JPH0752012A - 円筒部材の角部加工方法及び装置 - Google Patents

円筒部材の角部加工方法及び装置

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JPH0752012A
JPH0752012A JP19488493A JP19488493A JPH0752012A JP H0752012 A JPH0752012 A JP H0752012A JP 19488493 A JP19488493 A JP 19488493A JP 19488493 A JP19488493 A JP 19488493A JP H0752012 A JPH0752012 A JP H0752012A
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Hideji Masumoto
秀治 升本
Yoji Hiraga
洋二 平賀
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  • Grinding Of Cylindrical And Plane Surfaces (AREA)
  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 設備費用や維持費が極めて少くて済み、所望
の湾曲形状を得ることが容易な円筒部材の角部加工を可
能にする。 【構成】 円筒形ワーク4の角部に接触させ回転させる
ことによりワーク角部を曲面に研磨する回転ブラシ10
と、ワーク4を回転ブラシに接触させつつ回転ブラシの
軸方向に移動させる移動手段20,30とを備え、上記
回転ブラシの上記角部への接触量(切込量)Dの大小に
より、上記角部曲面の楕円形状を所定の短径aに調整
し、また上記ワークの移動速度の大小により、上記角部
曲面の楕円形状を所定の長径bに調整することを特徴と
している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、油圧制御バルブのスプ
ールの製造等に有用な円筒部材の角部加工方法及び装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車の四輪操舵(4WS)の性能は、
車種により要求される性能が異なり、そのため、4WS
性能の殆どを左右する油圧制御バルブの性能を制御し作
り込む製造技術が必要となっている。
【0003】一般に、油圧制御バルブユニットは、バル
ブボディ内でバルブスプールを往動及び復動させること
で油路を封鎖又は連通させ、油圧を立ち上げたり立ち下
げたりする機能を有するものであるが、その性能は、バ
ルブを構成するスプール、スリーブ、バルブボディ等の
油流を絞る角部の面取り形状で決定される。
【0004】図14は、自動車の四輪操舵の油圧制御装
置における場合を例示したもので、バルブボディ1にス
プール嵌入穴2が設けられ、該嵌入穴2内にスプリング
3、鉄製のスプール4、プラグ5が嵌入され、プラグ5
の外周溝6内にピン7先端を側方から差し込まれ、以て
バルブユニットが組み立てられるようになっている。
【0005】スプール4は軸方向に段差を有する円筒部
材であり、その角部Aの面取り形状の如何が油圧制御バ
ルブの性能に大きく左右する。即ち、変位量と油圧の特
性図において、希望する特性への応答性が良く且つ振動
の発生しない形状として、通常は図15に示すように短
径a,長径bを有する楕円形状に面取りされる。この楕
円の短径aは、最初は応答性を良くするという観点から
急激に立ち上がる長さに決定され、長径bは、その後の
閉鎖又は開放への移行過程でのショックを和らげて振動
を抑えるという観点から、緩慢に変化させる長さに決定
される。
【0006】上記の角部面取りは、従来、精密旋盤や研
磨機により加工されている。また、類似の技術として、
特開平4−69148号等には、回転式制御弁のバルブ
ロータのロータ部に形成したロータ溝における圧力変化
緩衝用の面取りに関し、砥石車の加工面を予め加工する
形状に合わせておき、この砥石車の加工面をロータ溝上
に当て、長手方向に沿って移動させることにより、ロー
タ溝の幅方向両側稜の面取り部を形成する方法も提案さ
れている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、スプールやス
リーブの如き円筒部材の角部の面取りを、従来の精密旋
盤や研磨機により行う加工方法では、設備費用や維持費
(ランニング・コスト)が多くかかるという問題があっ
た。
【0008】また、砥石車を用いて面取り加工する方法
では、加工時間がかかるだけでなく、砥石車の加工面を
予め加工する形状に合わせて形成しておく必要があるた
め、所望形状の種類に応じた数だけの砥石を用意し且つ
使用に際して常に正しい砥石加工面を維持する必要があ
る。
【0009】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、設備費用や維持費が極めて少くて済み、所望の湾曲
形状を得ることが容易な円筒部材の角部の加工方法及び
装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明による円筒部材の角部加工方法の基本的な形
態は、回転ブラシに対して円筒部材から成るワークを回
転させながら接触させ且つ軸方向に動かし、このワーク
の回転ブラシに対する押しつけ量と上記ブラシとの接触
時間とを加減することによって、ワークの角部を所定の
湾曲形状に面取りするものである(請求項1)。
【0011】本発明による円筒部材の角部加工方法の実
際的な第1の形態は、円筒部材から成るワークの角部に
接触させ、回転させることによりワークの角部を曲面に
研磨する回転ブラシと、ワークを回転ブラシに接触させ
つつ回転ブラシの軸方向に移動させる移動手段とを備
え、上記回転ブラシの上記角部への切込量の大小により
上記角部曲面の楕円形状の短径の大小を調整して、上記
角部曲面の楕円形状を所定の短径を得るものである(請
求項2)。
【0012】第2の形態は、円筒部材から成るワークの
角部に接触させ、回転させることによりワーク角部を曲
面に研磨する回転ブラシと、ワークを回転ブラシに接触
させつつ回転ブラシの軸方向に移動させる移動手段とを
備え、上記ワークの移動速度の大小により上記角部曲面
の楕円形状の長径の小大を調整して、上記角部曲面の楕
円形状の所定の長径を得るものである(請求項3)。
【0013】第3の形態は、円筒部材から成るワークの
角部に接触させ、回転させることによりワーク角部を曲
面に研磨する回転ブラシと、ワークを回転ブラシに接触
させつつ回転ブラシの軸方向に移動させる移動手段とを
備え、上記回転ブラシの上記角部への切込量の大小によ
り上記角部曲面の楕円形状の短径aの大小を調整して上
記角部曲面の楕円形状を所定の短径とし、また上記ワー
クの移動速度の大小により上記角部曲面の楕円形状の長
径の小大を調整して上記角部曲面の楕円形状の所定の長
径を得るものである(請求項4)。
【0014】第4の形態は、円筒部材から成るワークの
角部に接触させ、回転させることによりワーク角部を曲
面に研磨する回転ブラシと、ワークを回転ブラシに接触
させつつ回転ブラシの軸方向に移動させる移動手段と、
円筒部材から成るワークを回転ブラシ側に押圧すると共
に回転によりワークを回転させる調整車と、調整車及び
回転ブラシの少なくともいずれか一方に設けられ、互い
の軸心に相対的な傾斜角度を持たせる手段とを備え、上
記調整車の回転送度及び傾斜手段による傾斜角度の少な
くともいずれか一方により上記バルブの移動速度を調整
するものである(請求項5)。
【0015】本発明の円筒部材の角部加工装置は、互い
に平行に対向配置され且つ互いに同一方向に回転される
回転ブラシ及び回転調整車と、この回転ブラシ及び回転
調整車間にワークを支持し入口側から徐々に下方の出口
側に向かう傾斜搬送路を形成する搬送台と、この傾斜搬
送路上のワークに対する回転ブラシの接触量を加減すべ
く回転調整車を回転ブラシ側に接近移動可能とした切込
量調整機構とを備えたものである(請求項6)。
【0016】この場合、上記回転ブラシ及び回転調整車
の少なくともいずれか一方に、互いの軸心に相対的な傾
斜角度を持たせる角度調整機構とを備えることができる
(請求項7)。また、コンピュータを主体とする制御装
置本体内に、ワークの送り速度を変化させた場合と切込
量を変化させた場合の長径と短径の比率特性についての
マップを有し、ワークの角部の楕円形状として欲する寸
法が入力情報として与えられた場合、それに適した送り
速度と切込量をマップに従って決定する手段と、決定さ
れた送り速度を得るように調整車を回転させる手段と、
決定された切込量を得るように調整車を回転ブラシに対
して移動させる切込量調整機構とを備えた構成とするこ
とができる(請求項8)。
【0017】
【作用】回転ブラシは例えばナイロン紐を回転体周面に
植設したものから成り、このナイロンブラシは、該回転
ブラシの軸方向に移動している状態のワークに接触し
て、ワークの角部をブラッシングして面取り加工を施
す。
【0018】4WSの場合の面取り形状は、ある比率の
楕円形状を必要とするが、車種別の必要とする楕円形状
の比率を、「ワークの送り速度」や「ブラシのアプロー
チ量」等の適当な組み合わせにより、実現できる加工技
術である。
【0019】基本的には、請求項1の如く、回転ブラシ
に対して円筒部材から成るワークを回転させながら接触
させ且つ軸方向に動かし、このワークの回転ブラシに対
する押しつけ量と、上記ブラシとの接触時間とを加減す
ることによって、ワークの角部を所定の湾曲形状に面取
りする。
【0020】請求項2は、ワークを回転ブラシの軸方向
に移動させ、上記回転ブラシの上記角部への接触量(切
込量)の大小により、上記角部曲面の楕円形状の短径の
大小が変わることを利用して、上記角部曲面の楕円形状
を所定の短径aに調整するものである。また、請求項3
は、ワークの移動速度の大小により上記角部曲面の楕円
形状の長径bの小大が変わることを利用して、上記角部
曲面の楕円形状を所定の長径bに調整するもの、請求項
4は、請求項2と請求項3の特徴を合わせ持つものであ
る。いずれの場合も、簡単な加工装置によりスプール角
部の面取を精度良く、迅速に加工できる。
【0021】請求項5は、更に調整車と傾斜角度を持た
せる手段とを備え、上記調整車の回転送度及び傾斜手段
による傾斜角度の少なくとも一方により上記ワークの移
動速度を調整するもので、より調整が簡単である。
【0022】請求項6の角部加工装置では、回転ブラシ
及び回転調整車間にてワークを支持する搬送台が、入口
側から徐々に下方の出口側に向かう傾斜搬送路を形成す
るため、「回転ブラシからの出口方向への推進力+ワー
ク重量による出口方向への推進力>回転調整車からの入
口方向への推進力」という関係によりワークは出口へ向
かう。この力関係が上記移動手段となる。切込量はこの
傾斜搬送路上のワークに対する回転ブラシの接触量であ
るが、これは回転調整車を回転ブラシ側に接近移動可能
とした切込量調整機構により加減される。請求項7の角
度調整機構は、上記移動手段として機能させることがで
きる。
【0023】請求項8の制御装置では、適切な送り速度
と切込量を操作者が意識することなく、これをマップに
従って自動的に決定し、決定された送り速度及び切込量
を得るように調整車を回転させ或いは回転ブラシに対し
て移動させることができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の一実施例を添付図面に基づい
て詳述する。
【0025】図1及び図2に示す円筒部材の角部加工装
置は、軸方向に段差を有するスプール4の角部を楕円形
状に面取りする場合を取り扱っている。
【0026】図において、10は回転ブラシ、20は回
転調整車であり、互いに平行に対向配置され且つ矢示P
1,P2の如く互いに同一方向に回転される。30はブ
レードであり、上記回転ブラシ10及び回転調整車20
間において、円筒形部材から成るワークたるスプール4
を支持し、入口側31から傾斜角度θ(図7)で徐々に
下方の出口側32に向かう傾斜搬送路33を形成する搬
送台として機能する。
【0027】この搬送台30の傾斜搬送路33上のスプ
ール4に対する回転ブラシ10の接触量(切込量)Dを
加減すべく、回転調整車20にはボールねじ21及びナ
ット22より成る切込量調整機構23が設けられ、該切
込量調整機構23により回転ブラシ10側に接近する方
向(送り方向)と遠ざかる方向(戻し方向)に移動可能
に回転調整車20が装置されている。更にこの実施例で
は、回転ブラシ10についても、同様にボールねじ11
及びナット12より成る切込量調整機構13が設けら
れ、該切込量調整機構13により回転ブラシ10が回転
調整車20側に接近する方向(送り方向)と遠ざかる方
向(戻し方向)に移動可能に装置されている。この回転
ブラシ10又は回転調整車20を互いに接近し又は遠ざ
かる方向に送り出し及び戻すための送り操作手段は、図
9及び図10に詳細を示す手動操作ハンドル14,24
であり、取手14a,24aを握って一方向に回転させ
ることにより図1に実線で示す方向に送り出し、逆方向
に回転させることにより破線で示す方向に戻すことがで
きる。
【0028】図3及び図4は回転ブラシ10の具体的構
成を示したもので、周面にナイロンブラシ15を植設し
た回転体を、駆動モータM1によりプーリ16,ベルト
17及びプーリ18を介して回転させる構成であり、全
体は上記切込量調整機構13により横方向に移動可能な
スタンド10aに組み付けられ、ベルト17にはテンシ
ョナー19により所定の張力が付与されている。この回
転ブラシ10は、図示はしてないが、スタンド10aの
底面に対して2゜程度の傾斜角度δを持たせる角度調整
機構を備えている。
【0029】図4及び図5は回転調整車20の具体的構
成を示したもので、周面に比較的柔らかな材料より成る
外皮25を有する回転体を、駆動モータM2によりプー
リ26,ベルト27及びプーリ28を介して回転させる
構成であり、全体は上記切込量調整機構23により横方
向に移動可能なスタンド20aに組み付けられ、ベルト
27にはテンサー29により所定の張力が付与されてい
る。この回転調整車20も、図示はしてないが、スタン
ド20aの底面に対して2゜程度の傾斜角度δを持たせ
る角度調整機構を備えている。
【0030】しかし、上記回転ブラシ10及び回転調整
車20の少なくともいずれか一方に、互いの軸心に相対
的な傾斜角度δを持たせる角度調整機構を備えれば足り
る。
【0031】次に図7〜図8に基づいて上記構成の面取
り作用を説明する。
【0032】まず、ワークたるスプール4を回転ブラシ
10及び回転調整車20間に挟み込む。このとき回転ブ
ラシ10及び回転調整車20は、面取りを行わせるため
に、例えば2000rpm程度で回転させておく。
【0033】スプール4はブレード30の傾斜搬送路3
3上を左から右に流れ、入口側31から徐々に下方の出
口側32に向かう。このようにスプール4を回転ブラシ
に接触させつつ回転ブラシの軸方向に移動させる移動手
段は、下記の力関係による。
【0034】即ち、ブレード30の傾斜搬送路33は傾
斜角度θだけ回転ブラシ10及び回転調整車20の軸線
からずれているため、ワークたるスプール4には、図8
(a)に示すように回転ブラシ10からワークにかかる
力Fの分力として生ずる出口方向に押す力F2と、ワー
ク自身の重量により出口方向へ行く力と、図8(b)に
示すように回転調整車20からワークにかかる力fの分
力として生ずる入口方向に押す力f2と、がかかる。従
って、「回転ブラシからの出口方向への推進力F2+ワ
ーク重量による出口方向への推進力>回転調整車からの
入口方向への推進力f2」という関係によりワークは出
口へ向かう。この力関係が上記移動手段となる。
【0035】かかる移動手段のため、傾斜搬送路33上
のワークの送り速度を加減する方法には、(1) 回転ブラ
シからの出口方向への推進力F2を加減すべく回転ブラ
シ10の回転速度を変える方法、(2) 回転ブラシからの
出口方向への推進力F2を加減すべく回転ブラシ10の
傾斜角δを変える方法、(3) ワーク重量による出口方向
への力を加減すべく傾斜搬送路33の傾斜角θを変える
方法、(4) 回転調整車20からの入口方向への推進力f
2を加減すべく回転調整車20の回転速度を変える方
法、(5) 回転調整車20からの出口方向への力f2を加
減すべく回転調整車20の傾斜角δを変える方法があ
る。
【0036】図15に示した楕円形状の角部を得たい場
合、短径aは、回転ブラシ10と回転調整車20の軸間
の距離、つまり図2で示した切込量調整機構13又は2
3により切込量Dを調整することによって、所望の値に
形成することができる。また、長径bは、上記移動手段
のいずれかによりワークの送り速度つまり回転ブラシ1
0との接触時間を調整することによって、所望の値に形
成することができる。本実施例では、回転調整車20の
切込量調整機構23による切込量調整と、回転調整車2
0の回転速度調整とで、所望の楕円形状を得ている。
【0037】図11は、切込量を一定とし、ワークの送
り速度を変化させた場合の実験結果を示したもので、送
り速度を遅くすれば、楕円形状は大きくなるが(図11
(a))、長径と短径の比率はほとんど変化しない(図
11(b))。
【0038】また図12は、ワークの送り速度を一定と
し切込量を変化させた場合の実験結果を示したもので、
切込量を大きくすると楕円形状は大きくなり(図12
(a))、またそれにつれて短径の占める割合も大きく
なる(図12(b))。
【0039】従って、ワークを回転ブラシの軸方向に移
動させる送り調整を調整車の回転スピードで行って、ワ
ークたるスプール4が回転ブラシの軸方向に流れている
状態で、スプール4の角部に回転ブラシ10を接触させ
回転させることによりスプール角部を曲面に研磨するに
当たり、上記回転ブラシのスプール角部への接触量(切
込量)Dを調整することにより、上記曲面の楕円形状を
所定の短径aに調整することができる。この場合、短径
aを大としたいときは切込量を大とし、短径aを小さく
したいときは切込量を小く調整する。
【0040】また、ワークの移動速度を調整することに
より、曲面の楕円形状を所定の長径bに調整することが
できる。この場合、長径bを小さくしたときは速度を大
きくし、長径bを大きくしたいときは速度を小さくす
る。
【0041】なお、ここでの短径,長径は寸法a,bの
部分に便宜上付けた呼び名であり、切込量Dを極めて深
くして速度を上げた場合には、短径,長径の関係が逆転
することもあり得る。また、単なるバリ取りになるが、
真円(a=b)の形状にすることもできる。
【0042】上記によれば、簡単な加工装置によりスプ
ール角部の面取を精度良く、迅速に加工できる。回転ブ
ラシ10はワークの全ての角部を同等に削って行くた
め、反対面も、入れ替えて2回通さずに同じように削っ
て行くことができる。
【0043】図13は、自動的に適切な切込量と送り速
度とを割り出して加工する制御装置を示したものであ
る。
【0044】この制御装置では、コンピュータを主体と
する制御装置本体50内に、切込量を一定としワークの
送り速度を変化させた場合の長径と短径の比率特性につ
いての第1マップ51と、ワークの送り速度を一定とし
切込量を変化させた場合の長径と短径の比率特性につい
ての第2マップ52とを有している。そして、加工主体
の楕円形状として欲する寸法a,bが入力情報として与
えられた場合、それに適した送り速度と切込量を決定手
段がマップ51,52から決定し、速度検出器53で検
出される調整車20の回転速度を監視しながら、調整車
回転駆動モータM2に上記マップ51からの送り速度を
回転手段に指令して、同送り速度となるように調整車2
0を回転させる。また、回転調整車20の切込量調整機
構23を構成するボールねじ21には、これを駆動する
調整車送りモータM3を設けると共に、その送り位置を
検出する位置検出器54を設けてあり、該位置検出器5
4で検出される調整車20の送り出し位置(切込量)を
監視しながら、調整車送りモータM3に上記マップ52
からの切込量を指令して、同切込量となるように調整車
20を送り込む。
【0045】かかる構成とすることにより、操作者は実
際の送り速度や切込量を意識することなく、自動的に適
切な切込量と送り速度とを割り出して所望の楕円形状に
面取り加工することができる。
【0046】以上、バルブのスプールのエッジを曲面加
工する場合について説明したが、本発明はこれに限定さ
れるものではなく、バルブのスリーブの角部の面取り
や、その他の円筒状部材の角部の面取りに適用すること
ができる。
【0047】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、次のよう
な優れた効果が得られる。 (1)4WSの場合の面
取り形状は、ある比率の楕円形状を必要とするが、請求
項1〜5の方法及び請求項6〜8の装置によれば、車種
別の必要とする楕円形状の比率を、「ワークの送り速
度」や「ブラシのアプローチ量」等の適当な組み合わせ
により、実現することができる。 (2)回転ブラシに対する切込量とワークの送り速度に
より楕円形状を決定できるため、砥石等を用いる場合に
比べて加工条件の設定が容易であり、またその変更が容
易である。 (3)軸方向に複数の段差を有するスプール等におい
て、一回の仕掛けにより全部の段差部が同時に加工され
るため、段差部一箇所ずつ加工したり又は砥石等を用い
る場合に比べて加工時間が非常に短い。 (4)一般的な面取りに使用されている回転ブラシを利
用できるため、加工装置が従来設備と比較して安価であ
る。 (5)ランニングコスト(刀具費等)が従来の精密旋盤
や研磨機による設備と比較して安価である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による円筒部材の角部加工装置を示す概
略平面図である。
【図2】図1の要部を示す側面図である。
【図3】回転ブラシを示す側面図である。
【図4】同じく回転ブラシを一部断面で示す正面図であ
る。
【図5】回転調整車を示す側面図である。
【図6】同じく回転調整車を示す正面略図である。
【図7】回転ブラシと回転調整車とブレードとワークと
の関係を示す説明図である。
【図8】ワークの送り手段の説明に供する図である。
【図9】手動操作ハンドル部分の上面図である。
【図10】手動操作ハンドル部分の正面図である。
【図11】切込量を一定とし、ワークの送り速度を変化
させた場合の実験結果を示した図である。
【図12】ワークの送り速度を一定とし切込量を変化さ
せた場合の実験結果を示した図である。
【図13】自動化を図った制御装置のブロック図であ
る。
【図14】バルブユニットのスプールの説明図である。
【図15】図14のA部の拡大図である。
【符号の説明】
4 スプール 10 回転ブラシ 10a スタンド 11 ボールねじ 12 ナット 13 切込量調整機
構 14,24 手動操作ハンドル 14a,24a 取
手 16 プーリ 17 ベルト 18 プーリ 19 テンサー 20 回転調整車 20a スタンド 21 ボールねじ 22 ナット 23 切込量調整機構 25 外皮 26 プーリ 27 ベルト 28 プーリ 29 テンサー 30 ブレード 31 入口側 32 出口側 33 傾斜搬送路 50 制御装置本体 51 第1マップ 52 第2マップ 53 速度検出器 54 位置検出器 a 短径 b 長径 θ 傾斜角度 D 切込量(接触量) δ 傾斜角度 M1 駆動モータ M2 調整車回転駆
動モータ M3 調整車送りモータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 升本 秀治 広島県東広島市高屋町大字高屋東116番地 31 辰栄工業株式会社内 (72)発明者 平賀 洋二 広島県東広島市高屋町大字高屋東116番地 31 辰栄工業株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転ブラシに対して円筒部材から成るワ
    ークを回転させながら接触させ且つ軸方向に動かし、こ
    のワークの回転ブラシに対する押しつけ量と上記ブラシ
    との接触時間とを加減することによって、ワークの角部
    を所定の湾曲形状に面取りすることを特徴とする円筒部
    材の角部加工方法。
  2. 【請求項2】 円筒部材から成るワークの角部に接触さ
    せ、回転させることによりワークの角部を曲面に研磨す
    る回転ブラシと、ワークを回転ブラシに接触させつつ回
    転ブラシの軸方向に移動させる移動手段とを備え、上記
    回転ブラシの上記角部への切込量の大小により上記角部
    曲面の楕円形状の短径の大小を調整して、上記角部曲面
    の楕円形状の所定の短径を得ることを特徴とする円筒部
    材の角部加工方法。
  3. 【請求項3】 円筒部材から成るワークの角部に接触さ
    せ、回転させることによりワーク角部を曲面に研磨する
    回転ブラシと、ワークを回転ブラシに接触させつつ回転
    ブラシの軸方向に移動させる移動手段とを備え、上記ワ
    ークの移動速度の大小により上記角部曲面の楕円形状の
    長径の小大を調整して、上記角部曲面の楕円形状の所定
    の長径を得ることを特徴とする円筒部材の角部加工方
    法。
  4. 【請求項4】 円筒部材から成るワークの角部に接触さ
    せ、回転させることによりワーク角部を曲面に研磨する
    回転ブラシと、ワークを回転ブラシに接触させつつ回転
    ブラシの軸方向に移動させる移動手段とを備え、上記回
    転ブラシの上記角部への切込量の大小により上記角部曲
    面の楕円形状の短径aの大小を調整して上記角部曲面の
    楕円形状の所定の短径を得る一方、上記ワークの移動速
    度の大小により上記角部曲面の楕円形状の長径の小大を
    調整して上記角部曲面の楕円形状の所定の長径を得るこ
    とを特徴とする円筒部材の角部加工方法。
  5. 【請求項5】 円筒部材から成るワークの角部に接触さ
    せ、回転させることによりワーク角部を曲面に研磨する
    回転ブラシと、ワークを回転ブラシに接触させつつ回転
    ブラシの軸方向に移動させる移動手段と、円筒部材から
    成るワークを回転ブラシ側に押圧すると共に回転により
    ワークを回転させる調整車と、調整車及び回転ブラシの
    少なくともいずれか一方に設けられ、互いの軸心に相対
    的な傾斜角度を持たせる手段とを備え、上記調整車の回
    転送度及び傾斜手段による傾斜角度の少なくともいずれ
    か一方により上記ワークの移動速度を調整することを特
    徴とする請求項3又は4記載の円筒部材の角部加工方
    法。
  6. 【請求項6】 互いに平行に対向配置され且つ互いに同
    一方向に回転される回転ブラシ及び回転調整車と、この
    回転ブラシ及び回転調整車間にワークを支持し入口側か
    ら徐々に下方の出口側に向かう傾斜搬送路を形成する搬
    送台と、この傾斜搬送路上のワークに対する回転ブラシ
    の接触量を加減すべく回転調整車を回転ブラシ側に接近
    移動可能とした切込量調整機構とを備えたことを特徴と
    する円筒部材の角部加工装置。
  7. 【請求項7】 上記回転ブラシ及び回転調整車の少なく
    ともいずれか一方に、互いの軸心に相対的な傾斜角度を
    持たせる角度調整機構とを備えたことを特徴とする請求
    項6記載の円筒部材の角部加工装置。
  8. 【請求項8】 コンピュータを主体とする制御装置本体
    内に、ワークの送り速度を変化させた場合と切込量を変
    化させた場合の長径と短径の比率特性についてのマップ
    を有し、ワークの角部の楕円形状として欲する寸法が入
    力情報として与えられた場合、それに適した送り速度と
    切込量をマップに従って決定する手段と、決定された送
    り速度を得るように調整車を回転させる手段と、決定さ
    れた切込量を得るように調整車を回転ブラシに対して移
    動させる切込量調整機構とを備えたことを特徴とする請
    求項6記載の円筒部材の角部加工装置。
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