JPH0752806Y2 - アンカー用カラー - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、コンクリート全般のア
ンカー用パイプを固定するさいに使用するアンカー用カ
ラーに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、この種のアンカー用カラーと
しては、本考案者が先に開示したものが知られており、
これを図７に基づいて説明する。即ち、同図中、１１は
所要の長さを有する円筒状の金属製カラー本体、１２は
該カラー本体１１の上端部内周に環状形成されたメネジ
部、１３は同下部に形成された羽根部で、該羽根部１３
の内周にはその長手方向に沿って所要条の引裂き用深溝
１４が形成せられている。

【０００３】そして、上述の如く構成されたカラーは、
羽根部１３に所要のコッターを嵌合せしめると共に、ネ
ジ部１２に所要のアンカー部材を螺合せしめ、予めコン
クリート製床に形成された穴に挿入せしめる。しかるの
ち、上方より打撃してコッターを羽根部１３内に圧入せ
しめ、羽根部１３をその深溝１４に沿って引裂きつつ外
側方へ拡開せしめ、穴の内周壁に食い込ませることによ
り固定するものである。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】従来のカラーは、上述
の如く、単に羽根部１３の内周に引裂き用深溝１４を形
成したにすぎないものであるから、羽根部１３の引裂き
が非常に面倒で、常に大きな打撃力が必要とされるのみ
ならず、場合によっては穴自体を損傷する等のおそれが
あった。

【０００５】本考案は、従来の問題点を一挙に解決し、
羽根部１３の引裂きを容易に、しかも、確実に行い、ア
ンカーの固定作業を効率よく行うことが出来るのみなら
ず、製作が容易なアンカー用カラーを提供しようとする
ものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】即ち、本考案は、筒状と
された金属製カラー本体１１の上端部内周にメネジ部１
２が形成されると共に、同下部に羽根部１３が形成さ
れ、かつ、該羽根部１３の内周にはその長手方向に沿っ
て所要条の引裂き用深溝１４が形成されてなるアンカー
用カラーにおいて、上記羽根部１３内周の引裂き用深溝
１４に対応すベく、同羽根部１３の外周にはその長手方
向に沿って所要条の切溝１５が形成せられた構成よりな
る。

【０００７】

【作用】引裂き用深溝１４に対応すベく羽根部１３の外
周に切溝１５が形成されているから、深溝１４に沿う引
裂きを容易に行って羽根部１３の拡開作動を迅速、か
つ、確実になしうることが出来る。

【０００８】

【実施例】以下に、本考案を図面に示す一実施例につい
て説明する。図１および図２は、本考案の第１実施例を
示すもので、羽根部１３の内周に形成された引裂き用深
溝１４に対応すべく、同羽根部１３の長手方向に沿って
その外周に切溝１５が定ピッチで形成された点が従来例
と相違し、他の部分は同一であり、同一符号は同一部分
を示す。

【０００９】上述の如く構成された第１実施例は、従来
例と同様に、所要のコッターおよびアンカーをセットせ
しめたのち、コンクリート製床の穴に挿入し、上方より
打撃して固定せしめる（図３参照）。このさい、深溝１
４に対応すべく羽根部１３の外周に切溝１５が形成され
ているから、コッターの圧入により羽根部１３の引裂き
が容易であり、その拡開作動を迅速、かつ、確実になし
うる。また、切溝１５の存在により、穴の内周壁に対す
る羽根部１３の食い込み面積が増大するため、固定をよ
り確実化ならしめる。

【００１０】上記実施例にかかるカラーを製作するさい
には、図４に示すごとく、ローレット加工でもって羽根
部１３の外周に切溝１５を形成せしめたのち、正四角形
状とされたパンチ１６の各角部１７を切溝１５に対応せ
しめて深溝１４を形成せしめるとよい。このさい、正四
角形状のパンチ１６に代えて、図５に示すごとく、長手
方向に沿って所要数の突条２７を備えたパンチ２６など
を使用してもよいものである。

【００１１】図６は第２実施例を示すもので、角部３７
が尖鋭状とされたパンチ３６でもって形成された深溝１
４に対応すべく、羽根部１３の長手方向に沿ってその外
周に凸状１８を形成し、該凸状１８に切溝１５を形成せ
しめた点が第１実施例と相違し、他の部分は同一であ
り、同一符号は同一部分を示す。

【００１２】

【考案の効果】この考案によれば以上の次第で、アンカ
ー用カラーを構成する羽根部１３内周の引裂き用深溝１
４に対応すベく、同羽根部１３の外周にはその長手方向
に沿って所要条の切溝１５が形成せられているから、深
溝１４に沿う羽根部１３の引裂きを極めて容易に行い、
羽根部１３の拡開作動を迅速、かつ確実に行うことが出
来るものであって、ひいては、アンカーの固定作業を効
率よく行うことが出来るものである。また、切溝１５の
存在により、穴の内周壁に対する羽根部１３の食い込み
面積が増大するため、固定をより確実化せしめることが
出来る。さらに、本考案にかかるカラーは、その構成が
簡単であり、製作を容易に行うことが出来るものであ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の第１実施例を示す斜視図である。

【図２】同垂直断面図である。

【図３】同使用状態を示す垂直断面図である。

【図４】パンチ１６による製作状態を示す水平断面図で
ある。

【図５】パンチ２６による製作状態を示す水平断面図で
ある。

【図６】パンチ３６による第２実施例の製作状態を示す
水平断面図である。

【図７】従来例を示す垂直断面図である。

【符号の説明】

１３ 羽根部 １４ 深溝 １５ 切溝

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 筒状とされた金属製カラー本体１１の上
   端部内周にメネジ部１２が形成されると共に、同下部に
   羽根部１３が形成され、かつ、該羽根部１３の内周には
   その長手方向に沿って所要条の引裂き用深溝１４が形成
   されてなるアンカー用カラーにおいて、上記羽根部１３
   内周の引裂き用深溝１４に対応すべく、同羽根部１３の
   外周にはその長手方向に沿って所要条の切溝１５が形成
   せられてなることを特徴とするアンカー用カラー。