JPH0751164Y2 - 遠心分離機用ロータの連結機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の利用分野〕 本考案は、医学、生化学、農芸化学等の分野で使用され
る遠心分離機用ロータの連結機構に関するものである。

〔考案の背景〕 第２図に従来技術による遠心分離機用ロータの構造図を
示す。

ロータ２は回転軸１に取付けられ、ロータ固定ネジ３に
より回転軸１に締め付けられている。しかし、この種の
ロータ２は、臨床検査センター等に於て、血液検査等に
使用され、一度に200本もの多検体の処理ができる直径
約640mmの大形のロータで且つ、検体の重量差によるア
ンバランスの為、ロータ回転時の空気抵抗や振動が大き
い。その為、固定ネジ３が緩んだり、回転軸とロータと
の嵌合部のガタ（遊び）により自動振動が発生し回転軸
の折損や、ボールベアリングの損傷、嵌合部2aの摩耗な
どの問題があった。

〔考案の目的〕

本考案の目的は、上記した従来技術の欠点をなくし、併
せて遠心分離機の許容アンバランス量の増大、および長
寿命化を図ることである。

〔考案の概要〕

本考案は、前記した回転軸の折損や、軸受部の損傷、嵌
合部の摩耗がなぜ起るかを追求した結果、回転軸１にロ
ータ２を固定しているロータ固定ネジ３が、回転時の負
荷とアンバランスにより緩み、嵌合部にガタ（遊び）を
生じ、これが自動振動を引き起していることから、自動
振動を防ぐ為、回転軸１とロータ２の連結機構を工夫し
たものである。

〔考案の実施例〕

第２図の従来構造では、回転軸１にロータ２を嵌合し、
ロータ固定ネジ３′で回転軸１にロータを固定し、ロー
タの嵌合2aに設けられたピン2bにより回転軸１のトルク
をロータ２に伝達している。ロータは洗浄、滅菌等のた
め簡単に取はずし可能であり、そのため嵌合部2aおよび
回転軸１のピン穴にはスキマがある。ロータ２を回転軸
１に確実に固定するためロータ固定ネジ３で、回転軸１
のテーパ部にロータを押し付け固定しているが、ロータ
が大形であり、モータ負荷が大きいことと、バケット2C
内の試料のアンバランスが大きい為、回転中に嵌合部が
動きやすく、固定ネジ３が緩み自動振動の原因となって
いた。

第１図の本考案の実施例では、ロータ固定ネジ３にフラ
ンジ3aを設けそのフランジ部にリング４をあて、六角穴
付ボルト５で締め付けることによりロータ固定ネジ３の
緩みをなくし、自動振動の発生をなくした。

〔考案の効果〕

本考案によれば、ロータ固定ネジ３の緩みをなくし、自
動振動の発生をなくしたので、回転軸おおび、軸受部の
寿命を伸ばすことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案になる遠心分離機用ロータの連結機構部
の側面図、第２図は従来構造の側面図である。 １は回転軸、２はロータ、2aはロータの嵌合部、2bはロ
ータのピン、2Cはロータのバケット、３はロータ固定ネ
ジ、３′は従来のロータ固定ネジ、3aはロータ固定ネジ
のフランジ、４はリング、５は六角穴付ボルトである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】試料を分離するためのロータへ回転を伝達
   する回転軸に、前記ロータを着脱自在に配した遠心分離
   機において、前記回転軸の上部中心に軸心方向のネジ穴
   を設け、上記回転軸の上部に前記ロータを嵌合し、前記
   ネジ穴に固定ネジを螺合し、前記固定ネジのフランジ部
   をリングで押さえ、前記リングをロータにネジ止めする
   ことにより、前記固定軸の緩みを防止し、且つ前記回転
   軸とロータのガタを無くしたことを特徴とする遠心分離
   機用ロータの連結機構。