JPH0751026B2 - 生物付着防止性に優れた水産用資材 - Google Patents

生物付着防止性に優れた水産用資材

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JPH0751026B2
JPH0751026B2 JP62176613A JP17661387A JPH0751026B2 JP H0751026 B2 JPH0751026 B2 JP H0751026B2 JP 62176613 A JP62176613 A JP 62176613A JP 17661387 A JP17661387 A JP 17661387A JP H0751026 B2 JPH0751026 B2 JP H0751026B2
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弘通 飯島
修介 吉田
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は生物付着防止性に優れた水産用資材に関するも
のである。
〔従来の技術〕
近年,沿岸海域における養殖,栽培漁業が急速に促進さ
れている。これらの事業が拡大されるにつれて,多くの
問題点が明らかにされつつある。例えば,養殖,栽培漁
業に用いられている繊維資材においては,海中投下して
いる間に資材表面を多くの海藻類或いは貝類が付着し,
作業効率の低下或いは波浪による資材の損傷,流失と言
った問題点が発生している。これらの問題点を解決する
ために以下に述べるような方法が提案されている。特開
昭59−14738には繊維資材の表面に銅メッキを施す方
法,特開昭61−35735には水膨潤性高分子物質を繊維資
材表面に被覆する方法,特開昭58−201862においては吸
水性エラストマーと銅(合金)粉末を混ぜて,繊維資材
表面を被覆する方法,特開昭52−79024においてはジエ
タノールアミン誘導体をもって繊維資材を被覆する方
法,特開昭54−157824においては有機錫化合物,酸化亜
鉛等を繊維資材に被覆する方法等が開示されている。こ
れら従来技術において繊維資材表面への藻類,貝類の付
着防止と言う観点からは,前記の問題点を改良するには
それなりの効果が期待されるものである。しかしなが
ら,これら従来技術に用いられている薬品類は,少なか
らず人体への毒性を有するものである。また,これら薬
品処理したものを海中投下した場合においては,その周
辺海域の藻類及び貝類の付着をも阻害するものとなり、
磯焼現象を誘発し魚類の繁殖をも妨げるものであった。
従って,「海の除草剤」と呼ばれるような毒性を有する
薬品に頼らない生産技術の確立及び養殖管理技術の向上
が強く求められているのが現状である。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明はかかる問題点に鑑み,藻類,貝類の付着を防止
すると共に,2次的公害発生の無い水産用資材を提供する
ものである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは,上記の諸問題を解決するため鋭意検討し
た結果,遂に本発明に到達したものである。
即ち本発明の骨子は次の通りである。
(1) 超高分子量ポリエチレンからなる繊維デニール
が3デニール以下で繊維長が0.5mm以上の繊維立毛で覆
われてなることを特徴とする生物付着防止性に優れた水
産用資材。
以下,本発明について詳細に説明する。
従来,この種の水産用資材については実用強度を保持し
ていれば繊維素材自体あまり重要視されておらず,基材
を被覆する試薬が重要視されていたがために,2次的公害
を有するものであった。
本発明は従来,重要視されていなかった繊維素材を検討
する過程において,高重合度ポリエチレンを繊維化し,
デニール,繊維立毛長等と生物付着性を追求した結果,
繊維表面に従来の生物付着防止性を有する試薬を被覆あ
るいは練り込みすることなしに画期的な効果が得られた
ものである。
本発明で言う超高分子量ポリエチレンとは重量平均分子
量が100万以上,好ましくは150万以上のものを主成分と
して含有する組成物を示唆するものである。これらの主
成分に更に滑剤,安定剤,可塑剤,着色剤等を単品或い
は2種以上含有させて用いてもよい。
超高分子量ポリエチレン繊維の断面形状は特に限定する
ものではなく,円形,異形,中空型,芯鞘型等あらゆる
形状のものが用いられる。
ポリエチレンはプラスチック分野に一般に用いられてい
る素材の中で最高の耐摩耗性を有し,且つ低摩擦係数,
低温耐衝撃性に優れた疎水性ポリマーである。この特徴
を生かし,ポリエチレンを部分的に用いた海藻養殖用付
着基材及びその製造方法が特公昭57−91131に開示され
ている。この従来技術は他の合成繊維とポリエチレンの
フィラメントを合糸し,撚糸とすることによってワカ
メ,ノリ等の藻類付着をコントロールするものである。
更にロープ表面に突起部を付与し,この突起部に付着し
易くするものである。即ち,藻類の養殖効果をコントロ
ールするものであり,本発明の藻類,貝類等を付着させ
ない技術思想とは全く異なるものである。単にポリエチ
レンフィラメント繊維を撚糸とし,ロープ,網状加工し
たものではロープの谷部或いは網の結節部に藻類,貝類
が付着し,本発明の目的を達するものではない。
本発明の重要なポイントは,上記の従来技術とは全く思
想を異にし,超高分子量ポリエチレンからなる繊維が立
毛状態でもって,基材表面を被覆している点にある。一
般に用いられている通常のポリエチレン,ナイロン,ポ
リエステル等の合成繊維に比し,超高分子量ポリエチレ
ンは海水中での耐久性,屈曲強度及び表面平滑性に優れ
ているため,立毛繊維が波浪,潮流による切断しにく
く,更には本発明の網,ロープ等を高圧噴射水流で洗浄
する場合に資材表面の立毛が切断されにくい,且つ表面
が平滑であるがために藻類,貝類の胞子が付着しにく
く,たとえ付着しても根付きが悪く脱落しやすい点にお
いて優れているものである。
自然海における藻類,貝類は柔らかくて表面凹凸の少な
い平滑な,揺れ動き易く,疎水性のものには着生しにく
いと言われている。本発明者らは人工的にこのような性
質を有する資材を殆何にして作るかを鋭意検討した結
果,画期的な効果を有する水産用資材を見出したもので
ある。
即ち,基材の硬軟性は繊維デニール,素材によって左右
され,潮流,波浪による揺動作用を伝えるものは繊維の
立毛長,デニール,及び素材で左右され,更に脱落の容
易性は表面平滑性,素材の親疎水性によって左右され
る。自然海における藻類,貝類の放出する胞子或いは遊
走子を如何に着生しにくい表面状態にするか或いは着生
しても根付きにくいものとし脱落させるかは、上記の性
質を如何に組み合わせるかが重要なポイントとなる。
これらの点を考慮し検討した結果,本発明に用いる超高
分子量ポリエチレン繊維の繊維デニールは3.0デニール
以下,好ましくは2.0デニール以下が良い。繊維デニー
ルが3.0dを越えると繊維の腰が強くなり,立毛の潮流,
波浪による揺動作用が十分に行われず,藻類,貝類が付
着し易くなり好ましくない。
繊維立毛が基材表面を覆っているだけでも藻類,貝類の
付着減少効果はあるものの,より本発明の効果を発揮さ
せるには,繊維の立毛長を長くするのが好ましい。立毛
長が短いと繊維デニールをより細くする方向がよく,立
毛長が長いと太デニール方向でよい。使用する目的,場
所,経済性,作業性等を考慮して行えばよいが、立毛長
0.5mm以上であることが重要である。立毛長が0.5mm未満
となると立毛が潮流,波浪抵抗によって十分な揺動作用
が伝わらず藻類,貝類が付着し易くなる。
超高分子量ポリエチレン繊維が形成する立毛間隔は立毛
長,繊維デニールにより異なるため,一概には限定する
ことは困難であるが,藻類及び貝類の放出する胞子或い
は遊走子の大きさを考慮すると2μ以上が好ましく,ま
た波浪,潮流による立毛繊維の揺動作用を考慮すると極
端に蜜になりすぎるとその効果が低下し,逆に付着しや
すくなるため,300μ以下が一つの目安となる。
本発明の水産用資材は着色されていてもよい。藻類の成
長は光合成が大きく左右する。藻類の胞子の発芽,発芽
体の伸長は光量,光質によって異なり,浅い所では明る
く赤色部の長波長部が多く,深くなるにつれて暗くな
り,緑,青,紫色の部だけに変化し,生息する藻類種も
異なってくる。従って,積極的に藻類を付着,生育する
ためには光合成に適する波長域の色調に着色したものが
必要であるが,本発明の目的からすると,逆に付着,生
育しにくい色調がより本発明の効果を高めるものであ
る。このような観点から最終的にできあがった立毛の被
覆色調は,基材を使用する深度によつても異なるため,
その海域に着生する藻類種に応じて,それらの藻類の光
合成に適する波長域の光を吸収しにくいように着色を選
ぶことが大切である。
本発明の水産用資材の形態はロープ状,網状,布帛状等
にして用いられる。例えば,ロープ状とする場合には撚
糸の表面に超高分子量ポリエチレン繊維を植毛するか或
いは花糸に用いてシェニール糸に加工し,撚糸すればよ
い。また網状としたい場合には,上記のロープを公知の
網作製機にかければ容易に得ることが出来る。また布帛
状としたい場合には,一般に用いられている2重ビロー
ド織機にかけた後,半裁する或いはニードルパンチで得
られる不織布を立毛処理することによって得られる。
本発明の水産用資材は,上記の形態以外に例えば発泡ス
チロール,ウレタンフォーム,塩ビシート,セメント
製、金属製、陶器製,木製等のあらゆる基材の表面に本
発明の条件を備えた超高分子量ポリエチレン繊維の立毛
で覆われた物で有れば特に限定するものではない。ま
た,本発明の水産用資材に更に,公知の生物付着防止
剤,例えば抗菌剤,殺菌剤あるいはシリコーン系樹脂,
弗素系樹脂等を付与しても差し支えない。また超高分子
量ポリエチレン繊維立毛の中に,一般に用いられている
極細繊維からなる立毛を混在させても,本発明の効果が
損なわれるものではない。
以上のように本発明は繊維特性及び基材表面形状と自然
海の藻類,貝類の着生適合性とを検討することにより画
期的な効果をもたらしたものである。
〔実施例〕
以下に本発明を実施例にて詳細に説明するが,これらの
実施例によって本発明が制約,限定されるものではな
い。むしろ,次の応用発展をもたらすものである。
実施例1〜6 重量平均分子量約200万の超高分子量ポリエチレンを用
いて得られた繊維デニール1.0d(150d−150f),1.7d(3
00d−180f),3.0d(255d−85f)の各フィラメントを花
糸とし,ポリエステルの180dスパン糸を芯糸に用い,接
着糸とし共重合ナイロンを用いて,花糸パイル長0.5mm,
3.0mmとなるようにシェニール糸加工を行った。得られ
た加工糸を3本撚糸し,ロープ状とした。次いで,湿熱
100℃で処理した花糸のずれ止め防止処理を行った。
比較例1〜3 実施例1〜6の中で用いた繊維デニール1.7d,3.0dの超
高分子量ポリエチレンフィラメントとポリエチレンテレ
フタレートを用いた3.0d(150d−50f)のフィラメント
をそれぞれ500T/mとなるように撚糸した。得られた加工
糸をそれぞれ3本撚り合わせてロープ状とした。
比較例4 実施例1〜3の中で用いたポリエチレンテレフタレート
3.0d(150d−50f)のフィラメントを花糸に用い,花糸
パイル長0.5mmとなるように実施例1〜6と同様にシェ
ニール糸加工を行ない,以後同様に加工処理しロープ状
とした。
これら実施例1〜6,比較例1〜3,4のロープをそれぞれ
ステンレス棒で枠組みしたものに,一定間隔に巻きつ
け,海中約3mに投下し設置した。海中投下6ケ月後のロ
ープ表面への藻類,貝類の付着状態観察結果を第1表に
示した。
この結果から判るように超高分子量ポリエチレンの立毛
で覆われた本発明によるロープ表面には藻類,貝類が着
生しにくく,更に細デニールで立毛が長目方向になる
と,より付着防止性効果を発揮するものであった。単に
超高分子量ポリエチレン繊維をロープとしたものは,ポ
リエステル繊維をロープとしたものに比し,藻類の付着
は若干少ないものの貝類の付着が目立ち,本発明法との
比較においては初期の目的を達するレベルのものではな
かった。
〔発明の効果〕 本発明に係る水産資材は,従来の水産資材技術の欠点で
あって2次的公害の発生を抑制し,且つ藻類,貝類の付
着防止性に優れるものである。従って,海中に長期にわ
たって設置しておく定置網或いはタイ,ハマチ,マグ
ロ,ヒラメ等の養殖網に用いることにより,奇形魚の発
生,魚体の損傷,網の目詰まりによる餌の堆積汚染等を
防止することが可能であり,且つ作業効率が向上し,経
済性に優れたものである。また,船舶係留用ロープ,魚
貝類,藻類養殖用係留ロープとして用いることにより,
作業効率の向上,潮流,波浪による損傷,流失を防止す
ることが可能である。また更には船舶の腹部,海水引き
込み口の通路内壁等に張り付けることにより,生物の付
着を防止することが可能である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】超高分子量ポリエチレンからなる繊維デニ
    ールが3デニール以下で繊維長が0.5mm以上の繊維立毛
    で覆われてなることを特徴とする生物付着防止性に優れ
    た水産用資材。
JP62176613A 1987-07-15 1987-07-15 生物付着防止性に優れた水産用資材 Expired - Lifetime JPH0751026B2 (ja)

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JPS53116794A (en) * 1977-03-23 1978-10-12 Mitsubishi Electric Corp Laser device for optical communication
JPS5710991A (en) * 1980-06-24 1982-01-20 Fujitsu Ltd Laser diode control circuit

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