JPH0751173Y2 - プレート - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 産業上の利用分野 本考案は容器内の高粘度材料（接着剤、シーリング材、
コーキング材、パテ、及びグリース等）をプランジャポ
ンプで吸い込むと共に、吐出させる為にプランジャポン
プの下端部に装着するプレートに関するものである。

従来の技術 従来、容器ａ内で吸入の為吸い込んで中央部がへこんだ
状態（凹状）から容器ａ内にて水平な自由表面を形成す
るのに多少時間が必要、或いはほとんど水平面を作らな
い高粘度材料ｗのポンプによるプライミングには、該ポ
ンプ下部にプレートｂを装着し、該プレートｂはホイー
ル状の基体ｃ外周部（容器内面に接触する部分）にゴ
ム、合成樹脂より成る板状体を一段又は二段重ねにした
ワイパーｄを取付け、そしてポンプの自重、ポンプの吸
込動作による負圧及びラム機構によるポンプの下降押圧
により高粘度材料ｗ表面を強力に押圧してポンプの吸込
口に高粘度材料ｗを寄せ集めていたが、かかるプレート
ｂでは第４図に図示する様に高粘度材料ｗ表面への強力
なる押圧力にワイパーｄが対抗出来ず、よって容器ａ内
面とワイパーｄの間より高粘度材料ｗがプレートｂ上に
溢出する欠点を有している。

又、プレートｂとして基体ｃ外周部に周設した凹部ｅに
チューブを嵌設すると共に、該チューブ両端部相互を継
合して環状のワイパーｄと成すと共に、該ワイパーｄの
外周部を凹部ｅ外周部より若干突出させたものや、上下
二段状とした凹部ｅの夫々にワイパーｄを嵌設したもの
も見当たるが、ワイパーｄの弾性力のみにてワイパーｄ
の復元力としており、よってプレートｂの上下動に伴い
第５図に図示する様にワイパーｄが変形し、かかる変形
状態のまま常時凹部ｅ縁角部にワイパーｄが当接して上
下動することにより摩耗及び疲労断裂が短期間内に発生
する為、ワイパーｄの交換に伴い上記した熟練を必要と
する取付作業を頻繁に行う必要があり、よって甚だ面倒
であると共に、高コストを招来する欠点を有し、更にワ
イパーｄの外周部を凹部ｅ外周部より若干突出させただ
けである為、容器ａの内面形状（例えば容器ａのリブ
等）への対応度が低い欠点を有していた。

考案が解決しようとする課題 本考案は密閉されたワイパー内に圧力空気を送入するこ
とにより容器内面と常時密着状態となり、よって高粘度
材料のプレート上への溢出を防止出来ると共に、ワイパ
ーの交換作業の簡易化及び交換頻度の減少化を図り、又
環状チューブの内圧による復元力と弾性変形、そして三
角突条により容器の内面形状（凸凹等）によるシールの
追従を容易にし、高粘度材料のプレート上への溢出が防
止出来るプレートを提供せんとするものである。

〔考案の構成〕

課題を解決するための手段 本考案はかかる点に鑑み、ホイール状の基体外周部に膨
縮自在な環状チューブにより構成されたワイパーを周設
し、該ワイパーは内側開口した断面円弧状にして空気供
給部を設けた環状チューブの開口端縁部より基体上下部
へ一対の取付リブを延設すると共に、該取付リブを基体
に固定して環状チューブを密閉して成り、かかるワイパ
ー外周を空気供給部より送入する圧力空気により容器の
内面形状に対応変形可能にする様に成したもの、及び環
状チューブの外周部に弾性材料よりなる三角突条を周設
してワイパーと成したプレートを提供して上記欠点を解
消せんとしたものである。

作用 本考案はワイパー内に圧縮空気を送入せずに高粘度材料
表面に接触するまでプレートを容易に挿入降下させた
後、ワイパー内に圧力空気を送入してワイパーを容器内
面に密着させ、プランジャポンプの自重及び吸込動作に
よる負圧により高粘度材料表面を強力に押圧しながら下
降させ、容器内面の高粘度材料を掻き落しながら周囲よ
り中央部に寄せ集め、容器のリブ等に残留する高粘度材
料は三角突条により掻き落すのである。

実施例 以下本考案の一実施例を図面に基づいて説明すると、 １はプライミングピストン２を利用した掻き上げ式のプ
ランジャポンプ３下端部に装着するプレートであり、中
央部に円錐台状の膨出部４を形成すると共に、該膨出部
４の上面中央部に取付孔５を貫設し、膨出部４より外方
の平坦部６に同心円上にて同一間隔を有して取付孔７、
7a…を貫設してホイール状に基体８を形成し、該基体８
の外周部に空気の圧入排気により膨縮自在なる合成ゴム
等の耐溶剤性材料製のワイパー９を周設固定してプレー
ト１と成している。

ワイパー９は基体８の外周部に、内側開口した断面円弧
状の環状チューブ10を形成すると共に、該環状チューブ
10の開口端縁部より基体８の上下面に一対の取付リブ1
1、11aを延設しており、該取付リブ11、11aには取付孔
７、7a…に対応して取付孔12、12a…を貫設し、更に該
取付孔12、12a…に対応する位置に取付孔13、13a…を貫
設した環状板14、14aを取付リブ11、11aの上下両面より
該取付リブ11、11aを基体８に挟着配置し、下方より取
付孔７、7a…、12、12a…、13、13a…にボルト15、15a
…を挿入すると共に、ナット16、16a…を螺入すること
により、環状チューブ10を密閉してワイパー９を基体８
に締着している。

17は環状チューブ10上部の所定位置に突設した空気供給
部であり、該空気供給部17は直立円筒体18に埋め金19を
内設すると共に、吸気口20を環状チューブ10内部と連通
させ、そして空気供給部17をエアコンプレッサー（図示
せず）等に継合してワイパー９を膨縮自在と成してい
る。

21は三角突条であり、該三角突条21は環状チューブ10
（ワイパー９）の外周部に周設している。

22はプレート１のプランジャポンプ３への装着金具であ
り、該装着金具22は中央部に段付孔を貫設して略円筒状
に形成し、上方外周縁部に面取り、下方外周縁部に切欠
段差部23を夫々形成し、上記段付孔の大径なる上段部の
内側面を螺刻してプランヤポンプ３下端部の螺刻部に螺
着し、小径なる下段孔の下方部をテーパー状に拡開し、
上記段付孔の段差部24に環状溝25を刻設すると共に、該
環状溝25にＯリング26を嵌設し、切欠段差部23により形
成された小径部を取付孔５に嵌合すると共に、基体８と
装着金具22とを溶着固定している。

次に本考案に係るプレートの作用について説明すると、 先ず、環状チューブ10内に圧力空気を送入せずに自由変
形自在なる状態として容器Ａ内の高粘度材料Ｗ表面に接
触するまでプレート１を挿入降下させ、該プレート１が
高粘度材料Ｗ表面に接触した後ワイパー９の環状チュー
ブ10内に圧力空気を送入して該環状チューブ10が容器Ａ
内面に密着し、次にプランジャポンプ３を作動させて容
器Ａ内中央部の高粘度材料Ｗを掻き上げ、又プランジャ
ポンプ３の自重、吸込動作による負圧、及びラム機構
（図示せず）によるプランジャポンプ３の下降押圧によ
り高粘度材料Ｗ表面を強力に押圧しながら下降し、ワイ
パー４が容器Ａ内面の形状に対応して変形しながら該容
器Ａ内面に高粘度材料Ｗが残留しない様に掻き落しなが
ら周囲から中央部に高粘度材料Ｗを寄せ集めるのであ
る。

又、例えば容器Ａに補強としてリブＲが設けてあれば、
該リブＲに残留する高粘度材料Ｗを三角突条21により掻
き落すのである。

〔考案の効果〕

要するに本考案は、ホイール状の基体８外周部に膨縮自
在な環状チューブ10により構成されたワイパー９を周設
し、該ワイパー９外周を送入する圧力空気により容器Ａ
の内面形状に対応変形可能にする様に成したので、環状
チューブ10内に圧力空気を送入し容器Ａに環状チューブ
10を密着させてシールを確実と成すことによって、容器
Ａの内径の若干の相違に対応可能にすると共に、プレー
ト１降下時の高粘度材料Ｗのプレート１上への溢出を防
止出来、更に容器Ａの内面形状が凹凸であったとして
も、容器Ａ内面と密着する環状チューブ10の弾性及び圧
力空気による内圧により環状チューブ10が対応変形して
環状チューブ10が常時容器Ａの内面に密着状態と成っ
て、使用過程において変形した容器Ａにも対応変形しシ
ールを確実にして、高粘度材料Ｗのプレート１上への溢
出を防止出来る。

又、内側開口した断面円弧状にして空気供給部17を設け
た環状チューブ10の開口端縁部より基体８上下部へ一対
の取付リブ11、11aを延設すると共に、該取付リブ11、1
1aを基体８に固定して環状チューブ10を密閉してワイパ
ー９と成したので、ワイパー９における基体８との接触
部は取付リブ11、11aであり、送入された圧力空気によ
り緊張状態の環状チューブ10と基体８の接触箇所は無
く、よって膨張させた環状チューブ10外周部を容器Ａ内
面に密接させてプレート１を上下動させることで環状チ
ューブ10と基体８が当接せず、かかる当接が原因である
ワイパー９の疲労断裂を防止出来、而もホイール状の基
体８外周部の上下部に位置する取付リブ11、11aをボル
ト15、15a…等により固定してワイパー９が基体８に確
実に固定されているため、送入される圧力空気による内
圧によっても基体８からワイパー９が外れず、基体８に
対するワイパー９の一体性の向上を図ることが出来る。

又、環状チューブ10内に圧力空気を送入せずに降下させ
れば、容器Ａと環状チューブ10間の摩擦抵抗が無く、よ
って容器Ａ内の高粘度材料Ｗ表面までプレート１を容易
に挿入降下させることが出来ると共に、ワイパー９は耐
溶剤性材料を素材とする為にワイパー９の耐久性が向上
し、それにより交換作業の頻度の減少化を図ることが出
来、たとえワイパー９を交換するにしてもボルト15、15
a及びナット16、16a…により基体８に固定されている
為、取付作業に熟練を必要とせず、よって作業の簡易化
を図ることが出来る為、低コスト化を図ることが出来
る。

又、プレート１により容器Ａ内の高粘度材料Ｗは密閉さ
れる為、空気との接触による高粘度材料Ｗの変質及びゴ
ミ等の異物の高粘度材料Ｗへの混入を防止出来る。

又、ワイパー９の外周部に弾性材料よりなる三角突状21
を周設したので、例えば容器Ａに補強としてリブＲを設
けあれば、該リブＲに残留する高粘度材料Ｗを掻き落す
ことが出来る為、高粘度材料Ｗの節約を図り、よって経
済性の向上を図ることが出来る等その実用的効果甚だ大
なるものである。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示すものにして、 第１図は本考案にかかるプレートの中央縦断面図、第２
図は同上平面図、第３図はプレートの使用状態を示す要
部断面図、第４図及び第５図は従来のプレートの使用状
態を示す要部断面図である。 ８……基体、９……ワイパー、10……環状チューブ、17
……空気供給部、21……三角突条

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ホイール状の基体外周部に膨縮自在な環状
   チューブにより構成されたワイパーを周設し、該ワイパ
   ーは内側開口した断面円弧状にして空気供給部を設けた
   環状チューブの開口端縁部より基体上下部へ一対の取付
   リブを延設すると共に、該取付リブを基体に固定して環
   状チューブを密閉して成り、かかるワイパー外周を空気
   供給部より送入する圧力空気により容器の内面形状に対
   応変形可能にする様に成したことを特徴とするプレー
   ト。
2. 【請求項２】環状チューブの外周部に弾性材料より成る
   三角突条を周設してワイパーと成したことを特徴とする
   請求項１記載のプレート。