JPH0617026Y2

JPH0617026Y2 - スクロール流体機械

Info

Publication number: JPH0617026Y2
Application number: JP1988137082U
Authority: JP
Inventors: 宏治福井
Original assignee: トキコ株式会社
Priority date: 1988-10-20
Filing date: 1988-10-20
Publication date: 1994-05-02
Anticipated expiration: 2003-10-20
Also published as: JPH0256888U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本考案は、例えば真空ポンプや圧縮機等に用いて好適な
スクロール流体機械に関するものである。

〔従来の技術〕

一般に、この種のスクロール流体機械は無給油式のもの
と給油式のものとに大別され、無給油式のスクロール流
体機械は、ケーシングと、該ケーシングに回転可能に支
持され、該ケーシング内に延びる先端側がクランクとな
った駆動軸と、吸込みポート及び吐出ポートが形成され
ると共に、鏡板に渦巻状ラップ部が立設された固定スク
ロールと、該駆動軸のクランクに旋回軸受を介して旋回
可能に設けられ、鏡板に固定スクロールのラップ部との
重なり合いで圧縮室を形成する渦巻状のラップ部が立設
された旋回スクロールとから大略構成されている。

そして、この種の無給油式スクロール流体機械を真空ポ
ンプとして用いる場合には、真空を発生させるべき真空
タンク等の密閉容器を吸込みポートと接続し、駆動軸を
モータで回転駆動することにより旋回スクロールを旋回
させ、該旋回スクロールと固定スクロールとの各ラップ
部間に形成された圧縮室内に密閉容器内の空気を吸込み
つつ、この空気を吐出ポートから外部に吐出させること
によってポンプ作用を行ない、前記密閉容器内に真空を
発生させるようになっており、潤滑油の供給を受けない
から清浄な空気が得られる。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところで、上述した従来技術では、吸込みポートがケー
シング内と連通しているから、前記ポンプ作用時にケー
シング内も真空状態におかれてしまう。そして、このケ
ーシングは旋回スクロールの反ラップ側面側を覆ってい
るから、ポンプ作用時に旋回スクロールと固定スクロー
ルとの間の圧縮室内に圧縮熱等が発生すると、この熱が
旋回スクロールを介してケーシング内へと伝わる上に、
このケーシング内には駆動時に摩擦熱が発生して熱源と
なる旋回軸受やスラストすべり軸受等が配設されてい
る。

このため従来技術による無給油式真空ポンプ又は圧縮機
では、清浄な真空状態が得られる反面、ケーシング内が
高温状態となって、前記軸受の冷却性や潤滑性が低下
し、軸受を早期摩耗させたり、焼付きを発生させたりす
る上に、旋回スクロールも温度上昇によって熱変形を起
こす等の欠点がある。

又、給油式のスクロール式真空ポンプ又は圧縮機では、
潤滑油の供給を受けつつポンプ作用を行なうものである
から、無給油式のものと比較して潤滑性、冷却性を向上
できるものの、潤滑油等が吸込みポートから圧縮室等に
吸い込まれ、吐出ポートから空気等と共に油分も吐出さ
れ、清浄な真空状態が得られず、又、清浄な空気を吐出
できない等の欠点がある。

また、従来技術では、旋回スクロールの鏡板に渦巻状の
ラップ部を立設し、鏡板の反ラップ側には駆動軸のクラ
ンクが旋回軸受を介して取付けられる円筒状のボス部を
設けているに過ぎないために、旋回スクロールは重心位
置が旋回軸受からラップ部側に離れてしまい、旋回スク
ロールの旋回動作が不安定になるという欠点がある。

本考案は上述した従来技術の欠点に鑑みなされたもの
で、本考案は吸込みポート側をケーシング内に対して遮
断することによって、ケーシング内を大気圧状態に保持
でき、軸受の冷却性等を向上できる上に、旋回スクロー
ルの旋回動作を安定させることができるようにしたスク
ロール流体機械を提供することを目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

上述した課題を解決するために本考案のスクロール流体
機械では、一側が軸受部となり他側が大径筒部となった
ケーシングと、該ケーシングの軸受部に回転自在に軸支
され先端側が該大径筒部側へ延設されてクランクとなっ
た駆動軸と、渦巻状のラップ部が立設された鏡板および
該鏡板の外周側から該ラップ部を囲むように軸方向に延
びた筒状部を有し、該筒状部の先端部が前記ケーシング
の大径筒部に衝合状態で固着された固定スクロールと、
該固定スクロールのラップ部と重なり合うように渦巻状
のラップ部が立設された鏡板および該鏡板の外周側から
ラップ部とは逆向きに延びる筒状のボス部を有し、該ボ
ス部が前記駆動軸のクランクに旋回軸受を介して旋回自
在に支持された旋回スクロールと、該旋回スクロールの
ラップ部と固定スクロールのラップ部との間に形成さ
れ、吸込みポートから吸込んだ流体を吐出ポートから吐
出させる複数の圧縮室と、前記吸込みポートと共に該各
圧縮室を前記ケーシング内に対して遮断すべく、前記固
定スクロールと旋回スクロールとの間に設けられた環状
のシール部材とを備え、前記旋回スクロールには、該旋
回スクロールの重心を前記旋回軸受の重心側に移動させ
るように、該旋回スクロールの鏡板から軸方向に離間
し、前記ボス部の外周側から径方向外方に延びる環状の
拡径部を設けてなる構成を採用している。

〔作用〕

上記構成により、吸込みポートを各圧縮室と共にケーシ
ング内に対して遮断するシール部材を設けているから、
前記吸込みポートに対して遮断されたケーシング内を大
気圧状態に保持でき、該ケーシング内に潤滑油等を収容
することが可能になり、これによって、軸受の潤滑，冷
却性を高めることができ、この油液がケーシング内から
吸込みポート側に漏洩するのをシール部材によって確実
に防止できる。

また、旋回スクロールにボス部の外周側から径方向外方
に延びる環状の拡径部を設け、該旋回スクロールの重心
を旋回軸受の重心側に移動させるようにしたから、駆動
軸を回転駆動し旋回スクロールを旋回軸受を介して旋回
駆動するときに、該旋回スクロールは重心が旋回軸受の
回転重心に接近もしくは一致するようになり、安定した
旋回動作が得られる。

〔実施例〕

以下に、本考案の実施例を図面に基づき、真空ポンプと
して用いた場合を例に挙げて説明する。

図において、１は軸線Ｏ_１が水平方向となるように配置
されたケーシングで、該ケーシングは軸受部２と、該軸
受部２の前端外周側から軸方向前方へ延設された大径筒
部としての大径円筒部３と、該大径円筒部３の前端から
軸方向後方へ若干後退した位置において径方向内側に延
設された環状延設部４とから構成されている。そして、
該環状延設部４の前面には後述する旋回スクロール２２
に摺接してスラスト方向の荷重を受承する軸受部５が形
成され、又、該環状延設部４には軸方向へ開口する連通
孔６が形成されている。ここで、前記ケーシング１内に
は前記大径円筒部３と環状延設部４とで囲まれた油溜り
部７が設けられて潤滑油等の油液８が収容されると共
に、該油液８は前記連通孔６を介して前記大径円筒部３
の前端側へ導かれるものである。

９は前記ケーシング１の軸線Ｏ_１と同一軸線上に設けら
れた駆動軸で、該駆動軸９は前記ケーシング１の軸受部
２に軸受１０，１１，１２を介して回転可能に支持され
ている。そして、前記駆動軸９の基端側はオイルシール
１３を介して前記ケーシング１外へ突出してモータ（図
示せず）に連結され、その先端側は該ケーシング１の大
径円筒部３側へ伸長してクランク１４となり、該クラン
ク１４の軸線Ｏ_２は前記駆動軸９の軸線Ｏ_１に対して寸
法δだけ偏心している。

１５は前記ケーシング１の前端側に位置して軸線Ｏ_１と
同一軸線上に設けられた固定スクロールで、該固定スク
ロール１５は、径方向外側に吸込みポート１６が形成さ
れ径方向中心側に吐出ポート１７が形成された円板状の
鏡板１８と、該鏡板１８のラップ側面１８Ａに立設さ
れ、インボリュート又はインボリュートに近い曲線に巻
回形成された渦巻状のラップ部１９と、該ラップ部１９
を囲むように該鏡板１８の外周側から軸方向後方へ延設
された筒状部としての段付きの円筒部２０とからなり、
該円筒部２０の先端部２０Ａ外周端面は前記ケーシング
１の大径円筒部３端面に当接してボルト等により固着さ
れると共に、該先端部２０Ａ内周側は軸受部２１となっ
ている。ここで、前記円筒部２０の内側には前記ラップ
部１９を囲む小径穴部２０Ｂと大径穴部２０Ｃとが同軸
状に設けられている。

２２は前記ケーシング１と固定スクロール１５との間に
位置し、前記クランク１４に回転可能に設けられた旋回
スクロールを示し、該旋回スクロール２２は前記クラン
ク１４の軸線Ｏ_２と同一軸線上に設けられている。ここ
で、前記旋回スクロール２２は、円板状の鏡板２３と、
該鏡板２３のラップ側面２３Ａに立設され、インボリュ
ートまたはインボリュートに近い曲線に巻回形成された
渦巻状のラップ部２４と、鏡板２３の反ラップ側面２３
Ｂ外周側からラップ部２４とは逆向きに延設された円筒
状のボス部２５と、該ボス部２５の先端側外周から径方
向外方に延設された環状の拡径部２６とから構成され、
該拡径部２６は旋回スクロール２２の重心Ｐ_１を旋回軸
受２７の回転重心Ｐ_２側に移動させるようになってい
る。

また、該旋回スクロール２２はボス部２５が旋回軸受２
７を介してクランク１４に旋回自在に軸支され、且つ拡
径部２６はケーシング１の軸受部５と固定スクロール１
５の軸受部２１との間でスラスト方向に支持されてい
る。そして、該拡径部２６は旋回スクロール２２のフラ
イホイール部となり、旋回スクロール２２の旋回動作を
安定させる機能を持っている。ここで、前記旋回スクロ
ール２２は、ケーシング１の環状延設部４との間に設け
られた自転防止機構としてのオルダム継手２８により駆
動軸９の軸線Ｏ_１を中心として半径δの旋回（公転）の
みを行なうように支持されている。前記旋回スクロール
２２のラップ部２４は固定スクロール１５のラップ部１
９と所定角度ずらせて重なり合うように設けられ、該旋
回スクロール２２が旋回するとき、該旋回スクロール２
２のラップ部２４と固定スクロール１５のラップ部１９
との重なり合いにより連続的に縮小する複数の圧縮室２
９，２９，…が形成されるものである。前記各圧縮室２
９のうち最外周側の圧縮室２９は前記吸込みポート１６
に連通され、又、最も中心側の圧縮室２９は前記吐出ポ
ート１７に連通されている。

３０はゴム等の可撓性材料からなる円筒状のパッキン等
を断面略Ｕ字状に湾曲させて形成したシール部材で、該
シール部材３０は前記各ラップ部１９，２４を囲むよう
にその一端側が前記固定スクロール１５の小径穴部２０
Ｂ内周面に例えば固定リング３１により気液密に取り付
けられ、他端側は前記旋回スクロール２２のボス部２５
外周面に例えば固定リング３２により気液密に取り付け
られている。

３３は前記駆動軸９に設けられた油掻きを示し、該油掻
き３３は図示の如く前記ケーシング１内の油溜り部７に
収容された潤滑油等の油液８に接触するように設けら
れ、前記旋回スクロール２２の旋回時に当該油液８をケ
ーシング１内に掻き上げて、旋回スクロール２２の拡径
部２６背面、軸受１０，１１，１２、軸受部５，２１、
旋回軸受２７及びオルダム継手２８に冷却作用及び潤滑
作用を与えるようになっている。

本実施例に係るスクロール流体機械は上述の如き構成を
有するもので、次にその動作を真空ポンプに適用した場
合について説明する。

先ず、吸込みポート１６を真空タンク等の密閉容器に配
管（何れも図示せず）を介して接続し、駆動軸９をモー
タによって回転駆動すると、この回転はクランク１４か
ら旋回軸受２７を介して旋回スクロール２２に伝えら
れ、該旋回スクロール２２は駆動軸９の軸線Ｏ_１を中心
とし、旋回半径δをもって旋回する。この結果、該旋回
スクロール２２のラップ部２４と、固定スクロール１５
のラップ部１９との間に画成される圧縮室２９，２９，
…を連続的に縮小させ、密閉容器内の空気を吸込みポー
ト１６から各圧縮室２９内に吸い込みつつ、吐出ポート
１７から順次吐出させることによってポンプ作用を行な
い、前記密閉容器内に真空を発生させる。

而して、本実施例による真空ポンプは、吸込みポート１
６及び各圧縮室２９が、シール部材３０によってケーシ
ング１内から遮断されている。このために、起動時には
ケーシング１内が大気圧状態であるのに対し、吸込みポ
ート１６側は密閉容器から吸い込んだ空気により一時的
に大気圧よりも高い圧力状態になって旋回スクロール２
２はケーシング１の軸受部５に押圧され、該軸受部５と
拡径部２６背面とが互いに摺接しつつ、スラスト方向の
荷重を受承する。そして、ポンプ作用を続行し、密閉容
器内が負圧になるにつれて吸込みポート１６側が徐々に
負圧状態となってくると、該吸込みポート１６側はケー
シング１内よりも低圧となるから、旋回スクロール２２
はその背面に作用する大気圧によって固定スクロール１
５の軸受部２１に押圧され、該軸受部２１と拡径部２６
前面とが互いに摺接しつつ、スラスト方向の荷重を受承
する。

かくして、本実施例によれば、シール部材３０により吸
込ポート１６側に対して遮断されたケーシング１内の油
溜り部７に潤滑油等の油液８を収容し、駆動軸９に設け
た油掻き３３によりこの油液８を掻き上げるようにした
から、この油液８が吸込みポート１６側に漏洩して被圧
縮気体中に混入するのを防止しつつ、該油液８をケーシ
ング１内に飛散させて、旋回軸受２７、軸受１０，１
１，１２、オルダム継手２８等に供給できる上に、旋回
スクロール２２の鏡板２３と軸受部５，２１との間にも
供給でき、これらを効果的に潤滑して冷却効率を大幅に
向上させることができる。

従って、本実施例では、軸受１０，１１，１２、旋回軸
受２７、軸受部５，２１およびオルダム継手２８等を確
実に潤滑して冷却でき、これらの摩耗等を効果的に抑え
ることができる上に、旋回スクロール２２の温度上昇を
抑えて熱変形等を確実に防止することができる。そし
て、旋回スクロール２２と固定スクロール１５との間で
起動時に設定される鏡板１８，２３とラップ部１９，２
４との間のスラスト方向ギャップを確実に小さくでき、
圧縮室２９，２９…間で空気が漏れたりするのを防止で
き、密閉容器内に真空を早期に発生させることができ
る。また、長時間に亘る連続運転が可能となり、ラップ
部１９，２４等にかじりが発生するのを防止できる。

また、シール部材３０は可撓性材料からなる円筒状のパ
ッキン等により、その長さ方向中間部が吸込みポート１
６側に向けて断面Ｕ字形状に湾曲するように形成し、外
周側となる一端側を固定スクロール１５の小径穴部２０
Ｂ内周面に固定リング３１を介して気液密に固定し、内
周側となる他端側を旋回スクロール６のボス部２５外周
面に固定リング３２を介して気液密に固定する構成とし
ているから、シール部材３０は旋回スクロール２２の旋
回動作にスムーズに追従して変形することができ、旋回
スクロール２２を固定スクロール１５に対して円滑に旋
回させることができる上に、固定スクロール１５の小径
穴部２０Ｂ内にシール部材３０をコンパクトに収容でき
る。

さらに、旋回スクロール２２には鏡板２３の外周側から
反ラップ側面２３Ｂ側へ延びる円筒状のボス部２５を設
け、該ボス部２５の先端側外周には径方向外方に延びる
環状の拡径部２６を設け、該拡径部２６を旋回スクロー
ル２２のフライホイール部として活用するようにしたか
ら、旋回スクロール２２のボス部２５を旋回軸受２７を
介して駆動軸９のクランク１４を連結し、旋回スクロー
ル２２を旋回駆動するときに、該旋回スクロール２２の
重心Ｐ_１を旋回軸受２７の回転重心Ｐ_２に一致もしくは
接近させることができ、旋回スクロール２２の旋回動作
を安定化できる。そして、シール部材３０が旋回スクロ
ール２２の旋回動作に追従して変形するときでも、旋回
スクロール２２がシール部材３０の弾発力等に影響され
て横振れしたりするのを抑えることができ、旋回スクロ
ール２２の旋回動作を確実に安定させることができる。

また、旋回スクロール２２のボス部２５は拡径部２６に
対して凸形状となり、前記固定スクロール１５の円筒部
２０内に入り込む構造となっているから、固定スクロー
ル１５の円筒部２０内にボス部２５をシール部材３０と
共にコンパクトに収容でき、ボス部２５の外周面と円筒
部２０の内周面とをシール部材３０用の取付け部として
機能させることができる。

なお、前記実施例では、スクロール流体機械を真空ポン
プとして用いる場合を例に挙げて説明したが、本考案は
これに限定されず、例えば、空気、冷媒等の各種気体を
圧縮する圧縮機として用いるようにしてもよい。この場
合には、吐出ポート１７から吐出された圧縮気体の一部
をケーシング１内に導き、該旋回スクロール２２に背圧
を作用させるようにすれば、旋回スクロール２２に固定
スクロール１５側への押付力を与えることができ、この
押付力（スラスト方向荷重）を軸受部２１で受承するこ
とができる。

また、前記実施例では、ケーシング１内に潤滑油等の油
液８を収容して旋回軸受２７等を潤滑，冷却するものと
して述べたが、これに代えて、ケーシング１内を積極的
に大気に開放し、ケーシング１内に大気を導入すること
によって、旋回軸受２７等を冷却するようにしてもよ
い。

〔考案の効果〕

以上説明した如く本考案によれば、吸込みポート及び圧
縮室側をケーシング内に対して遮断するシール部材を設
け、旋回スクロールにはボス部の外周側から径方向外方
に延びる環状の拡径部を設け、該旋回スクロールの重心
を旋回軸受の重心側に移動させる構成としたから、ケー
シング内に潤滑油等の油液を収容しても、この油液が吸
込みポート側に漏洩するのを阻止でき、圧縮室内に潤滑
油等の油液が混入するのを防止できる。従って、無給油
式のものと同様に吐出ポートから清浄な気体を吐出させ
ることができる上に、給油式のものと同様にケーシング
内の油液によって旋回スクロール、旋回軸受、各軸受
部、オルダム継手等を効果的に潤滑でき、冷却効率や潤
滑作用を向上させることができる。

さらに、旋回スクロールにボス部を介して設けた環状の
拡径部により、該旋回スクロールの重心を旋回軸受の重
心に一致もしくは接近させることができ、シール部材が
旋回スクロールの旋回動作に追従して変形するときで
も、旋回スクロールは旋回動作中にシール部材の弾発力
等に影響されて横振れしたりするのを抑えることがで
き、旋回スクロールの旋回動作は安定したものとなる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すスクロール流体機械の縦断
面図である。１…ケーシング、２…軸受部、３…大径円筒部（大径筒
部）、９…駆動軸、１４…クランク、１５…固定スクロ
ール、１６…吸込みポート、１７…吐出ポート、１８…
鏡板、１９…ラップ部、２０…円筒部（筒状部）、２２
…旋回スクロール、２３…鏡板、２４…ラップ部、２５
…ボス部、２６…拡径部、２７…旋回軸受、２９…圧縮
室、３０…シール部材。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】一側が軸受部となり他側が大径筒部となっ
たケーシングと、該ケーシングの軸受部に回転自在に軸
支され先端側が該大径筒部側へ延設されてクランクとな
った駆動軸と、渦巻状のラップ部が立設された鏡板およ
び該鏡板の外周側から該ラップ部を囲むように軸方向に
延びた筒状部を有し、該筒状部の先端部が前記ケーシン
グの大径筒部に衝合状態で固着された固定スクロール
と、該固定スクロールのラップ部と重なり合うように渦
巻状のラップ部が立設された鏡板および該鏡板の外周側
からラップ部とは逆向きに延びる筒状のボス部を有し、
該ボス部が前記駆動軸のクランクに旋回軸受を介して旋
回自在に支持された旋回スクロールと、該旋回スクロー
ルのラップ部と固定スクロールのラップ部との間に形成
され、吸込みポートから吸込んだ流体を吐出ポートから
吐出させる複数の圧縮室と、前記吸込みポートと共に該
各圧縮室を前記ケーシング内に対して遮断すべく、前記
固定スクロールと旋回スクロールとの間に設けられた環
状のシール部材とを備え、前記旋回スクロールには、該
旋回スクロールの重心を前記旋回軸受の重心側に移動さ
せるように、該旋回スクロールの鏡板から軸方向に離間
し、前記ボス部の外周側から径方向外方に延びる環状の
拡径部を設ける構成としてなるスクロール流体機械。