JPH0752658Y2 - ステンレス製鍋 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案はしゃぶしゃぶ鍋料理に使
用する卓上用の鍋に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】しゃぶしゃぶ鍋料理は、卓上に設置した
熱源（ガス燃焼器）で鍋（料理：しゃぶしゃぶ用湯）の
加熱を行いながら調理するもので、このため特にガスの
炎が鍋の周囲部分に立ち上がらないようにするため、使
用する鍋は一般に容器部の中央に底部より貫通する煙突
部を設けているものである（実開昭５９−１９０２５
号）。

【０００３】前記の鍋においては、その熱効率を考え
て、煙突部が筒抜けではなく炎ガイド部を付設してい
る。具体的には、鍋が熱伝導の良い銅製のものは煙突部
内に邪魔板を設けて、炎が煙突部の側面に添って流れる
ようにしている。しかし熱伝導の悪いステンレス製鍋の
場合は、単に邪魔板を設けたのみでは不十分であるの
で、図４に示すように、頂部の邪魔板１１ａと側面の矩
形波型に折り曲げてなるガイド板１２ａとからなる炎ガ
イド部１ａを、図５に示すように煙突部３ａの底部に嵌
装してなる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】前記のステンレス製鍋
に在っては、図５に示す通りガス炎Ａは一部がガイド部
１２ａに添って上昇し、一部が邪魔板１１ａに衝突して
横流し邪魔板１１ａの周辺より上昇する。此の間ガス炎
の熱によってガイド板１２ａが熱せられその熱が容器部
２ａに伝達され、容器部２ａ内の調理用液Ｂを加熱する
ものである。

【０００５】然しステンレスは熱伝導が良好ではないの
で、ガイド板１２ａの熱を容器部２ａに伝導によって伝
えることは必ずしも良好な手段とはいえない。勿論一部
の炎が直接煙突部３ａの側面即ち容器部２ａの表面に接
触して加熱は行うが、現状では湯の沸きが遅いと言う問
題点を有している。

【０００６】前記問題点を鑑み本考案者は先に煙突部の
側面に直接炎が衝突するようにした炎ガイド部を備える
ステンレス製鍋を提案（実願平３−６４６９５号）した
が、煙突部内側面への炎の吹き出しを良好にするため炎
口を大きくすると、炎口側部のカイド板本体が細くな
り、熱によって容易に折曲してしまことになる。そこで
本考案はガイド部分の更なる改良を提案したものであ
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本考案に係るステンレス
製鍋は、容器部の中央に底部より貫通する煙突部を設け
た鍋に於いて、頂部円板と側面板とで円錐台状とし、側
面板に縦長の炎口を多数穿設すると共に、炎口間の側面
板内方に補強用棒状縦杆を添設した炎カイド部を形成
し、前記炎ガイド部を前記煙突部の底部に嵌装してなる
ことを特徴とするものである。

【０００８】

【作用】煙突部の底部より煙突部内に侵入したガス炎は
炎ガイド部で充満状態となり、炎ガイド部の炎口より噴
出し、煙突部の内側面即ち容器部の外面に直接吹き付け
られ、同面に衝突した後煙突部内を上昇する。また炎口
側部は棒状縦杆で補強されているので、熱に負けて折曲
するようなことはない。

【０００９】

【実施例】次に本考案の実施例について説明する。実施
例に示した鍋は、ステンレス製で炎ガイド部１、容器部
２及び、煙突部３からなり、容器部２の中央に底部より
貫通する煙突部３を形成し、煙突部３は煙突作用をなす
上部煙突部３１と、膨出形状の室とした下部煙突部３２
からなものである。

【００１０】炎ガイド部１は、図４に示したもので、金
属板を以て頂部円板（邪魔板）１１と側面板１２とを備
えた円錐台状に形成し、側面板１２に縦長の炎口１３を
多数穿設し、且つ炎口１３間の側面板内方に補強用棒状
縦杆１４を溶着その他手段で添設したもので、前記下部
煙突部３２内に差し入れ、煙突部３の下部開口部に側面
板１２の下端縁を熔着して下部煙突部３２に嵌装するも
のである。尚図中４は中央に煙突用孔部を備えた蓋体で
ある。

【００１１】而して容器部２に調理用液Ｂを注ぎ、卓上
のガス加熱器にかけると、図３に示すようにガス炎（熱
気）Ａは煙突部３の下部開口部より煙突部３内に侵入
し、頂部の邪魔板１１に衝突して炎ガイド部１内で充満
状態となり、側面の各炎口１４より噴出し、下部煙突部
３２の内側面即ち容器部２の外面に直接吹き付けられ、
同面に衝突した後上部煙突部３１内を上昇し、外部に放
出される。

【００１２】従ってガス炎（熱気）Ａが直接容器部２を
加熱することになり、炎ガイド部の側面板（ガイド板）
の熱伝導を利用する従来のステンレス製鍋に比して熱効
率が格段に良好となり、調理用液Ｂの沸きが早くなる。

【００１３】

【考案の効果】以上のように本考案は容器部の中央に底
部より貫通する煙突部を設けたステンレス製鍋におい
て、煙突部の底部に嵌装する炎ガイド部を、頂部に邪魔
板を横設し且つ側面部分に複数の縦長の炎口を有すると
共に、隣接炎口間に補強用縦杆を添設したもので、煙突
部の底部（下部開口部）に入ったガス炎（熱気）を直接
容器部の外面に吹き付けるように導いて、その熱効率を
良好ならしめると共に、炎ガイド部の側面部分の熱耐力
を増強させたものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例の各部の斜視図。

【図２】同断面図。

【図３】同作用を示す断面図。

【図４】同炎ガイド部の全体を示すもので、（イ）は正
面斜視図、（ロ）は断面図。

【図５】従来品の炎ガイド部を示すもので、（イ）は斜
視図（ロ）は平面図である。

【図６】従来品の作用を示す断面図。

【符号の説明】

１ 炎ガイド部 １１ 邪魔板（頂部円板） １２ 側面板 １３ 炎口 １４ 棒状縦杆 ２ 容器部 ３ 煙突部 ３１ 上部煙突部 ３２ 下部煙突部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 容器部の中央に底部より貫通する煙突部
   を設けてなるステンレス製鍋に於いて、頂部円板と側面
   板とで円錐台状とし、側面板に縦長の炎口を多数穿設す
   ると共に、炎口間の側面板内方に補強用棒状縦杆を添設
   した炎カイド部を形成し、前記炎ガイド部を前記煙突部
   の底部に嵌装してなることを特徴とするステンレス製
   鍋。