JPH0752391Y2 - スクロール流体機械 - Google Patents

スクロール流体機械

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JPH0752391Y2
JPH0752391Y2 JP1988109449U JP10944988U JPH0752391Y2 JP H0752391 Y2 JPH0752391 Y2 JP H0752391Y2 JP 1988109449 U JP1988109449 U JP 1988109449U JP 10944988 U JP10944988 U JP 10944988U JP H0752391 Y2 JPH0752391 Y2 JP H0752391Y2
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casing
scroll
orbiting scroll
fixed
suction port
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隆 斉藤
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トキコ株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本考案は、例えば真空ポンプや圧縮機等に用いて好適な
スクロール流体機械に関し、特に、旋回スクロールと固
定スクロールとの間に潤滑油等を供給することなく旋回
スクロールを旋回させるようになった無給油式のスクロ
ール流体機械に関する。
[従来の技術] 一般に、無給油式のスクロール流体機械はケーシング
と、該ケーシングに回転可能に支持され、該ケーシング
内に伸びる先端側がクランク軸となった駆動軸と、該駆
動軸のクランク軸に旋回軸受を介して回転可能に設けら
れ、鏡板にうず巻状のラップ部が立設された旋回スクロ
ールと、前記ケーシングに設けられ、鏡板に該旋回スク
ロールのラップ部との間で密閉空間を形成するうず巻状
のラップ部が立設された固定スクロールと、該固定スク
ロールの径方向外側部位またはケーシングに穿設された
吸込みポートと、前記固定スクロールの軸中心側に穿設
された吐出ポートとから大略構成されている。
そして、この種のスクロール流体機械を真空ポンプとし
て用いる場合には、真空を発生させるべき真空タンク等
の密閉容器を吸込みポートと接続し、駆動軸をモータ等
で回転駆動することにより旋回スクロールを旋回させ
て、該旋回スクロールと固定スクロールとの各ラップ部
間に形成された密閉空間内に密閉容器内の空気を吸込み
つつ、この空気を吐出ポートから外部に吐出させること
によってポンプ作用を行い、前記密閉容器内に真空を発
生させるようになっている。
[考案が解決しようとする課題] ところで、上述した従来技術では、吸込みポートがケー
シング内と常時連通しているから、前記ポンプ作用時に
ケーシング内も真空状態におかれてしまう。そして、こ
のケーシングは旋回スクロールの背面側を覆っているか
ら、ポンプ作用時に旋回スクロールと固定スクロールと
の間の密閉空間内に圧縮熱等が発生すると、この熱が旋
回スクロールを介してケーシング内へと伝わる上に、こ
のケーシング内には駆動時に摩擦熱が発生して熱源とな
る旋回軸受やスラストすべり軸受等が配設されている。
このため従来技術では、ケーシング内が高温状態となっ
て、前記軸受の冷却性や潤滑性が低下し、軸受を早期摩
耗させたり、焼付けを発生させたりする上に、旋回スク
ロールも温度上昇によって熱変形を起こす等の欠点があ
る。
また、油冷型のスクロール式真空ポンプまたは圧縮機で
は、潤滑性、冷却性などを向上できるものの、潤滑油等
が吸込みポートから圧縮室(密閉空間)等に吸込まれ、
吐出ポートから空気等と共に油分も吐出され、清浄な空
気等を吐出できないという欠点がある。
本考案は上述した従来技術の欠点に鑑みなされたもの
で、吸込みポート側をケーシング内に対して遮断するこ
とによって、ケーシング内を大気圧状態に保持でき、軸
受等の冷却性を向上できるようにしたスクロール流体機
械を提供するものである。
[課題を解決するための手段] 上述した課題を解決するために、本考案が採用する構成
の特徴は、固定スクロールの鏡板を径方向外側から取囲
むように該固定スクロールに凹設され、底部側に吸込ポ
ートが開口した環状の凹部と、旋回スクロールのラップ
部を径方向外側から取囲むように該旋回スクロールに立
設され、先端側が該凹部の底部側に向けて延びるように
該凹部内に挿入された筒状の取付部と、該筒状の取付部
と前記凹部との間に配設され、前記吸込みポートと連通
する空間をケーシング内に対して遮断するシール部材と
を備え、該シール部材は、可撓性材料により長さ方向中
間部が前記凹部内で吸込みポート側に向けて断面U字形
状に湾曲するように形成し、内周側となる一端側を前記
筒状の取付部に固定し、外周側となる他端側を前記凹部
の周壁に固定したことにある。
[作用] 上記構成により、固定スクロール側の凹部周壁と旋回ス
クロール側の取付部との間に設けた可撓性材料からなる
シール部材は、ケーシング内を吸込みポート側に対して
遮断しているから、ケーシング内を大気圧状態に保持す
ることができ、該ケーシング内に潤滑油等の油液を収容
することが可能となる。そして、ケーシング内の軸受等
を潤滑して冷却性を高めることができると共に、この油
液がケーシング内から吸込みポート側に漏洩するのをシ
ール部材によって確実に阻止することができる。
また、該シール部材は凹部内において、長さ方向中間部
を吸込みポート側に向けて断面U字形状に湾曲させ、内
周側となる一端側を前記旋回スクロール側で筒状の取付
部に固定すると共に、外周側となる他端側を固定スクロ
ール側で凹部の周壁に固定する構成としているから、前
記固定スクロールと旋回スクロールとの間に断面U字形
状のシール部材をコンパクトに収容しつつ、可撓性をも
った該シール部材を旋回スクロールの取付部と固定スク
ロールの凹部との間で安定した断面U字形状の状態に保
持でき、前記旋回スクロールの旋回動作時には該旋回ス
クロール(筒状の取付部)の動きにシール部材をスムー
ズに追従(変形)させることができる。
さらに、該シール部材を断面U字形状とすることによっ
て、固定スクロールと旋回スクロールとの間に軸方向の
分力(押圧力または開離力)等が発生するのを防止で
き、固定スクロールと旋回スクロールとのラップ部間に
かじりを発生させたり、スラスト方向に余分なギャップ
を生じさせたりすることがなくなる。
[実施例] 以下、本考案の実施例を第1図に基づき真空ポンプとし
て用いた場合を例に挙げて説明する。
図において、1はケーシング本体2と前側ケーシング3
とからなるケーシングを示し、該ケーシング1のケーシ
ング本体は有底筒状に形成され、底部側に位置する円板
状の軸受部2Aと、該軸受部2Aの外周側から軸方向に延び
た円筒部2Bとから構成されている。そして、前側ケーシ
ング3は円筒部2Bに対応する径をもって略円筒状に形成
され、その基端側内周には径方向内向きに突出する環状
の軸受座3Aが一体形成されている。
また、該軸受座3Aの内周側には後述する旋回スクロール
6の背面7Bに摺接してスラスト方向の荷重を受承する軸
受部3Bが軸方向に突出形成されると共に、周方向に所定
間隔をもって切欠き3C(1個のみ図示)が形成され、該
各切欠き3Cには後述のオルダム継手12が設けられてい
る。ここで、前側ケーシング3はケーシング本体2と後
述の固定スクロール13との間に強固に挟持され、ケーシ
ング1内を外部に対して密閉する構造となっている。
4はスクロール本体2の軸受部2Aに軸受5を介して回転
可能に支持された駆動軸を示し、該駆動軸4の先端側は
ケーシング1内へと伸長してクランク軸4Aとなり、該ク
ランク軸4Aは駆動軸4の中心に対して寸法δだけ偏心す
るようになっている。そして、該駆動軸4の基端側はケ
ーシング1外でモータ(図示せず)に連結され、このモ
ータにより回転駆動されるようになっている。
6は前側ケーシング3と固定スクロール13との間に位置
し、クランク軸4Aに回転可能に設けられた旋回スクロー
ルを示し、該旋回スクロール6は、円盤状に形成された
鏡板7と、該鏡板7の前面7A側に中心側が巻始め端とな
り、外周側がが巻終り端となって立設されたうず巻状の
ラップ部8と、該ラップ部8の径方向外側に位置して、
鏡板7の前面7A側に円筒状に立設され、ラップ部8より
も軸方向に大きく突出した筒状の取付部としての筒状部
9と、鏡板7の背面7B側中央に設けられたボス部10とか
らなり、該ボス部10内にはクランク軸4Aが旋回軸受11を
介して取付けられている。
ここで、鏡板7の背面7B外周側にはキー溝7C(1個のみ
図示)が周方向に所定間隔をもって形成され、該各キー
溝7Cと前側ケーシング3の各切欠き3Cとの間には自転防
止機構としてのオルダム継手12(1個のみ図示)が配設
されている。そして、前記モータによって駆動軸4を回
転駆動するときに、旋回スクロール6はクランク軸4Aに
より前記寸法δの旋回半径をもった円運動が与えられ、
オルダム継手12によって自転が防止され、駆動軸4の軸
線を中心にして旋回(公転)し続けるようになってい
る。
13はケーシング1の先端側を施蓋するように前側ケーシ
ング3の先端面に衝合して設けられた固定スクロールを
示し、該固定スクロール13は、その中心が駆動軸4の中
心と一致するように中央部側に配設された鏡板14と、該
鏡板14の内面側に旋回スクロール6のラップ部8と同様
に立設されたうず巻状のラップ部15と、鏡板14の周囲を
取囲むように凹設され、内部に旋回スクロール6の筒状
部9が挿入されるようになった環状の凹部16と、該凹部
16の径方向外側に位置し、旋回スクロール6の鏡板7に
摺接することにより、該旋回スクロール6からのスラス
ト方向の荷重を受承する環状の軸受部17とから大略構成
されている。
ここで、該固定スクロール13のラップ部15は旋回スクロ
ール6のラップ部8と所定角度だけずらして重なり合う
ように配設され、旋回スクロール6が旋回するときにラ
ップ部8との間で連続的に縮小する複数の密閉空間とし
ての圧縮室18,18,…を画成するようになっている。ま
た、19,20は固定スクロール13に形成された吸込みポー
トおよび吐出ポートを示し、該吸込みポート19は最外周
側の圧縮室18と連通するように凹部16の底部側に穿設さ
れ、吐出ポート20は最中央側の圧縮室18と連通するよう
に鏡板14の中心部に穿設されている。
21は旋回スクロール6の筒状部9と固定スクロール13の
凹部16との間に固定リング22,23を介して設けた環状の
シール部材を示し、該シール部材21は可撓性材料からな
る円筒状のパッキン等を断面U字形状に湾曲させること
によって形成され、凹部16内に吸込みポート19と連通す
る空間としての吸込室Aを画成している。ここで、該シ
ール部材21は固定スクロール13の凹部16内にコンパクト
に収容すべく、その長さ方向中間部が吸込室A側に向け
て断面U字形状に湾曲され、内周側となる一端側が旋回
スクロール6の筒状部9外周面に固定リング22を介して
気密に固定され、外周側となる他端側が固定スクロール
13の凹部16周壁に固定リング23を介して気密に固定され
ている。そして、該シール部材21は固定スクロール13の
軸受部17よりも径方向内側に位置し、吸込室Aがケーシ
ング1内の室Bと軸受部17,鏡板7間等を介して連通す
るのを確実に遮断し、各室A,B間をシールする構成とな
っている。
24はケーシング本体2の円筒部2B内に位置して駆動軸4
に嵌合固着された円板を示し、該円板24は図示の如くケ
ーシング1内に収容された潤滑油等の油液25に接触する
ように配設され、駆動軸4の回転時に油液25を室B内に
掻き上げることによって、軸受5、旋回軸受11および軸
受部3B,17等に油液25を供給し、これらに冷却作用およ
び潤滑作用を与えるようになっている。また、該円板24
にはカウンタウエイト26が設けられ、駆動軸4の回転バ
ランスをとる構成となっている。さらに、27は軸受部2A
と駆動軸4との間に設けられたオイルシールを示し、該
オイルシール27は油液25がケーシング1外に漏洩するの
を防止している。
本実施例によるスクロール式の真空ポンプは上述の如き
構成を有するもので、次にその作動について説明する。
まず、吸込みポート19を真空タンク等の密閉容器と配管
(いずれも図示せず)を介して接続し、駆動軸4をモー
タによって回転駆動すると、この回転はクランク軸4Aか
ら旋回軸受11を介して旋回スクロール6に伝えられ、該
旋回スクロール6は駆動軸4の軸線を中心とし、寸法δ
の旋回半径をもって旋回するようになり、該旋回スクロ
ール6のラップ部8と固定スクロール13のラップ部15と
の間に画成される各圧縮室18を連続的に縮小させ、密閉
容器内の空気を吸込みポート19から各圧縮室18内に吸込
みつつ、吐出ポート20から順次吐出させることによって
ポンプ作用を行い、前記密閉容器内に真空を発生させ
る。
ここで、当該真空ポンプは吸込みポート19に連通する吸
込室A、各圧縮室18とケーシング1内の室Bとがシール
部材21によって遮断されているから、起動時には室B側
が大気圧状態であるのに対し、吸込室A側が密閉容器か
ら吸込んだ空気により一時的に大気圧よりも高い圧力状
態となって、旋回スクロール6は前側ケーシング3の軸
受部3Bに押圧され、該軸受部3Bと鏡板7の背面7Bとが互
いに摺接しつつ、スラスト方向の荷重を受承する。そし
て、ポンプ作用を続行し、吸込室A側が徐々に負圧状態
となってくると、この吸込室A側は室B側よりも低圧と
なるから、旋回スクロール6は固定スクロール13の軸受
部17に押圧され、該軸受部17と鏡板7の前面7Aとが互い
に摺接しつつ、スラスト方向の荷重を受承するようにな
る。
而して、本実施例によれば、シール部材21により吸込室
A側に対して遮断されたケーシング1内の室Bに潤滑油
等の油液25を収容し、駆動軸4に設けた円板24によりこ
の油液25を掻き上げるようにしたから、この油液25を室
B内に飛散させて、旋回軸受11,軸受5等に供給できる
上に、旋回スクロール6の鏡板7と軸受部3B,17との間
等にも油液25を供給でき、これらを効果的に潤滑して冷
却効率を大幅に向上させることができる。
また、シール部材21は可撓性材料からなる円筒状のパッ
キン等により、その長さ方向中間部が吸込室A側に向け
て断面U字形状に湾曲するように形成し、内周側となる
一端側を旋回スクロール6の筒状部9外周面に固定リン
グ22を介して気密に固定し、外周側となる他端側を固定
スクロール13の凹部16周壁に固定リング23を介して気密
に固定する構成としているから、固定スクロール13の凹
部16内で旋回スクロール6の筒状部9との間にシール部
材21をコンパクトに収容できると共に、断面U字形状に
湾曲したシール部材21を筒状部9の外周面と凹部16の周
壁との間で安定したU字形状の状態に保持し続けること
ができる。
そして、旋回スクロール6の旋回動作時には、該旋回ス
クロール6の筒状部9によりシール部材21は旋回スクロ
ール6の旋回動作(円運動)にスムーズに追従して変形
し続けるようになり、弾性変形するシール部材21から旋
回スクロール6に付与される力(荷重)がシール部材21
の変形状態に応じて大きく変動することがなく、旋回ス
クロール6を固定スクロール13に対して円滑に旋回させ
ることができる。
特に、定格運転時には吸込室A側が負圧状態となって、
ケーシング1内の室B側よりも低圧となり、シール部材
21はこのときの圧力差によって長さ方向中間部が断面U
字形状に湾曲した状態で吸込室A側へと押圧される。こ
の結果、シール部材21は断面U字形状をなす安定した状
態のままで、筒状部9の外周面と凹部16の周壁との間に
保持し続けられるようになり、固定スクロール13の凹部
16内にシール部材21をコンパクトに収容した状態で、該
シール部材21を旋回スクロール6の旋回動作(円運動)
に追従させることができる。
また、断面U字形状をなすシール部材21は、旋回スクロ
ール6と固定スクロール13との間に軸方向の分力(押圧
力または開離力)を発生させることはないため、旋回ス
クロール6と固定スクロール13とのラップ部8,15間にか
じり等を発生させたり、スラスト方向に余分なギャップ
を生じさせたりすることがなく、シール部材13は旋回ス
クロール6の動きにスムーズに追従して変形し続けるこ
とができる。
さらに、シール部材21は内周側が旋回スクロール6の筒
状部9外周面に固定リング22を介して気密に固定され、
外周側が固定スクロール13の凹部16周壁に固定リング23
を介して気密に固定されているから、ケーシング1の室
B内で油液25を飛散させ軸受部17等に供給した場合で
も、この油液25が吸込室A内に漏洩するのをシール部材
21によって確実に防止でき、吐出ポート20から吐出され
る空気を清浄な状態に保持することができる。
従って、本実施例によれば、ケーシング1内の軸受5、
旋回軸受11および軸受部3B,17等を確実に冷却でき、こ
れらの摩耗等を効果的に抑えることができる上に、旋回
スクロール6の温度上昇を抑えて熱変形等を確実に防止
することができる。そして、旋回スクロール6と固定ス
クロール13との間で起動時に設定される鏡板7,14とラッ
プ部8,15との間のスラスト方向ギャップを確実に小さく
でき、各圧縮室18間で空気が漏れたりするのを防止で
き、密閉容器内に真空を早期に発生させることができ
る。また、長時間に亘る連続運転が可能となり、ラップ
部8,15の先端等にかじりが発生するのを防止できる等、
種々の効果を奏する。
なお、前記実施例では、スクロール流体機械を真空ポン
プとして用いる場合を例に挙げて説明したが、本考案は
これに限定されず、例えば空気等の各種気体を圧縮する
圧縮機として用いるようにしてもよい。この場合には、
吐出ポート20から吐出された圧縮気体の一部を室B内に
導びき、旋回スクロール6の背面7B側に背圧を作用させ
るようにすれば、旋回スクロール6に固定スクロール13
側への押圧力を与えることができ、この押圧力(スラス
ト方向荷重)を軸受部17等で受承させることができる。
また、前記実施例では、ケーシング1内に潤滑油等の油
液25を収容して、旋回軸受11等を潤滑,冷却するものと
して述べたが、これに替えて、ケーシング1内を積極的
に大気に開放し、ケーシング1内に大気を導入すること
によって、旋回軸受11等を冷却するようにしてもよい。
[考案の効果] 以上詳述した通り、本考案によれば、固定スクロールに
は鏡板を径方向外側から取囲むように環状の凹部を凹設
し、旋回スクロールにはラップ部を径方向外側から取囲
むように筒状の取付部を立設し、該取付部の先端側を前
記凹部の底部側に向けて延びるように該凹部内に挿入す
る共に、該凹部と取付部との間には、吸込みポートと連
通する空間をケーシング内に対して遮断する可撓性のシ
ール部材を設け、該シール部材は凹部内で長さ方向中間
部が吸込みポート側に向けて断面U字形状に湾曲するよ
うに形成したから、固定スクロールの凹部内で旋回スク
ロールの取付部との間にシール部材をコンパクトに収容
できると共に、断面U字形状に湾曲したシール部材を取
付部と凹部との間で安定したU字形状の状態に保持し続
けることができる。
そして、旋回スクロールの旋回動作時には、該旋回スク
ロールの取付部により旋回スクロールの旋回動作(円運
動)に追従させてシール部材を滑らかに変形させること
ができ、弾性変形するシール部材から旋回スクロールに
付与される力(荷重)がシール部材の変形状態に応じて
大きく変動することがなく、旋回スクロールを固定スク
ロールに対して円滑に旋回させることができる。
また、断面U字形状をなすシール部材は、固定スクロー
ルと旋回スクロールとの間に軸方向の分力(押圧力また
は開離力)を発生させることはないため、固定スクロー
ルと旋回スクロールとのラップ部間にかじり等を発生さ
せたり、スラスト方向に余分なギャップを生じさせたり
するのを効果的に防止でき、旋回スクロールの動きにス
ムーズに追従して変形し続けることができる。そして、
ケーシング内に潤滑油等の油液を収容しても、この油液
が吸込みポート側に漏洩するのを防止でき、吐出ポート
から清浄な気体を吐出させることができる上に、ケーシ
ング内の油液により旋回軸受や各軸受部等を効果的に潤
滑でき、冷却効率を向上させることができる等、種々の
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の実施例によるスクロール式真空ポンプ
を示す縦断面図である。 1……ケーシング、3B,17……軸受部、4……駆動軸、4
A……クランク軸、5……軸受、6……旋回スクロー
ル、7,14……鏡板、8,15……ラップ部、9……筒状部
(取付部)、10……ボス部、11……旋回軸受、12……オ
ルダム継手、13……固定スクロール、16……凹部、18…
…圧縮室(密閉空間)、19……吸込みポート、20……吐
出ポート、21……シール部材、25……油液。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】ケーシングと、該ケーシングに回転可能に
    支持され、該ケーシング内に伸びる先端側がクランク軸
    となった駆動軸と、該駆動軸のクランク軸に旋回軸受を
    介して回転可能に設けられ、鏡板にうず巻状のラップ部
    が立設された旋回スクロールと、前記ケーシングに設け
    られ、鏡板に該旋回スクロールのラップ部との間で密閉
    空間を形成するうず巻状のラップ部が立設された固定ス
    クロールと、該固定スクロールの径方向外側に穿設され
    た吸込みポートおよび軸中心側に穿設された吐出ポート
    とからなるスクロール流体機械において、 前記固定スクロールの鏡板を径方向外側から取囲むよう
    に該固定スクロールに凹設され、底部側に前記吸込ポー
    トが開口した環状の凹部と、 前記旋回スクロールのラップ部を径方向外側から取囲む
    ように該旋回スクロールに立設され、先端側が該凹部の
    底部側に向けて延びるように該凹部内に挿入された筒状
    の取付部と、 該筒状の取付部と前記凹部との間に配設され、前記吸込
    みポートと連通する空間を前記ケーシング内に対して遮
    断するシール部材とを備え、 該シール部材は、可撓性材料により長さ方向中間部が前
    記凹部内で吸込みポート側に向けて断面U字形状に湾曲
    するように形成し、内周側となる一端側を前記筒状の取
    付部に固定し、外周側となる他端側を前記凹部の周壁に
    固定したことを特徴とするスクロール流体機械。
JP1988109449U 1988-08-20 1988-08-20 スクロール流体機械 Expired - Lifetime JPH0752391Y2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS6054790U (ja) * 1983-09-20 1985-04-17 トキコ株式会社 スクロ−ル式圧縮機
JPS6198988A (ja) * 1984-10-20 1986-05-17 Tokico Ltd スクロ−ル式圧縮機
JPH0749025Y2 (ja) * 1987-09-24 1995-11-13 株式会社荏原製作所 オイルフリー・スクロール流体装置

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JPH0231391U (ja) 1990-02-27

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