JPH075291B2 - ジルコニア均一分散ムライト質微粉末の製造方法 - Google Patents

ジルコニア均一分散ムライト質微粉末の製造方法

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JPH075291B2
JPH075291B2 JP61040474A JP4047486A JPH075291B2 JP H075291 B2 JPH075291 B2 JP H075291B2 JP 61040474 A JP61040474 A JP 61040474A JP 4047486 A JP4047486 A JP 4047486A JP H075291 B2 JPH075291 B2 JP H075291B2
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善治郎 中井
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秩父セメント株式会社
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、微細で焼結性に優れ、しかも高強度高靱性の
複合セラミックスが得られるジルコニア均一分散ムライ
ト質微粉末の製造方法に関する。
〔従来の技術とその問題点〕
ムライトは3Al2O3・2SiO2(Al2O3/SiO2のモル比=1.
5)の化学組成で示されるケイ酸アルミニウムを指称す
るものであるが、ジェイ・エイ・パスク(J・A・Pas
k)の研究論文(「Ceramic International」、9(4).
107〜113.(1983))によると、Al2O3/SiO2のモル比が
1.50ないし2.87の範囲でアルミナ(Al2O3)と固溶体を
形成する。
このムライトは、従来より化学工業磁器や耐火物等に含
まれる結晶相として知られていたが、近年ガラス相や不
純物を含まない高純度ムライトセラミックスは高温強
度、高温クリープ特性、低熱膨張率など熱的特性に優れ
ることから、窒化けい素、炭化けい素、ジルコニアと共
に、高温構造用セラミック候補材料として有望視されて
いる。しかし、窒化ケイ素、炭化ケイ素、ジルコニアと
比べると、ムライトは強度、破壊靱性等の機械的特性の
面で劣り、現在これらの特性の改善が急務とされてい
る。
ニールス・クラウセン(Nils Claussen)等の研究論文
(J.of.Am Ceram.Soc.63〔3−4〕228〜229.(198
0))により、ジルコニア(ZrO2)の添加がムライトの
焼結性や機械的特性を向上させることが可能であること
が明らかになって以来、ジルコニア−ムライト系複合セ
ラミックの研究が盛んに行なわれてきている。
従来、ジルコニア−ムライト系複合セラミックスは、ジ
ルコン(ZrO2・SiO2)とアルミナの混合物、あるいはム
ライトとジルコニアの混合物を粉砕、焼成して製造され
てきた。しかしジルコンとアルミナあるいはムライトと
ジルコニアの均一混合や微粉砕が難しかったり、焼成時
に多大のエネルギーを要したりといった問題がある。ま
たこれら従来の製造方法では強度や破壊靱性の向上に不
可欠な正方晶ジルコニア(t−ZrO2)の他に、単斜晶ジ
ルコニア(m−ZrO2、これは強度、破壊靱性の向上に寄
与しない。)も共存するといった問題もある。なおt−
ZrO2は粒径が0.6μm以下の場合に安定であり、さらに
マルテンサイト変態による強度および破壊靱性の改善に
有効なt−ZrO2は粒径が0.3μm以下のものであると言
われている。従来の方法で得られる粉末中に存在する有
効なt−ZrO2量は全ジルコニアの約30%である。
本発明者らは、すでにゾル−ゲル法による高純度ムライ
ト質微粉末の製造方法を提案しているが、(特開昭61−
281013)本発明はこの経済性に優れる製造方法を応用し
て、前記の諸問題を解決する微細で焼結性に優れ、しか
も高強度高靱性のジルコニア−ムライト系複合セラミッ
クスが得られるジルコニア(t−ZrO2)均一分散ムライ
ト質微粉末の製造方法を新たに提供することを目的とす
る。
〔問題点を解決するための手段〕
上記の目的を達成するため、本発明者らは鋭意研究した
結果、ベーマイトゾルと非晶質シリカ分散水溶液のAl2O
3/SiO2のモル比が1.5以上のムライト質ゾルに、ジルコ
ニアゾルをZrO2換算で30体積%以下加え、この混合ゾル
をpH値が2以下になるまで濃縮して生成したゲルを乾
燥、粉砕、加熱することによりジルコニア均一分散ムラ
イト質微粉末の製造に成功したものである。
本発明では反応性の高いベーマイトゾル(r−AlO(O
H))を用いることが特徴で、通常のジプサイト(Al2O3
・3H2O)から成るアルミナゾルを用いた場合は、ジプ
サイトが安全な構造をとるため、シリカ成分との反応性
が低く、高温度・長時間の焼成処理を行なっても未反応
のシリカ(クリストバライト)やアルミナが残存して優
れた特性のムライト質マトリックスを製造することがで
きない。
このベーマイトゾルは、ベーマイトの分散水溶液を80℃
以上に加熱しながら硝酸、塩酸等の無機酸や酢酸、ギ酸
等の有機酸を適量加え解膠することによって得られる。
またスピネル型欠陥構造をとり活性度の高いガンマ−ア
ルミナ(r−Al2O3)を前記の酸で解膠することによっ
ても反応性の高いベーマイトゾルを得ることができる。
非晶質シリカ分散水溶液についてはとくに限定しない
が、反応活性が高いコロイダルシリカ(シリカゾル)や
高純度シリカ微粒子のサスペンションが好ましい。
コロイダルシリカはシリカの超微粒子が水中に分散して
いるコロイド水溶液で、シリカ微粒子には湿式法で製造
されたホワイトカーボンや乾式法のヒュームドシリカが
ある。
ジルコニアゾルはオキシ塩化ジルコニウム,硝酸ジルコ
ニウム等のジルコニウム塩の水溶液に、ジルコニウム塩
に存在する塩素,硝酸を中和させる尿素,ヘキサメチレ
ンテトラミン等を加えることによって得られる。
本発明は、まず前記のベーマイトゾルと非晶質シリカ分
散水溶液をAl2O3/SiO2モル比がムライト組成の1.5ある
いはアルミナと固溶体を形成する1.5以上2.87以下の範
囲の比率に混合してムライト質ゾルを作る。次いでこの
ムライト質ゾルにジルコニアゾルをZrO2換算で30体積%
以下加え高速ブレンダーで混合する。ZrO2の含有量を30
体積%以下に限定しているが、好ましくは10〜20体積%
で、30体積%を超える場合は焼結体の機械的強度が低下
する。
次にジルコニア−ムライト系混合ゾルをpH値が2以下に
なるまで加熱等により濃縮してゲル化する。pH値を2以
下に限定した理由は、この範囲において生成するムライ
ト(質)ゲル組成が化学量論的に均質となる共に、ゲル
容積が極小となって取扱い易くなるためである。pH値が
2を超えるとゲル容積が増大したり、またムライト
(質)ゲル組成の制御が難しくなって焼結体特性の優れ
たジルコニア−ムライト系複合セラミックスが得られな
くなり適当でない。
このようにして生成したジルコニア−ムライト系複合ゾ
ルを100℃以上の温度で乾燥してから、ボールミルや攪
拌ミル等の粉砕装置でコンタミネーションに留意しなが
ら微粉砕する。得られたゲル微粉末は非晶質であるた
め、1250℃以上の大気雰囲気で焼成したり、また高温高
圧下で水熱処理したりして結晶化することによって、結
晶子径が25〜30nmと微細で焼結性に優れ、しかも分散相
として0.3μm以下のt−ZrO2が単相として存在するた
め、機械的特性に優れた複合セラミックスを提供するジ
ルコニア均一分散ムライト質粉末を生成する。
本発明により得られたジルコニア−ムライト質系複合微
結晶粉末の特長を列挙すると以下のとおりである。
(1)化学量論組成のムライト(質)マトリックス中
に、0.3μm以下の微細な正方晶ジルコニア(t−Zr
O2)が単相で均一に分散しているため、マルテンサイト
変態により強度、破壊靱性等の機械的特性を改善でき
る。
(2)ムライト(質)マトリックスの結晶子径が25ない
し30nmと微細であるから、焼結性にも優れ1600℃以下の
温度でも容易に理論密度の98%以上の高密度焼結体が得
られる。
なお、本発明で開示した方法を、コージエライト、チタ
ン酸アルミニウム、ゲルマニウム酸アルモニウム等をマ
トリックスとしたジルコニア均一分散セラミック微粉末
にも適用が可能であり、本発明は極めて経済性に優れた
複合セラミックス原料粉末製造方法である。
〔実施例〕
以下、実施例について述べる。
実施例−1 市販のガンマ−アルミナ(昭和軽金属社製、γ−Al2O3
“UA−5605"、Al2O399.9%)を70℃以上で水和させてか
ら硝酸を適量加えて80℃以上に加熱することにより生成
したベーマイトゾルに、コロイダルシリカ(日本シリカ
工業社製、“Nipsil B220A"SiO292.4%、Al2O30.5%)
をAl2O3/SiO2モル比がムライト組成の1.5になるように
加え、高速ブレダーで混合した。オキシ塩化ジルコニウ
ム(三和化学社製、ZrOCl299%)の水溶液にヘキサメチ
レンテトラミンを適量加えて生成したジルコニアゾルを
ZrO2量が全体の10体積%になるように調整し、これを前
記のムライト組成ゾルに混合後pH値が2以下になるまで
攪拌しながら加熱濃縮した。生成したゲルを120℃で蒸
発乾固し、これをボールミル(アルミナ内張りポットお
よび部分安定化ジルコニアボール使用)で微粉砕後1300
℃で1時間焼成して得られた粉末のX線回折図を第1図
に示す。検出されたピークはすべてムライトおよびt−
ZrO2に基因するもので、ムライトの結晶子径は30nmであ
った。この粉末を成形、焼結したところ曲げ強度および
破壊靱性に優れる焼結体が得られた。
実施例−2 実施例−1と同じ出発原料、調整方法により、Al2O3/S
iO2モル比およびZrO2量をそれぞれ1.8、30体積%の場合
について検討した。得られた粉末のX線回折図を第2図
に示す。検出されたピークはすべてムライトおよびt−
ZrO2に基因するもので、ムライトの結晶子径は25nmであ
った。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例−1で生成した粉末(ムライト:ZrO2
90%:10%)のX線回折図形、第2図は実施例−2で生
成した粉末(ムライト:ZrO2=70%:30%)のX線回折
図形である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ベーマイトゾルと非晶質シリカ分散水溶液
    のAl2O3/SiO2のモル比が1.5以上のムライト質ゾルに、
    ジルコニアゾルをZrO2換算で30体積%以下加え、この混
    合ゾルをpH値が2以下になるまで濃縮して生成したゲル
    を乾燥、粉砕、加熱することを特徴とするジルコニア均
    一分散ムライト質微粉末の製造方法。
JP61040474A 1986-02-27 1986-02-27 ジルコニア均一分散ムライト質微粉末の製造方法 Expired - Lifetime JPH075291B2 (ja)

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