JPH0751190Y2 - ゴルフ場における農薬除去装置 - Google Patents

ゴルフ場における農薬除去装置

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JPH0751190Y2
JPH0751190Y2 JP1992050204U JP5020492U JPH0751190Y2 JP H0751190 Y2 JPH0751190 Y2 JP H0751190Y2 JP 1992050204 U JP1992050204 U JP 1992050204U JP 5020492 U JP5020492 U JP 5020492U JP H0751190 Y2 JPH0751190 Y2 JP H0751190Y2
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pesticide
removal
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green
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JP1992050204U
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Inventor
俊一 横田
Original Assignee
株式会社パンニヤプランニング
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案はゴルフ場における農薬除
去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近時、ゴルフ場で使用する農薬が、雨水
とともに流れ出して河川を汚染する危険があるとの指摘
により、厚生省が定めた水道水の水質目標値に基づい
て、環境庁ではゴルフ場の排水口における農薬の種類ご
との指針値を設定するほか、都道府県においても独自に
ゴルフ場における農薬使用に関する指導要領等を作成す
るに至った。
【0003】これらを受けて水処理関連企業等において
は、ゴルフ場の水処理(鑑賞池の水の清浄化)や農薬除
去システムの開発を行っており、既に実用化されている
ものもある。これらのシステムは、調整池へ流入した水
を処理するものと、グリーンから調整池へ流れ込む水を
排水管の途中に設置した農薬除去又は分解装置を通した
後に調整池へ流出させるものとに大別される。除去又は
分解のための吸着材や微生物等は、それぞれの企業ごと
に工夫されており、除去効果は高いとされている。
【0004】ところで、ゴルフ場における農薬使用状況
は、茨城県下のあるゴルフ場における1991年の集計
をみると、ゴルフ場面積の僅か3%余りのグリーンに対
し、成分にして90%以上の農薬が散布され、グリーン
以外のゴルフ場では水を使わない粒剤が主として用いら
れていた。このことは、雨水とともに農薬が流出する可
能性はグリーンのみにあるといってよい。
【0005】フェアウエイやラフでの農薬散布は、春と
秋に1回づつ行う除草剤散布を除くと、発生した病害虫
の種類によって必要に応じ、スポット散布(被害部分を
中心として散布)するだけで、流出の心配は全くない。
したがって、グリーンから流出する水中に微量に含まれ
る農薬成分を取り除いた上で調整池へ送る方式を採れば
十分であろうと推測できる余地を残している。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】前記従来の農薬除去シ
ステムは、その殆んどが農薬を完全に除去することを目
標にしている。しかしながら、フェアウエイやラフ等か
らは殆んど農薬の流出はないにも拘わらず、これからも
流入する調整池の大量な水を処理するシステムは、その
ための施設とコストが膨大なものになる。
【0007】また、グリーンから流出してくる排水を、
排水管中に設置した除去装置によって農薬を除去するシ
ステムにしても、その実態が明らかにされていないた
め、その大半のバックデータは現実のグリーンを用いた
試験によるものではなく、おそらくは小さなモデル試験
に基づくものが多いものと思われる。
【0008】したがって、小さなモデル試験では、農薬
の流出量は実際よりもかなり過大に見積もられるのが常
道であり、そのため、装置自体も必要以上に大掛かりで
あって、コストもそれなりに膨大になっている。因み
に、現在実用化されている除去システムの場合、おそら
くは、少なく見積もっても、18ホール当たり1億円以
上に達すると思われる。このような高額のシステムを新
設するのはゴルフ場経営に大きな痛手となるであろう。
【0009】しかし、一日摂取許容量(いわゆるADI
=Acceptable Daily Intake)に基づいて、厚生省や環
境庁が定めた水質基準が定められていることを根拠とす
れば、現実にはこれらの基準値を大幅に下回るような濃
度にしてやれば、濃度をゼロにしなくとも除去の目的は
達成されると考えてよい。
【0010】したがって、農薬の種類ごとにそれらの残
留性等を考慮した上で、基準値の1/10〜1/100
程度までに排水濃度を下げればよいと考える方が現実
的、かつ、具体的であり、これによって農薬除去システ
ムのコスト低下も可能になると思われる。
【0011】そこで本考案は、ゴルフ場のグリーンに着
目し、それから排出される農薬を含んだ水の農薬をコス
ト安価に除去する農薬除去装置を提供する。
【0012】
【課題を解決するための手段】本考案にかかるゴルフ場
における農薬除去装置は、下部に排水口を設けて内部に
農薬吸着物質を充填した筒状の容器からなる除去槽と、
該除去槽の上部に嵌着する目皿と該目皿には所定径の
透孔が所定間隔で縦横に穿設されてなるものの複数組
を、せいろ状に積み重ねてなることを特徴とする。
【0013】さらに、ゴルフ場におけるグリーンの排水
管が最初に連結される集水桝内に、下部に排水口を設け
て内部に活性炭素等の農薬吸着物質を充填した筒状の容
器からなる除去槽、該除去槽の上部に嵌着されて所定
径の透孔を所定間隔で縦横に穿設した目皿とからなる複
数組をせいろ状に積み重ね、該目皿を前記暗渠排水管の
下方に配置してなることを特徴とする。
【0014】
【作用】グリーンの排水管から農薬を含む排水が目皿に
落下すると、その透孔から除去槽内に排水が雨状に降り
注いで流入し、除去槽内に収納された農薬吸着物質を通
過するとき農薬がそれに吸着され、これが段階的に繰り
返されて清浄な水が排水口から排出され、集水桝から調
整池等に通じる排出管を介して流出する。
【0015】
【実施例】本考案にかかるゴルフ場における農薬除去シ
ステムは、各グリーンの排水を農薬吸着物質に雨状に降
り注いで排水中に含まれる農薬を除去し若しくは少なく
とも所定の基準値以下にした後、清浄化された水を調整
池へと導くことを要旨とする。厚生省や環境庁が設定し
た基準値を大幅に下回るような濃度にしてやれば、濃度
をゼロにしなくとも除去の目的は達成されることに基づ
く。
【0016】これを具体的には、図1に示すように、グ
リーンからの排水を排水管16で集水桝15に導き、こ
の桝15の中に設置した簡易農薬除去装置14を通すも
ので、この簡易農薬除去装置14は、図2に示すよう
に、基本的には目皿1、除去槽2及び脚部3の3部分か
らなっている。農薬除去効果を高めるため、目皿1と除
去槽2を少なくとも3段で「せいろ」状に組むのがよ
い。目皿1の数を増やし、除去槽2の深さを大きくする
ほど、農薬除去効果は高まるが、グリーンの排水システ
ムと装置全体のコストを勘案すると、3段程度が積み重
ねの限界である。
【0017】目皿1は、図2に示すように、上部が開口
し底部が多孔板4からなる浅底の筒状体であり、除去槽
2の上部に載置して接続される。多孔板4は、図3に示
すように、例えば内径が約800mmとして4mmの透
孔5が縦横4cm間隔で穿設して構成される。なお、3
段に組むときの目皿1は、その外周縁にジョイント枠6
を取り付け、そのジョイント枠6を介して除去槽2を重
ねることができるようにする。ジョイント枠6は目皿1
と同じ材質若しくは防錆処理した金属からなり、目皿1
の上部から上方に若干突出している。
【0018】除去槽2は、図2に示すように、筒状体で
あって、その上部縁に目皿1を嵌合するジョイント枠7
を取り付け、ジョイント枠7に適宜数の吊具8を取り付
け、下部開口部に防錆処理をした金網9を張設し、か
つ、図4に示すように、その金網9を支持する桟10を
格子状に設けてある。ジョイント枠7は除去槽2と同じ
材質若しくは防錆処理した金属からなり、除去槽2の上
部から上方に若干突出している。
【0019】脚部3は除去槽2を嵌合するジョイント枠
12を取り付け、下部に周方向へ適宜間隔で形成した切
欠部からなる排水口11を設ける。ジョイント枠12は
脚部3と同じ材質若しくは防錆処理した金属からなり、
脚部3の上部から若干突出している。
【0020】そして除去槽2の内部には、図1に示すよ
うに、活性炭素などの農薬吸着物質13が収納される。
農薬吸着物質13は活性炭素に限定するものではない。
活性炭素は、特異な構成を有することなく、きわめて通
常のペレット状のものであり、市販されているものであ
る。農薬吸着物質13の上面と目皿1との間には所定の
間隔Dを空けておくのがよい。
【0021】そこで、上記実施例の作用を説明すると、
図1に示すように、簡易農薬除去装置14をグリーンの
暗渠排水が排水管16を介して最初に流入する集水桝1
5の中に吊具8をクレーンで揚重するなどして収納し、
排水管16の下部に目皿1が位置するように設置し、排
水管16から農薬を含む排水が目皿1に落下すると、透
孔5から除去槽2内に雨状に降り注いで流入し、農薬吸
着物質13を通過するとき農薬がそれに吸着され、清浄
化された水が排水口11から排出され、集水桝15から
排出管17を介して調整池に流出する。
【0022】このように、目皿1を用いて農薬吸着物質
13に排水を降り注ぐ目皿方式と、目皿1を用いないで
排水を直接農薬吸着物質13に注ぐ連続方式との違いに
よる農薬除去効果を比較してみると、表1のようであ
り、これから明らかな如く、連続方式よりも目皿方式が
除去効率の良いことが判る。
【0023】
【表1】
【0024】なお、環境庁により指針値が定められてい
る殺菌剤12種類と殺虫剤MEP(スミチオン)及びグ
リーンで汎用される殺虫剤アセフェート(オルトラン)
に対する目皿方式による除去効果を図5に示す。これか
ら明らかな如く、オキシン銅、TPN、ペンシクロンが
約70%の除去率であった以外は大半が90%以上の除
去率で、目皿方式が極めて高い除去効率を示すことが判
る。
【0025】さらに、上記簡易除去装置を用いたモデル
試験結果を表2に示す。これは、面積100m2のグリ
ーン用に作成した簡易農薬除去装置14を集水桝15に
設置し、除去槽2に活性炭素を充填し、目皿1から濃度
0.5〜1.0ppmの農薬液を毎分4リットルの割合
(グリーンからの雨水の平均流量)で流し込み、2,
5,10分後のろ過液を採取して分析した。
【0026】
【表2】
【0027】実際の排水中の濃度は、上の原濃度の1/
10以下であるので、簡易農薬除去装置14を通過後の
排水中の濃度はさらに低く、1ppt前後以下になるこ
とが予想され、したがって、十分実用に供し得るものと
考えられる。
【0028】以上説明したこの考案によれば、グリーン
からの排水を雨状に農薬吸着物質に降り注いで、少なく
とも環境庁等が設定した基準値を大幅に下回る除去効果
段階的に上げることができる。また、グリーンからの
排水が目皿を通過してジョロから出る雨滴状となり、こ
れが除去槽内の活性炭素等の農薬吸着物質に接触するこ
とによって排水中の微量な農薬の吸着に威力を段階的に
発揮するもので、簡便な装置で最大の農薬除去効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案にかかる農薬除去装置の縦断側面図。
【図2】本考案にかかる農薬除去装置の分解縦断側面
図。
【図3】目皿の平面図。
【図4】除去槽の断面平面図。
【図5】本考案装置の農薬除去試験結果を示すグラフ。
【符号の説明】
1…目皿 2…除去槽 5…透孔 11…排水口 13…農薬吸着物質 14…簡易農薬除去装置 15…集水桝 16,17…排水管

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下部に排水口を設けて内部に農薬吸着物
    質を充填した筒状の容器からなる除去槽と、該除去槽の
    上部に嵌着する目皿と該目皿には所定径の透孔が所定
    間隔で縦横に穿設されてなるものの複数組を、せいろ状
    に積み重ねてなることを特徴とするゴルフ場における農
    薬除去装置。
  2. 【請求項2】 ゴルフ場におけるグリーンの排水管が最
    初に連結される集水桝内に、下部に排水口を設けて内部
    に活性炭素等の農薬吸着物質を充填した筒状の容器から
    なる除去槽、該除去槽の上部に嵌着されて所定径の透
    孔を所定間隔で縦横に穿設した目皿とからなる複数組を
    せいろ状に積み重ね、該目皿を前記暗渠排水管の下方に
    配置してなることを特徴とするゴルフ場における農薬除
    去装置。
JP1992050204U 1992-07-17 1992-07-17 ゴルフ場における農薬除去装置 Expired - Lifetime JPH0751190Y2 (ja)

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JPH0652985U JPH0652985U (ja) 1994-07-19
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