JPH0751810A - 双ロール式連続鋳造方法および装置 - Google Patents

双ロール式連続鋳造方法および装置

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JPH0751810A
JPH0751810A JP22281093A JP22281093A JPH0751810A JP H0751810 A JPH0751810 A JP H0751810A JP 22281093 A JP22281093 A JP 22281093A JP 22281093 A JP22281093 A JP 22281093A JP H0751810 A JPH0751810 A JP H0751810A
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cooling
thin
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gas
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JP22281093A
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Kazuhiko Takihara
和彦 瀧原
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、溶融金属を急速凝固・冷却させ、
微細な結晶粒をもち且つ加工性および表面性状に優れた
金属薄板を得る双ロール式連続鋳造方法および装置を提
供する。 【構成】 一対の冷却ロール15a,15b間に注入し
た溶融金属を急冷凝固して薄肉鋳片を製造するに際し
て、鋳造した薄肉鋳片19を押付けロールまたは圧下冷
却ロール20により一方の冷却ロール15aに接触させ
た状態で走行させ、薄肉鋳片と冷却ロールとの間に10
0mW/m・K以上の高い熱伝導率を有するヘリウムま
たはヘリウム,アルゴン,窒素のうちの2種以上の混合
ガスを介在させて薄肉鋳片を700℃/秒以上の冷却速
度で急冷する。 【効果】 熱間圧延工程を経ることなく結晶粒の微細化
が達成され、加工性にも優れた鋳片が得られ、また表面
性状に優れた金属薄板を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄,非鉄金属あるいは
その合金等の溶融金属を鋳造後急速凝固・冷却させて、
微細な結晶粒をもち、加工性および表面性状に優れた金
属薄板を成形する双ロール式連続鋳造方法および装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】内側に向って回転する一対の冷却ロール
間に溶融金属を注入し、これを急冷凝固して金属薄板を
製造する双ロール式連続鋳造方法はベッセマー法として
知られており、この方法によるときは、従来のような多
段階にわたる熱延工程を必要とすることなく、また最終
形状にする圧延も軽度なもので済むために、工程および
設備の簡略化が可能となる。
【0003】図6は、この双ロール式連続鋳造方法を実
施する装置の一例を示し、この鋳造装置は、互いに逆方
向に回転する一対の冷却ロール15a,15bを適当な
間隔で配置し、ロール軸方向両端をサイド堰22a,2
2bで仕切って湯溜まり部16を形成する。
【0004】そして上方から湯溜まり部16に溶融金属
を注入しながら互に内側に回転させると、注入された溶
融金属は冷却ロール15a,15bと接触し、抜熱され
てその結果それぞれの冷却ロール表面に凝固シェル18
a,18bが形成される。この凝固シェル18a,18
bは、成長しながら冷却ロール15a,15bの回転に
伴って接合し、さらにロールギャップ17にて圧下され
て所定の厚さの薄板鋳片19となり、冷却ロール15
a,15bの下方に送出されて金属薄板を製造する。
【0005】この方式の場合、溶融金属が急冷凝固する
ので、湯溜まり部16の凝固シェル18a,18bは微
細な結晶粒を形成している。しかしながら、ロールギャ
ップ17から送出された薄肉鋳片19は未だ高温状態に
あり、冷却ロール15a,15bと接触する鋳片表層部
と板厚中心部では温度差が大きくなっており、内部に未
凝固部分を含んでいる場合がある。
【0006】この薄肉鋳片19の内部の高温層が保有し
ている熱量は、薄肉鋳片19がロールギャップ17から
出た後表層部に熱伝導で伝わり、表層の温度が上昇すな
わち復熱することになり、薄肉鋳片19が板厚全体にわ
たって結晶粒が粗大化する現象が確認されている。
【0007】この結晶粒の粗大化は、一定の圧下を行う
熱間圧延工程を省略する本プロセスでは、従来の製造プ
ロセスである酸洗−冷間圧延−焼鈍工程を経て最終製品
にすると、表面欠陥を発生させる原因となることが知ら
れている。例えば、双ロール式連続鋳造で製造されたス
テンレス鋼の薄肉鋳片を熱間圧延を行わずにそのまま前
記従来の製造工程で製品にするとき、ローピングと呼ば
れる肌荒れや光沢むらが発生して、著しく商品価値を低
下させる。
【0008】このような課題に対しては、ロールギャッ
プから送出された薄肉鋳片を700℃/秒以上で急速冷
却して結晶粒を50μm以下の粒径に維持すること、お
よび鋳造後の薄肉鋳片に対して圧下率50%以上の熱間
圧延を施すことで結晶粒を微細化する等が考えられてい
る。
【0009】例えば、特開昭58−97468号公報お
よび特開昭59−127954号公報では、ピンチロー
ルにより薄肉鋳片に張力を与えて、一方の冷却ロールと
薄肉鋳片を密着させて急速冷却が行われているが、薄肉
鋳片の結晶粒の粗大化に起因するローピングと呼ばれる
肌荒れや光沢むらの発生、およびその抑制方法について
具体的な言及をするものではない。
【0010】さらに特開平2−247049号公報で
は、押付けロールによって一方の冷却ロールに冷却ロー
ルギャップから送出された薄肉鋳片を接触させて急速冷
却する方法において、薄肉鋳片の冷却速度の限界が20
0〜500℃/秒であるために、圧下率40%以下の熱
間圧延工程を併用することによりγ粒径の粒径が50μ
m以下となり、後工程で圧延したときにローピングや光
沢むらの欠陥を発生させることなく、優れた表面状態お
よび材質をもつ製品を得られるとされている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】例えば、特開昭58−
97468号および特開昭59−127954号公報で
は、ピンチロールにより薄肉鋳片に張力を与えて、一方
の冷却ロールと薄肉鋳片を密着させて急速冷却が行われ
ているが、一方の冷却ロールと薄肉鋳片との間のギャッ
プ量や熱抵抗に関する調整について何も言及するもので
はなく、従って、薄肉鋳片の結晶粒経を50μm以下に
するのに十分な700℃/秒以上の冷却速度を達成でき
ない。
【0012】また特開平2−247049号公報記載の
方法は、鋳造直後の高温状態にある薄肉鋳片を対して、
熱間圧延を施すことにより結晶粒の微細化を図る方法で
あり、押付けロールによる冷却ロールと薄肉鋳片間の抜
熱によって、700℃/秒以上の冷却速度で薄肉鋳片を
急速冷却することができないために、熱間圧延設備が必
要となっており、高価な圧延設備の設置や圧延ロールの
メンテナンス等が必要であり、熱延工程の省略という双
ロール連続鋳造方法の本来の狙いを活かしたものではな
い。
【0013】ところで本発明者の実験においても、特開
平2−247049号公報に記載のとおりに、ピンチロ
ールまたは押付けロールによる一方の冷却ロールと薄肉
鋳片との間の抜熱による薄肉鋳片の冷却速度は、700
℃/秒を達成することが出来なかった。
【0014】その原因の一つは、特に前記冷却ロール外
周表面に溶融金属の緩冷却効果を狙った凹状のディンプ
ル加工が施されている場合は、薄肉鋳片にディンプルが
転写されて凹凸状になっており、つまり一方の冷却ロー
ルと薄肉鋳片との間にはロール外周表面の凹状のディン
プル自体と、薄肉鋳片の凹凸性状により形成されるエア
ーギャップの多大な熱抵抗であることと、もう一つはロ
ールギャップにおける前記冷却ロールの外周表面温度が
400℃前後であり、薄肉鋳片に対する抜熱能力が低い
ことが実験結果から明らかになった。
【0015】本発明は以上の知見に基づき、一方の冷却
ロールと薄肉鋳片の間に熱抵抗を低減することから発明
されたものであり、一方の冷却ロールと薄肉鋳片の間の
ギャップに存在するガス媒体を100mW/m・K以上
の熱伝導率を有するガスに置換する方法によって薄肉鋳
片の700℃/秒以上の冷却速度を達成するものであ
る。
【0016】すなわち本発明は、ロールギャップから送
出される高温状態にある薄肉鋳片を一方の冷却ロールに
接触かつ走行させる間に、一方の冷却ロールの表面から
100mW/m・K以上の熱伝導率を有するヘリウムガ
ス,またはヘリウム,アルゴン,窒素のうち2種類以上
の混合ガスを吐出することによって、ギャップ間に介在
させて700℃/秒以上の冷却速度で急速冷却して結晶
粒を50μm以下に維持することにより、双ロール式連
続鋳造方法の1つの利点である熱間圧延工程を経ること
なしで、従来の酸洗−冷間圧延−焼鈍工程で最終製品に
したときに表面欠陥のない、かつ伸びなど機械的な性質
の良好な製品をもつ薄肉鋳片を製造する方法および装置
を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の鋳造方法は、一
対の冷却ロール間に注入した溶融金属を急冷凝固して薄
肉鋳片を製造する双ロール式連続鋳造方法において、鋳
造した直後の薄肉鋳片を一方の冷却ロールに接触させた
状態で走行させ、前記薄肉鋳片と冷却ロールとの間に1
00mW/m・K以上の熱伝導率を有するヘリウムガ
ス、またはヘリウム,アルゴン,窒素のうちの2種以上
の混合ガスを介在させて薄肉鋳片を冷却することを特徴
とする双ロール式連続鋳造方法である。
【0018】また本発明の鋳造装置は、一対の冷却ロー
ル間に注入した溶融金属を急冷凝固して薄肉鋳片を製造
する双ロール式連続鋳造装置において、一対の冷却ロー
ルのうち少なくとも一方の冷却ロールを、中央に固定軸
と、その外周に空洞部と、さらにその外周に放射状に複
数の噴気孔を設けた駆動ロールとより形成し、空洞部内
にはロールギャップから冷却ロールの下方向を指向する
ように突出する複数の仕切り板を取り付けて、この複数
の仕切り板によりガス溜まりを形成するとともに、前記
固定軸を介してガス溜まりに噴気用ガスの供給管を接続
し、さらに該冷却ロールの下方に冷却ロールを押圧する
単数または複数の押付けロールまたは薄肉鋳片に張力を
与えて薄肉鋳片を一方の冷却ロール周面に接触させるピ
ンチロールを設けたことを特徴とする双ロール式連続鋳
造装置である。
【0019】
【作用】本発明者の実験によると、例えば前記のように
表面にディンプル加工した一対の冷却ロール間に溶融金
属を注入し、これを急冷凝固させて製造した薄肉鋳片の
表面には、ディンプル形状が転写され凹凸状になってお
り、薄肉鋳片の急速冷却による収縮が発生して平坦な表
面が得られない。この薄肉鋳片表面の凹凸性状が冷却ロ
ールや押付けロールと薄肉鋳片との間のエアーギャップ
量を増大させ、抜熱量を悪化させているために、薄肉鋳
片に対して700℃/秒以上の冷却速度の達成ができな
いことが判った。
【0020】そこで本発明では、双ロール式連続鋳造方
法において、鋳造した薄肉鋳片を一方の冷却ロールに接
触させた状態で走行させ、薄肉鋳片と冷却ロールとの間
に100mW/m・K以上の熱伝導率を有するヘリウム
またはヘリウム,アルゴン,窒素の2種以上の混合ガス
を介在させることにより、薄肉鋳片を700℃/秒以上
の冷却速度で急冷することを可能とする。
【0021】下記表1に本発明で使用する雰囲気ガスお
よび空気の1000K付近における熱伝導率を示す。こ
こで本発明において雰囲気ガスの熱伝導率を100mW
/m・K以上としたのは、この熱伝導率がアルゴンの熱
伝導率(43.45mW/m・K)の2倍以上であれば
少なくとも薄肉鋳片を700℃/秒で急速冷却する効果
があることが実験結果から判ったので、100mW/m
・K以上とした。
【0022】また本発明で使用する雰囲気ガスとして、
ヘリウムのみを使用すれば熱伝導率は非常に高く従って
冷却効果も高いが、コストが高くなって操業費の高騰を
招くので、空気よりも若干熱伝導率は低いが、安価なア
ルゴン,窒素等の不活性ガスをヘリウムと混合使用する
ことにより、熱伝導率を最低100mW/m・K以上に
維持しながら操業費の高騰を抑えたものである。
【0023】
【表1】
【0024】また本発明の双ロール式連続鋳造装置で
は、薄肉鋳片を700℃/秒以上の冷却速度で急冷する
ために、一方の冷却ロールの駆動ロールに放射状に複数
の噴気孔を設け、ガス供給管より上記の100mW/m
・K以上の熱伝導率を有するガスを送気し、このガスを
ガス溜まりを介して噴気孔より鋳片と接するロールギャ
ップ方向からロールの下方向に噴射するように構成す
る。
【0025】このように薄肉鋳片を100mW/m・K
以上の熱伝導率のガス雰囲気に置くとともに、冷却ロー
ルの下方に設けた押付けロールまたはピンチロールによ
り鋳造した薄肉鋳片を冷却ロールに接触且つ走行させ
て、薄肉鋳片の冷却効果を高めるようにしたものであ
る。
【0026】このように本発明では、双ロール式連続鋳
造装置により鋳造するに際して、双ロールの一方の冷却
ロールの駆動ロールから100mW/m・K以上の、例
えばヘリウムガスのように高い熱伝導率を有するガスを
噴射し、この雰囲気で鋳造した薄肉鋳片を冷却ロールに
押圧して700℃/秒以上の冷却速度で急冷するので、
薄肉鋳片の冷却効率は向上して結晶が微細化され、加工
性にも優れ、ローピングや肌荒れ,光沢ムラ,皺等のな
い表面性状に優れた金属薄板を得ることができる。
【0027】
【実施例】図1,図2,図3は本発明の鋳造方法を実施
する双ロール式連続鋳造装置に使用する冷却ロールの一
例を示し、図1は正面断面図,図2(a)は図1のA−
A矢視断面図,図2(b)は図1のB−B矢視断面図,
図3は図2(b)に示すC部の拡大図である。
【0028】冷却ロールは、中央に固定軸1と、その外
周に空洞部3と、さらにその外周に放射状に複数のガス
噴気孔14を設け、かつサイド壁4と固定軸1間に設け
た軸受2により回転駆動するロール外輪6とより形成す
る。
【0029】固定軸1には空洞部3内に複数の仕切り板
10を取りつけ、この複数の仕切り板10により空洞部
3の一部にガス溜まり12を形成する。さらに固形軸1
内には、ガス供給支管13bを介してガス溜まり12に
噴気用ガスを供給する供給管13aを接続する。なお9
は歯車11を介してロール外輪6を回転駆動する駆動モ
ータである。
【0030】またロール外輪6内には、縦通する複数の
冷却水溝5が穿孔され、連絡管8a,8bを介して固定
軸1に設けた給排水管7a,7bに接続され、ロール外
輪6を冷却する。
【0031】図4は第1の実施例を示し、本発明の双ロ
ール式連続鋳造装置を使用して薄肉鋳片を鋳造する方法
を示す略側面図である。
【0032】本装置は、一対の冷却ロール15a,15
bを一定のロールギャップ17を維持して配置し、この
一対の冷却ロールのうち少なくとも一方の冷却ロール,
例えば冷却ロール15aは、前記した冷却ロールと同一
構造の冷却ロールとし、固定軸1に突出して取り付けた
複数の仕切り板10をほぼ水平方向から下方向を指向す
るように固定軸1を据えつける。
【0033】このようにして形成した複数のガス溜まり
12に対して、選択的にガスを送気することによって、
非酸化ガスを噴出する領域を可変で、また複数のガス溜
まり12に送気するガスの熱伝導率を選択的に可変する
こともできる。
【0034】さらに冷却ロール15aの下部周縁には、
この冷却ロール15aを下部から押圧する押付けロール
または圧下冷却ロール20を設ける。なお本実施例では
押付けロールまたは圧下冷却ロール20を1セットとし
ているが、必要により2セットまたはそれ以上設けても
よい。
【0035】先ず湯溜まり部16に溶融金属を注入しな
がら冷却ロール15a,15bを互に内側に回転させる
と、注入された溶融金属は冷却ロール15a,15bに
よって冷却されて凝固シェル18a,18bを形成し、
さらにロールギャップ17にて圧下されて所定の厚さの
薄肉鋳片19となる。
【0036】この鋳造された薄肉鋳片19は、押付けロ
ールまたは圧下冷却ロール20にて押圧を与えながら、
冷却ロール15aに接触させた状態で走行させる。同時
に固定軸1内の単数または複数のガス供給管13aによ
って、ヘリウムガスまたはヘリウム,アルゴン,窒素の
2種以上を混合した混合ガスでかつ100mW/m・K
以上の熱伝導率を有するガスを送気する。
【0037】このヘリウムガスまたは混合ガスは、複数
の仕切り板10の範囲,すなわち一方の冷却ロール15
aのロールギャップ17位置からほぼ真下の範囲の複数
のガス噴気孔14を通じて、薄肉鋳片19の表面に噴射
する。こうして薄肉鋳片19と冷却ロール15aとの間
に高い熱伝導率を有するガスを介在させて薄肉鋳片を7
00℃/秒以上の冷却速度で急冷する。
【0038】図5は本発明の第2の実施例を示し、本発
明の双ロール式連続鋳造装置を使用して薄肉鋳片を鋳造
する方法を示す略側面図である。
【0039】本実施例は、一方の冷却ロール15aの下
方にピンチロール21a,21bを設け、薄肉鋳片19
に張力を与えて薄肉鋳片19を該冷却ロール1a周面に
接触させた状態で走行させる。同時に固定軸1内のガス
供給管13bにヘリウムガスまたはヘリウム,アルゴ
ン,窒素の2種類以上を混合したガスでかつ100mW
/m・K以上の熱伝導率を有するガスを送気する。
【0040】このヘリウムガスまたは混合ガスは、複数
のガス仕切り板10の範囲、すなわち冷却ロール15a
のロールギャップ17位置からほぼ真下の範囲の複数の
ガス噴気孔14を通じて、薄肉鋳片19の表面に噴射す
る。こうした薄肉鋳片19と冷却ロール15aとの間に
高い熱伝導率を有するガスを介在させて、薄肉鋳片を7
00℃/秒以上の冷却速度で急冷する。
【0041】このようにして薄肉鋳片を、高い熱伝導率
を有する雰囲気ガスを介して冷却ロール15aに接触さ
せ、700℃/秒以上の冷却速度で急冷することによ
り、鋳片の結晶が微細化され、加工性のよい薄肉鋳片を
得ることができる。また雰囲気ガスは非酸化であるの
で、薄肉鋳片の酸化を防止する効果もある。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように本発明の双ロール式
連続鋳造方法および装置によれば、冷却ロールの駆動ロ
ールから100mW/m・K以上の例えばヘリウムのよ
うに高い熱伝導率を有するガスを噴射し、この雰囲気で
薄肉鋳片を冷却ロールに押圧する単純かつ安価な手段に
より、鋳片を700℃/秒以上の冷却速度で急冷するこ
とにより、従来の熱間圧延工程を経ることなく、この冷
却によって鋳片の復熱による鋳片表面温度の上昇を防ぎ
つつ結晶粒の微細化が達成され、かつ加工性にも優れた
鋳片が得られ、後工程の圧延後においても、ローピング
や肌荒れ,光沢ムラ,皺等のない表面性状に優れた金属
薄板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の鋳造方法を実施する双ロール式連続鋳
造装置に使用する冷却ロールの一例を示す正面断面図で
ある。
【図2】(a)図は図1のA−A矢視断面図,(b)図
は図1のB−B矢視断面図である。
【図3】図2(b)に示すC部の拡大図であり、ロール
外輪のガス噴気孔の詳細を示す図面である。
【図4】本発明の第1の実施例の双ロール式連続鋳造装
置を使用して薄肉鋳片を鋳造する方法を示す側断面図で
ある。
【図5】本発明の第2の実施例の双ロール式連続鋳造装
置を使用して薄肉鋳片を鋳造する方法を示す側断面図で
ある。
【図6】従来の双ロール式連続鋳造装置の一例を示し、
(a)図は略側面図,(b)図はその鳥瞰図である。
【符号の説明】
1 固定軸 2 軸受 3 空洞部 4 サイド壁 5 冷却水溝 6 ロール外輪 7a 給水管 7b 排水管 8a,8b 連絡管 9 駆動モータ 10 ガス仕切板 11 歯車 12 ガス溜まり 13a,13b ガス供給管 14 ガス噴気孔 15a,15b 冷却ロール 16 湯溜まり部 17 ロールギャップ 18b,18b 凝固シェル 19 薄肉鋳片 20 押付けロールまたは圧下冷却ロー
ル 21a,21b ピンチロール

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の冷却ロール間に注入した溶融金属
    を急冷凝固して薄肉鋳片を製造する双ロール式連続鋳造
    方法において、鋳造した直後の薄肉鋳片を一方の冷却ロ
    ールに接触させた状態で走行させ、前記薄肉鋳片と冷却
    ロールとの間に100mW/m・K以上の熱伝導率を有
    するヘリウムガス、またはヘリウム,アルゴン,窒素の
    うちの2種以上の混合ガスを介在させて薄肉鋳片を冷却
    することを特徴とする双ロール式連続鋳造方法。
  2. 【請求項2】 一対の冷却ロール間に注入した溶融金属
    を急冷凝固して薄肉鋳片を製造する双ロール式連続鋳造
    装置において、一対の冷却ロールのうち少なくとも一方
    の冷却ロールを、中央に固定軸と、その外周に空洞部
    と、さらにその外周に放射状に複数の噴気孔を設けた駆
    動ロールとより形成し、空洞部内にはロールギャップか
    ら冷却ロールの下方向を指向するように突出する複数の
    仕切り板を取り付けて、この複数の仕切り板によりガス
    溜まりを形成するとともに、前記固定軸を介してガス溜
    まりに噴気用ガスの供給管を接続し、さらに該冷却ロー
    ルの下方に冷却ロールを押圧する単数または複数の押付
    けロールまたは薄肉鋳片に張力を与えて薄肉鋳片を一方
    の冷却ロール周面に接触させるピンチロールを設けたこ
    とを特徴とする双ロール式連続鋳造装置。
JP22281093A 1993-08-16 1993-08-16 双ロール式連続鋳造方法および装置 Withdrawn JPH0751810A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100661819B1 (ko) * 2005-09-16 2006-12-27 주식회사 포스코 냉각능이 우수한 쌍롤식 박판 주조기의 주조롤

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100661819B1 (ko) * 2005-09-16 2006-12-27 주식회사 포스코 냉각능이 우수한 쌍롤식 박판 주조기의 주조롤

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