JPH0752198A - 樹脂積層体の成形方法 - Google Patents

樹脂積層体の成形方法

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JPH0752198A
JPH0752198A JP4551293A JP4551293A JPH0752198A JP H0752198 A JPH0752198 A JP H0752198A JP 4551293 A JP4551293 A JP 4551293A JP 4551293 A JP4551293 A JP 4551293A JP H0752198 A JPH0752198 A JP H0752198A
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layer
resin
molding
elastic modulus
thermoplastic resin
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Yasushi Kageyama
裕史 影山
Osamu Kidai
修 木代
Masatoshi Kimura
昌敏 木村
Masaru Honma
賢 本間
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Mitsubishi Chemical Corp
Toyota Motor Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
Toyota Motor Corp
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/16Making multilayered or multicoloured articles
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
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    • B29C45/16Making multilayered or multicoloured articles
    • B29C45/1657Making multilayered or multicoloured articles using means for adhering or bonding the layers or parts to each other
    • B29C2045/1659Fusion bonds
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29KINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES B29B, B29C OR B29D, RELATING TO MOULDING MATERIALS OR TO MATERIALS FOR MOULDS, REINFORCEMENTS, FILLERS OR PREFORMED PARTS, e.g. INSERTS
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  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 少なくとも一方向の曲げ弾性率が5GPa以
上であり且つ無機フィラーを含まない(又は含んでいて
もよい)熱可塑性樹脂の複数層からなる樹脂積層体の成
形方法であって、熱可塑性樹脂を射出して形成された第
1層の上に、金型温度〔HDT−20℃〕〜〔HDT+
50℃〕(HDTは熱可塑性樹脂の熱変形温度)の条件
下、該第1層の樹脂流動方向と異なる流動方向へ熱可塑
性樹脂を射出して第2層を形成し、同時に第1層と熱融
着する工程を含むことを特徴とする、樹脂積層体の成形
方法。 【効果】 一方向に高弾性率の樹脂材料を用いて、その
高弾性率を保持したまま、異方性の少ない積層体を、生
産性のよい方法で成形することができる。特に無機フィ
ラーを含まない場合においては、かかる樹脂積層体は、
軽量性、リサイクル性にもすぐれており、自動車外板材
料等に好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、樹脂積層体、例えば車
両用外板材料や建築用壁材料等の構造材料に用いられる
積層体及びその積層成形法に関するものである。更に詳
しくは高弾性率でかつ異方性が少なく、軽量性、リサイ
クル性に優れる樹脂積層体及びその成形法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】最近は環境の保護ということを考慮した
材料設計が、自動車用材料にとっても重要な開発の指針
となっている。すなわち、燃料の消費を削減しCO2
減少を目的とした自動車の軽量化、及び廃棄物の削減を
目的とした材料のリサイクル性が重要な課題となってき
ている。
【0003】燃費の向上に対しては、エンジン効率の改
善、空気抵抗の削減、車体の軽量化等が効果的である
が、自動車外板材料という観点からみると、形状設計の
自由度、軽量性という点で樹脂の利用が注目され、現在
その使用が増大しつつある。例えば自動車外板材料とし
ての樹脂の利用は、現在までのところ、熱硬化性樹脂を
マトリクスとした従来からのいわゆる複合材料と、熱可
塑性樹脂に無機物を添加し高剛性を持たせたいわゆるエ
ンジニアリングプラスチック材料とに大別できる。
【0004】しかし、熱硬化性樹脂複合材料は、長繊維
の無機強化材を用いることが多く、非常に高剛性の材料
を得易い反面、熱硬化性のため材料の再利用は困難であ
った。また、熱可塑性樹脂をマトリクスとした材料で
は、熱可塑性樹脂が硬化前の熱硬化性樹脂に比べて非常
に粘度が高いこともあり強化材の充填量を高くできず、
高剛性の材料を得ることは困難であり、また高充填でき
たとしても比重が高くなるため金属代替材料としての樹
脂化のメリットが発現され難かった。特に、熱可塑性樹
脂にガラス繊維などの短繊維を入れて強化している場
合、その材料を回収後再利用しようとしても、成形時に
それらの繊維が折れてしまい、リサイクル品では初期の
充分な物性を再現させることは困難であった。
【0005】一方、熱可塑性の一般的な樹脂では弾性率
は金属に比べかなり低いといえ、高弾性率な熱可塑性樹
脂として例えば液晶ポリマーが知られており、繊維状に
すれば金属に匹敵する弾性率を有するものも得られい
る。また成形体にしても、一般の樹脂に比較してかなり
高弾性率の材料となることが知られている。しかしこれ
ら液晶ポリマーは、その高弾性率の発現機構がポリマー
鎖の成形方向への配向ということに依存しているため、
弾性率の異方性を持つのが普通であった。すなわち成形
方向(例えば射出成形における樹脂の流動方向)への高
弾性率であるがそれと直角方向の弾性率は前者に比較し
て著しく低いというのが通常である。
【0006】この弾性率の著しい異方性は、構造材料と
して考えた場合、弾性率の低い方向を含むため信頼性に
欠け、実用化し難いものであった。またこの現象は、い
わゆる液晶ポリマーに限らず、通常のポリマーにおいて
も高弾性率化すると堅調になり、材料の信頼性の面で問
題があった。この異方性の改善のためには、無機充填剤
を添加することは効果があるが、前述のリサイクル性及
び比重の増加という点では問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】高弾性率ではあるが成
形により異方性の出易い材料を用いて、結果として高弾
性率で異方性の少ない材料を得るためには、かかる異方
性の大きい材料層の良好な物性を保ったまま、異方性の
少なくなるように適当な角度で積層すれば達成され得
る。このような方法として、特開昭58−31718で
は、異方性の強いサーモトロピック液晶ポリマーシート
を多軸配向ラミネートして、異方性の緩和を図っている
が、シートまたはフィルムのような薄手のものを多軸に
ラミネートして構造材料までにすることは非常に困難で
あり、また経済的な方法とは言えないため、異方性の少
ない構造材料の工業的製造方法には適さない。
【0008】一方、熱可塑性ポリマーを、接着剤を層間
に用いて積層体とすることもできるが、その材料を後に
リサイクル使用しようとする場合に、接着剤の混入が問
題となる。更に、層表面だけを熱融着させ積層体とした
方が生産性やコストの点で有利であるが、成形時の流動
やせん断により形成されるポリマーの配向は加熱により
比較的容易に緩和してしまうため、弾性率向上に寄与の
あるポリマーの配向が熱融着により壊されてしまい、成
形時に得られた高弾性率が積層時に失われることになっ
てしまう。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、軽量性と
リサイクル性を有し、かつ高弾性率を保持しながら力学
的異方性の少ない、各種構造材料に適した樹脂積層体の
成形方法につき鋭意検討した結果、一定条件下、射出成
形により積層することにより、かかる目的を達成しうる
ことを見出し、本発明に到達した。
【0010】すなわち、本発明の要旨は、少なくとも一
方向の曲げ弾性率が5GPa以上である熱可塑性樹脂の
複数層からなる樹脂積層体の成形方法であって、熱可塑
性樹脂を射出して形成された第1層の上に、金型温度
〔HDT−20℃〕〜〔HDT+50℃〕(HDTは熱
可塑性樹脂の熱変形温度℃)の条件下、該第1層の樹脂
流動方向と異なる流動方向へ熱可塑性樹脂を射出して第
2層を形成し、同時に第1層と熱融着する工程を含むこ
とを特徴とする、樹脂積層体の成形方法に存する。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
用いられる熱可塑性樹脂は、高弾性率であることが必要
であり、具体的には、少なくとも一方向には5GPa以
上、好ましくは10GPa以上であるものを用いる。か
かる熱可塑性樹脂としては、無機フィラーを含まずにこ
の要件を満たすポリマーを選択して用いるのが、、軽量
性、リサイクル性の点から好ましい。但し、用途に応じ
て、ポリマーに無機フィラーを添加することにより、5
GPa以上としたものを用いてもよい。
【0012】無機物フィラーを含まずに少なくとも一方
向の曲げ弾性率が5GPa以上になるポリマーとして
は、例えばサーモトロピック液晶ポリマーが挙げられ
る。サーモトロピック液晶ポリマーとは、溶融時に液晶
状態をとりうるポリマーのことである。このようなサー
モトロピック液晶ポリマーの例としては、脂肪族芳香族
系共重合サーモトロピック液晶ポリマーや、全芳香族系
共重合サーモトロピック液晶ポリマー等を挙げることが
出来る。
【0013】脂肪族系共重合サーモトロピック液晶ポリ
マーの例としては、ポリエチレンテレフタレートとパラ
ヒドロキシ安息香酸をアシル化剤の存在化反応させて共
重合オリゴマーを形成させた後重合して得られる共重合
ポリエステル等が挙げられる。全芳香族系共重合サーモ
トピック液晶ポリマーの例としては、パラヒドロキシ安
息香酸/ビフェノール/テレフタル酸の三元共重合体や
パラヒドロキシ安息香酸と2−オキシ−6−ナフトエ酸
が3:1のものが挙げられる。このような全芳香族ポリ
エステルとしては、セラニーズ社より「ベクトラ」とい
う商品名で上市されているものが挙げられる。た、オキ
シカルボン酸を用いず、ジオールとジカルボン酸のみか
ら成るポリマーであってもよく、さらに本発明に利用で
きるサーモトロピック液晶ポリマーは、ポリエステルだ
けではなく、主鎖にアミド基、エーテル基、ケトン基、
イミド基、カーボネート基等が導入されたものでもよ
い。
【0014】サーモトロピック液晶ポリマーの他に高弾
性率を与えるポリマーの構造としては、なるべく主鎖方
向と各モノマー単位の主軸方向が平行となるようなもの
を主に用いるとよい。例えば、p−フェニレン、4,4
−ビフェニレン等を主鎖の基本骨格成分として、それら
の間をエステル結合、アミド結合、イミド結合、ケトン
結合、直接結合等で結び付け主鎖方向となるべく平行と
なるような構造が好ましい。
【0015】また、一般にこれら剛直構造だけでは熱可
塑性とはなりにくいので、主鎖の分子間力を弱める意味
でキンク構造(例えばm−フェニレン、2,6−ナフタ
レン構造)等を適宜導入したり、各芳香族環の水素を適
当な置換基で置換することが好ましい。但し、これらの
基の導入があまり多くなると弾性率の低下が著しくなる
ので、特にメチレン鎖やエーテル結合等の屈曲鎖を主鎖
に大量に導入することは好ましくない。
【0016】本発明では、以上のような高弾性率ポリマ
ーであるサーモトロピック液晶ポリマー等に、弾性率、
異方性、耐熱性等の改良のために、ガラス繊維、炭素繊
維、シリカ、タルク、マイカ、金属ウィスカー等の無機
物フィラーを充填させた樹脂混合物層を少なくとも一層
は含むことができる。また、無機物フィラーの添加量は
特に規定されるものではなく、所望の改良目的に応じて
添加量、種類、形状等を任意に選べば良いが、一般に添
加量を多くすると前述の物性は改良される方向に行く
が、流動性を損ない、比重も高くなる。そのため、例え
ばガラス短繊維の場合には、そのアスペクト比によって
も異なって来るが、樹脂中で5〜60wt%程度添加す
ることが好ましく、さらに好ましくは10〜40wt%
程度添加することが好ましい。
【0017】これらの樹脂単独で各層を構成しても良い
が、流動性、接着性、異方性、弾性率等の改善のために
他のポリマーを添加したポリマーアロイ系とすることも
出来る。また、少なくとも一方向に5GPa以上となる
樹脂成形層を一層は使用する必要はあるが、その他に、
層間の接着性を向上させるため熱可塑性の相対的に薄い
接着層を積層しても良い。
【0018】本発明においては、かかる熱可塑性樹脂の
複数層からなる樹脂積層体を、以下に示す方法で成形す
る。すなわち、まず熱可塑性樹脂を金型キャビティー内
へ射出して第1層を形成し、次いでその上に、該第1層
の樹脂流動方向と異なる流動方向へ熱可塑性樹脂を射出
して第2層を形成し、同時に第1層と熱融着する工程か
らなる。ここで、第2層を形成する際の金型温度は、
〔HDT−20℃〕〜〔HDT+50℃〕の範囲になる
よう制御する。
【0019】成形の際の金型温度は、成形時の流動性と
得られる成形片の固化速度により決定されるが、一般に
は金型温度を上げるほど流動性は良くなるが、固化し難
くなる。また逆にそれらの温度を下げれば固化はしやす
くなる。射出成形のように主にせん断配向させる場合に
は、金型温度を低くしてやるほど弾性率は高くなる傾向
があるが、樹脂表面が速く冷え、固化してしまうため
に、融着積層性は悪くなる。樹脂の成形温度はその樹脂
の耐熱性と溶融粘度からある特定の温度範囲に決まって
しまうことが多いため、特に射出成形で金型内で成形と
融着積層をほぼ同時に行う場合においては、金型温度の
制御で高弾性率と融着性の両立を図ることが出来る。
【0020】すなわち、本発明においては、目的の樹脂
のHDT(℃)に対して〔HDT−20℃〕〜〔HDT
+50℃〕の範囲で金型温度を制御することにより高弾
性率と融着性を両立させることが出来る。この範囲より
高い温度では融着性は上がるが、融着の際に高温により
長くさらされることになるので、ポリマーの配向が乱さ
れ弾性率が低下してしまう。逆に前記温度範囲より低い
温度では、弾性率は保持され易いが融着積層性が著しく
低下してしまう。尚、金型の好ましい温度範囲として
は、〔HDT−10℃〕〜〔HDT+50℃〕であり、
更に好ましくは〔HDT〕〜〔HDT+50℃〕の範囲
である。
【0021】ポリマーを射出成形により成形すると、一
般にその成形方向とそれ以外の方向では弾性率を初めと
して物性に差が出易くなるが、その差をなるべく解消さ
せるため、成形時またはその直後に、少なくとも一層の
配向方向が他の層の配向方向とは実質的に異なるよう
に、第2層の形成に際しては、第1層の樹脂流動方向と
異なる流動方向へ熱可塑性樹脂を射出することが必要で
ある。その方向の一例としては、各層の配向方向の間
に、π/n(nは3以上の整数)なる関係があるように
すると、その積層体は面内剛性が角度によらず一定とな
るようにできる。また面外剛性を角度によらず一定とす
るには、面内剛性の場合よりも複雑にはなるが計算によ
り設計することができる。また、物性の異方性の解消よ
りも、特定の方向の、例えば高弾性率が重要な場合に
は、同じ厚さの成形体であれば、厚いものを一層で作る
よりも、薄いものをその特定方向に前述の成形条件で何
層か積層させ、高弾性率化させることも出来る。各層の
配向方向間の角度は、以上のように目的に応じて任意に
定めることが出来る。
【0022】積層体を構成する各層の厚さはそれぞれ等
しくても異なっていても良い。また各層の厚さは、最終
的な積層体の厚さと積層数から決められることになる
が、一般に樹脂層の厚さにより弾性率は変化し、薄くす
るほど高弾性率となり易く、この傾向は特に液晶ポリマ
ーで顕著である。そのため高弾性率化の点で各層の厚さ
はなるべく薄いほうが有利であるため、3.0mmより
薄く、好ましくは0.3mm〜1.5mmが良い。積層
数については時に制限はないが、等方性の確保、生産性
の保持の面からは、2〜8層の積層が好ましい。
【0023】本発明の積層方法は、多段射出と熱融着と
を同時に行なう方法である。この場合、第2層の射出成
形後にその樹脂の余熱を利用して融着させるようにする
ことが好ましい。尚、所定の形状の成形体を得つつ積層
成形するために、金型内において成形と積層を同時に行
わせることは、生産性、融着性の面から好ましい。この
場合、ある層の成形工程と次の層の成形及び融着工程は
同じ金型内で行ってもよく、また異なる金型に移動させ
てから行ってもよい。
【0024】また、本発明の第1層とは、単層の平板で
あってもよく、また複数層からなる積層体であってもよ
い。また第2層の積層後、更にこれに第3層を射出して
多段で積層体を成形することもできる。各層を射出成形
して得る場合に於て、各層の厚さを薄くして大きな成形
体を得ようとすると、通常の方法では高い射出圧が必要
となり、成形が困難となる。そこで、射出の初期におい
ては型締め圧を低めに設定し金型をやや型開き状態で行
い、射出の後期に於て充分な型締め圧として所定の成形
体を得る成形方法を組合せたり、射出成形後プレス成形
を行う射出プレス成形や、射出成形と圧縮成形を同時に
行う射出圧縮成形を組み合わせてやることにより、大型
で高弾性率であり、かつ、ひけの少ない成形体を得るこ
とが出来るようになる。
【0025】本発明の樹脂積層成形体は、軽量でかつ高
弾性率でしかも異方性の少ない材料であるので、従来樹
脂単独では弾性率、異方性の点で使われ難かったような
分野はもとより、金属などの無機材料をも代替する材料
として、車両・船舶・航空機用の外板及び内壁材料、住
宅・建築物用壁材料、基板・外装材等の電気・電子材
料、等例示したものに限らず非常に多くの分野での各種
構造材料に応用することが可能である。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳しく説明
する。 (参考例)樹脂A〜Bにつき、射出成形機を用いて所定
の成形温度及び金型温度で、80×80×0.6mmの
平板を成形した。板の中央部付近より短冊を50×6m
mの形状で、成形板のMD方向(成形方向)を0°方向
として、短冊の長手方向が所定の方向となるように切り
出し、その曲げ弾性率(FM)を測定した。結果を表
1、表2に示した。尚、曲げ弾性率はASTM−D−7
90に準拠し、またHDTはASTM−D−648に準
拠して測定したものである。
【0027】
【表1】 樹脂A:ノバキュレートE−322(三菱化成社製、サ
ーモトロピック液晶ポリエテル) 樹脂B:ノバキュレートE−322GF30(三菱化成
社製、サーモトロピック液晶ポリエテル。ガラス繊維3
0重量%混合)
【0028】
【表2】
【0029】(実施例1)二色射出成形機を用い、樹脂
A(HDT=120℃)を成形温度を275℃、金型温
度を100℃にそれぞれ設定して、まず、150×15
0×1mmの金型キャビティー内に射出成形し平板を
得た。次に、平板を別の金型に移し、成形方向(樹脂
の流動方向)と直角方向より150×150×1mmの
平板を平板の上に射出成形し、同時に二枚を熱融着
させ、互いの配向方向が直交した二層積層体を得た。
【0030】積層成形後、参考例と同様に短冊片(短冊
の長手方向は一方のMD方向でかつ他方のTD方向とな
る)を切取り曲げ物性を測定し、また目視により密着性
又は板の配向性の保持具合いを観察した。結果を表3に
示した。 (実施例2〜5、比較例1〜4)成形温度又は金型温度
のいずれかを表3に示すように変更した以外は実施例1
と同様に成形し、曲げ物性及び積層性の評価をした。結
果を表3に示した。
【0031】
【表3】 (*1)従来法の成形では、樹脂Aの場合、金型温度は
80℃が一般的である。 (*2)層間の密着性または各層の配向、形状の保持性 ○…完全に密着し、変形がない。 ×…融解し、波打つなどの変形が生じる。 (*3)比較例1,3は密着性不良のため物性の測定が
できなかった。
【0032】(実施例6)二色射出成形機を用い、樹脂
B(HDT=180℃)を成形温度を290℃、金型温
度を170℃にそれぞれ設定して、まず、150×15
0×1mmの金型キャビティー内に射出成形し平板を
得た。次いで、該平板を別の金型に移し、平板の成
形方向(樹脂の流動方向)と直角方向より150×15
0×1mmの平板を平板の上に射出成形し同時に二
枚を熱融着させ、互いに配向方向が直交した二層積層体
を得た。
【0033】積層成形後、参考例と同様に短冊片(短冊
の長手方向は一方のMD方向でかつ他方のTD方向とな
る)を切取り曲げ物性を測定し、また目視により密着性
又は板の配向性の保持具合いを観察した。結果を表4に
示した。 (実施例7、比較例5)金型温度を表4のように変えた
以外は実施例6と同様に成形し、曲げ物性、積層性の評
価をした。結果を表4に示す。
【0034】
【表4】 (*1)層間の密着性または各層の配向、形状の保持性 (*2)比較例5は積層性不良のため物性測定せず
【0035】
【発明の効果】本発明の方法によれば、一方向に高弾性
率の樹脂材料を用いて、その高弾性率を保持したまま異
方性の少ない積層体を、生産性のよい方法で成形するこ
とができる。かかる樹脂積層体は軽量性、リサイクル性
にも優れており、特に自動車外板材料に好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 昌敏 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成株式会社総合研究所内 (72)発明者 本間 賢 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成株式会社総合研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一方向の曲げ弾性率が5GP
    a以上である熱可塑性樹脂の複数層からなる樹脂積層体
    の成形方法であって、熱可塑性樹脂を射出して形成され
    た第1層の上に、金型温度〔HDT−20℃〕〜〔HD
    T+50℃〕(HDTは熱可塑性樹脂の熱変形温度℃)
    の条件下、該第1層の樹脂流動方向と異なる流動方向へ
    熱可塑性樹脂を射出して第2層を形成し、同時に第1層
    と熱融着する工程を含むことを特徴とする、樹脂積層体
    の成形方法。
JP4551293A 1993-03-05 1993-03-05 樹脂積層体の成形方法 Pending JPH0752198A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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FR2795672A1 (fr) * 1999-06-29 2001-01-05 Valeo Vision Procede de moulage pour realiser une piece a structure multicouche
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