JPH0753090B2 - 治療用食品 - Google Patents

治療用食品

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JPH0753090B2
JPH0753090B2 JP62072785A JP7278587A JPH0753090B2 JP H0753090 B2 JPH0753090 B2 JP H0753090B2 JP 62072785 A JP62072785 A JP 62072785A JP 7278587 A JP7278587 A JP 7278587A JP H0753090 B2 JPH0753090 B2 JP H0753090B2
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拓郎 佐田
豊 竹内
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日清製油株式会社
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【発明の詳細な説明】 (a)産業上の利用分野 本発明は腎臓病患者、特に腎不全患者の栄養補給に有効
な食品に関する。
(b)従来の技術 昔から腎臓病の治療に食事療法が大切であることが知ら
れている。腎臓病食の目的は(1)腎臓の排泄能低下に
伴って体液中に蓄積し、過剰となる物質を摂取を制限す
る。(2)生体にとって有害または不用な代謝物の産生
を低下させ、体液中の蓄積を防ぐなどがある。腎臓病、
特に腎不全ではたん白質の代謝機能が衰えているため、
たん白質摂取量が制限され、一般にその摂取量は20〜40
g/日とされている。しかし、あまりたん白質を制限しす
ぎると、身体を構成しているたん白質が分解してくる結
果、たん白質を制限してもたん白質代謝物の産生が亢進
される。そこで、身体のたん白質分解を防ぎ、しかも高
窒素血症にならないように適切なたん白質量を摂取させ
ることが必要である。そのためには、たん白質の利用効
率を高め、プロテインスコアーの高いことが望ましい。
また、熱量を多くとるとたん白質の分解を阻止し、たん
白質の必要量を減少させることができるため、高カロリ
ー食品がすすめられる。さらに電解質の量も制限され、
低カリウム食、低リン食が求められている。
現在、腎不全患者用高カロリー食品としては、粉あめ、
砂糖など糖質を利用した食品が多く、加工食品としては
クッキー、ゼリー等がある。また、あげもの、いためも
の、バター、マーガリン、マヨネーズ、ドレッシングな
どのように脂質をカロリー源とする食品も食事療法に使
用されている。さらにMCT(中鎖脂肪酸トリグリセリ
ド)を用いたクッキー、ゼリーなどが利用されることも
ある。
(c)発明が解決しようとする問題点 しかし乍ら、これらの食品は前記した低たん白、高プロ
テインスコアー、高カロリー、低カリウム、低リンなど
の要求を必ずしも十分満足しているとはいい難い。しか
も、例えば等質を主体とした食品は甘いものが多く、食
事として連日食するには限界があるうえ、糖質主体とし
たカロリー強化は高脂血症を招く危険生がある。これを
避けるには脂質、特に多価不飽和脂肪酸の摂取が望まれ
るが、油脂を直接食することは人間の嗜好から満足され
るものではなく、殊に運動量の少ない患者や老人は、あ
げもの、いためもの等の油っぽいものを連続して摂取す
ることは困難である。また、これらのあげもの、いため
ものでは油の摂取量が明確にできないという問題もあ
る。
本発明の目的は、腎臓病患者の食事療法に有効であり、
しかも上記のような欠点のない食品を提供することにあ
る。
(d)問題点を解決するための手段 本発明者らは、研究の結果、大豆、ひまわり、ごま等か
ら得られる種子乳であって、その成分をある特定の値に
調整したものが、本発明の目的を達成できることを見出
した。
本発明はかかる知見に基づいて完成されたもので、植物
種子から得られる種子乳であって、たん白質含量2%以
下、たん白質を構成するアミノ酸のプロテインスコアー
70以上、脂質含量4%以上、脂質を構成する脂肪酸中の
多価不飽和脂肪酸の飽和脂肪酸に対する比率1.5以上、
リン含量30mg%以下、カリウム含量50mg以下、100g当り
のカロリー70kcal以上であることを特徴とする腎臓病治
療用食品である。
種子乳の原料としては、大豆、ひまわり、紅花、ごま等
の食品に適する植物種子を用いることができる。種子乳
は、これらの原料を水性媒質により抽出することによっ
て製造されるが、そのままでは本発明の目的を達しな
い。
即ち、まずたん白質含量が2%以下、好ましくは0.3〜
1.8%であることを要する。たん白質含量が0.3%未満で
あると製品の乳化安定生が悪くなる。たん白含量が0.5
%以下の場合は、ポリグリセリン、ショ糖脂肪酸エステ
ル、カゼイン等の乳化剤の添加によって、乳化安定性を
向上させることができる。一方、たん白含量が2%を超
えると、腎臓病治療食としてたん白質量が多すぎ不適当
である。
種子乳たん白質含量は、一般に2%より高く、これを上
記のように調整するためには、抽出前にたん白質を加熱
等により変性させ、たん白質の抽出率を低下させる等の
方法によることができ、例えば、ごまを原料にする場合
は、これを焙煎することによって目的が達せられる。
次にたん白質を構成するアミノ酸のプロテインスコアー
が70以上であることを必要とする。これはたん白質の利
用効率を高めるためであり、70未満であるとたん白質の
悪影響があらわれる。
プロテインスコアーを上記のように調整するには、原料
種子を組み合わせたり、他のたん白質、ペプチド、アミ
ノ酸の添加を行う等の方法によることができ、例えば、
ごまと大豆を15/1〜2/1の比率で用いるとプロテインス
コアーが70以上となる。
脂質は4%以上、好ましくは、4〜8%であることを要
する。4%未満ではカロリー面からみて少なすぎ、腎臓
病に対して不適当であり、8%を超えると油のしつこさ
があらわれ、風味・食感的に好ましくない。
脂質を構成する脂肪酸中の多価不飽和脂肪酸の飽和脂肪
酸に対する比率(以下P/S比という)は、1.5以上である
ことを必要とする。1.5未満では、高脂血症のおそれが
あり、HDLコレステロールの低下、LDLコレステロールの
上昇がみられる場合がある。
種子乳はおおむね上記の脂質含量およびP/S比を満足す
るが、不十分な場合は、油脂、特に植物性油脂を添加す
ることにより調整する。
リンの含量は30mg%以下、好ましくは20mg%以下、カリ
ウムの含量は50mg%以下、好ましくは40mg%以下でなけ
ればならず、これを超えると腎臓病に対し悪影響があ
る。
種子乳そのままでは上記の数値を満足しないので、限外
濾過膜の利用、イオン交換膜を利用した電気透析法等に
よって脱リン、脱カリウムを行う。また、ごまの場合は
脱皮することによって上記の範囲を充たすことができ
る。
カロリーは100g当り70kcal以上、好ましくは70〜150kca
lであることを必要とする。70kcal未満ではカロリーが
不足して治療食として不適当であり、150kcalを超える
と油のしつこさや甘味が強すぎるため、風味的に好まし
くない。
種子乳のカロリーを上記のように調整するには油脂、例
えば植物性油脂または糖質を添加することがよい。特に
糖質の添加は食品としての嗜好性、摂取しやすさを向上
させるためにも適している。
以上のように成分を調整した種子乳は、乳化安定のため
高圧ホモジナイザーで微粒子化均質化し、さらにUHT殺
菌を行い製品とする。
このような処理で種子乳を製造することにより初めて腎
臓病患者特に腎不全の患者の栄養源として適する高カロ
リー、低たん白食品とすることができる。
本発明では、また、得られた種子乳にゲル化剤を添加
し、豆腐状にすることにより油のくどさを改善し、さら
に食べやすくすることができる。ゲル化剤としては、寒
天、ペクチン、カラギーナン、アルギン酸、ローカスト
ビーンガム、グアーガム、キサンタンガム等の水に溶か
してゲルを形成するものを用いる。これらゲル化剤の1
種、ないしいくつかを組み合わせることによって食感良
好な高カロリー、低たん白の豆腐状食品を得ることがで
きる。最も食感が良好なものはローカストビーンガムの
組み合わせで、その比率は1:4〜4:1が好ましい。また、
ゲル化剤の総量としては0.4%〜1.2%の範囲がゲル強度
として最適である。
種子乳に上記割合でゲル化剤を添加して得られた豆腐状
食品は風味良好で、高カロリーであるにも拘らず、のど
ごしがよく、例えば、醤油等で調味すれば腎臓病患者の
食事とて嗜好性の高い優れた食品となる。
(e)実施例 実施例1 脱皮、焙煎を行ったごま種子と大豆とを100対20の比率
で混合して後、混合物に対して10倍量の90℃の温水を加
えながら粉砕抽出し、さらに遠心分離により不溶物を除
去して、均一な種子乳を得た。この種子乳に麦芽糖水あ
めを5%、デキストリンを2%添加し、高圧ホモジナイ
ザーで微粒子化、均質化を行い、さらに145℃で4秒間
のUHT殺菌をし目的の製品を得た。このものの成分は、
たん白質1.2%、プロテインスコアー76、脂質7.0%、P/
S比2.8、リン20mg%、カリウム50mg%、カロリー100kca
l/100gであった。
この種子乳を透析患者4名に1日200ccずつ7日間摂取
させたところ、飽きずにカロリー補給をすることがで
き、好評であった。
また、この種子の使用前後での各種臨床所見でも何ら異
常がみられないことも確認した。摂取前と摂取7日後の
透析前早朝空腹時に採血した血液の分析結果を以下に示
す(表−1)。
さらにこの種子乳を実験的腎不全ラット(右側の腎臓を
完全に切除し、さらに左側の70%を切除したラット)に
与えた。16匹の腎不全ラット8匹ずつの2群にわけ一方
には通常の標準精製飼料(A群)(米国国立栄養研究所
American Insutitute of Nutrition 略称AINにより
発表された組成を有するもの。内容を表−2に示す)
を、一方には飼料中のカゼインをそのカロリー相当分だ
け本種子乳におきかえた飼料(B群)をそれぞれ与え5
日後にBUNの分析を行った(表−3)。B群のBUN値が低
くなり有効性を認めた。
実施例3 大豆を用い常法により得られた豆乳60部に紅花油5部、
果糖ブドウ糖液6部、デキストリン3部、ミルクフレー
バー0.2部、メチオニン微量、水25部を混合し、高圧ホ
モジナイザーで微粒化、均質化処理を行い、さらに145
℃で4秒間のUHT殺菌をして目的の製品を得た。このも
のの成分はたん白質1.6%、プロテインスコアー90、脂
質6.7%、P/S比7.0、リン28mg%、カリウム45mg%、カ
ロリー100kcal/100gであった。
実施例4 ひまわり種子を用い、実施例3と同様の抽出方法により
得られたひまわり乳を、限外濾過膜に通したもの80部、
麦芽糖水あめ7部、デキストリン2部、ミルクフレーバ
ー0.2部、カゼインナトリウム0.3部、ポリグリセリン0.
1部、水10部を混合し、高圧ホモジナイザーで微粒化、
均質化処理を行い、さらに145℃で4秒間のUHT殺菌をし
て目的の製品を得た。このものの成分はたん白質1.3
%、プロテインスコアー73、脂質6.4%、P/S比6.5、リ
ン20mg%、カリウム40mg%、カロリー100kcal/100gであ
った。
(f)発明の効果 これまで腎臓病の食事療法に適した食品として十分なも
のは知られていなかったが、本発明によれば低たん白、
高カロリーで、かつ高プロテインスコアー、低カリウム
および低リンを満足する食品が提供され、しかも風味・
食感のうえで患者が飽きないすぐれた治療食をえること
ができる。このものは特に腎不全患者の栄養補給に有効
である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】植物種子から得られる種子乳であって、た
    ん白質含量2%以下、たん白質を構成するアミノ酸のプ
    ロテインスコアー70以上、脂質4%以上、脂質を構成す
    る脂肪酸中の多価不飽和脂肪酸の飽和脂肪酸に対する比
    率1.5以上、リン含量30mg%以下、カリウム含量50mg%
    以下、100g当りのカロリー70kcal以上であることを特徴
    とする腎臓病治療用食品。
  2. 【請求項2】種子乳の原料がごまと大豆の組み合わせで
    ある特許請求の範囲第1項記載の治療用食品。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第1項または第2項記載の
    食品にゲル化剤を添加して豆腐状にした治療用食品。
  4. 【請求項4】ゲル化剤がカラギーナンとローカストビー
    ンガムである特許請求の範囲第3項記載の治療用食品。
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