JPH0751487Y2 - 中空部を有する被包装物の包装シート - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、例えば線材等を巻回し
てなる被包装物を包装する中空部を有する被包装物の包
装シートに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、線材や帯状シート等を巻回した中
空部を有する被包装物を包装する包装シートとして、ク
ロス、紙及び合成樹脂フィルムを一体に貼り合わせた矩
形状のシートが使用されている。そして、作業者は該包
装シートを被包装物の外周面に沿わせた後に、包装シー
トの両端部を被包装物の内周面側に折り込んでいた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記包
装シートで被包装物を包装する際に、被包装物の両端面
部分の折込みが確実且つ容易に行うことができず、包装
作業が面倒となるばかりか折込み状態が不均一となり、
包装体裁が悪くなる欠点があった。

【０００４】本考案は、上記の如き従来の問題点に鑑み
てなされたもので、包装シートで被包装物を包装する際
に、被包装物の両端面部分の包装シートの折込みを容易
且つ迅速に行えるようにして、包装作業の能率を向上で
きると共に、包装状態も均一となり包装状態を良好にで
きる中空部を有する被包装物の包装シートを提供するこ
とを課題とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案が上記課題を解決
するために講じた技術的手段は、中空部を有する被包装
物３を包装する包装シート本体１を備え、該包装シート
本体１における被包装物３の外周面3a及び両端面3bを覆
う部分には、包装時に該被包装物３の周方向に伸長可能
なように、該包装シート本体１を折り重ねてなるひだ部
７が被包装物３の周方向に複数設けられ、しかも、被包
装物３の内周面3cに位置する包装シート本体１のひだ部
７の設けられていない部分の周方向の長さＬ１は、被包
装物３の内周3c長さと略同等に設けられてなることにあ
る。

【０００６】また他の手段は、少なくとも中空部を有す
る被包装物３の外周面3a及び両端面3bを覆う外包材５
と、被包装物３の内周面3cに位置すべく前記外包材５の
両端にそれぞれ設けられた内包材４とを備え、前記外包
材５には、包装時に該被包装物３の周方向に伸長可能な
ように、該外包材５を折り重ねてなるひだ部７が被包装
物３の周方向に複数設けられ、且つ各ひだ部７の両端は
前記内包材４に一体的に固定され、しかも内包材４の周
方向の長さは、被包装物３の内周長さと略同寸に設定さ
れてなることにある。

【０００７】さらに他の手段は、中空部を有する被包装
物３の内周面3cを覆う内包材4aと、少なくとも中空部を
有する被包装物３の外周面3a及び両端面3bを覆うべく、
前記内包材4aの両端に設けられた外包材5aとを備え、両
外包材5a,5a には、包装時に該被包装物３の周方向に伸
長可能なように、該外包材5aを折り重ねてなるひだ部
(7) が被包装物(3) の周方向に複数設けられ、且つ各ひ
だ部(7) の一端側は前記内包材(4) に一体的に固定さ
れ、しかも内包材(4）の周方向の長さは、被包装物(3)
の内周長さと略同寸に設定されてなることにある。

【０００８】

【作用】本考案の中空部を有する被包装物の包装シート
において、被包装物３を包装する際には、包装シート本
体１の外包材５に形成されたひだ部７の部分が伸びて被
包装物３の外周面3aに沿うと共に、一方、内包材４には
ひだ部７がないため、該内包材４は伸長することはな
く、外包材５の中央部分に比して長さが短くなる。

【０００９】従って、外包材５における被包装物３の両
端面3bに対応する部分は、ひだ部７が被包装物３の外径
と内径との差に応じて略三角形状に折り重なった状態で
両端面3bを覆い、その結果、被包装物３の両端面3bを覆
うべく外包材５を折り込む必要がない。

【００１０】

【実施例】以下、本考案の一実施例について図面に従っ
て説明する。図１及び図２において、１は線材や帯状体
を中空部を有するように円筒状に巻回してなる被包装物
３を包装するための矩形状の包装シート本体で、ポリエ
チレン繊維のクロス、合成樹脂フィルム及び紙を張り合
わせたもの、ポリエチレン繊維のクロス、合成樹脂フィ
ルム及び不織布を張り合わせたもの、あるいは、ポリエ
チレン繊維のクロス、合成樹脂フィルム及び防錆紙を張
り合わせたものが適宜採用されている。

【００１１】該包装シート本体１は、少なくとも被包装
物３の外周面3a及び両端面3bを覆う外包材５と、被包装
物３の内周面3cに位置すべく該包装シート本体１の両端
にそれぞれ設けられた内包材４とを備えている。

【００１２】前記外包材５には、該外包材５を折り重ね
てなるひだ部７が長手方向（被包装物３の周方向に相
当）に複数設けられている。即ち、外包材５の長手方向
の長さＬは、図３（イ）に示す如く前記ひだ部７が形成
される以前においては被包装物３の外周長さと略等しく
設定されている。尚、一方の端部には重合代８が設けら
れ、該重合代８には、他方に設けられたテープ９に着脱
自在に係合するテープ10が取付けられている。

【００１３】そして、外包材５には、上記ひだ部７を設
けることにより長手方向に短くなり、このときの外包材
５の長手方向の長さＬ１は、図１（イ）に示す如く前記
被包装物３の内周長さと略等しくなるようになってい
る。また、外包材５の幅方向（被包装物３の両端面3b方
向）の両端には、被包装物３の内周長と略等しい帯状の
内包材４が設けられ、各ひだ部７の両端部7aと内包材４
とは外包材５の全長にわたって縫着7cにより一体的に固
定されている。

【００１４】また、包装シート本体１の幅方向の長さＬ
２は、包装時に外包材５が被包装物３の外周面3a及び両
端面3bを覆い、且つ、両内包材４同士の端部が重合でき
る長さに設定されている。また、両内包材４には、互い
に係脱自在なテープ11，11aがそれぞれ設けられてい
る。

【００１５】本実施例の包装シートは以上の構成からな
り、次にその包装シートを使用して、被包装物３を包装
する場合について説明する。先ず、外包材５を長手方向
に引っ張ると、ひだ部７は両端部7aのみ固定されている
ことから、外包材５は、折り返しがなくなることにより
ひだ部７の中央部分が伸びて被包装物の外周面3aを覆
う。

【００１６】一方、被包装物３の両端面3bに外包材５の
両側部を沿わせるのであるが、ひだ部７の両端部7aは固
定されていることから、外包材５の両端は伸ばされるこ
とはなく、被包装物３の内周長さを維持する。この結
果、外包材５における被包装物３の両端面3bに位置する
部分は、ひだ部７が被包装物３の外径と内径差に応じて
略三角形状に折り込まれた状態となる（図４（イ）参
照）。

【００１７】しかも、内包材４の長さは、被包装物３の
内周長と略等しいことから、両内包材４を内周面3c側に
折り込むと、内包材４は被包装物３の内周面に沿うと共
に、両内包材４同士は両方に設けられたテープ11,11aに
より係合され、被包装物３の全面を包装シート本体１に
て被覆することができるのである（図３（ロ）及び図４
（ロ）参照）。

【００１８】上記実施例では、被包装物３の外周面3a及
び両端面3bは無論、内周面3bも完全に被覆したが、図５
に示す如く内周面3bの両端部分のみ被覆するようにして
も良い。即ち、内包材４は内周面3b両端部に位置し、且
つ両内包材４の先端を折り返すことにより金属線状体13
を心材として設けたものである。従って、この金属線状
体13を設けることにより内包材４の補強が図れ、内包材
４を内周面3bに貼着しなくても剥離することなく沿わせ
ておくことが可能となる。尚、前記金属線状体13は上記
実施例において、テープ11,11aに代えて設けることも可
能である。

【００１９】また、図６及び図７（イ）は本考案の更に
他の実施例を示し、包装シート本体１は、被包装物３の
内周面3aに位置する内包材4aと、少なくとも被包装物３
の両端面3b及び外周面3aを被覆すべく、内包材4aの幅方
向両端に縫着された外包材5aとからなる。そして、両外
包材5a,5a 間の長さＬ３は被包装物３の両端の長さ以下
に設定され、各外包材5aの長さＬ４は被包装物３を包装
した際に、両外包材5a,5a の両端が重合する長さに設定
されている。

【００２０】従って、該包装シートにて、被包装物３を
包装すると、図６（ロ）及び図７（イ）に示す如く、先
ず、包装シート本体１を筒状に形成して被包装物３の内
周に挿通した後に、両外包材5aを外側に折り込んで、そ
の両端をテープ等により固定するのであるが、このと
き、外包材5aは被包装物３の側周長さに応じて周方向に
伸ばしながら、外包材5aを被包装物３の両端面3b及び外
周面3aに容易に沿わせることができるのである。

【００２１】尚、本考案は上記の実施例に限定されるも
のではなく、外包材５，5a、内包材4,4a及びひだ部７両
端の固定手段は縫着以外の手段であっても良く、例えば
外包材５及び内包材４を熱シール性を有する材料から構
成した場合には、熱シールにより固着するようにしても
良い。

【００２２】更に、包装時に外包材５及び内包材４同士
を固着する手段も、上記テープ以外に、ファスナーやヒ
ートシールにより固着するようにしても良い。その他、
被包装物３は、線材や帯状体に限定されるものではな
く、また、その巻回された状態も図７（ロ）に示す如
く、ドーナツ状であっても良く、しかも、正面形状も円
形に限らず、楕円形あるいは角状のものであっても良
く、各構成部材も用途に応じて本考案の意図する範囲内
において適宜設計変更自在である。

【００２３】

【考案の効果】本考案は、中空部を有する被包装物を包
装する包装シート本体を備え、該包装シート本体におけ
る被包装物の外周面及び両端面を覆う部分には、包装時
に該被包装物の周方向に伸長可能なように、該包装シー
ト本体を折り重ねてなるひだ部が被包装物の周方向に複
数設けられ、しかも、被包装物の内周面に位置する包装
シート本体のひだ部の設けられていない部分の周方向の
長さは、被包装物の内周長さと略同等に設けられてなる
ので、被包装物の両端面部分の包装シートの折込みを容
易且つ迅速に行うことができ、ワンタッチでの包装が可
能となる。

【００２４】従って、従来の如く作業者が手作業で折込
みを形成していた場合に比し、作業者に無用の労力を強
いることがなく、作業能率を向上できると共に、包装シ
ートの折り位置が決定さていることから均一で良好な包
装状態が得られる。

【００２５】しかも、包装シートの折り位置が予め形成
されていることから、一端包装に使用された包装シート
であっても、容易にもとの状態に戻すことができ、該包
装シートを再度使用することも可能となり、非常に経済
的である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示し、（イ）は包装シート
の平面図、（ロ）は包装シートで被包装物を包装した状
態の一部破断を含む斜視図。

【図２】本考案の一実施例を示し、（イ）は外包材の要
部の断面斜視図、（ロ）は外包材及び内包材の要部を示
す斜視図。

【図３】（イ）はひだ部を形成する以前の外包材の平面
図、（ロ）は包装シートで被包装物を包装した状態の断
面図。

【図４】本考案の一実施例を示し、（イ）は要部を示す
断面斜視図、（ロ）は同断面図。

【図５】本考案の他の実施例を示す断面図。

【図６】本考案の他の実施例を示し、（イ）は包装シー
トの平面図、（ロ）は包装シートで被包装物を包装した
状態の斜視図。

【図７】（イ）及び（ロ）は包装シートで被包装物を包
装した状態の断面図。

【符号の説明】

１…包装シート本体、３…被包装物、3a…外周面、3b…
両端面3b、3c…内周面、４，4a…内包材、５，5a…外包
材、７…ひだ部

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 中空部を有する被包装物(3) を包装する
   包装シート本体(1) を備え、該包装シート本体(1) にお
   ける被包装物(3) の外周面(3a)及び両端面(3b)を覆う部
   分には、包装時に該被包装物(3) の周方向に伸長可能な
   ように、該包装シート本体(1) を折り重ねてなるひだ部
   (7) が被包装物(3) の周方向に複数設けられ、しかも、
   被包装物(3) の内周面(3c)に位置する包装シート本体
   (1) のひだ部（7)の設けられていない部分の周方向の長
   さＬ１は、被包装物(3) の内周長さと略同寸に設定され
   てなることを特徴とする中空部を有する被包装物の包装
   シート。
2. 【請求項２】 少なくとも中空部を有する被包装物(3)
   の外周面(3a)及び両端面(3b)を覆う外包材(5) と、被包
   装物(3) の内周面(3c)に位置すべく前記外包材(5) の両
   端にそれぞれ設けられた内包材(4）とを備え、前記外包
   材(5) には、包装時に該被包装物(3) の周方向に伸長可
   能なように、該外包材(5) を折り重ねてなるひだ部(7)
   が被包装物(3) の周方向に複数設けられ、且つ各ひだ部
   (7) の両端は前記内包材(4) に一体的に固定され、しか
   も内包材(4）の周方向の長さは、被包装物(3) の内周長
   さと略同寸に設定されてなることを特徴とする中空部を
   有する被包装物の包装シート。
3. 【請求項３】 中空部を有する被包装物(3) の内周面(3
   c)を覆う内包材(4a)と、少なくとも中空部を有する被包
   装物(3) の外周面(3a)及び両端面(3b)を覆うべく、前記
   内包材(4a)の両端に設けられた外包材(5a)とを備え、両
   外包材(5a),(5a)には、包装時に該被包装物(3) の周方
   向に伸長可能なように、該外包材(5a)を折り重ねてなる
   ひだ部(7) が被包装物(3) の周方向に複数設けられ、且
   つ各ひだ部(7) の一端側は前記内包材(4) に一体的に固
   定され、しかも内包材(4）の周方向の長さは、被包装物
   (3) の内周長さと略同寸に設定されてなることを特徴と
   する中空部を有する被包装物の包装シート。