JP2004202537A - レーザ加工ヘッドの保護方法及び装置 - Google Patents

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彰 菅原
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Abstract

【課題】低コスト化、装置の小型化及び省スペース化を実現しながら、同時に、保護部材の破損の確実な検知が可能で、加工品質の向上を図ることができるレーザ加工ヘッドの保護方法及び保護装置を提供する。
【解決手段】加工レンズ102から出射されたレーザ光LBを、保護部材114を介して加工点S2に照射するようにしたレーザ加工ヘッド100の保護方法において、前記加工レンズ102と保護部材114の間の空間206を加圧し、該空間206の圧力が低下した時に、前記保護部材114の破損を検知するようにした。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加工レンズから出射されたレーザ光を、保護部材を介して加工点に照射するようにしたレーザ加工ヘッドの保護方法及び保護装置に係り、特に、低コスト化、装置の小型化及び省スペース化を実現しながら、同時に、保護部材の破損の確実な検知が可能で、加工品質の向上を図ることができるレーザ加工ヘッドの保護方法及び保護装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、加工レンズから出射されたレーザ光を、ガラス等の保護部材を介して加工点に照射するようにしたレーザ加工ヘッドが広く知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
図4は、従来公知のレーザ加工ヘッドの一例を示したものである。
【0004】
このレーザ加工ヘッド10では、レーザ光LBが加工レンズ12によって加工点S1に照射され、被加工面W1の切断、穿孔、溶接等のレーザ加工が行われるが、このレーザ加工の際に、被加工面W1からスパッタやヒューム等の粉塵が飛散するため、加工レンズ12の被加工面W1側(図4中下側)には保護ガラス14が配置されており、加工レンズ12への汚れの付着が防止されている。
【0005】
このような保護ガラス14は洗浄によって再使用が可能であるが、保護ガラス14の素材には安価な平板のガラスが用いられるのが一般的で、レーザ加工の際にスパッタ等によって破損してしまう場合があった。その結果、図5に示すように、レーザ光LBが、破損した保護ガラス14を通過する際に乱反射し、加工点S1位置にずれが生じ、加工品質が悪化してしまったり、保護ガラス14がレーザ光LBを吸収し、その一部が溶けてしまうといった問題があった。
【0006】
このような問題を解決する一手段として、保護ガラス14の周辺にマイクを設置し、保護ガラス14の破損を音によって検知する方法や、保護ガラス14のサイドにモニタを設置すると共に屈折率の変化等を監視し、保護ガラス14の破損を光学的に検知する方法等が提案されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−216589号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のレーザ加工ヘッド10の保護方法では、保護部材である保護ガラス14の破損を検知するために、レーザ加工ヘッド10本体とは別にマイクやモニタ等を用意し、設置する必要があり、コスト高になってしまうといった問題があった。
【0009】
又、マイクやモニタ等の取付けスペースが必要で、装置全体が大型化しやすく、省スペース化が困難になってしまう上に、レーザ加工ヘッド10周辺に取付けスペースがない場合には取り付けることができないといった問題があった。
【0010】
本発明は、このような問題を解消するためになされたものであって、低コスト化、装置の小型化及び省スペース化を実現しながら、同時に、保護部材の破損の確実な検知が可能で、加工品質の向上を図ることができるレーザ加工ヘッドの保護方法及び保護装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、加工レンズから出射されたレーザ光を、保護部材を介して加工点に照射するようにしたレーザ加工ヘッドの保護方法において、前記加工レンズと保護部材の間の空間を加圧し、該空間の圧力が低下した時に、前記保護部材の破損を検知することにより、上記課題を解決したものである。
【0012】
本発明によれば、従来のレーザ加工ヘッドの保護方法のように、マイクやモニタ等を用意し、設置する必要がないため、低コスト化、装置の小型化及び省スペース化が実現可能である。又、保護部材の破損を比較的単純な構造で、且つ確実に検知可能で、保護部材の破損による不良品の発生を未然に防止し、加工品質の向上を図ることができる。
【0013】
本発明は、又、加工レンズから出射されたレーザ光を、保護部材を介して加工点に照射するようにしたレーザ加工ヘッドの保護装置において、前記加工レンズと保護部材の間に設けられた空間と、該空間を加圧する手段と、該空間の圧力を検知する手段と、該空間の圧力が低下した時に、前記保護部材の破損を検知する手段と、を備えることにより、同じく前記課題を解決したものである。
【0014】
なお、前記空間を該空間外の圧力よりも高く加圧すれば、保護部材が破損した場合でも、保護部材の破片等が空間内側ではなく、空間外側へ飛散することになり、加工レンズが保護部材の破片等によって破損するのを防止することが可能となる。
【0015】
又、このような保護装置を備えたレーザ加工ヘッドとしてもよく、又、該レーザ加工ヘッドを備えたレーザ加工機としても同様の効果を得ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1は、本発明の実施形態に係るレーザ加工ヘッドの保護装置を適用したレーザ加工ヘッド100の側断面図を示したものである。
【0018】
このレーザ加工ヘッド100は、主に、光ファイバ108が接続された出射ユニット104と、加工レンズ102や保護ガラス114等を収容したホルダ106とで構成されている。又、該レーザ加工ヘッド100には、保護ガラス114の破損を検知する保護装置200(後述)が設置されている。
【0019】
前記ホルダ106内には、加工レンズ102と、保護ガラス114が保持されている。該加工レンズ102は、光ファイバ108から導入されるレーザ光LBを集光し、被加工面W2上の加工点S2に照射可能である。又、該加工レンズ102の被加工面W2側(図1中下側)には、保護ガラスホルダ112に収容された保護ガラス114が配置されており、この保護ガラス114によって、スパッタやヒューム等の粉塵から加工レンズ102が保護されている。なお、該保護ガラス114は、保護ガラスホルダ112に収容された構造となっているため、保護ガラス114の清掃時や破損時には保護ガラスホルダ112ごと取り外し可能で、その交換が容易である。
【0020】
このレーザ加工ヘッド100では、光ファイバ108から導入されたレーザ光LBが、加工レンズ102によって集光された後、保護ガラス114を介して加工点S2に照射され、被加工面W2の切断、穿孔、溶接等のレーザ加工が行われる。
【0021】
次に、図2を用いて前記保護装置200について詳細に説明する。なお、図2の(A)は図1における保護装置200付近の部分拡大図、(B)は該保護装置200の構成を模式的に示した図である。
【0022】
前記レーザ加工ヘッド100の保護装置200は、加工レンズ102と保護ガラス114の間に設けられた空間206と、圧力源CPと、圧力センサ208と、制御装置PCとで構成されている。
【0023】
該空間206は、保護ガラス114、ホルダ106、複数のOリング118a〜118d等によって気密性が確保されており、該空間206内は、圧力源CPによって一定圧力に加圧されている。
【0024】
該圧力源(加圧手段)CPは、前記ホルダ106に設けられた継ぎ手202を介して、空間206と連通されており、該空間206内へ加える圧力を調整可能である。なお、該圧力源CPと空間206との間には、空間206内の圧力を測定可能な圧力計207が設置されている。
【0025】
前記圧力センサ(圧力検知手段)208は、前記ホルダ106に設けられた継ぎ手204を介して、前記空間206と連通されており、該空間206内の圧力を検知可能である。又、該圧力センサ208は、空間206内の圧力が一定の閾値を下回った場合、即ち、保護ガラス114が破損して空間206内の圧力が一定圧力未満に低下した場合に、制御装置PCに対して電気信号が出力可能となっている。
【0026】
前記制御装置(破壊検知手段)PCは、前記圧力センサ208と接続されており、圧力センサ208からの電気信号を入力可能で、該電気信号によって保護ガラス114の破損を検知可能である。
【0027】
次に、図3を併せて参照しながら、本発明の実施形態に係るレーザ加工ヘッドの保護装置200の作用について説明する。なお、図3は保護ガラス114の破損時における保護装置200の圧力(縦軸)と時間(横軸)の関係を模式的に示したグラフである。
【0028】
まず最初に、圧力源CPによって、空間206内へ加える圧力P1を一定圧力Paに設定する(P1=Pa)。この時、圧力センサ208で測定される空間206内の圧力P2は、圧力源CPによって加える圧力P1から配管圧力損失分ΔPを差し引いた圧力Pb(P2=Pb=P1−ΔP)となる。なお、この空間206内の圧力P2は、該空間206外の圧力(この例では、大気圧)よりも高く設定されているため、保護ガラス114が破損した場合でも、保護ガラス114の破片等が加工レンズ102側(空間206内側)ではなく、被加工面W2側(空間206外側)へ飛散することになり、加工レンズ102が保護ガラス114の破片等によって破損するのを防止することが可能となっている。又、この例では圧力計207を設置し、該圧力計207によって、空間206内へ加える圧力P1を測定しているが、該圧力P1は一定圧力Paに設定すればよいため、P1を一定(Pa)に保持できれば圧力計207は不要である。
【0029】
その後、圧力センサ208によって空間206内の圧力P2を定期的に監視する。その結果、空間206内の圧力P2が一定の閾値Pc以上の場合(P2>=Pc)には、保護ガラス114に破損が発生しておらず正常であると判断する(図3中のTa)。
【0030】
一方、保護ガラス114が破損した場合(図3中のTb)には、空間206内の圧力P2が徐々に低下し、最終的に一定の閾値Pcを下回ることになる(図3中のTc)。この圧力変化(P2<Pc)を圧力センサ208が検知すると、該圧力センサ208は制御装置PCに対して電気信号を出力する。又、該電気信号によって保護ガラス114の破損を検知した制御装置PCは、レーザ発振器(図示略)や他のシステムの停止あるいは警告の出力等を行う。
【0031】
本発明の実施形態に係るレーザ加工ヘッドの保護装置200によれば、従来のレーザ加工ヘッドのように、マイクやモニタ等を用意し、設置する必要がないため、低コスト化、装置の小型化及び省スペース化が実現可能である。又、保護ガラス114等の保護部材の破損を比較的単純な構造で、且つ確実に検知可能で、保護部材の破損による不良品の発生を未然に防止し、加工品質の向上を図ることができる。
【0032】
なお、本発明に係るレーザ加工ヘッド100を備えたレーザ加工機としても、上記と同様の効果を得ることができる。
【0033】
上記実施形態においては、空間206を加圧する手段として圧力源CPを、空間206の圧力を検知する手段として圧力センサ208を、空間206の圧力が低下した時に、保護ガラス114の破損を検知する手段として制御装置PCをそれぞれ適用したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0034】
又、加工レンズ112の保護部材として保護ガラス114を用いたが、本発明はこれに限定されず、ガラス以外の他の素材を用いてもよい。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、低コスト化、装置の小型化及び省スペース化を実現しながら、同時に、保護部材の破損の確実な検知が可能で、加工品質の向上を図ることができるレーザ加工ヘッドの保護方法及び保護装置が提供可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るレーザ加工ヘッドの保護装置を適用したレーザ加工ヘッドの側断面図
【図2】図1における保護装置付近の部分拡大図(A)、及び該保護装置の構成を模式的に示した図(B)
【図3】保護ガラスの破損時における保護装置の圧力(縦軸)と時間(横軸)の関係を模式的に示したグラフ
【図4】従来のレーザ加工ヘッドの側断面図
【図5】図4における保護ガラスの破損時の状態を模式的に示した図
【符号の説明】
10、100…レーザ加工ヘッド
12、102…加工レンズ
104…出射ユニット
106…ホルダ
108…光ファイバ
112…保護ガラスホルダ
14、114…保護ガラス
118a〜118d…Oリング
200…保護装置
202、204…継ぎ手
206…空間
207…圧力計
208…圧力センサ
S1、S2…加工点
W1、W2…被加工面
LB…レーザ光
PC…制御装置
CP…圧力源

Claims (4)

  1. 加工レンズから出射されたレーザ光を、保護部材を介して加工点に照射するようにしたレーザ加工ヘッドの保護方法において、
    前記加工レンズと保護部材の間の空間を加圧し、
    該空間の圧力が低下した時に、前記保護部材の破損を検知することを特徴とするレーザ加工ヘッドの保護方法。
  2. 加工レンズから出射されたレーザ光を、保護部材を介して加工点に照射するようにしたレーザ加工ヘッドの保護装置において、
    前記加工レンズと保護部材の間に設けられた空間と、
    該空間を加圧する手段と、
    該空間の圧力を検知する手段と、
    該空間の圧力が低下した時に、前記保護部材の破損を検知する手段と、
    を備えたことを特徴とするレーザ加工ヘッドの保護装置。
  3. 請求項2に記載の保護装置を備えたことを特徴とするレーザ加工ヘッド。
  4. 請求項3に記載のレーザ加工ヘッドを備えたことを特徴とするレーザ加工機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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