JPH0753414A - エチレンの製造方法 - Google Patents

エチレンの製造方法

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JPH0753414A
JPH0753414A JP5199769A JP19976993A JPH0753414A JP H0753414 A JPH0753414 A JP H0753414A JP 5199769 A JP5199769 A JP 5199769A JP 19976993 A JP19976993 A JP 19976993A JP H0753414 A JPH0753414 A JP H0753414A
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oxygen
ethylene
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 エタンを分子状酸素含有ガスと高温度の触媒
組成物と接触させるエチレンの製造方法において、該触
媒組成物が、モリブデン、バナジウム、テルル及び酸素
を必須成分として含み、その粉末X線回折が主として次
表に示す相対ピーク強度を有する複合金属酸化物を含
む、エチレンの製造方法。 ──────────────────────── 回折角2θ(±0.4゜) 相対ピ−ク強度 ──────────────────────── 22.1゜ (100) 28.2゜ (400〜3) 36.2゜ (80〜3) 45.1゜ (40〜3) 50.0゜ (50〜3) ──────────────────────── (X線源としてCu−Kα線を使用。) 【効果】 エタンの低温酸化脱水素によりエチレンを高
収率、かつ高選択的に製造することが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エタンの酸化脱水素反
応によりエチレンを製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エチレンは各種石油化学製品、高分子製
品の基幹となる原料として工業的に重要である。エタン
からエチレンへの低温酸化脱水素反応は「The Oxidative
Dehydrogenation of Ethane over Catalysts Contain
ing Mixed Oxides of Molybdenum and Vanadium」
(Journal of Catalysis,52巻,116-132頁(1978年))
の刊行以来周知である。この論文はモリブデン及びバナ
ジウムと共に他の遷移金属元素(Ti,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,N
b,TaおよびCe)を含有する混合酸化物触媒を開示してい
る。該触媒はエタンからエチレンへの酸化脱水素反応に
対し200℃の様な低い温度で活性である。
【0003】米国特許第4250346号、ドイツ特許第26441
07号および特開昭52-42806号は450℃以下の温度に於
けるエタンのエチレンへの酸化脱水素反応について開示
し、この場合触媒は式:
【0004】
【表3】Moabc (式中:X=Cr,Mn,Nb,Ta,Ti,V,及び/またはW、 Y=Bi,Ce,Co,Cu,Fe,K,Mg,Ni,P,Pb,Sb,Si,Sn,Tl及び/
またはU、 a=1、 b=0〜2、 c=0〜2である) よりなるか焼組成物である。上記式中、a,b,および
cの数値はそれぞれ触媒組成物中に存在する元素Mo,
X及びYの相対モル比を表す。元素Mo,X及びYは触
媒組成物中に酸素と共に存在する。
【0005】該特許明細書等は多様な組成物を開示して
いる。しかしながら、エタンの転化率、エチレンの収率
ともに十分な結果は得られていない。たとえば、これら
の中で最も高いエチレン収率を示している実施例の一つ
である特開昭52-42806号の実施例57および58では、
Mo16V8Nb2U1触媒を使用し400℃でエタン転化率53
%、エチレン収率34%を、Mo16V4W1.6Mn4触媒を使用
し400℃でエタン転化率58%、エチレン収率34%
を示している。
【0006】米国特許第4524236号および特開昭61-1584
9号は450℃以下の温度に於けるエタンのエチレンへ
の酸化脱水素反応について開示し、この場合触媒は式:
【0007】
【表4】MoabNbcSbde (式中:X=Li,Sc,Na,Be,Mg,Ca,Sr,Ba,Ti,Zr,Hf,Y,Ta,
Cr,Fe,Co,Ni,Ce,La,Zn,Cd,Hg,Al,Tl,Pb,As,Bi,Te,U,Wの
少なくとも1つ。 a=0.5-0.9, b=0.1-0.4, c=0.001-0.2, d=0.001-0.1, e=0.001-1.0である) で表される元素Mo,V,Nb,Sb及びXよりなるか
焼組成物である。上記式中、a,b,c,dおよびeの
数値はそれぞれ触媒組成物中に存在する元素Mo,V,
Nb,Sb及びXの相対モル比を表す。元素Mo,V,
Nb,Sb及びXは触媒組成物中に酸素と共に存在す
る。
【0008】上記の特許明細書は多様な組成物を開示し
ている。しかしながら、エタンの転化率、エチレンの収
率ともに十分な結果は得られていない。たとえば、最高
のエチレン収率を示す実施例の一つは、米国特許第4524
236号の実施例6であるが、該実施例は、Mo1V0.43Nb
0.11Sb0.07Bi0.03触媒を使用し400℃でエタン転化率
71%、エチレン収率51.1%を示している。
【0009】特開昭64-85945号明細書にはエタン、エチ
レン及び酸素からの酢酸製造に関して開示し、この場合
触媒は:
【0010】
【表5】(A) Moxyz (式中:Z=なし、またはNb,Sb,Li,Sc,Na,Be,Mg,Ca,S
r,Ba,Ti,Zr,Hf,Y,Ta,Cr,Fe,Co,Ni,Ce,La,Zn,Cd,Hg,Al,T
l,Pb,As,Bi,Te,U及びWの1種もしくはそれ以上。 x=0.5〜0.9、 y=0.1〜0.4、 z=0.01〜1である) (x,y,およびzの数値はそれぞれ触媒組成物中に存
在する元素Mo,V及びZの相対モル比を表す。元素M
o,V及びZは触媒組成物中に酸素と共に存在する。)
よりなるか焼組成物と、(B) エチレン水和触媒或は
エチレン酸化触媒からなる群より選ぶ少なくとも1種類
の触媒と、を含有する触媒混合物である。
【0011】該特許明細書の実施例は触媒(A)組成物
としてMoVNbSbCaまたはMoVNb混合酸化物のみを開示して
いる。また、エタン単独の酸化反応も開示しているが、
エタンの転化率は低く、生成したエチレンの選択率も十
分には高くない。たとえば、実施例7において、エタン
87%、酸素6.5%、窒素6.5%の原料ガスをMo
0.7V0.25Nb0.02Sb0.01Ca0.01Oxと粉末モレキュラ−シ−
ブLZ−105(UCC製)との組合せ触媒上で反応さ
せたところ、エタンの転化率は3モル%、エチレンへの
選択率は56モル%であった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】エタンの酸化脱水素反
応によりエチレンを得ようとする技術に関するこれらの
文献においてはMoあるいはMoとVとを含む複合酸化
物触媒が該酸化脱水素反応に有効である可能性が示され
ているものの、いまだ実用に耐える触媒性能を示すもの
は開示されていない。すなわち、エタンからのエチレン
の最高収率は実質上たかだか50モル%程度である。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる問
題点を解決すべく鋭意検討の結果、触媒組成物がモリブ
デン、バナジウム、テルル及び酸素を必須成分として含
み、その粉末X線回折として特徴的パターンを有する触
媒がエタンの酸化脱水素によるエチレンの製造におい
て、反応系にハロゲン化物等を存在させることなく、し
かも300〜450℃程度の比較的に低い温度におい
て、従来法よりも非常に高活性、かつ高選択性で目的と
するエチレンを製造し得ることを見出し、本発明に到達
した。
【0014】すなわち、本発明の要旨は、エタンを分子
状酸素含有ガスと高められた温度で触媒組成物と接触さ
せることによるエチレンの製造方法において、該触媒組
成物が、モリブデン、バナジウム、テルル及び酸素を必
須成分として含み、その粉末X線回折が主として表−1
に示す特徴的パターンを有する複合金属酸化物を含むこ
とを特徴とするエチレンの製造方法に存する。
【0015】
【表6】 表−1 ──────────────────────── 回折角2θ(±0.4゜) 相対ピ−ク強度 ──────────────────────── 22.1゜ (100) 28.2゜ (400〜3) 36.2゜ (80〜3) 45.1゜ (40〜3) 50.0゜ (50〜3) ──────────────────────── (X線源としてCu−Kα線を使用。カッコ内の数字
は、22.1゜のピ−ク強度を100としたときの相対
ピ−ク強度を示す。)以下、本発明につき詳細に説明す
る。
【0016】本発明の骨子は、モリブデン(Mo)、バ
ナジウム(V)、テルル(Te)及び酸素(O)を必須
成分とし、かつ上記特定のX線回折パターンを有する複
合酸化物固体触媒を使用することにある。触媒の具体例
としては、例えば、触媒を構成する複合金属酸化物がM
o、V、Te、Xおよび酸素を必須成分とし(Xは、ニ
オブ、タンタル、タングステン、チタン、アルミニウ
ム、ジルコニウム、クロム、マンガン、鉄、ルテニウ
ム、コバルト、ロジウム、ニッケル、パラジウム、白
金、アンチモン、ビスマス、ホウ素、インジウム、セリ
ウム、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウムお
よびセシウムからなる群から選ばれた1種以上の元
素)、酸素を除く上記必須成分の合計に対する上記各必
須成分の存在割合が、
【0017】
【表7】 0.25 < rMo < 0.98 0.003 < rV < 0.5 0.003 < rTe < 0.5 0.003 < rX < 0.5 (但し、rMo、rV、rTe及びrXはそれぞれ酸素を除く
上記必須成分の合計モル数に対するMo、V、Te及び
Xのモル分率を表す。)で表される複合酸化物固体触媒
が挙げられる。成分Xとしては、上記各元素のうちでも
周期表第VB族あるいは第VIB族の元素及びBiが好ま
しいが、特にニオブが好ましい。
【0018】これ等の触媒は、例えば次のようにして調
製される。即ち、まず、所定量のパラモリブデン酸アン
モニウム塩の水溶液に、メタバナジン酸アンモニウム塩
を含む水溶液、及びテルル酸の水溶液を夫々の金属元素
の原子比が所定の割合となるような量比で順次添加し、
さらに成分Xの水溶液を金属元素の原子比が所定の割合
となるような量比で添加し、蒸発乾固させる。乾固物を
実質上酸素濃度が空気より低い条件下で350℃〜65
0℃、特に450℃〜600℃程度の高温度で焼成して
触媒とする。このようにして調製された複合金属酸化物
触媒は主として前記表−1に示した粉末X線回折パター
ンを示すが、特に焼成を行う際の供給ガス中の酸素濃度
が重要であり、実質上空気より低い酸素濃度で焼成を行
うのが好ましく、特に窒素、アルゴン、ヘリウム等の不
活性ガス雰囲気下、あるいはこれらの流通下、または真
空中で焼成することが好ましい。
【0019】なお、上に示したパラモリブデン酸アンモ
ニウム塩の代わりに、MoO3、MoO2、MoCl5
リンモリブデン酸、ケイモリブデン酸、Mo(OR)5
(Rは、炭素数1から10のアルキル基)、あるいはモ
リブデニルアセチルアセトナ−トなどを使用することが
出来、メタバナジン酸アンモニウムの代わりに、例え
ば、V25、V23、バナジルアセチルアセトナ−ト、
NH4VO3、VO(OR)3(Rは、炭素数1から10
のアルキル基)、VCl4、あるいはVOCl3などを使
用することが出来、テルル酸の代わりに、TeO2など
が使用できる。また、Xの原料としてはその酸化物、ハ
ロゲン化物、カルボン酸塩、アルコキシド、アセチルア
セトナ−ト、ハロゲン化アンモニウム塩、あるいはカル
ボン酸アンモニウム塩などを使用することが出来る。更
に、モリブドバナドリン酸のようなモリブデンとバナジ
ウムとの混合配位のヘテロポリ酸を使用してもよい。
【0020】本発明における触媒の前記各金属元素の含
有量としては、rMoは通常0.25〜0.98、好まし
くは0.5〜0.7であり、rVは通常0.003〜
0.5、好ましくは0.06〜0.3であり、rTeは通
常0.003〜0.5、好ましくは0.05〜0.2で
あり、Xとしては例えばXがニオブの場合、rNbは通常
0.003〜0.5、好ましくは0.02〜0.15で
ある。
【0021】これ等の触媒は単独でも用いられるが、周
知の担体、例えばシリカ、アルミナ、アルミノシリケー
ト、チタニア、ジルコニア等と共に使用することもでき
る。触媒は、反応の規模、方式等により適宜の粒径及び
形状に成型され整粒される。本発明の方法は、上述の触
媒を使用して、エタンを気相接触酸化反応させることに
よりエチレンを製造するものである。
【0022】反応器の方式としては、特に限定されない
が、固定床、流動床、移動床等の反応方式が好適に使用
可能である。原料のエタンとしては、特に純度を限るも
のではなく、例えば、メタン、水、一酸化炭素、二酸化
炭素、プロパン、ブタン等が不純物として混合していて
も構わない。また、本発明での酸化反応は、供給ガス中
に存在させる酸素によって行われる。供給ガス中に酸素
を存在させる場合、酸素は純酸素ガスでもよいが、特に
純度は要求されないので、一般には空気のような酸素含
有ガスを使用するのが経済的である。
【0023】空気を使用する場合、反応に供給する空気
の割合は、通常エタンに対して1〜50モル倍量の広い範
囲において好適な結果が得られ、特に3〜23モル倍量の
場合に極めて高いエチレン選択率を示す。なお、本反応
は通常大気圧下で実施されるが、低度の加圧下または減
圧下で行うこともできる。
【0024】本発明方法は、例えば200から550℃
の反応温度で実施することができ、特に好ましいのは3
50〜450℃程度である。また、気相反応におけるガ
ス空間速度SV[hr-1]は、100〜5000hr-1
の広い範囲において好適な結果が得られ、、好ましくは
200〜2000hr-1の範囲である。なお、空間速度
と酸素分圧を調製するための希釈ガスとして、窒素、ア
ルゴン、ヘリウム等の不活性ガスまたは、二酸化炭素、
水蒸気等の希釈ガスを用いることが出来る。
【0025】本発明の方法により、エタンの酸化反応を
行った場合、エチレンの他に、一酸化炭素、二酸化炭
素、酢酸等が副生するが、その生成量は極めて少ない。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げて更に詳細に説
明するが、本発明はその要旨を超えない限りこれらの実
施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例に
おけるエタン転化率(%)、エチレン選択率(%)、エ
チレン収率(%)は、各々次式で示される。
【0027】
【数1】エタンの転化率(%)=(消費エタンのモル数
/供給エタンのモル数)×100 エチレンの選択率(%)=(生成エチレンのモル数/消
費エタンのモル数)×100 エチレンの収率(%)=(生成エチレンのモル数/供給
エタンのモル数)×100
【0028】実施例1〜8 パラモリブデン酸アンモニウム8.83gを25gの水
に溶解したものへ、メタバナジン酸アンモニウム1.7
5gを60gの水に溶解した水溶液と、テルル酸2.6
4gを5gの水に溶解した水溶液とを添加した。さらに
蓚酸ニオブアンモニウム2.66gを12gの水に溶解
した水溶液を添加した。生成した橙色のスラリ−へシリ
カゾルを添加し、それを乾燥乾固して得た橙色の固体を
窒素気流下600℃で2時間焼成して、組成比がMo
1.00.30Nb0.1 2Te0.23n/SiO2=90/10
(wt%)の黒色の固体が得られた(nは他の元素の酸化
状態で決定される)。
【0029】このようにして得た複合金属酸化物の粉末
X線回折測定を行ったところ(X線源としてCu−Kα
線を使用)、回折角2θ(゜)として、22.1(10
0)、28.2(59.7)、36.2(18.1)、
45.1(13.9)、50.0(9.7)に主要回折
ピ−クが観察された。(カッコ内の数字は、22.1゜
のピ−ク強度を100としたときの相対ピ−ク強度を示
す。)次に、該複合金属酸化物を打錠成型器を用いて5
mmФ×3mmLに成型した後、粉砕し、16〜28メ
ッシュに篩別し、触媒として供した。
【0030】触媒0.5mlを反応器に充填し、表−2
に示す反応温度、空間速度SV並びにエタンと空気との
モル比でガスを供給し、気相接触反応を行なった。結果
を表−2に示す。
【0031】実施例9 蓚酸ニオブアンモニウムのかわりに蓚酸鉄アンモニウム
を用い、シリカゾルを用いなかった以外は実施例1と同
様の方法で原料を混合、乾燥して得た橙色の固体を窒素
気流下500℃で2時間焼成して、組成比がMo1.0
0.40Fe0.1Te 0.2nの黒色の固体が得られた(nは
他の元素の酸化状態で決定される)。このようにして得
た複合金属酸化物の粉末X線回折測定を行ったところ
(X線源としてCu−Kα線を使用)、回折角2θ
(゜)として、22.1(100)、28.2(20
0)、36.2(38.5)、45.1(11.5)、
50.0(25.0)に主要回折ピ−クが観察された
(カッコ内の数字は、22.1゜のピ−ク強度を100
としたときの相対ピ−ク強度を示す)。次に、該複合金
属酸化物を打錠成型器を用いて5mmФ×3mmLに成
型した後、粉砕し、16〜28メッシュに篩別し、触媒
として供した。触媒0.5mlを反応器に充填し、表−
2に示す反応温度、空間速度SV並びにエタンと空気と
のモル比でガスを供給し、気相接触反応を行なった。結
果を表−2に示す。
【0032】実施例10 蓚酸鉄アンモニウムのかわりにメタタングステン酸を用
いた以外は実施例9と同様の方法で組成比がMo1.0
0.400.1Te0.2nの黒色の固体が得られた(nは他
の元素の酸化状態で決定される)。このようにして得た
複合金属酸化物の粉末X線回折測定を行ったところ(X
線源としてCu−Kα線を使用)、回折角2θ(゜)と
して、22.1(100)、28.2(122)、3
6.2(38.4)、45.1(13.0)、50.0
(20.8)に主要回折ピ−クが観察された(カッコ内
の数字は、22.1゜のピ−ク強度を100としたとき
の相対ピ−ク強度を示す)。次に、該複合金属酸化物を
打錠成型器を用いて5mmФ×3mmLに成型した後、
粉砕し、16〜28メッシュに篩別し、触媒として供し
た。触媒0.5mlを反応器に充填し、表−2に示す反
応温度、空間速度SV並びにエタンと空気とのモル比で
ガスを供給し、気相接触反応を行なった。結果を表−2
に示す。
【0033】実施例11 蓚酸鉄アンモニウムのかわりに蓚酸ビスマスを用いた以
外は実施例9と同様の方法で組成比がMo1.00.40
0.1Te0.2nの黒色の固体が得られた(nは他の元
素の酸化状態で決定される)。このようにして得た複合
金属酸化物の粉末X線回折測定を行ったところ(X線源
としてCu−Kα線を使用)、回折角2θ(゜)とし
て、22.1(100)、28.2(177)、36.
2(54.5)、45.1(11.4)、50.0(3
5.0)に主要回折ピ−クが観察された(カッコ内の数
字は、22.1゜のピ−ク強度を100としたときの相
対ピ−ク強度を示す)。次に、該複合金属酸化物を打錠
成型器を用いて5mmФ×3mmLに成型した後、粉砕
し、16〜28メッシュに篩別し、触媒として供した。
触媒0.5mlを反応器に充填し、表−2に示す反応温
度、空間速度SV並びにエタンと空気とのモル比でガス
を供給し、気相接触反応を行なった。結果を表−2に示
す。
【0034】実施例12 蓚酸鉄アンモニウムのかわりに硝酸クロムを用いた以外
は実施例9と同様の方法で組成比がMo1.00.40Cr
0.1Te0.2nの黒色の固体が得られた(nは他の元素
の酸化状態で決定される)。このようにして得た複合金
属酸化物の粉末X線回折測定を行ったところ(X線源と
してCu−Kα線を使用)、回折角2θ(゜)として、
22.1(100)、28.2(134)、36.2
(37.6)、45.1(14.1)、50.0(2
5.9)に主要回折ピ−クが観察された(カッコ内の数
字は、22.1゜のピ−ク強度を100としたときの相
対ピ−ク強度を示す)。次に、該複合金属酸化物を打錠
成型器を用いて5mmФ×3mmLに成型した後、粉砕
し、16〜28メッシュに篩別し、触媒として供した。
触媒0.5mlを反応器に充填し、表−2に示す反応温
度、空間速度SV並びにエタンと空気とのモル比でガス
を供給し、気相接触反応を行なった。結果を表−2に示
す。
【0035】実施例13 蓚酸鉄アンモニウムのかわりに蓚酸マンガンを用いた以
外は実施例9と同様の方法で組成比がMo1.00.40
0.1Te0.2nの黒色の固体が得られた(nは他の元
素の酸化状態で決定される)。このようにして得た複合
金属酸化物の粉末X線回折測定を行ったところ(X線源
としてCu−Kα線を使用)、回折角2θ(゜)とし
て、22.1(100)、28.2(122)、36.
2(30.3)、45.1(12.5)、50.0(1
8.0)に主要回折ピ−クが観察された(カッコ内の数
字は、22.1゜のピ−ク強度を100としたときの相
対ピ−ク強度を示す)。次に、該複合金属酸化物を打錠
成型器を用いて5mmФ×3mmLに成型した後、粉砕
し、16〜28メッシュに篩別し、触媒として供した。
触媒0.5mlを反応器に充填し、表−2に示す反応温
度、空間速度SV並びにエタンと空気とのモル比でガス
を供給し、気相接触反応を行なった。結果を表−2に示
す。
【0036】実施例14 蓚酸鉄アンモニウムのかわりに硝酸ジルコニウムを用い
た以外は実施例9と同様の方法で組成比がMo1.0
0.40Zr0.1Te0.2nの黒色の固体が得られた(nは
他の元素の酸化状態で決定される)。このようにして得
た複合金属酸化物の粉末X線回折測定を行ったところ
(X線源としてCu−Kα線を使用)、回折角2θ
(゜)として、22.1(100)、28.2(30
0)、36.2(57.9)、45.1(26.3)、
50.0(42.1)に主要回折ピ−クが観察された
(カッコ内の数字は、22.1゜のピ−ク強度を100
としたときの相対ピ−ク強度を示す)。次に、該複合金
属酸化物を打錠成型器を用いて5mmФ×3mmLに成
型した後、粉砕し、16〜28メッシュに篩別し、触媒
として供した。触媒0.5mlを反応器に充填し、表−
2に示す反応温度、空間速度SV並びにエタンと空気と
のモル比でガスを供給し、気相接触反応を行なった。結
果を表−2に示す。
【0037】実施例15 蓚酸鉄アンモニウムのかわりに硝酸カリウムを用いた以
外は実施例9と同様の方法で組成比がMo1.00.40
0.1Te0.2nの黒色の固体が得られた(nは他の元素
の酸化状態で決定される)。このようにして得た複合金
属酸化物の粉末X線回折測定を行ったところ(X線源と
してCu−Kα線を使用)、回折角2θ(゜)として、
22.1(100)、28.2(101)、36.2
(27.8)、45.1(16.7)、50.0(2
2.2)に主要回折ピ−クが観察された(カッコ内の数
字は、22.1゜のピ−ク強度を100としたときの相
対ピ−ク強度を示す)。次に、該複合金属酸化物を打錠
成型器を用いて5mmФ×3mmLに成型した後、粉砕
し、16〜28メッシュに篩別し、触媒として供した。
触媒0.5mlを反応器に充填し、表−2に示す反応温
度、空間速度SV並びにエタンと空気とのモル比でガス
を供給し、気相接触反応を行なった。結果を表−2に示
す。
【0038】
【表8】 表−2 ──────────────────────────────────── 実施例 エタン/空気 SV 温度 エタン転化率 エチレン収率 エチレン選択率 (モル比) (hr-1)(℃) (%) (%) (%) ──────────────────────────────────── 1 1/5 870 430 90.5 73.4 81.2 2 1/5 1750 460 89.5 71.6 80.0 3 1/5 520 410 90.0 73.2 81.4 4 1/5 170 370 89.0 71.0 79.8 5 1/3 580 400 77.8 68.2 87.6 6 1/15 460 400 88.9 71.0 79.9 7 1/15 460 360 56.7 51.9 91.5 8 1/23 680 410 86.8 70.2 80.8 9 1/5 520 430 28.4 13.1 46.3 10 1/5 520 390 71.3 42.2 59.2 11 1/5 520 470 58.9 29.8 50.5 12 1/5 520 430 54.1 25.7 47.5 13 1/5 520 430 16.4 5.6 34.3 14 1/5 520 430 27.2 10.6 38.9 15 1/5 520 430 40.4 10.6 26.3 ────────────────────────────────────
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、エタンの低温酸化脱水
素によりエチレンを高収率、かつ高選択的に製造するこ
とが出来る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エタンを分子状酸素含有ガスと高められ
    た温度で触媒組成物と接触させることによるエチレンの
    製造方法において、該触媒組成物が、モリブデン、バナ
    ジウム、テルル及び酸素を必須成分として含み、その粉
    末X線回折が主として表−1に示す特徴的パターンを有
    する複合金属酸化物を含むことを特徴とするエチレンの
    製造方法。 【表1】 表−1 ──────────────────────── 回折角2θ(±0.4゜) 相対ピ−ク強度 ──────────────────────── 22.1゜ (100) 28.2゜ (400〜3) 36.2゜ (80〜3) 45.1゜ (40〜3) 50.0゜ (50〜3) ──────────────────────── (X線源としてCu−Kα線を使用。カッコ内の数字
    は、22.1゜のピ−ク強度を100としたときの相対
    ピ−ク強度を示す。)
  2. 【請求項2】 触媒組成物が、Mo、V、Te、X及び
    酸素を必須成分とし(但し、Xは、ニオブ、タンタル、
    タングステン、チタン、アルミニウム、ジルコニウム、
    クロム、マンガン、鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウ
    ム、ニッケル、パラジウム、白金、アンチモン、ビスマ
    ス、ホウ素、インジウム、セリウム、リチウム、ナトリ
    ウム、カリウム、ルビジウムおよびセシウムからなる群
    から選ばれた1種以上の元素を表す。)、酸素を除く上
    記必須成分の合計に対する上記各必須成分の存在割合
    が、 【表2】 0.25 < rMo < 0.98 0.003 < rV < 0.5 0.003 < rTe < 0.5 0.003 < rX < 0.5 (但し、rMo、rV、rTe及びrXはそれぞれ酸素を除く
    上記必須成分の合計モル数に対するMo、V、Te及び
    Xのモル分率を表す。)であるような複合金属酸化物を
    含むことを特徴とする請求項1に記載のエチレンの製造
    方法。
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