JPH075308B2 - 酸化亜鉛の製造方法 - Google Patents

酸化亜鉛の製造方法

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JPH075308B2
JPH075308B2 JP12253787A JP12253787A JPH075308B2 JP H075308 B2 JPH075308 B2 JP H075308B2 JP 12253787 A JP12253787 A JP 12253787A JP 12253787 A JP12253787 A JP 12253787A JP H075308 B2 JPH075308 B2 JP H075308B2
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知明 武市
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日鉱亜鉛株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はゴムの加硫促進剤、塗料、化粧品、インキ、顔
料、医薬等は無論のこと、バリスター、電子写真用感光
材料、ガスセンサー、触媒等の用途に用いられる酸化亜
鉛の製造方法に関する。
[従来の技術] 従来酸化亜鉛の製造法として、所謂フランス法等による
金属亜鉛蒸気の酸化燃焼法が知られている。かかる方法
によって得られる酸化亜鉛の粒径は、細かいものでも0.
2μm、平均的には0.5〜0.8μmである。
これらの酸化亜鉛は、その粘稠性、凝集性のため、機械
的粉砕ではこれ以上微粒化することは困難である。しか
しながら、前述の古くから用いられている用途はもちろ
んのこと、近年開拓されたバリスター等の用途において
は従来に増し高純度化とともに超微粒化が要求されはじ
めている。
そこで、超微粒酸化亜鉛の製法として大別すると、一端
微細な亜鉛化合物を生成した後、これを加熱分解する熱
分解法と、亜鉛蒸気を直接酸化燃焼させる気相反応法と
が知られている。
熱分解法の第1の例は、例えば塩化亜鉛、硫酸亜鉛、硝
酸亜鉛等の亜鉛イオン溶液中に、蓚酸、蓚酸アルカリま
たは蓚酸アンモニウム溶液を添加し、蓚酸亜鉛の微細結
晶を生ぜしめ、濾別、乾燥後、加熱分解して酸化亜鉛と
なす方法(特願昭56−90782号参照)で、得られる酸化
亜鉛の粒径は約0.03μmとされている。
熱分解法の第2の例は、亜鉛塩溶液に水酸化アルカリ又
は炭酸アルカリを添加し、それぞれ得られる水酸化亜鉛
又は塩基性炭酸亜鉛を濾別、乾燥後、加熱分解する方法
で、水酸化亜鉛の加熱分解により得られる酸化亜鉛の粒
径は0.1μmまでであり、塩基性炭酸亜鉛の加熱分解に
よる場合は0.07〜0.1μmが可能とされている。
熱分解法の第3の例は、密閉容器内において、酸化亜鉛
の水スラリーとCO2ガスとを反応させて塩基性炭酸亜鉛
を生成し、この塩基性炭酸亜鉛を熱分解して酸化亜鉛と
なす方法(特願昭59−111720号参照)で得られる酸化亜
鉛は比表面積が15m2/gでありこれから換算すると平均粒
径は0.07μmである。
又、気相反応法の例としては、酸素を含有する雰囲気中
に金属亜鉛蒸気を噴出して亜鉛を酸化燃焼せしめた後、
直ちに生成した酸化亜鉛を急冷することによって針状亜
鉛を製造し、この針状亜鉛をベースに所望特性(粒径、
粒度分布、嵩密度、吸着特性等)の団塊状酸化亜鉛を得
る方法(特願昭55−23516号参照)が挙げられる。
[発明が解決しようとする問題点] 前述の熱分解法の第1および第2の例においては例えば
亜鉛塩の濃度と添加する炭酸アルカリの濃度を稀薄化す
ることによって、生成する塩基性炭酸亜鉛粒子の肥大化
を抑制して0.1μm程度の微細酸化亜鉛を得ることがで
きるが、反応条件の調整だけで微細化するには限界があ
り、又いずれの方法も目的とする反応生成物(塩基性炭
酸亜鉛)から反応系で残留する亜鉛塩(例えば塩化亜
鉛、硫酸亜鉛等)並びに生成系の副産物(例えば塩化ナ
トリウム、芒硝等)を洗浄、除去するための工程が避け
られないため、生成物が微細であるが故にこの洗浄は容
易には行えず、経済的なデメリットが大きい。そして、
洗浄が不十分な場合には当然酸化亜鉛中にNa、S等が不
純物として混入し、高純度の要求には応えられないとい
う問題がある。
熱分解法の第3の例は不純物を含まない塩基製炭酸亜鉛
の製法を開示しており、それを熱分解した酸化亜鉛も不
純物を含まないものとすることは可能であるが、製造に
密閉容器を用いなければならない問題がある。
気相法の例では、本質的には針状酸化亜鉛の製造を目的
としており、超微粒の酸化亜鉛の製造の開示はない。
[問題点を解決するための手段] 本発明は、従来の上記問題点を解決し、高純度でしかも
超微細化された酸化亜鉛を製造することを目的とするも
ので、その要旨は、酸化亜鉛を含む水スラリーにCO2
スを反応させて炭酸亜鉛を生成し、次いで該炭酸亜鉛を
微細化した後、加熱分解することを特徴とする酸化亜鉛
の製造方法である。
すなわち、本出願人は、さきに特に電気亜鉛メッキ用の
亜鉛供給源として有用な塩基性炭酸亜鉛の製造法として
特願昭59−57248号(特開昭60−200826号公報参照)に
よって、不純物除去の工程を全く必要とせず、純粋に高
純度の製品を得る方法を開発したが、本発明ではこの方
法で得た塩基性炭酸亜鉛を加熱分解することにより、得
られる酸化亜鉛は塩基性炭酸亜鉛の高純度がそのまま得
られる。そして、上記先行発明において得られる塩基性
炭酸亜鉛の粒径は概ね1〜10μm程度にまで結晶成長並
びに二次凝集することから、これを直接加熱分解して
も、得られる酸化亜鉛を所望粒度にまで微細化すること
は困難であると判断されたことから、本発明では炭酸亜
鉛を機械的粉砕の導入によって微粉砕し、ついでこれを
加熱することにより平均粒径0.05μm以下の超微粒化を
達成することができた。
加熱分解の温度は、塩基性炭酸亜鉛の分解温度である21
8℃以上を採ることとなるが、分解時間の短縮や、生成
酸化亜鉛に要求される種々の物性例えば粒子径、嵩比
重、発色、格子欠陥等を考慮して、250〜1000℃の範囲
で適宜選択される。特に好ましい範囲は分解時間の短縮
と高温加熱の場合におこる酸化亜鉛粒子の焼結による肥
大化防止などの見地から500〜700℃である。
加熱時の雰囲気は、大気あるいは酸化富化雰囲気のいず
れでもよいが、酸素富化雰囲気とすれば、反応工程や粉
砕工程で極微量の有機質が混入したとしても、この物質
を完全に分解するのに極めて効果的である。
なお、塩基性炭酸亜鉛の製造に用いられる酸化亜鉛は、
高純度亜鉛地金を原料として所謂フランス法により製造
された酸化亜鉛、あるいは高純度亜鉛(最純亜鉛)製造
を目的とした精留塔の塔頂において酸化燃焼して得た酸
化亜鉛を用いるとよい。
また、酸化亜鉛を含む水スラリー濃度は、100〜800g/
l、好ましくは150〜380g/lの範囲が良い。スラリー濃度
が100g/l未満だと製造効率が低下し、800g/lを超えると
均一な生成物が得られない。
水スラリーとCO2ガスとの反応は、スラリー中に浸漬し
た散気管等の装置によりCO2ガスを吹き込むことにより
行う。この場合の炭酸ガス源は、高純度の圧縮炭酸ガ
ス、清浄な燃焼排ガス等が使用される。反応時間を早く
するために、又、スラリーの流動性を良くするためにス
ラリー調製前の水はCO2飽和状態としておくことが好ま
しい。
反応温度は10〜70℃の範囲で設定される。10℃より低い
と反応速度は遅く、しかもスラリーが強粘性化し、又、
70℃を超す場合には熱補償の点やCO2溶解量の点からコ
スト上のデメリットが多い。より好ましい範囲は30〜40
℃である。CO2ガスの吹込み量は亜鉛kg当り(乾量基
準)0.5〜5l/分で、反応時間は60〜180分の範囲が適当
である。
[実施例] つぎに実施例並びに比較例について述べる。
実施例1 フランス法によって得た高純度酸化亜鉛を用いて150g/l
のZnO粒水スラリーを反応容器に入れ、散気管により容
器中央下方部からCO2ガスを1/分の流量で吹込ん
だ。2時間反応せしめて高純度塩基性炭酸亜鉛を得た。
得られた塩基性炭酸亜鉛を機械的粉砕によって容易に粉
砕できる程度まで粉砕した後、300℃、500℃、700℃900
℃の温度で加熱・分解した。加熱雰囲気は大気とした。
結果を表にまとめて示す。また、第1図は500℃で30分
間加熱分解した粒子構造を示す顕微鏡写真、第2図は90
0℃で30分間加熱分解した粒子構造を示す顕微鏡写真を
示す。
比較例1 市販の微粉末塩基性炭酸亜鉛(0.3μm以下)を、500℃
で加熱分解した。得られた酸化亜鉛の粒径は0.1〜0.03
μmであり、微粒化は十分満足されているが、不純元素
であるNaが1200ppm、Sが800ppm残存していた。又、酸
化亜鉛の色は、実施例1の500℃以上加熱したものより
も黄色が強いものであった。
比較例2 特願昭58−229188号における炭酸亜鉛を微粉砕せずに70
0℃で30分加熱分解した。得られた酸化亜鉛は0.1μm以
下の粒子は少量あるものの0.1〜1μm径がほとんどで
あった。
比較例3 実施例1における炭酸亜鉛を粗粉砕し、500℃で加熱分
解した。得られた酸化亜鉛の粒径は0.3〜0.02μmとい
うように均一性に欠けるものであった。又、酸化亜鉛の
色は実施例1と同程度であった。
[発明の効果] 本発明によれば高純度でしかも図面に示す如く、0.02〜
0.1μm程度、特に0.05μm以下の平均粒径をもつ超微
細酸化亜鉛を安定して得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図は本発明の実施例における粒子構造を示
す顕微鏡写真である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化亜鉛を含む水スラリーにCO2ガスを反
    応させて塩基性炭酸亜鉛(以下炭酸亜鉛と略記)を生成
    し、次で該炭酸亜鉛を微細化した後、加熱分解すること
    を特徴とする酸化亜鉛の製造方法。
  2. 【請求項2】加熱温度が250〜1000℃である特許請求の
    範囲第(1)項記載の酸化亜鉛の製造方法。
JP12253787A 1987-05-21 1987-05-21 酸化亜鉛の製造方法 Expired - Lifetime JPH075308B2 (ja)

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