルキルゲルマニウムまたはアルキルケイ素であ
り、各Qは炭素数1〜20のアリール、アルキル、アル
ケニル、アルキルアリール、アリールアルキル等の炭化
水素基もしくはハロゲンであり、それぞれ同一でも異な
ってもよく、Meは周期表の第3b、4b、5bおよび
6b族の遷移金属であり、pは0または1である。〕で
表される遷移金属化合物が、(b)有機アルミニウム化
合物と水との反応生成物に担持されていることを特徴と
している。更に本発明に係るポリオレフィンの製造方法
は、上記のような重合触媒の存在下でオレフィンを重合
または共重合させることを特徴としている。
【0008】以下に、本発明に係るオレフィン重合触媒
及びこの触媒を用いたポリオレフィンの製造方法につい
て具体的に説明する。本発明に用いられる遷移金属化合
物(a)は、一般式(1)、または一般式(2)
【化5】
【化6】 〔式中、R1 〜R10は水素または炭化水素基(炭素数1
〜20を有するアルキル、アルケニル、アリール、アル
キルアリール、アリールアルキルなどである)または炭
素−炭素結合を持つ4〜6員環であり、それぞれ同一で
も異なってもよく、R11は炭素数1〜20のアルキレン
基、アルキルゲルマニウムまたはアルキルケイ素であ
り、各Qは炭素数1〜20のアリール、アルキル、アル
ケニル、アルキルアリール、アリールアルキル等の炭化
水素基もしくはハロゲンであり、それぞれ同一でも異な
ってもよく、Meは周期表の第3b、4b、5bおよび
6b族の遷移金属であり、pは0または1である。〕で
表される。
【0009】上記式において、Meは周期表の第3b、
4b、5bおよび6b族の遷移金属であるが、好ましく
は周期表4b族の遷移金属、即ちチタニウム、ジルコニ
ウム、ハフニウムから選ばれるのが好ましく、特に好ま
しくはジルコニウム、ハフニウムである。上記式におい
て、R1 〜R10は水素または炭化水素基(炭素数1〜2
0を有するアルキル、アルケニル、アリール、アルキル
アリール、アリールアルキルなどである)または炭素−
炭素結合を持つ4〜6員環であり、それぞれ同一でも異
なってもよい。上記のような炭化水素基としては、例え
ばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブ
チル基、ターシャリーブチル基、アミル基、イソアミル
基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、
デシル基、セチル基、トリメチルシリル基、フェニル基
などが例示できる。上記のようなシクロペンタジエニル
配位子としては、例えばシクロペンタジエニル基、メチ
ルシクロペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニ
ル基、n−ブチルシクロペンタジエニル基、t−ブチル
シクロペンタジエニル基、トリメチルシリルシクロペン
タジエニル基、ジメチルシクロペンタジエニル基、ペン
タメチルシクロペンタジエニル基等のアルキル置換シク
ロペンタジエニル基、また同様の置換基を有する或いは
有さないインデニル基、フルオレニル基等が例示でき
る。
【0010】上記式において、R11は炭素数1〜20の
アルキレン基、アルキルゲルマン基またはアルキルシリ
レン基である。アルキレン基としては、メチレン基、エ
チレン基、プロピレン基、イソプロピリデン基、シクロ
ペンチリデン基、シクロヘキシリデン基、テトラヒドロ
ピラン−4−イリデン基、ジフェニルメチレン基などが
例示でき、またアルキルシリレン基としては、ジメチル
シリレン基、ジフェニルシリレン基などを例示でき、ま
たアルキルゲルマン基としては、ジメチルゲルマン基、
ジフェニルゲルマン基などが例示できる。上記式におい
て、Qは炭素数1〜20のアリール、アルキル、アルケ
ニル、アルキルアリール、アリールアルキル等の炭化水
素基もしくはハロゲンであり、それぞれ同一でも異なっ
ても良い。
【0011】以下、一般式(1)あるいは(2)で表さ
れる遷移金属化合物についてMeがジルコニウムである
場合の具体的な化合物を例示する。一般式(1)で表さ
れる遷移金属化合物として、ビスシクロペンタジエニル
ジルコニウムジクロリド、ビス(メチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(n−ブチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス
(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメ
チル、ビス(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロリド、ビス(ペンタメチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(シクロペン
タジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリド、(シクロペンタジエニル)(n−ブチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウム
ジクロリド、(シクロペンタジエニル)(フルオレニ
ル)ジルコニウムジクロリド、シクロペンタジエニルジ
ルコニウムトリクロリド、シクロペンタジエニルジルコ
ニウムトリメチル、ペンタメチルシクロペンタジエニル
ジルコニウムトリクコリド、ペンタメチルシクロペンタ
ジエニルジルコニウムトリメチル等が例示できる。ま
た、一般式(2)で表される遷移金属化合物としては、
ジメチルシリレンビス(メチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデンビス(メチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、エ
チレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、エ
チレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−イン
デニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン
(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジロコニウ
ムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニ
ル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロ
ピリデン(t−ブチルシクロペンタジエニル)(t−ブ
チルインデニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピ
リデン(t−ブチルシクロペンタジエニル)(t−ブチ
ルインデニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリレ
ン(t−ブチルシクロペンタジエニル)(フルオレニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(t−
ブチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコ
ニウムジメチル等が例示できる。上記のようなジルコニ
ウム化合物において、ジルコニウムをハフニウムあるい
はチタニウムに変えた遷移金属化合物を用いる事もでき
る。
【0012】本発明に用いられる有機アルミニウム化合
物と水とを反応させて得られる固体(b)において、使
用される有機アルミニウム化合物としては、トリメチル
アルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピル
アルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ−
n−プロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウ
ム、トリ−sec−ブチルアルミニウム、トリペンチル
アルミニウム、トリ−t−ブチルアルミニウム、トリペ
ンチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリ
オクチルアルミニウム、トリシクロヘキシルアルミニウ
ムなどのトリアルキルアルミニウム、ジメチルアルミニ
ウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジイソ
ブチルアルミニウムクロリドなどのジアルキルアルミニ
ウムハライド、ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエ
チルアルミニウムエトキシドなどのジアルキルアルミニ
ウムアルコキシド、ジエチルアルミニウムフェノキシド
などのジアルキルアルミニウムアリーロキシド、あるい
はアルミノキサンなどの中から選ばれるが、その中でト
リアルキルアルミニウム、アルミノキサンを用いるのが
好ましく、特にアルミノキサンが好ましい。また、これ
らの有機アルミニウム化合物は単独で用いても、組み合
わせて用いても良い。上記アルミノキサンは、一般式
(3)または、一般式(4)で表される有機アルミニウ
ム化合物である。
【化7】
【化8】 12は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、
イソブチル基などの炭化水素基であり、好ましくは、メ
チル基、イソブチル基である。mは、4から100の整
数であり、好ましくは6以上とりわけ10以上である。
この種の化合物の製法は、公知であり、例えば結晶水を
有する塩類を(硫酸銅水和物、硫酸アルミニウム水和
物)の炭化水素溶媒懸濁液にトリアルキルアルミニウム
を添加して得る方法を例示することができる。
【0013】また、一般式(5)または、一般式(6)
で示されるアルミノキサンを用いても良い。
【化9】
【化10】 13はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イ
ソブチル基などの炭化水素基であり、好ましくは、メチ
ル基、イソブチル基である。また、R14はメチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基などの炭
化水素基、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ
基、フェノキシ基などのアリーロキシ基、水酸基、ハロ
ゲン、水素から選ばれ、R13とは異なった基を示す。ま
た、R14は同一でも異なっていてもよい。mは通常1か
ら100の整数であり、好ましくは3以上であり、m+
nは4から100、好ましくは6以上である。一般式
(5)、(6)で、
【化11】 ブロック的に結合したものであっても、規則的あるいは
不規則的にランダムに結合したものであっても良い。こ
のようなアルミノキサンの製法は、前述した一般式のア
ルミノキサンと同様であり、1種類のトリアルキルアル
ミニウムの代わりに、2種以上のトリアルキルアルミニ
ウムを用いるか、1種類以上のトリアルキルアルミニウ
ムと1種類以上のジアルキルアルミニウムモノハライド
を用いれば良い。これらの有機アルミニウム化合物と水
との反応は、通常不活性溶媒中で行う。ここで用いられ
る溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレン
等の芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、
オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタ
ン、シクロヘキサン等の脂環族炭化水素等を用いること
ができる。
【0014】有機アルミニウム化合物との反応に用いら
れる水の添加方法としては、有機アルミニウム溶液に液
体状、固体状、気体状の水を直接添加する方法、上記の
不活性溶媒の溶液あるいは懸濁液の状態で加える方法、
あるいは塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸ア
ルミニウム、硫酸銅、硫酸ニッケル、硫酸鉄、塩化第一
セリウムなどの塩類の結晶水などを用いる方法を例示で
きる。有機アルミニウム化合物との反応に用いられる水
の量は、有機アルミニウム化合物のアルミニウム1モル
に対して、0.1〜2.0モル、好ましくは0.3〜
1.5モル用いるのが望ましい。また、アルミノキサン
については、アルキル基1モルに対して、0.05〜
0.8モル、好ましくは0.1〜0.5モル用いるのが
望ましい。アルキル基の定量は、有機アルミニウム化合
物を比較的沸点の高いアルコール、例えばn−ブタノー
ル、イソブタノール、2−エチルヘキシルアルコール等
と反応させ、発生したガス量をガスビュレットで定量す
ることで行う。有機アルミニウム化合物と水との反応
は、通常−50〜150℃、好ましくは0〜100℃で
行う。また、反応時間は、0.5〜200時間、好まし
くは1〜100時間程度である。これらの反応の結果、
有機アルミニウム化合物と水との反応生成物は、アルミ
ニウム原子1モルに対して、0.1〜0.9モル、好ま
しくは0.3〜0.6モルのアルキル基を有することが
望ましい。
【0015】本発明で用いられる遷移金属化合物(a)
の有機アルミニウム化合物と水との反応生成物(b)へ
の担持は、通常不活性溶媒中で行う。ここで用いられる
溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレン等
の芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オ
クタン、デカン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、
シクロヘキサン等の脂環族炭化水素等を用いることがで
きる。担持を行う際の温度は、通常−50〜150℃、
好ましくは0〜100℃である。また、反応時間は、
0.5分〜10時間、好ましくは1分〜5時間、更に好
ましくは5分〜2時間である。本発明に用いられる担持
触媒において、遷移金属化合物(a)の担持量は、有機
アルミニウム化合物と水との反応生成物(b)のアルキ
ル基1モルに対し、1/10〜1/2000モル、好ま
しくは1/50〜1/1000モルであることが望まし
い。
【0016】本発明の方法において、共重合に供される
α−オレフィンは、プロピレン、1−ブテン、1−ペン
テン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1
−デセン、4−メチル−1−ペンテン、シクロペンテ
ン、シクロペンタジエン、ブタジエン、1,5−ヘキサ
ジエン、1,4−ヘキサジエン、1,4−ペンタジエン
などのオレフィン類、環状オレフィン類、ジエン類を例
示することができる。これら2種以上のコモノマーを混
合してエチレンとの共重合に用いることも出来る。
【0017】本発明において用いられる重合方法は、溶
液重合、スラリ−重合、気相重合のいずれも可能であ
る。好ましくは、スラリー重合あるいは気相重合であ
る。また、多段重合も可能である。あるいは、オレフィ
ンを予備重合することも可能である。本発明における重
合触媒は、重合時にそのまま用いることも可能である
が、有機アルミニウム化合物と共に用いるのが好まし
い。重合時に用いられる有機アルミニウム化合物は特に
限定はないが、好ましくは、トリアルキルアルミニウ
ム、あるいはアルミノキサンである。トリアルキルアル
ミニウムとしては、トリイソブチルアルミニウム、トリ
メチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウムが好ま
しい。アルミノキサンとしては、メチルアルミノキサ
ン、エチルアルミノキサン、n−ブチルアルミノキサ
ン、イソブチルアルミノキサン等が好ましい。また、前
述の一般式(4)、(5)に示されるようなアルミノキ
サンを用いても良い。使用量については、反応系中のア
ルミ濃度で、0.001から10ミリモル/リットルで
ある。またこのときの有機アルミニウム成分は、重合直
前にプレミックスして使用しても良い。反応系のオレフ
ィン圧には特に制限はないが、好ましくは、常圧から5
0kg/cm2 Gの範囲であり、重合温度にも制限はな
いが、好ましくは−30℃から200℃の範囲である。
特に好ましくは、0℃から120℃の範囲である。さら
に好ましくは、50〜90℃である。重合に際しての分
子量調節は、公知の手段、例えば温度の選定あるいは水
素の導入により行なうことができる。
【0018】本発明における重合体あるいは共重合体
は、以下のような特徴を持つ。第一に幅広い範囲の分子
量を有する。つまり、メタロセン種、重合温度あるいは
重合時に導入する水素量により、190℃、荷重21.
6kgでのMFRが0.0001g/10minから1
90℃、荷重2.16kgでのMFRが10000g/
10minの範囲が製造可能である。第二に、本発明に
おける重合体あるいは共重合体は本質的に分子量分布が
狭い。つまり、ゲルパーミネーションクロマトグラフィ
ー(GPC)から算出されるMw/Mnはおよそ2〜3
であり、190℃、荷重21.6kgでのMFRと19
0℃、荷重2.16kgでのMFRの比が、およそ10
〜25の範囲である。しかし、種々の方法によって分子
量分布の制御が可能である。例えば、多段重合を行なう
などプロセス的に広分子量分布化が可能である。本発明
における共重合体は、本質的にランダム性に優れ、組成
分布が狭い。そのため、得られた樹脂は、透明性に優れ
る、抽出成分が少ない、低温ヒートシール性に優れるな
どの優れた特性を有する。組成分布の評価には例えばMa
cromolecules 15,1150(1982)に示されているような分別
による方法が最も正確であるが、簡便にはJ.Applied Po
lymer Science,44,425(1992)に示されるようにDSCを
用いる方法でも良い。この方法では、例えば一般のチー
グラーナッタ触媒で重合された組成分布の広いエチレン
系共重合体は、120℃付近に融点を持ち、場合によっ
ては100℃付近に複数の融点を持つ。一方、組成分布
の狭いエチレン系共重合体では、115℃以下に短鎖分
岐数に応じた単一の融点を持つ。本発明における共重合
体の短鎖分岐数は、FT−IRや13C−NMRによって
同定することができる。簡便にはFT−IRを用いる方
法が良く、得られた共重合体フィルムの1380cm-1
の吸光度(A1380)と4250cm-1の吸光度
(A4250)の比(A1380/A4250)から求めることがで
きる。
【0019】このようにして得られるポリオレフィンは
周知の方法で成形加工される。例示すれば、単軸スクリ
ュー押出機、特殊押出機(例えば、タンデム型押出機、
スリーステージ押出機、ベント式押出機、多軸スクリュ
ー押出機、等)を使用してフィルム、ラミネート、パイ
プ、シート、鋼管被覆等の押出成形、共押出成形、ブロ
ー成形、共押出ブロー成形、射出成形、回転成形、ホッ
トスタンピング成形等が行ない得る。更に特殊な使い方
としては流動浸漬やエマルジョン塗料としてのコーティ
ング等の使用法も可能である。本発明のポリオレフィン
はポリエチレン樹脂の持つ衛生性、透明性、柔軟性、強
度、成形性、ヒートシール性等の性質を利用し、種々の
製品に使用され得る。すなわち、包材、容器、ハウジン
グ材料、テープ、発砲体、型物等の成形品として単層も
しくは種々の基材(アルミニウム、鉄等の金属、金属蒸
着体、紙、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン、
EVOH、PVDC、PVC、ポリエチレン、ポリスチ
レン、セロファン、樹脂発砲体等)との多層成形品、ま
たは混合物として用いられる。
【0020】また、種々の樹脂の改善材、配合材として
も使用し得る。すなわち、ポリオレフィン(例示すれ
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソプレン、
ポリブテン、ポリメチルブテン−1、ポリメチルペンテ
ン−1、ポリブタジエン、ポリスチレン、および前記樹
脂の構成単位の共重合体たとえば、エチレン−プロピレ
ン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、または、
これらの樹脂の混合物、グラフト重合体、架橋体、ブロ
ック共重合体等)、エチレン−酢酸ビニル共重合体およ
びその鹸化物、エチレン−ビニルアルコ−ル共重合体、
含ハロゲン共重合体(例示すれば、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビ
ニリデン、ポリクロロプレン、塩化ゴム等)、不飽和カ
ルボン酸およびその誘導体の重合体(例示すれば、ポリ
メチルメタアクリレート、ポリアルキルアクリレート、
ポリアクリロニトリル、および前記重合体の構成モノマ
ーと他のモノマーとの共重合体たとえば、アクリロニト
リル−スチレン共重合体、ABS樹脂、エチレン−アル
キルアクリレート共重合体、エチレン−グリシジルメタ
アクリレート共重合体、エチレン−メタアクリル酸共重
合体及びそのイオン架橋物等)、ポリアセタール、ポリ
カーボネート、ポリエステル(例示すれば、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)、
ナイロン(例示すれば、6−ナイロン、6,6−ナイロ
ン、11−ナイロン、12−ナイロン、共重合ナイロン
等)、ポリフェニレンオキシド、ポリスルフォン、ポリ
ウレタン、尿素樹脂、エポキシ樹脂、フェノール−ホル
ムアミド樹脂、メラミン、ホルムアルデヒド樹脂、アル
キド樹脂、酢酸セルロース等を示すことができる。さら
に本発明に係わるポリオレフィンは種々のグラフト共重
合体、ブロック共重合体、架橋体の原料として使用する
ことができ、これらは他樹脂の改善材、配合材、相容化
材等として有効なものとなり得る。
【0021】また、本発明のポリオレフィンは必要に応
じて周知の添加剤、配合剤を使用することができる。添
加剤、配合剤の例を示せば、酸化防止剤(耐熱安定
剤)、紫外線吸収剤(光安定剤)、帯電防止剤、防曇
剤、難燃剤、滑剤(スリップ剤、アンチブロッキング
剤)、無機および有機充填剤、補強剤、着色剤(染料、
顔料)、発砲剤、架橋剤、香料等である。耐熱安定剤の
例を示せば、フェノール系安定剤、硫黄系安定剤、また
はリン系安定剤等を挙げることができ、具体的には、
2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、ステ
アリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート、1−(4−ヒドロキシ−
3,5−ジ−t−ブチルアミノフェニル)−3,5−ジ
オクチルチオ−2,4,6−トリアジン、2,2’−メ
チレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノー
ル)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−
ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル
−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス
(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニ
ル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−ト
リス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、テトラキス
[メチレン−3( 3’,5’−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等のフェ
ノール系安定剤、ジラウリルチオジプロピオネート、ジ
ステアリルチオジプロピオネート、ペンタエリスリトー
ルテトララウリルチオプロピオネート等の硫黄系安定
剤、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、ジステア
リルペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(ト
リデシル)−1,1,3−トリス(2−メチル−5−t
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタンジホスファ
イト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)
4,4’−ビフェニレンジホスファイト、9,10−ジ
−ヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン
−10−オキサイド等のリン系安定剤を示し得る。光安
定剤としてはサリチル酸系、ベンゾフェノン系、ベンゾ
トリアゾール系等を挙げることができ、具体的な例示を
すれば、フェニルサリチラート、p−オクチルサリチラ
ート、モノグリコールサリチラート、p−t−ブチルサ
リチラート等のサリチル酸系安定剤、2,4−ジヒドロ
キシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベ
ンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシ
ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオ
キシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシ
ルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシ
ルオキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系安定剤、
2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベン
ゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−n−
オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール等のベン
ゾトリアゾール系安定剤、レゾルシノールモノベンゾア
ート等を示し得る。帯電防止剤、防曇剤としてはペンタ
エリスリットモノステアレート、グリセリンモノステア
レート、トリメチロールプロパンモノステアレート、ソ
ルビタンモノパルミテート、ポリエチレングリコールモ
ノステアレート等のエステル類、硫酸ラウリルソーダ、
クロロスルホン酸ラウリル、硫酸化オレイン酸、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸ソーダ等の硫酸化物、燐酸モノオ
レイル、燐酸ジオレイル、燐酸モノラウリル、燐酸ジラ
ウリル、燐酸モノセチル、燐酸ジセチル、燐酸モノノニ
ルフェニル、燐酸ジノニルフェニル等の燐酸化物、N−
メチル−N−酢酸ソーダオレイン酸アミド、N,N−ジ
エタノールラウリン酸アミド等のアミド類、ラウリルト
リメチルアンモニウムクロリド、ラウリルジメチルベン
ジルアンモニウムクロリド、ラウリルジエタノールメチ
ルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモ
ニウムメトサルフェート等の第4アンモニウム塩、ステ
アリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシベタイ
ン、ラウリルジメチルスルホベタイン等のベタイン類、
ポリエチレングリコール型非イオン帯電防止剤等を例示
することができる。難燃剤としては、塩素化パラフィ
ン、塩素化ポリエチレン、無水クロレンチック酸、四臭
化ビスフェノールA,四臭化無水フタール酸、ジブロモ
ジクロロプロパン等のハロゲン系難燃剤、トリスクロロ
エチルホスフェート、ビスクロロプロピルクロロエチル
ホスフェート、リン酸エステル等の燐系難燃剤、酸化ア
ンチモン、水酸化マグネシウム等の非ハロゲン型難燃剤
等を例示することができる。滑剤(広義にスリップ剤、
アンチブロッキング剤等を含む)としては、炭化水素系
として流動パラフィン、天然パラフィン、マイクロワッ
クス、合成ワックス、低分子量ポリエチレン等を、脂肪
酸系としてステアリン酸等を、脂肪酸アミド系として脂
肪酸アミド、アルキレンビス脂肪酸アミド等を、例えば
ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、メチレンビ
スステアリルアミド、エチレンビスステアリルアミド、
オレイン酸アミド等を、エステル系として脂肪酸の低級
アルコールエステル、脂肪酸の多価アルコールエステ
ル、脂肪酸のポリグリコールエステル等を、脂肪酸低級
アルコールエステルとしてステアリン酸ブチル等を、ア
ルコール系として脂肪族アルコール、多価アルコール、
ポリグリコール等を、金属石鹸等を挙げることができ
る。充填剤としてはカーボンブラック、ホワイトカ−ボ
ン、炭酸カルシウム、含水塩基性炭酸マグネシウム、粘
土、けい酸塩鉱物、天然けい酸、アルミナ水和物、硫酸
バリウム、硫酸カルシウム、金属粉、有機充填剤(たと
えば、木粉、果実殻粉、セルローズ系等)等を、補強剤
としては石綿、ガラス繊維、炭素繊維、ステンレス繊
維、アルミニウム繊維、チタン酸カリウム繊維、アラミ
ド繊維、ガラスビーズ、アルミニウムフレーク、等を示
し得る。着色剤(染料、顔料)としては、酸化チタン、
酸化亜鉛、硫酸バリウム、カ−ボンブラック、アニリン
ブラック、鉛白、カドミウム黄、黄鉛、ジンククロメー
ト、黄土、ハンザイエロー、赤色酸化鉄、リソールレッ
ド、アリザリンレーキ、カドミウムレッド、弁柄、キナ
クリドンレッド、コバルトバイオレット、群青、コバル
トブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリ
ーン、クロムグリーン、アルミ粉、ブロンズ粉等を示し
得る。発砲剤としては、炭酸アンモニア、重炭酸ソー
ダ、亜硝酸ソーダ、等の無機発砲剤、ジニトロソペンタ
メチレンテトラミン、ジメチルジニトロソテリフタール
アミド等のニトロソ系発砲剤、ベンゼンスルホニルヒド
ラジド、p−トルエンスルホニルヒドラジド、p−p’
オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ジスル
ホンヒドラジドジフェニルスルホン等のスルホヒドラジ
ド系発砲剤、アゾビスイソブチロニトリル、アゾジカル
ボンアミド等のアゾ系発砲剤等を挙げることが出来る。
架橋剤としてはラジカル重合開始剤として前出の各種過
酸化物が使用できるが、架橋助剤としてラウリルメタク
リレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリ
メチロールプロペントリメタクリレート等のメタクリレ
ート系化合物、ジアリルフマレート、ジアリルフタレー
ト、トリアリルイソシアヌレート等のアリル系化合物、
p−キノンジオキシム、ジベンゾイルキノンジオキシム
等のキノンジオキシム系化合物、またはジビニルベンゼ
ン、ビニルトルエン、1,2−ポリブタジエン等の化合
物を併用することにより架橋効率を高めることもでき
る。さらに架橋に関しては、これらの架橋剤を使用せず
電離性放射線(電子線、X線、γ線等)等の高エネルギ
ーを利用して架橋する技術を利用することも可能であ
る。香料としては、ムスク、シベット、カストリウム、
アンバーグリス等の天然香料、各種合成香料、マスキン
グ剤等が使用できる。これらの添加剤の配合に当たって
は、先に説明したように重合ラインでペレット化する際
に添加することもできるが、従来から行なわれているよ
うにペレットと添加剤とをバンバリーミキサー、ロー
ル、各種押出機等を利用して混練するのが普通である。
場合によっては溶融混合せずにペレットと添加剤をドラ
イブレンドした後直接成形機にかけて成形することも可
能である。
【0022】
【実施例】次に本発明を実施例によって具体的に説明す
る。なお物性測定に使用した分析機器は下記の通りであ
る。融点はパーキンエルマー(DSC−7)を用い、1
0℃/minの条件で測定した。MFR(メルトフロー
レート)は、JISK−6760に従い、温度190
℃、荷重2.16kg、あるいは21.6kgの条件で
測定した。HLMIは、荷重21.6kgの条件で測定
した。
【0023】実施例1 [触媒調製]十分に窒素置換した100mlフラスコに
乾燥トルエンを加え、そこにAl2(SO43 ・14
2 O0.22gを懸濁させた。次いで、メチルアルミ
ノキサン(東ソーアクゾ製、1.29Mトルエン溶液)
20.0mlを加え、80℃に昇温して7時間撹拌し
た。その後、窒素雰囲気下で硫酸アルミニウム化合物を
取り除き、トルエンで洗浄して微粒子固体のトルエン懸
濁液を回収した。この固体はアルミニウム原子1モルに
対して、0.60モルのアルキル基を有していた。この
固体への錯体成分の担持は次の様に行った。十分に窒素
置換した100mlのフラスコに上記固体0.35gを
含むトルエン懸濁液10mlを加えた。次いで、エチレ
ンビスインデニルジルコニウムジクロリド5.0mgを
5mlのトルエンに溶解させた溶液を加え、室温にて3
0分間撹拌した。その後、10mlのトルエンで3回洗
浄して、トルエン懸濁状の固体触媒を得た。 [重合]十分に窒素置換した内容積1.5リットルのS
US製オートクレーブに上記調製したトルエン懸濁状の
固体触媒を15mg、トリイソブチルアルミニウムのヘ
キサン溶液(0.5mol/l)を2.4ml、イソブ
タン600ml、水素7.9mmolを仕込み、70℃
に昇温した。その後、エチレンをゲージで10kg/c
2 かけることで重合を開始した。30分後パージして
重合停止した。この際、オートクレーブ内壁及び撹拌翼
へのポリマーの付着は全く見られなかった。ポリマー収
量は43gであり、固体触媒当りの活性は575g−ポ
リマー/g−触媒・hr・atmであり、錯体当りの活
性は37500g−ポリマー/g−錯体・hr・atm
であった。このポリマ−の荷重2.16kgでのMFR
は1.48g/10minであった。
【0024】実施例2 十分に窒素置換した内容積1.5リットルのSUS製オ
ートクレーブに実施例1記載のトルエン懸濁状の固体触
媒を15mg、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン
溶液(0.5mol/l)を2.4ml、イソブタン6
00ml、水素7.9mmolを仕込み、1−ヘキセン
15gを充填し、70℃に昇温した。その後、エチレン
をゲージで10kg/cm2 かけることで重合を開始し
た。30分後パージして重合停止した。この際、オート
クレーブ内壁及び撹拌翼へのポリマーの付着は全く見ら
れなかった。ポリマー収量は39gであり、固体触媒当
りの活性は515g−ポリマー/g−触媒・hr・at
mであり、錯体当りの活性は33500g−ポリマー/
g−錯体・hr・atmであった。このポリマ−の荷重
2.16kgでのMFRは0.98g/10minであ
り、Tmは115.0℃であった。
【0025】実施例3 水素1.6mmol、1−ヘキセン30gを用いた以外
は実施例2と同様に重合を行った。この際、オートクレ
ーブ内壁及び撹拌翼へのポリマーの付着は全く見られな
かった。ポリマー収量は47gであり、固体触媒当りの
活性は620g−ポリマー/g−触媒・hr・atmで
あり、錯体当りの活性は40500g−ポリマー/g−
錯体・hr・atmであった。このポリマ−の荷重2.
16kgでのMFRは0.70g/10minであり、
Tmは109.0℃であった。
【0026】実施例4 メタロセン化合物としてビス(n−ブチルシクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムジクロリドを用いて実施例1と
同様に触媒調製を行い、1−ヘキセンを20g用いた以
外は実施例2と同様の重合を行った。この際、オートク
レーブ内壁及び撹拌翼へのポリマーの付着は全く見られ
なかった。ポリマー収量は53gであり、固体触媒当り
の活性は700g−ポリマー/g−触媒・hr・atm
であり、錯体当りの活性は50000g−ポリマー/g
−錯体・hr・atmであった。このポリマ−の荷重
2.16kgでのMFRは3.93g/10minであ
った。
【0027】実施例5 [触媒調製]十分に窒素置換した100mlフラスコに
乾燥トルエンを加え、そこにAl2(SO43 ・14
2 O0.33gを懸濁させた。次いで、メチルアルミ
ノキサン(東ソーアクゾ製、1.29Mトルエン溶液)
20.0mlを加え、80℃に昇温して7時間撹拌し
た。その後、窒素雰囲気下で硫酸アルミニウム化合物を
取り除き、トルエンで洗浄して微粒子固体のトルエン懸
濁液を回収した。この固体はアルミニウム原子1モルに
対して、0.51モルのアルキル基を有していた。この
固体への錯体成分の担持は次の様に行った。十分に窒素
置換した100mlのフラスコに上記固体0.35gを
含むトルエン懸濁液10mlを加えた。次いで、エチレ
ンビスインデニルジルコニウムジクロリド5.0mgを
5mlのトルエンに溶解させた溶液を加え、室温にて3
0分間撹拌した。その後、10mlのトルエンで3回洗
浄して、トルエン懸濁状の固体触媒を得た。 [重合]十分に窒素置換した内容積1.5リットルのS
US製オートクレーブに上記調製したトルエン懸濁状の
固体触媒を15mg、トリイソブチルアルミニウムのヘ
キサン溶液(0.5mol/l)を2.4ml、イソブ
タン600ml、水素7.9mmolを仕込み、70℃
に昇温した。その後、エチレンをゲージで10kg/c
2 かけることで重合を開始した。30分後パージして
重合停止した。この際、オートクレーブ内壁及び撹拌翼
へのポリマーの付着は全く見られなかった。ポリマー収
量は35gであり、固体触媒当りの活性は470g−ポ
リマー/g−触媒・hr・atmであり、錯体当りの活
性は30500g−ポリマー/g−錯体・hr・atm
であった。このポリマ−の荷重2.16kgでのMFR
は1.24g/10minであった。
【0028】比較例1 十分に窒素置換した内容積1.5リットルのSUS製オ
ートクレーブに実施例1に記載のトルエン懸濁状の微粒
子固体を15mg、エチレンビスインデニルジルコニウ
ムジクロリドのトルエン溶液(1mg/ml)を0.2
2ml、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液
(0.5mol/l)を2.4ml、イソブタン600
ml、水素7.9mmolを仕込み、70℃に昇温し
た。その後、エチレンをゲージで10kg/cm2 かけ
ることで重合を開始した。30分後パージして重合停止
した。この際、オートクレーブの内壁及び撹拌翼には、
ポリマーが固く付着していた。ポリマー収量は25gで
あり、固体触媒当りの活性は334g−ポリマー/g−
触媒・hr・atmであり、錯体当りの活性は2180
0g−ポリマー/g−錯体・hr・atmであった。こ
のポリマ−の荷重2.16kgでのMFRは1.75g
/10minであった。
【0029】比較例2 十分に窒素置換した内容積1.5リットルのSUS製オ
ートクレーブにメチルアルミノキサン(東ソーアクゾ
製、1.29Mトルエン溶液)を0.2ml、エチレン
ビスインデニルジルコニウムジクロリドのトルエン溶液
(1mg/ml)を0.22ml、トリイソブチルアル
ミニウムのヘキサン溶液(0.5mol/l)を2.4
ml、イソブタン600ml、水素7.9mmolを仕
込み、70℃に昇温した。その後、エチレンをゲージで
10kg/cm2 かけることで重合を開始した。30分
後パージして重合停止した。この際、オートクレーブの
内壁及び撹拌翼には、多量のポリマーが厚く付着してい
た。ポリマー収量は21gであり、固体触媒当りの活性
は280g−ポリマー/g−触媒・hr・atmであ
り、錯体当りの活性は18500g−ポリマー/g−錯
体・hr・atmであった。このポリマ−の荷重2.1
6kgでのMFRは2.63g/10minであった。
【0030】
【発明の効果】本発明のオレフィン重合触媒及びこの触
媒を用いたポリオレフィンの製造方法によって、重合器
壁へのポリマーの付着がなく、高活性で、安定的にオレ
フィンを重合することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三宅 重信 大分県大分市大字中の洲2番地 昭和電工 株式会社大分研究所内 (72)発明者 稲沢 伸太郎 大分県大分市大字中の洲2番地 昭和電工 株式会社大分研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)一般式(1)、または一般式
    (2) 【化1】 【化2】 〔式中、R1 〜R10は水素または炭化水素基(炭素数1
    〜20を有するアルキル、アルケニル、アリール、アル
    キルアリール、アリールアルキルなどである)または炭
    素−炭素結合を持つ4〜6員環であり、それぞれ同一で
    も異なってもよく、R11は炭素数1〜20のアルキレン
    基、アルキルゲルマニウムまたはアルキルケイ素であ
    り、各Qは炭素数1〜20のアリール、アルキル、アル
    ケニル、アルキルアリール、アリールアルキル等の炭化
    水素基もしくはハロゲンであり、それぞれ同一でも異な
    ってもよく、Meは周期表の第3b、4b、5bおよび
    6b族の遷移金属であり、pは0または1である。〕で
    表される遷移金属化合物が、(b)有機アルミニウム化
    合物と水との反応生成物に担持されていることを特徴と
    するオレフィン重合触媒。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のオレフィン重合触媒の
    存在下、オレフィンを重合または共重合させることを特
    徴とするポリオレフィンの製造方法。
JP20169593A 1993-08-13 1993-08-13 オレフィン重合触媒及びポリオレフィンの製造方法 Pending JPH0753622A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20169593A JPH0753622A (ja) 1993-08-13 1993-08-13 オレフィン重合触媒及びポリオレフィンの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20169593A JPH0753622A (ja) 1993-08-13 1993-08-13 オレフィン重合触媒及びポリオレフィンの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0753622A true JPH0753622A (ja) 1995-02-28

Family

ID=16445386

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20169593A Pending JPH0753622A (ja) 1993-08-13 1993-08-13 オレフィン重合触媒及びポリオレフィンの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0753622A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100470842B1 (ko) 담지된메탈로센촉매계및대전방지제의존재하에1-알켄의중합체를제조하는방법
EP0991676B1 (en) Multistage polymerization process using a catalyst having different catalytically active sites
KR100414776B1 (ko) 중합반응촉매시스템및이의제조방법
JP3278849B2 (ja) オレフィン重合用触媒、それらの製造及び使用
SK5502002A3 (en) Catalyst compositions, methods of polymerization, and polymers therefrom
JP2001523288A (ja) 高性能パイプ樹脂
MX2007011337A (es) Composicion de catalizador que comprende un agente de transporte para la formacion de copolimero de bloques multiples tactico/atactico.
WO1989002448A1 (en) Method for preparing an active metallocene-alumoxane catalyst in situ during polymerization
JP4813811B2 (ja) オレフィン重合のための触媒組成物およびそれを用いた重合プロセス
TW475933B (en) Propylene//propylene/olefin block copolymer and process for producing the same
JPH08311077A (ja) 有機アルミノキシ化合物の製法
WO1998030614A1 (fr) Copolymere propylene/ethylene, son procede de production, et articles moules a partir dudit copolymere
JP3210039B2 (ja) プロピレン共重合体組成物
JP4270745B2 (ja) アルカ−1−エンの(共)重合用触媒組成物
JP3304984B2 (ja) オレフィン(共)重合体用予備活性化触媒、オレフィン(共)重合用触媒、並びにオレフィン(共)重合体組成物およびその製造方法
US6515037B2 (en) Polypropylene base resin composition for foam-molding, foamed article using the same composition, production process for the same foamed article and foam-molded product using the foamed-article
JPH08165310A (ja) ポリオレフィン製造用触媒成分、該成分を含むポリオレフィン製造用触媒及びポリオレフィンの製造方法
JP3210040B2 (ja) ポリプロピレン組成物
JP3405784B2 (ja) ポリオレフィンの製造方法
JP4783964B2 (ja) ポリプロピレン組成物およびその製造方法
JP2014019806A (ja) ポリエチレン樹脂組成物
JPH0753622A (ja) オレフィン重合触媒及びポリオレフィンの製造方法
JPH11246614A (ja) 炭化水素モノマーを基礎とする重合体の製造方法及びそれに使用される触媒組成物
JPH09110934A (ja) プロピレン−エチレン共重合体およびその製造方法ならびにその成形品
JPH06256411A (ja) オレフィン重合触媒及びポリオレフィンの製造方法