JPH075264A - 表面汚染検査装置、該検査装置のスミヤパッド及び該スミヤパッドのスミヤろ紙自動交換装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】スミヤ（拭き取り）方式の放射能による表面汚
染検査装置においてろ紙が装着されていないスミヤパッ
ドによるスミヤ工程への移行を防止する。 【構成】スミヤろ紙自動交換装置２のスミヤパッド挿入
口近傍で、挿入口から引き出されたスミヤパッド１のパ
ッドヘッド部位を見込む位置に反射式光電センサ３を設
けるか、あるいは、スミヤパッド１のパッド胴13のろ紙
を見込む部位に反射式光電センサ３を埋め込んでおき、
ろ紙４の交換工程が終了したとき、前記反射式光電セン
サの出力を正規にろ紙が装着された場合の出力値と比較
することによってろ紙４の有無を判定する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、原子力発電所等の放
射性物質取扱施設において、発生する放射性廃棄物を収
納した容器、例えばドラム缶の表面汚染検査を、スミヤ
（拭き取り）方式により行う表面汚染検査装置、この検
査装置に使用されるスミヤパッド及びこのスミヤパッド
に装着されるスミヤろ紙を自動的に交換するスミヤろ紙
自動交換装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】スミヤ方式の表面汚染検査装置では、図
５に例示のような、表面に拭き取り用のろ紙を装着した
スミヤパッドで検査対象物の表面の所定の面積を拭き取
り、ろ紙に移行した放射能を放射線測定器で測定し、汚
染の程度を評価している。測定の都度スミヤパッド上の
ろ紙の交換が必要となるが、このろ紙の交換を人手を介
さずに自動的に行うスミヤろ紙自動交換装置の一例が、
特開平2-251783号公報に開示されている。図６は、図５
のスミヤパッドに装着されたろ紙が交換される過程を説
明する図であり、以下この図によって従来のスミヤろ紙
自動交換装置の動作を概説する。

【０００３】図６のａは、交換対象のろ紙が装着されて
いるスミヤパッド１が、スミヤろ紙自動交換装置２に挿
入される直前の状態を示している。スミヤパッド１が図
示されていない駆動装置によりスミヤろ紙自動交換装置
２に挿入されると、装置内の図示されていない２枚のゴ
ムバンド抑え板が、スミヤパッド１において、ろ紙４を
パッド胴に圧着しているＣ字形断面をもつゴムバンド11
の溝部分に挿入されるように前進してゴムバンドを把持
する。

【０００４】前記の状態でスミヤパッド１が駆動装置に
より後退すると、ゴムバンド抑え板に把持されたゴムバ
ンド11とろ紙４は、スミヤろ紙自動交換装置２内に残
り、図６のｂに示された状態となる。スミヤろ紙自動交
換装置２内に残されたろ紙４は、図示されていないろ紙
除去金具によってゴムバンド11からはずされて排出さ
れ、つぎに、ローラ21，22，23及びろ紙送りローラ24と
25の作用によって、ろ紙ホルダ27に保持されているろ紙
４が、スミヤパッドを覆うに必要な所定の長さ分送られ
て停止し、ろ紙切断機構26で切断されて図６のｃの状態
となる。

【０００５】この後、スミヤパッド１が前記の駆動装置
によりスミヤろ紙自動交換装置２に挿入されるが、この
ときろ紙４は、スミヤパッド１と共にスミヤろ紙自動交
換装置２の内部に押し込まれ、更にゴムバンド抑え板が
把持するゴムバンド11の開口部に挿入されて停止する。
スミヤパッド１によるろ紙４のゴムバンド11の開口部へ
の押し込み挿入工程が終了すると、ゴムバンド抑え板は
後退してゴムバンドの把持を開放してスミヤパッド１へ
のろ紙４の装着工程を終了し、前記の駆動装置が後退し
てスミヤパッド１がスミヤろ紙自動交換装置２から取り
出される。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】従来のスミヤろ紙自動
交換装置では、ろ紙の装着工程にろ紙の装着状況を確認
する工程が含まれていないため、装置において、なんら
かの原因でろ紙の交換装着が不首尾に終わった場合で
も、ろ紙が装着されていないスミヤパッドを用いて次の
スミヤ工程を開始してしまっていた。

【０００７】ろ紙が装着されていないスミヤパッドで
は、評価に必要な適正なスミヤが実施されないばかりで
なく、スミヤパッド本体が汚染したり破損して再度の使
用を不可能にしてしまうこととなっていた。本発明は、
スミヤ方式の表面汚染検査装置の従来のスミヤろ紙自動
交換装置における上述の不具合解決のため、スミヤパッ
ドにろ紙が確実に装着されていることを確認しうる手段
を備えた表面汚染検査装置、この検査装置のスミヤパッ
ド及びこのスミヤパッドのスミヤろ紙自動交換装置を提
供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明では、スミヤパッドを有するスミヤ方式の
表面汚染検査装置に、反射式光電センサと、この反射式
光電センサの出力によって前記スミヤパッド上のろ紙の
有無の判定を実行する手段とを設ける。あるいは、この
反射式光電センサは、スミヤ方式の表面汚染検査装置に
使用されるスミヤパッドのパッド胴のろ紙を見込む部位
に埋め込んで設ける。あるいは、該検査装置に使用され
るスミヤパッドのろ紙自動交換装置のスミヤパッドの挿
入口近傍で、挿入口から引き出された前記スミヤパッド
のパッドヘッド部位のろ紙装着部分を見込む位置に設け
るものとする。

【０００９】

【作用】ろ紙自動交換装置のスミヤパッドの挿入口近傍
またはスミヤパッド本体に設けられた反射式光電センサ
は、スミヤパッドに白色で高い反射率のろ紙が装着され
たとき、ろ紙が装着されていない場合とは異なるレベル
の出力信号を発信するので、自動表面汚染検査装置に設
けられた前記の反射式光電センサの出力レベルの判定手
段によって、スミヤパッド上のろ紙の有無を確認するこ
とができる。

【００１０】

【実施例】図１は本発明によるろ紙自動交換装置の一実
施例の構成を示す図である。図１において反射式光電セ
ンサ３およびその取付金具６以外の構成は、従来技術の
項で説明した従来技術によるるろ紙自動交換装置の構成
と同等であり、同等の構成要素には図６におけると同一
の番号を付して、その説明は省略する。

【００１１】反射式光電センサ３は、その構成を図２に
示すが如く、狭い場所への配置取付けを容易にするよ
う、発光素子31が射出する光を光ファイバ33によって計
測端35に案内し、観測対象からの反射光を同じく光ファ
イバ34によって受光素子32へ導き、受光素子から反射光
の強度に対応した信号を発信するものである。そうし
て、この反射式光電センサ３は、スミヤパッド１がろ紙
自動交換装置２から引き抜かれた位置でスミヤパッドの
パッドヘッド部位を観測するに適切な位置に、取り付け
金具6 によってろ紙自動交換装置２の本体部に固定され
ている。

【００１２】図５のスミヤパッド構造図に示されている
如く、スミヤパッドのパッドヘッド12は、着色されたス
ポンジゴム等の柔軟な素材によって構成されており、そ
の光の反射率はパッドヘッド12の上に装着されるろ紙４
における光の反射率と大きく異なっている。このため、
スミヤパッド１が反射式光電センサ３のパッドヘッド部
位の観測位置にあるとき、スミヤパッド１にろ紙４が装
着されていない場合、反射式光電センサ３は、ろ紙が装
着されてる場合と異なるレベルの信号を出力することと
なる。

【００１３】前記のように、ろ紙の有無を観測する反射
式光電センサをスミヤパッドの外部に配置する代わり
に、図３に示す他の実施例の如く、スミヤパッドの内部
で装着されたろ紙を見込む部位たとえばパッド胴にに配
置してもよい。この場合にもスミヤパッドにろ紙が装着
されていない場合、反射式光電センサ３は、ろ紙が装着
されてる場合と異なるレベルの信号を出力する。

【００１４】一方、図４は上記の反射式光電センサを備
えた図１に例示のスミヤろ紙自動交換装置、または図３
に例示のスミヤパッドを使用する表面汚染検査装置にお
いて、その動作を制御する動作制御部の一実施例の構成
を示す図である。図４において、動作制御部５の内部に
に設けられるレベル判定回路51は、例えば高利得の差動
入力演算増幅器によって構成することができる。この場
合、差動入力演算増幅器の一方の入力端子には、スミヤ
パッド１にろ紙４が装着されているときに反射式光電セ
ンサ３が出力する信号の最小値に相当する値の電圧を基
準値として印加し、もう一方の入力端子には反射式光電
センサ３からの出力信号が印加されるようにしておく。

【００１５】反射式光電センサ３の出力は、ろ紙が装着
されているときには前記基準の電圧を超え、ろ紙が装着
されていないときにはこれを超えないので、それぞれの
状態に応じて前記差動入力演算増幅器の出力レベルは反
転する。従って、前記差動入力演算増幅器の出力レベル
によってスミヤパッド１へのろ紙４の装着有無が判定さ
れる。

【００１６】また、図４の52は、前記レベル判定回路51
がスミヤパッド１へのろ紙４の装着無しの信号を出力す
るとき、この信号を入力とし、音声や光等によってスミ
ヤパッド１へろ紙が装着されていないことを報知する表
示警報器である。コントローラ54は検査装置の動作工程
を制御するものであるが、制御対象には、前記のレベル
判定回路51と反射式光電センサ３の発光素子電源回路5
3、および警報表示器52の動作が検査装置の動作順序に
適合するように制御することが含まれており、スミヤパ
ッド１へのろ紙４の装着失敗が判定回路51によって検出
されたとき、人手による原因除去作業要請のための警報
を警報表示器52に表示させるとともに以後の検査装置の
動作を停止し、不具合動作の拡大伝播を防止する。

【００１７】

【発明の効果】この発明によるスミヤパッドと、このス
ミヤパッドのスミヤろ紙自動交換装置とを用いた表面汚
染検査装置では、スミヤパッドのろ紙交換の工程におい
て、ろ紙がスミヤパッドに装着されたことを確認した後
に次のスミヤ工程に移行し、ろ紙が装着されていない場
合には測定対象の汚染物のスミヤ動作を実行を中止する
ようにすることができるので、ろ紙が装着されていない
スミヤパッドによる適正でない測定、および放射能汚染
によってスミヤパッド本体の再使用が不可能となる局面
の発生を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】発明に係るろ紙自動交換装置実施例の構成図

【図２】反射式光センサの構成を説明する図

【図３】発明に係るスミヤパッド実施例の構成図

【図４】ろ紙の有無判別手段の構成図

【図５】スミヤパッドの構造を説明する側面と断面の複
合図

【図６】従来例のろ紙自動交換装置の動作を説明する図

【符号の説明】

１ スミヤパッド 11 ゴムバンド 12 パッドヘッド 13 パッド胴 ２ ろ紙自動交換装置 21，22，23 ローラ 24，25 ろ紙送りローラ 26 ろ紙切断機構 27 ろ紙ホルダ ３ 反射式光電センサ 31 発光素子 32 受光素子 33 34 光ファイバ 35 観測端 ４ ろ紙 ５ 検査装置動作制御部 51 レベル判定回路 52 警報表示器 53 発光素子電源回路 54 コントローラ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】スミヤパッドを有するスミヤ方式の表面汚
   染検査装置であって、 反射式光電センサと、この反射式光電センサの出力によ
   って前記スミヤパッド上のろ紙の有無の判定を実行する
   手段と、 を備えたことを特徴とする表面汚染検査装置。
2. 【請求項２】スミヤ方式の表面汚染検査装置に使用され
   るスミヤパッドであって、 スミヤパッドのパッド胴のろ紙を見込む部位に、反射式
   光電センサを埋め込んだことを特徴とする表面汚染検査
   装置のスミヤパッド。
3. 【請求項３】スミヤ方式の表面汚染検査装置に使用され
   るスミヤパッドのろ紙自動交換装置であって、 前記スミヤパッドの挿入口近傍で、挿入口から引き出さ
   れた前記スミヤパッドのパッドヘッド部位のろ紙装着部
   分を見込む位置に、反射式光電センサを備えたことを特
   徴とするスミヤパッドのスミヤろ紙自動交換装置。