JPH0751623B2 - ポリフェニレンエーテル樹脂の製造法及び樹脂組成物 - Google Patents

ポリフェニレンエーテル樹脂の製造法及び樹脂組成物

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JPH0751623B2
JPH0751623B2 JP3351243A JP35124391A JPH0751623B2 JP H0751623 B2 JPH0751623 B2 JP H0751623B2 JP 3351243 A JP3351243 A JP 3351243A JP 35124391 A JP35124391 A JP 35124391A JP H0751623 B2 JPH0751623 B2 JP H0751623B2
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G65/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming an ether link in the main chain of the macromolecule
    • C08G65/34Macromolecular compounds obtained by reactions forming an ether link in the main chain of the macromolecule from hydroxy compounds or their metallic derivatives
    • C08G65/38Macromolecular compounds obtained by reactions forming an ether link in the main chain of the macromolecule from hydroxy compounds or their metallic derivatives derived from phenols
    • C08G65/44Macromolecular compounds obtained by reactions forming an ether link in the main chain of the macromolecule from hydroxy compounds or their metallic derivatives derived from phenols by oxidation of phenols

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は制御された分子量及び構
造をもつポリフェニレンエーテルの製造のための重合法
及び触媒に関する。さらに本発明はこの方法によって製
造された、安定な溶融特性、低い臭気性及びその他の有
利な性質をもつポリフェニレンエーテル及びこれらの重
合体と他の熱可塑性重合体との熱可塑性配合物に関する
ものである。かかる熱可塑性配合物もまた有利な性質を
保有するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリフェニレンエーテル及びそれらの製
造法は当該技術において既知であり、たとえばHay の米
国特許第3,306,874号及び同第3,306,8
75号明細書を包含する多数の刊行物に記載されてい
る。別の方法はVan Dortの米国特許第3,365,42
2号明細書、Bennett 及びCooperの米国特許第3,63
9,656号、同第3,642,699号、同第3,7
33,299号、同第3,838,102号、同第3,
661,848号及び同第4,092,294号明細書
及びOlander の米国特許第4,054,553号及び同
第4,083,828号明細書に記載されている。これ
らの特許明細書の記載をこゝに参考事項として組入れ
る。
【0003】ポリフェニレンエーテルの製造にもっとも
一般的に使用されている方法は一価フェノールを酸素含
有ガス及び触媒、一般には金属塩又は金属錯体、もっと
も典型的には銅又はマンガン化合物、の存在下に自己縮
合させることからなる。
【0004】触媒系の一部としてマンガン化合物を使用
する多数の方法が提案された。これらの方法の大多数は
マンガン化合物を水酸化ナトリウムのような塩基性化合
物及びアミン配位子と組合せて使用するものである。か
ゝる方法の例はOlander の米国特許第4,054,55
3号及び同第4,083,828号明細書及びNagaoka
らの米国特許第4,868,276号明細書に記載され
ている。この型の触媒系は高い触媒活性を示す点で注目
すべきものであるが、それによって製造される重合体の
分子量を容易に制御し得ないという難点をもつ。さら
に、これらの触媒系を使用するすべての場合に、製造さ
れる重合体はアミン配位子からの窒素を結合し、いわゆ
るマンニッヒ型と考えられる構造、すなわち重合体鎖の
末端基上のフェノール型ヒドロキシル基に対してオルト
位にかつ重合体鎖の反復単位上の1位にある酸素に対し
てオルト位に配置されたアミノメチル基をもつ構造を生
ずる。かゝる構造は加熱に際して不安定であり、悪臭の
あるアミン及び反応性であるキノンメチド構造を形成す
ることが知られている。
【0005】アミン配位子を使用しない場合には、勿論
アミノメチル基は生成し得ないが、その代りに重合体は
重合体鎖末端上のフェノール型ヒドロキシル基に隣接し
てかつ重合体鎖中の反復単位上の1位酸素に隣接して比
較的不安定なベンジルエーテル構造をもつ傾向がある。
この化学についてはWhite 及びNye によってMacromolec
ules,23,1318ff,1990 に記載されている。かゝる重合体
はアミン配位子を使用して製造された重合体の対応部分
よりも一層分岐状である。アミン配位子を使用せずに製
造された型の重合体は恐らく連鎖切断及び分岐の減少に
よって加熱時に分子量の減少及び多分散性の増加をもた
らす傾向がある。加熱に際しての分子量の低下及び多分
散性(分子量分布の拡大)の増加は一般に熱可塑性樹脂
にとって望ましくない性質と考えられており、それに伴
って機械的性質の低下、加工中における不十分な流動
性、配合物の相溶性の問題及びスクラップの再加工の困
難性等が生ずる。したがって、マンガン触媒を用いて完
全に満足な重合体を製造することは従来達成不可能であ
り;アミン配位子を用いた場合には、生成物は悪臭の問
題を生じ、一方アミン配位子を使用しない場合には生成
物は熱安定性(分子量安定性)の問題を生じた。
【0006】本発明は分子量及び重合体の構造に関する
制御を与えるポリフェニレンエーテルの製造法を提供す
るものである。本発明は加熱に際して安定した又は幾分
増加した分子量を示しかつアミン型窒素をほとんど含ま
ず又は低含量で含むのみであり、したがって加熱に際し
てアミンの臭気をほとんど又は全く発生しない、制御さ
れた分子量及び構造をもつ新規なポリフェニレンエーテ
ルを提供し得るものである。これらの新規なポリフェニ
レンエーテルは安定な流動性及び低減された臭気をもつ
熱可塑性配合物に有用である。
【0007】
【発明の概要】本発明は目的とするポリ(2,6−ジ置
換フェニレン)エーテルに対応する2,6−ジ置換フェ
ノールを、つぎの成分: (a)マンガン化合物; (b)キレート化剤; (c)塩基; (d)α,β−不飽和ケトン、2個のケトンカルボニル
基の間の炭素原子上に少なくとも1個の水素をもつβ−
ジケトン及びビニルエーテルからなる群から選んだ不飽
和化合物;及び (e)随意に、相間移動剤;を含有してなる触媒系の存
在下に酸素を導入する条件下で、酸化的にカップリング
させることからなるポリ(2,6−ジ置換フェニレン)
エーテルの製造法を提供するものである。
【0008】本発明はさらに、樹脂組成物として、前記
したケトンを組込んだ末端基をもつ、制御された分子量
及び良好な流動性をもつ易加工性のポリ(2,6−ジ置
換フェニレン)エーテルを提供する。これらのポリフェ
ニレンエーテルを使用した配合物は良好な流動性、加熱
中、熱分解によって惹起される溶融粘度の変化を実質的
に受けないこと及び低い臭気性という利点をもつ。
【0009】
【詳細な開示】以下、本発明の方法の実施法、本発明の
生成物の製造法及び本発明の実施のための最良の態様を
具体的に説明する。
【0010】本発明の方法は、式:
【0011】
【化1】 をもつ多数の構造単位を含んでなるポリフェニレンエー
テルの製造のための酸化的重合法からなる。該構造単位
の各々において、各Q1 は独立的にハロゲン、第1級又
は第2級低級アルキル基(すなわち7個までの炭素原子
を含むアルキル基)、フェニル基及び炭化水素オキシ基
であり;各Q2 は独立的に水素、ハロゲン、第1級又は
第2級低級アルキル基、フェニル基又は炭化水素オキシ
基である。適当な第1級低級アルキル基の例はメチル、
エチル、n−プロピル、n−ブチル、イソブチル、n−
アミル、イソアミル、2−メチルブチル、n−ヘキシ
ル、2,3−ジメチルブチル、2−,3−又は4−メチ
ルペンチル基及び対応するヘプチル基である。第2級低
級アルキル基の例はイソプロピル、第2級ブチル及び3
−ペンチル基である。すべてのアルキル基は分岐鎖より
も直鎖であることが好ましい。多くの場合、各Q1 はア
ルキル又はフェニル基、特にC1-4 アルキル基であり、
そして各Q2は水素である。本発明の方法によって製造
される好ましいポリフェニレンエーテルは2個のQ1
が1−8個の炭素原子をもつ炭化水素基でありそしてQ
2 基の各々が水素であるか又は一方のQ2 が水素で他方
のQ2 が1−8個の炭素原子をもつ炭化水素基であるも
のである。特に好ましいポリフェニレンエーテルは2個
のQ1 がともにメチル基でありかつ少なくとも1個のQ
2 が水素でありそして1個又は0個のQ2 がメチル基で
あるものである。好ましいポリフェニレンエーテルは
2,6−ジメチルフェノール(2,6−キシレノールと
もいう)又は2,6−ジメチルフェノールと2,3,6
−トリメチルフェノールとの混合物の重合によって製造
されるものを包含する。ポリフェニレンエーテルの構造
についてのより詳細はたとえばこゝに参考文献として引
用するWhiteらの米国特許第4,806,602号(1
989年2月)及び同第4,760,118号(198
8年7月)ならびにWhite の米国特許第4,670,5
37号(1987年7月)明細書に記載されている。
【0012】本発明の方法によって製造された重合体を
以下簡略化のためにポリフェニレンエーテルと呼ぶ。か
ゝるポリフェニレンエーテルは前記定義したごとき置換
基をもつことは理解されるであろう。
【0013】酸化的重合のための出発物質であるフェノ
ールは式:
【0014】
【化2】 (式中、Xは水素又はハロゲン、好ましくは臭素又は塩
素である)によって表わされるごとき、前記定義した置
換基Q1 及びQ2 をもちかつ4位に置換基Xを有する置
換フェノールである。本明細書において簡略化のために
2,6−ジ置換フェノールと呼ぶこれらのフェノールは
3位及び/又は5位に前記定義したごとき1個又は2個
の追加の置換基をもつ置換フェノールを包含する意味で
用いるものとする。
【0015】単独で又は混合物として使用し得る上記式
で表わされるフェノールの代表的な例はつぎのものを包
含する:2,6−ジメチルフェノール;2,6−ジエチ
ルフェノール;2,6−ジブチルフェノール;2,6−
ジラウリルフェノール;2,6−ジプロピルフェノー
ル;2,6−ジフェニルフェノール;2,6−ジメトキ
シフェノール;2,3,6−トリメチルフェノール;
2,3,5,6−テトラメチルフェノール;2,6−ジ
エトキシフェノール;2−メトキシ−6−エトキシフェ
ノール;2−エチル−−ステアリルフェノール;2,
6−ジ(クロルフェノキシ)フェノール;2,6−ジメ
チル−3−クロルフェノール;2,3−ジメチル−4−
クロルフェノール;2,6−ジメチル−3−クロル−5
−ブロムフェノール;2,6−ジメチル−3−クロル−
5−ブロムフェノール;2−メチルー6−イソブチルフ
ェノール;2−メチル−6−フェニルフェノール;2,
6−ジベンジルフェノール;2,6−ジトリルフェノー
ル;,6−ジ(2′,4−ジクロルフェニル)−3−
アリルフェノール等。上式の他のフェノールの別の特定
の例はこゝに参考文献として引用するHayの米国特許
第3,306,875号明細書に記載されている。本発
明の実施に特に現在好ましいフェノールは2,6−ジメ
チルフェノール(2,6−キシレノールとも呼ばれる)
である、というのは該化合物は現在ポリフェニレンエー
テルの製造のために広く使用されているからである。第
二の好ましいフェノールは同じ理由で2,6−ジメチル
フェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの混
合物である。
【0016】本発明の方法に必要な酸素は純酸素として
又は空気として、大気圧、減圧、又は超大気圧で提供し
得る。フェノール中のXがHである場合には、酸化され
るフェノールに対して少なくとも当量の酸素を反応の間
に導入しなければならない。しかしながら、原料フェノ
ール中のXがハロゲンである場合には、酸素は反応混合
物が暴露される雰囲気の主成分として存在する必要があ
るのみであり、酸素の正味の消費はほとんど又は全く生
じない。約0.01%ないし100%の酸素濃度を使用
し得るが、反応は酸素濃度が低いほどよりゆっくりと進
行する。好都合な酸素濃度は空気の酸素濃度(約21
%)である。反応混合物を酸素の存在下で単に攪拌すれ
ば十分であるが、空気又は酸素又は酸素含有ガスを反応
混合物中に泡入させることもできる。
【0017】本発明の方法の実施において、溶剤の使用
量は臨界的ではなく、溶剤は単にフェノール原料のため
の液相を提供する必要があるのみである。適当な溶剤は
実質的に水不溶性でありかつ実質的に不活性である任意
の有機溶剤であり、その例はオクタン又はシクロヘキサ
ンのような脂肪族又は脂環族炭化水素及びベンゼン、ト
ルエン、キシレン、メチルナフタリン、クメン、プソイ
ドクメン等のような芳香族炭化水素を包含する。溶剤は
塩素化耐アルカリ性溶剤、たとえばクロルベンゼン、オ
ルトジクロルベンゼン、クロルトルエン、トリクロルベ
ンゼン等のごとき塩素化芳香族溶剤であることもでき
る。前記引用したHay の特許明細書に記載されているそ
の他の溶剤を使用することもできる。しかしながら、ベ
ンゼン又はトルエンのような不活性芳香族溶剤を反応媒
質として使用することが有利である。用語“不活性芳香
族溶剤”は所望の反応の進行に関与し又は悪影響を及ぼ
すようなことのない芳香族溶剤を意味する。随意に少量
のアルコール、たとえばメタノールを同時に使用して触
媒系のマンガン成分を溶解させ、その添加を助長せしめ
ることもできる。
【0018】本発明の触媒系に使用するに適するマンガ
ン化合物はマンガン(II)塩、たとえばハライド、すな
わち塩化マンガン(II)(塩化マンガンとも呼ばれ
る)、臭化マンガン(II)、沃化マンガン(II)等、な
らびにその他のマンガン化合物、たとえば炭酸マンガン
(II)、修酸マンガン(II)、硫酸マンガン、(II)、
酢酸マンガン(II)、硝酸マンガン(II)、燐酸マンガ
ン(II)等を包含し、かゝるマンガン(II)化合物はそ
れらの水和物の形態のものも包含するものとする。さら
に、たとえば過マンガン酸カリウムのようなマンガン
(VII )塩を包含する他のマンガン塩も使用し得る。以
下の記載においては種々のマンガン(II)塩に特定して
説明するが、本発明は勿論マンガン(II)塩の使用に限
定されるものではない点を理解すべきである。
【0019】通常、マンガンイオンの量は本発明の方法
において使用されるフェノール単量体100重量部当り
0.1ないし1重量部の範囲である。
【0020】キレート化剤は、概括的にいえば、それが
水及び塩基の存在におけるフェノールの存在下でマンガ
ンに対して少なくとも二座配位子としての挙動を保持す
るような第一マンガンイオンに対する結合親和力をもつ
任意の二座又は多座配位子であり得る。キレート化剤の
好ましい一群は隣接ヒドロキシル基(すなわちオキシム
と同じMnに結合するに十分近い位置にあるヒドロキシ
ル基)をもつオキシムである。かかるオキシムの例はベ
ンゾインオキシム、アニソインオキシム、パラジメチル
アミノベンゾインオキシム、フロインオキシム、アセト
インオキシム、メチルヒドロキシブタノンオキシム、α
−ヒドロキシアセトフェノンオキシム、2−メチル−2
−ヒドロキシ−4−ペンタノンオキシム、フェニルヒド
ロキシブタノンオキシム、サリシルアルドキシム、2−
ヒドロキシ−5−クロルフェニルアルドキシム、5−メ
チルサリシルアルドキシム、2−ヒドロキシ−5−ブロ
ムフェニルアルドキシム、2−ヒドロキシ−5−メチル
アセトフェノンオキシム等及びそれらの組合せを包含す
る。第一マンガンイオンに対して少なくとも二座配位子
としての挙動を示す他のキレート化剤はサリシルアルデ
ヒド−エチレンジイミン、ジメチルグリオキシム、ジフ
ェニルグリオキシム、2−アミノエタノール、2−オキ
シム−3−ブタノン、α−アミノ酪酸、8−ヒドロキシ
キノリン、0−ベンゼンジチオール、2−メルカプトエ
チルアミン、ピリジン−アルドアジン、サリシリデンア
ミノ−0−ヒドロキシベンゼン、1,6−ビス(α−ピ
リジル)−2,4−ジアザヘキサン、N,N′−エチレ
ンビス−2−(0−ヒドロキシフェニル)−グリシン等
を包含する。
【0021】マンガン化合物は予め形成されたキレート
として導入することができかつこの実施態様が好まし
い。というのは、この方法によれば触媒は反応混合物中
でより容易にかつより確実に利用し得るからである。キ
レートはたとえばこゝに参考文献として引用するOlande
r の米国特許第3,956,242号明細書(1976
年5月11日発行)に記載されている任意のものであり
得る。使用し得る適当なマンガンキレート錯体の例はつ
ぎの化合物:Mn(II)ビス(ベンゾインオキシム)、
Mn(II)ビス(アニソインオキシム)、Mn(II)ビ
ス(パラジメチルアミノベンゾインオキシム)、Mn
(II)ビス(フロインオキシム)、Mn(II)ビス(ア
セトインオキシム)、Mn(II)ビス(メチルヒドロキ
シブタノンオキシム)、Mn(II)ビス(α−ヒドロキ
シアセトフェノンオキシム)、Mn(II)ビス(2−メ
チル−2−ヒドロキシ−4−ペンタノンオキシム)、M
n(II)ビス(フェニルヒドロキシブタノンオキシ
ム)、Mn(II)ビス(サリシルアルドキシム)、Mn
(II)ビス(2−ヒドロキシ−5−クロルフェニルアル
ドキシム)、Mn(II)ビス(5−メチルサリシルアル
ドキシム)、Mn(II)ビス(2−ヒドロキシ−5−ブ
ロムフェニルアルドキシム)、Mn(II)ビス(2−ヒ
ドロキシ−5−メチルアセトフェノンオキシム)等及び
それらの混合物を包含する。本明細書において、前記引
用した米国特許第3,956,242号明細書に示され
た群に属する錯体をA型錯体、すなわちクロロホルム中
25℃で測定して0.30dl/gより大きい固有粘度
[η]をもつポリフェニレンオキシドの標準的な反応条
件下における生成を助長する錯体、と称する。これらの
A型錯体が好ましい。こゝで標準的な反応条件は2,6
−キシレノールを、溶剤系としてトルエン及びメタノー
ルを2,6−キシレノール:トルエン:メタノールの重
量比がそれぞれ10%,81%及び9%になるような割
合(単量体固形分10%)で使用し、大気圧下、25℃
の一定温度で120分未満の反応時間の条件で、かつ
2,6−キシレノール対水酸化ナトリウムの重量割合が
16,39:1でありそして2,6−キシレノール対マ
ンガンキレートのモル割合が100:1である条件で、
重合を行なうものとして定義される。使用し得る他の好
ましいマンガンキレート錯体の例は、Olander の米国特
許出願SN.534,903号明細書に詳述されるごと
く、前記したA型錯体及びB型錯体の混合物である。B
型錯体はつぎの化合物:Mn(II)ビス(サリシルアル
デヒド)−エチレンジイミン、Mn(II)ビス(ジメチ
ルグリオキシム)、Mn(II)ビス(ジフェニルグリオ
キシム)、Mn(II)ビス(2−アミノエタノール)、
Mn(II)ビス(2−オキシム−3−ブタノン)、Mn
(II)ビス(α−アミノブチレート)、Mn(II)ビス
(8−ヒドロキシキノリン)、Mn(II)ビス(0−ベ
ンゼンジチオール)、Mn(II)ビス(2−メルカプト
エチルアミン)、Mn(II)ビス(ピリジン・アルダジ
ン(N,N,N))、Mn(II)ビス(サリシリデンア
ミノ−0−ヒドロキシベンゼン)、Mn(II)ビス
(1,6−ビス(α−ピリジル)−2,4−ジアザヘキ
サン(N,N,N,N))、Mn(II)ビス(N,N′
−エチレンビス−2−(0−ヒドロキシフェニル)−グ
リシン)等、を包含する。
【0022】本明細書において、Olander の米国特許出
願SN.534,903号明細書に示されているB型マ
ンガンキレート化合物の一群に属する錯体をB型錯体、
すなわちクロロホルム中25℃で測定して0.30dl/g
又はそれ以下の固有粘度[η]をもつ、前記定義した標
準条件下でのポリフェニレンオキシドの生成を助長する
錯体、と称する。キレートを予め形成してから導入する
のでなく、その場で形成させる場合には、キレート化剤
の量は典型的にはマンガンに対してほゞ等モル量である
だろう。たゞし、厳密な等モル量を要求される訳ではな
い。過剰のキレート化剤又は過剰の非キレート化マンガ
ンイオンの存在は本発明の方法の適切な遂行を妨げない
であろうが、かゝる過剰の物質は無駄と考えられる。
【0023】有効量を構成するマンガンキレートの量に
関しては、モル割合は反応速度の所望の増進を与えるよ
うに広範囲に変動し得る。しかしながら、一般に、キレ
ート中のマンガンのグラム原子数に対するフェノールの
モル数の比は100:1から12,000:1までの範
囲内であり、好ましくは500:1ないし3000:1
の範囲内である。
【0024】使用されるべきアルカリはフェノール出発
物質のアニオンの一部を十分にアルカリ性にする任意の
実質的に水溶性の塩基であることができる。したがっ
て、適当なアルカリはアルカリ金属水酸化物及び炭酸
塩、たとえばリチウム、ナトリウム及びカリウムの水酸
化物又は炭酸塩、及び水酸化カルシウム、を包含する。
第4級塩基、たとえばテトラメチルアンモニウム水酸化
物、も使用し得る。しかしながら、経済的な理由で及び
副反応を回避し得るという理由で、水酸化ナトリウム又
は水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物が好ま
しい。単量体(すなわち2,6−ジ置換フェノール化合
物)1モル当りのアルカリ又は他の強塩基の量は、フェ
ノールが重合に際してハロゲン化水素を放出するもので
ない場合(すなわちX=Hである場合)には、単に反応
混合物をアルカリ性に保持するに十分であることを要す
るのみであるが、フェノールが重合に際してハロゲン化
水素を放出するものである場合(すなわちX=ハロゲン
である場合)には反応が進行する間中、反応混合物のア
ルカリ性を持続させるために1モル当量よりも過剰のア
ルカリを必要とする。したがって、一般に、アルカリの
有効量は反応工程を通じて反応混合物のアルカリ性を持
続させ得る量である。この量はフェノールがX=Hの場
合には、フェノール500モル当り僅かに1モル程度な
いし数モル程度のアルカリ量に相当し、フェノールがX
=ハロゲンの場合にはフェノール1モル当り1モルを僅
かに超える量からフェノール1モル当り約50モル程度
までのアルカリ量に相当し得る。
【0025】本発明の方法及び触媒系に必要なケトンは
α,β−不飽和ケトン又は2個のケトン基間の炭素原子
上に少なくとも1個の水素をもつβ−ジケトンである。
α,β−不飽和ケトンの範畴にはケトンカルボニル基に
対してα,βの位置に二重結合ならびに三重結合をもつ
ものを包含する。α,β−不飽和ケトンの例はメチルビ
ニルケトン、メチルエチニルケトン、ステアリルビニル
ケトン、フェニルビニルケトン、ジベンゾイルエチレ
ン、ジベンゾイルアセチレン、カルコン(ベンジリジン
アセトフェノン)、ビス(2−フェニルビニル)ケト
ン、メシチルオキシド、イソホロン、ホロン及びインド
ンを包含する。適当なβ−ジケトンの例はアセチルアセ
トン、ジベンゾイルメタン、トリベンゾイルメタン、及
びベンゾイルステアロイルメタンを包含する。適当な
α,β−不飽和ケトン及びβ−ジケトンは2個のカルボ
ニル基間の炭素原子上に少なくとも1個の水素原子が存
在するという条件で、たとえばハイドロカルビル基又は
ハイドロカルビルオキシ基のような非妨害性基によって
置換され得る。妨害性基はたとえばクロルアルキル基の
ような、反応剤の一方を消費するような基又はアルカリ
を消費するようなエステル構造体である。したがって非
妨害性基の選択は有機化学分野の当業者には明らかであ
ろう。好ましいα,β−不飽和ケトンはメチルビニルケ
トン、ステアリルビニルケトン、フェニルビニルケト
ン、シクロペンテノン、2−シクロヘキセノン、メシチ
ルオキシド、イソホロン、ジベンゾイルエチレン、カル
コン、及びジビニルケトンである。好ましいβ−ジケト
ンはアセチルアセトン及びジベンゾイルメタンである。
【0026】前述したケトンに加えて、ビニルエーテル
も本発明の触媒系に有効であることが認められた。ビニ
ルエーテルの例はメチルビニルエーテル、エチルビニル
エーテル、ブチルビニルエーテル及びステアリルビニル
エーテルのようなアルキルビニルエーテルならびにフェ
ニルビニルエーテルのようなアリールビニルエーテルを
包含する。ジビニルエーテルもジヒドロピランのような
環式ビニルエーテルと同様に本発明で使用し得る化合物
の範囲内である。
【0027】前述した要求に合致しない他のオレフィン
及び他のケトンは本発明の方法及び触媒に有用でない点
に注目すべきである。本発明の方法の遂行にきわめて有
効なケトン及びビニルエーテルはジエノフイルとして作
用しかつ一時的に形成されるキノンメチド鎖末端基をキ
ャップして熱可逆的なデイールス・アルダー付加物を形
成することによってベンジルエーテル構造の形成を阻止
し、それによって有効に作用し得るものと推測される。
したがって、有効に作用するジケトンはα,β−不飽和
ケトンにエノール化し得るものである。しかしながら、
本発明者はこの理論に束縛されることを希望しない。本
発明の触媒系に使用されるべき不飽和化合物、たとえば
α,β−不飽和ケトン、ジケトン又はビニルエーテルの
割合は2,6−ジ置換フェノールに対して約1:100
0ないし約20:1000のモル比の範囲であり得る。
もっとも典型的な使用量は2,6−ジ置換フェノールに
対して約1.5:1000ないし約15:1000のモ
ル比の範囲である。
【0028】本発明の方法及び触媒に随意に使用される
相間移動剤は第4級アンモニウム化合物であるのが有利
であり得るが、第4級ホスホニウム化合物又はクラウン
エーテルも使用し得る。第4級アンモニウム化合物の代
表的な例は式: [N(R1 )(R2 )(R3 )(R4 )]+ - (式中、R1 ,R2 ,R3 及びR4 は1−24個の炭素
原子をもつアルキル、アラルキル又はアルケニル基であ
りそしてXはアニオンである)の化合物である。
【0029】好ましいアニオンはハライド(ブロマイド
又はクロライド)、サルフェート又はホスフェートアニ
オンである。
【0030】第4級アンモニウム塩の混合物も使用する
ことができ、R1,R2 ,R3 及びR4 置換基中の炭素
原子の合計数は好ましくは少なくとも10個であるべき
である。第4級アンモニウム塩の触媒有効濃度は有機反
応溶剤に基づいて50−10,000ppmの範囲、より
好ましくは有機反応溶剤に基づいて100−2,000
ppmの範囲である。
【0031】第4級アンモニウム化合物のアルキル置換
基はメチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、オ
クチル、デシル、セチル、ヘキサデシル基及びそれらの
異性体であり得る。これらの基の混合物も使用し得る。
アラルキル(すなわちアリール置換アルキル)置換基は
ベンジル、フェニルエチル基等のごとき7−20個の炭
素原子をもつものを包含し得る。アルケニル置換基は1
個又はそれ以上の二重結合を含む炭素数1−24個の直
鎖及び分岐鎖状不飽和炭化水素基を包含する。
【0032】第4級アンモニウム化合物は周知であり、
それらの多くは商業的に入手可能である。たとえば、Ki
rk-Othmer 編、Encyclopedia of Chemical Technology
、第2版、第16巻、第859−865頁、Arquads,A
mour Industrial Co.(1956)及びSchwartz,A.M. ら、Sur
face Active Agents,第I巻、第156−171頁、Int
erscience Publishers(1949) ;及び第II巻、第112
−118頁(1958)参照。商品名“アドジェン(Ad
ogcn)”R464(Aldrich Chemical Co.製)として商
業的に入手し得る特に有用な物質はメチルトリアルキル
(C8−C10)アンモニウムクロライドの組成をもつ。
【0033】反応温度は塩基水溶液の凝固点からその沸
点までの広い範囲であるが、好ましい範囲は約0℃ない
し約80℃、もっとも好ましくは大気温度、たとえば5
℃から約60℃までの範囲である。
【0034】反応時間は約10分ないし約10時間、好
ましくは約20分ないし約2時間である。反応は単量体
(フェノール化合物)の重合体への転化が約90ないし
約95%に達した時点で終結させるのが有利であり、こ
れは反応バッチ試料から重合体を単離し、放出ハライド
イオンの測定、赤外スペクトル、NMRスペクトル又は
その他の分析手段によって確認することができる。より
長い反応時間は望ましくない過度の酸化を惹起し、その
結果着色した及び過度に分岐した重合体生成物の形成を
もたらし得る。より短かい反応時間は不十分な転化をも
たらす。
【0035】本発明の方法は制御された分子量、低臭気
性をもち、加熱時に分子量の低下を実質的に生起しない
ポリフェニレンエーテル樹脂の製造を可能にし、これら
の樹脂は特に低着色性、低臭気性及び加工時の粘度安定
性をもつ有用な配合プラスチックスを製造するためにス
チレン系熱可塑性樹脂と配合するのに適するものであ
る。本発明のポリフェニレンエーテル樹脂と配合して有
用なプラスチック配合物を製造するために使用されるス
チレン系樹脂は周知であり、それらは式:
【0036】
【化3】 (式中、R1 及びR2 は1−6個の炭素原子をもつ(低
級)アルキル及びアルケニル基及び水素からなる群から
選んだ一員であり;R3 及びR4 は水素及び1−6個の
炭素原子をもつ(低級)アルキル及びアルケニル基から
なる群から選んだ一員であり;R5 及びR6 は水素及び
1−6個の炭素原子をもつ(低級)アルキル及びアルケ
ニル基からなる群から選んだ一員であるか、あるいはR
5 及びR6 はハイドロカルビル基とともに連結されてナ
フチル基を形成し得る)の単量体から誘導された単位を
少なくとも25重量%含むであろう。これらの化合物は
第3級炭素原子をもつ置換基を含まないものである。本
発明における使用のためのスチレン系樹脂の製造に好ま
しい単量体はスチレンであるが、スチレンとともに少な
くとも一種の共単量体、たとえばアクリロニトリル、ア
クリレートエステル、メタクリレートエステル、ブタジ
ェン又はクロルスチレンもしくはジブロムスチレンのご
ときハロゲン化スチレンを使用することもできる。ポリ
フェニレンエーテル及びスチレン樹脂の組成物はたとえ
ばこゝに参考文献として引用するCizekの米国特許第
3,383,435号明細書に記載されている。
【0037】前述した共単量体に加えて、スチレン樹脂
は式R7 −C(H)n −−C(R8 )−−(CH2 m
−R9 (式中、点線は炭素−炭素単結合又は二重結合を
表わし;R7 及びR8 は一緒にC(=O)−O−C(=
O)(無水物)結合を表わし;R9 は水素、ビニル、ア
ルキル、アルケニル、1−12個の炭素原子をもつアル
キルカルボン酸又はアルケニルカルボン酸基からなる群
から選んだ一員であり;nは炭素−炭素二重結合の位置
に応じて1又は2であり;そしてmは0ないし約10の
整数である)のα,β−不飽和環式無水物から誘導され
た共単量体単位を含み得る。かゝる無水物の例は無水マ
レイン酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸等を包含
する。
【0038】本発明のポリフェニレンエーテルと配合し
得るスチレン系共重合体の代表的な例は低アクリロニト
リル含量をもつABS(アクリロニトリル−ブタジエン
−スチレン相互重合体)及びSMA(スチレン−無水マ
レイン酸共重合体)である。
【0039】スチレン系樹脂の物理的性質を周知の技術
に従って改善するために、ゴムをスチレン系樹脂の製造
に使用することができる。使用されるゴムはポリブタジ
エンゴム、ブチルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ア
クリロニトリルゴム、エチレン−プロピレン共重合体、
天然ゴム、EPDMゴム、ポリスルフィドゴム、ポリウ
レタンゴム、エピクロルヒドリンゴム等であり得る。
【0040】さらに、本発明の方法によって製造された
ポリフェニレンエーテル樹脂はついでスチレン系樹脂に
加えて他の重合体又は共重合体と配合して種々の混合物
及び/又はそれらの共重合体を形成することができる。
かゝる他の重合体又は共重合体の非限定的な例はポリエ
ステル、ポリアミド、ポリイミド(たとえばポリ(エー
テルイミド)等)、ポリオレフィン、ポリカーボネー
ト、共ポリエーテルエステル及びスチレン及びブタジエ
ンのブロック共重合体(ジブロック及びトリブロック共
重合体)である。かゝる物質の製造についての一般的指
針は当該技術において既知である。
【0041】これらの混合物及び共重合体、ならびに前
述したポリフェニレンエーテル−スチレン系樹脂配合
物、は種々の特性を付与し又は改善する種々の他の添加
剤を含有し得る。かゝる添加剤の例は難燃化剤、ドリッ
プ抑制剤、染料、顔料、着色剤、滑剤、補強剤、充填
剤、帯電防止剤、熱安定剤、紫外線安定剤及び可塑剤で
ある。かゝる添加剤の有効量は通常全組成物の重量に基
づいて、各々について、約0.1ないし約50重量%の
範囲内である。
【0042】本発明に従う新規方法において、反応は好
ましくは空気又は酸素を用いて行なわれるが、空気又は
酸素と窒素に加えて不活性ガスとの混合物を使用するこ
ともできる。
【0043】本発明の方法を実施するための典型的な態
様においては、攪拌手段及び除熱手段を備えた適当な反
応器に溶剤、強塩基溶液、随意に予め反応させた形のマ
ンガン及びキレート化剤化合物、及び相間移動触媒を裝
入する。ついで、反応器の底部近くに酸素又は空気流を
導入するか、又は反応混合物を酸素又は空気の存在下に
攪拌し、そして単量体を約30−40分をかけて徐々に
添加する。重合は好ましくはフェノール単量体の転化が
約90%に達するまで、たゞし約95%を超えないよう
に行なわれる。重合体は非溶剤による沈澱のような標準
的方法に従って反応混合物から回収し得る。
【0044】
【実施例の記載】つぎに本発明の方法及びそれに使用さ
れる触媒系の製造を実施例によって説明する。
【0045】攪拌されつつある反応器に、つぎの成分を
記載順に添加した:トルエン中の2,6−キシレノール
の40重量%溶液20g;トルエン中のアドジエンR4
64の0.036%溶液;メタノール5.62g;50
重量%水酸化ナトリウム水溶液0.46g(pH指示薬に
アルカリ性反応を示す混合物を与える);及びカルコン
(又は他の不飽和化合物−後記の表参照)0.759
ミリモル(又は他の量−後記の表参照)。ついで触媒
溶液1.353gを添加した。この触媒溶液は塩化第一
マンガン0.010g、ベンゾインオキシム0.14g
及びメタノール1.329gからなるものであった。こ
の二相溶液を攪拌しつつ、酸素を約70分にわたって該
溶液中に泡出せしめた。ついで、酸素の供給を排除しそ
して反応混合物を酢酸で中和することによって反応を停
止させた。
【0046】水相及び有機相を分離しそして有機相を攪
拌されつつあるメタノールに徐々に添加することによっ
て重合体を有機相から単離した。沈澱した重合体を濾過
によって除去し、メタノールで洗滌しそして真空乾燥し
た。重合体の固有粘度を前記した方法によって測定し
た。重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)
はいずれもゲル透過クロマトグラフィーによって測定し
た。同様の実験を多数のジェノフィルを用いて行なっ
た。これらの実験で製造された重合体の性質を第1表に
要約して示す。
【0047】
【表1】 第 1 表 実験 不飽和化合物 1 IV2 Mw3 Mw/Mn 1 カルコン 11.95 0.25 27.2 2.8 2 〃 12.46 0.47 60.0 2.1 3 〃 10.70 0.53 68.0 2.1 4 〃 7.85 0.65 82.7 2.1 5 〃 6.24 1.10 173.6 3.0 6 トランス−ジベンゾイル 11.95 0.19 21.0 2.3 エチレン 7 ジベンゾイルメタン 11.85 0.23 29.9 2.6 8 3−ブチン−2−オン 11.86 0.29 54.4 2.3 9 エチルビニルエーテル 12.53 0.42 39.2 2.1 比較実験(本発明の範囲外): 10 2−ブテン−1,4− 12.12 1.54 185.0 5.1 ジオール 11 トリフェニルエチレン 11.73 1.46 184.9 5.1 12 ジシクロペンタジエン 12.24 1.08 129.9 3.0 13 スチルベン 12.11 1.06 141.7 4.9 14 1−オクテン 11.83 0.70 95.6 2.4 表中の注 1.フェノール100モル当りの不飽和化合物のモル数 2.クロロホルム中、25℃で測定した固有粘度、dl/g 3.重量平均分子量、×103 上記重合体の熱安定性を300℃に17分間暴露するこ
とによって試験した。これらの性質は粘度測定によって
決定し、その結果を第2表に示す。
【0048】
【表2】 第 2 表 実験 不飽和化合物 IV増加 Mw×103 Mw/Mn 1 カルコン 0 38.6 3.3 2 〃 0.05 56.6 4.1 3 〃 0 93.2 6.0 4 〃 0.07 84.0 5.2 5 〃 ゲル化 303.0 17.5 6 トランス−ジベンゾイル 0 28.3 3.0 エチレン 7 ジベンゾイルメタン 0.08 61.0 4.1 8 3−ブチン−2−オン 0.04 41.8 3.1 9 エチルビニルエーテル 0 59.5 3.4 比較実験(本発明の範囲外): 10 2−ブテン−1,4− -0.82 115.1 4.0 ジオール 11 トリフェニルエチレン -0.53 148.2 9.5 12 ジシクロペンタジエン -0.46 67.2 3.6 13 スチルベン -0.57 80.2 5.9 14 1−オクテン -0.07 55.5 4.3 実験1−9の生成物は熱処理に際して何等認め得るアミン臭を生じなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−18691(JP,A) 特開 平2−51558(JP,A) 特開 昭62−185744(JP,A) 特開 昭58−141233(JP,A) 特開 昭61−118739(JP,A) 特表 昭59−500723(JP,A)

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリー2,6−ジ置換フェニレンエーテ
    ル樹脂に対応する2,6−ジ置換フェノールを、つぎの
    成分: (a)マンガン化合物; (b)キレート化剤; (c)アルカリ性を保持するに十分な塩基; (d)α,β−不飽和ケトン、2個のケトンカルボニル
    基間の炭素原子上に少なくとも1個の水素原子をもつβ
    −ジケトン及びビニルエーテルからなる群から選んだ不
    飽和化合物;及び (e)随意に相間移動剤; を含有してなる触媒組成物の触媒有効量の存在下に酸素
    を導入する条件下で酸化的にカップリングさせることか
    らなる、低臭気性をもつポリー2,6−ジ置換フェニレ
    ンエーテル樹脂の製造法。
  2. 【請求項2】 フェノールが2,6−ジメチルフェノー
    ル及び2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリ
    メチルフェノールとの混合物から選ばれる請求項1記載
    の製造法。
  3. 【請求項3】 フェノールが2,6−ジメチルフェノー
    ルである請求項2記載の製造法。
  4. 【請求項4】 マンガン化合物が予め形成されたマンガ
    ンのキレート、すなわち成分(a)及び(b)の両者か
    ら形成されたキレートである請求項1記載の製造法。
  5. 【請求項5】 キレート化剤がべンゾインオキシムであ
    る請求項1記載の製造法。
  6. 【請求項6】 塩基がアルカリ金属水酸化物である請求
    項1記載の製造法。
  7. 【請求項7】 α,β−不飽和ケトンがカルコンである
    請求項1記載の製造法。
  8. 【請求項8】 マンガン化合物をフェノール100重量
    部当り0.1ないし1重量部の量で使用する請求項1記
    載の製造法。
  9. 【請求項9】 予備形成マンガンキレートをフェノール
    に対して:100ないし:12,000のモル比で
    存在させる請求項4記載の製造法。
  10. 【請求項10】 マンガンキレートをフェノールに対し
    :500ないし:3000のモル比で存在させる
    請求項4記載の製追法。
  11. 【請求項11】 ケトンがα,β−不飽和ケトンである
    請求項1記載の製造法。
  12. 【請求項12】 α,β−不飽和ケトンがカルコンであ
    る請求項11記載の製造法。
  13. 【請求項13】 α,β−不飽和ケトンがトランスージ
    ベンゾイルエチレンである請求項11記載の製造法。
  14. 【請求項14】 α,β−不飽和ケトンが3−ブチン−
    2−オンである請求項11記載の製造法。
  15. 【請求項15】 ケトンがβ−ジケトンである請求項1
    記載の製造法。
  16. 【請求項16】 β−ジケトンがジベンゾイルメタンで
    ある請求項15記載の製造法。
  17. 【請求項17】 不飽和化合物がビニルエーテルである
    請求項15記載の製造法。
  18. 【請求項18】 ビニルエーテルがエチルビニルエーテ
    ルである請求項17記載の製造法。
  19. 【請求項19】 不飽和化合物を2,6−ジ置換フェノ
    ールに対して:1000ないし20:1000のモル
    比で存在させる請求項1記載の製造法。
  20. 【請求項20】 相間移動触媒を存在させる請求項1記
    載の製造法。
  21. 【請求項21】 相間移動触媒が第4級アンモニウム化
    合物である請求項11記載の製造法。
  22. 【請求項22】 2,6−ジメチルフェノールを、つぎ
    の成分: (1)フェノール500モル当りモルないしフェノー
    ル3000モル当りモルの割合のベンゾインオキシム
    のマンガンキレート; (2)アルカリ性を付与するに十分な水酸化ナトリウ
    ム; (3)フェノール1000モル当り1.5モルないし
    モルの割合のカルコン、ジベンゾイルエチレン、ジベ
    ンゾイルメタン、3−ブチン−2−オン及びエチルビニ
    ルエーテルからなる群から選んだ不飽和化合物;及び (4)100ppmないし2000ppmの割合のメチ
    ルトリアルキル(C−C10)アンモニウムクロライ
    ド; を含んでなる触媒系の存在下に、酸化的に重合せしめる
    ことからなる低臭気性及び制御された分子量をもつポリ
    フェニレンエーテル樹脂の製造法。
  23. 【請求項23】 つぎの成分: (a)マンガン化合物; (b)キレート化剤; (c)塩基;(d)α,β−不飽和ケトン、2個のケト
    ンカルボニル基の間の炭素原子上に少 なくとも1個の水素原子をもつβ−ジケトン及びビニル
    エーテルからなる群から選んだ不飽和化合物;及び (e)随意に、相間移動剤; の有効量を含んでなる2,6−ジ置換フェノールの酸化
    的重合触媒系。
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