JPH075070B2 - 車輪制動制御装置 - Google Patents

車輪制動制御装置

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JPH075070B2
JPH075070B2 JP4799686A JP4799686A JPH075070B2 JP H075070 B2 JPH075070 B2 JP H075070B2 JP 4799686 A JP4799686 A JP 4799686A JP 4799686 A JP4799686 A JP 4799686A JP H075070 B2 JPH075070 B2 JP H075070B2
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brake
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slip
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俊光 岡
博之 市川
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Aisin Corp
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Aisin Seiki Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は、たとえば車両の発進時や加速時などの車輪の
回転スリップを防止するための車輪制動制御装置に関す
る。
(従来の技術) 車両の発進時や加速時などに、特に雪道あるいは凍結路
面における発進時や加速時に、車輪が空転して意図した
発進あるいは加速がもたらされなかったり、左右1対の
車輪の一方が空転し他方が前進して車両の進向方向が意
図したものにならないことがある。そこで従来において
は、車輪のスリップ率(回転スリップ率)を検出し、そ
れが所定値以上のときはエンジン出力(車輪駆動力)を
下げたり(例えば特開昭58−16948号公報)、車輪にブ
レーキをかけたり(例えば特開昭58−16947号公報)す
ることが提案されている。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、前記提案された前者においては、スリッ
プを検出してから車輪駆動力が下がるまでにかなりの遅
れ時間があり、またスリップを検出しなくなってから車
輪駆動力が回復するまでに遅れ時間がある。これらの遅
れ時間により、スリップがあるときに車輪駆動力が高く
スリップが無いときに車輪駆動力が低くなって、車両の
発進,加速性能が低下すると共に、車両速度が脈動す
る。前記提案された後者においては、スリップ率が設定
値を越えている間ブレーキを加え、所定値未満ではブレ
ーキを解除するので、車輪速度を振動しブレーキが周期
的に加わって車体が振動しFF(前輪駆動)車の場合に
は、ステアリングホイールが振動して、ドライバに不快
感を与える。
本発明は車両速度の脈動や車体の振動を低減し操舵の安
定性を向上することを目的とする。
〔発明の構成〕
(問題点を解決するための手段1) 上記目的を達成するために本発明においては、動力伝達
手段を介して同一の原動機に結合された一対の車輪のそ
れぞれに組付けられた一対のブレーキ;ブレーキ指示手
段;少くとも減圧および増圧を含むコントロール指示、
ならびにブレーキ指示手段よりのブレーキ圧指示、に応
答してブレーキのそれぞれを付勢する一対のブレーキ付
勢手段;前記車輪のそれぞれの回転速度を検出する手
段;基準速度検出手段;前記車輪の加減速度を検出する
手段;基準速度と前記車輪の回転速度より前記車輪のそ
れぞれのスリップ率を演算する手段;および、各車輪宛
てに前記スリップ率および車輪の加減速度の組合せに対
応して、スリップ率および加減速度が大きい場合は増圧
の指示をブレーキ付勢手段に与え、スリップ率および加
減速度が小さい場合は、他方の車輪がブレーキ状態でな
いときは高速度の減圧の指示を、ブレーキ状態のときは
低速度の減圧の指示をブレーキ付勢手段に与える、スリ
ップ応答制御手段;を備える。
(作用1) これによれば、スリップ率が大きくしかも車輪加減速度
が大きい(車輪回転速度の立上りが急)とき車輪が制動
され、スリップ率が小さくしかも車輪加減速度が小さい
(車輪回転速度の立下りが急)とき車輪の制動が解除さ
れるので、すなわち、車輪回転のスリップがある程度大
きくしかもスリップが更に急激に大きくなるときに車輪
の制動が大きくされ、スリップがある程度小さくなりし
かも更にスリップが急激に小さくなるときに制動が解除
されるという、スリップ予測制御が行われるので、車両
速度の脈動が低減し、車体の振動も低減して、車両の発
進,加速性能および操舵安定性が向上する。
スリップ率が大きくしかも車輪加減速度が大きいという
ことは、スリップをしかがら車輪が増速しているという
ことであり、この増速により短時間内に更にスリップ率
が上昇すると予測できる。この場合の上述の車輪制動
は、いわばスリップ率の近未来の更なる上昇を予測した
制動ということができる。スリップ率が小さくしかも車
輪加減速度が小さいということは、スリップがなく又は
少しのスリップで車輪が定速回転,減速又は少しの増速
をしているということであり、この場合には短時間内に
スリップ率が上昇する可能性は低くスリップ率の近未来
の更なる低下も見込める。この場合の上述の制動解除
は、スリップ率の低下に対応した制御解除およびスリッ
プ率の低下を予測した制動解除の両者を含む。本発明で
はこのように、いわば車輪加減速度を参照してそれによ
ってスリップ率の挙動を予測しこれに対応して車輪制動
を制御するので、車両速度の脈動が低減し、車体の振動
も低減し、車両の発進,加速性能および操舵安定性が向
上する。
加えて、デファレンシアルギアなど、共通の動力伝達手
段に結合された上記一対の車輪において、仮に、一方の
車輪を減圧するとき他方の車輪がブレーキ状態のときに
は、減圧速度が高いと該他方の車輪の負荷が大きく該一
方の車輪の負荷が急激に小さくなって、動力伝達手段に
よる回転駆動力が該他方の車輪から該一方の車輪にシフ
トして該一方の車輪に大きく加わって、該他方の車輪の
回転速度の低下が大きくなり該一方の車輪の回転速度の
上昇が大きくなって、車輪の回転速度にアンバランスを
もたらし、該一方の車輪のスリップをまた大きくするお
それがあるが、本発明では上述の通り、そのような両輪
の回転状態においては、該一方の車輪の減速を低速度の
減速にするので、該アンバランスや該一方の車輪のその
後のスリップ増大が未然に防止される。
(問題点を解決するための手段2) 上記目的を達成するために本発明においては、動力伝達
手段を介して同一の原動機に結合された一対の車輪のそ
れぞれに組付けられた一対のブレーキ;ブレーキ指示手
段;少くとも減圧および増圧を含むコントロール指示、
ならびにブレーキ指示手段よりのブレーキ圧指示、に応
答してブレーキのそれぞれを付勢する一対のブレーキ付
勢手段;前記車輪のそれぞれの回転速度を検出する手
段;基準速度検出手段;前記車輪の加減速度を検出する
手段;基準速度と前記車輪の回転速度より前記車輪のそ
れぞれのスリップ率を演算する手段;原動機の作動パワ
ーを検出する手段;および、各車輪宛てに前記スリップ
率および車輪の加減速度の組合せに対応して、スリップ
率および加減速度が大きい場合は増圧の指示をブレーキ
付勢手段に与え、この増圧の指示を与えているときに
は、原動機の作動パワーに対応してそれが高いときには
高速度の増圧の指示を、低いときには低速度の増圧の指
示をブレーキ付勢手段に与え、スリップ率および加減速
度が小さい場合は、他方の車輪がブレーキ状態でないと
きは高速度の減圧の指示を、ブレーキ状態のときは低速
度の減圧の指示をブレーキ付勢手段に与える、スリップ
応答制御手段;を備える。
(作用2) これによれば、上述の、(作用1)に説明した作用,効
果に加えて、原動機のパワーが高い(車輪駆動力が大き
い)ときには、高速度の制動をするので、スリップの増
大が早期に抑制され、原動機の作動パワーが低い(車輪
駆動力が小さい)ときには、低速度の制動をするので車
輪過制動が防止され、これらが車輪速度の脈動を更に小
さくし、車体の振動も更に抑制することになる。車両の
発進,加速性能および操舵安定性が更に向上する。
本発明の好ましい実施例では:ブレーキは、流体圧に応
じた制動力を車輪に加える流体圧ブレーキであり;ブレ
ーキ指示手段は、ブレーキペダルおよびその踏込量対応
のブレーキ圧を発生するブレーキマスタシリンダであ
り;ブレーキ付勢手段は、ブレーキマスタシリンダに連
通した入力ポート,流体圧ブレーキに連通した出力ポー
ト,入力ポートと出力ポートに連通したピストン作動空
間,ピストン作動空間に収納され、該作動空間を入力ポ
ートに連通した空間と出力ポートに連通した空間に2分
するメインピストン,メインピストンの一端に一端が当
接するコントロールピストン、およびコントロールピス
トンの他端側の空間に連通するコントロールポートを有
する流体加減圧装置と、該コントロールポートと流体圧
源の高圧ポートとの間を開閉する第1電磁開閉弁と、該
コントロールポートと流体圧源の低圧ポートとの間を開
閉する第2電磁弁と、でなるものである。
しかして、コントロール指示はホールドを含み;スリッ
プ応答制御手段は、前記ブレーキ付勢手段に:スリップ
率が第1設定値未満の場合は他方の車輪が増圧又はホー
ルドであるとステップ減圧を、他方の車輪が減圧又はス
テップ減圧であると減圧(連続減圧)を指示し;スリッ
プ率が第1設定値以上第2設定値未満の場合は、車輪加
減速度が第1設定未満のときはスリップ減圧を、第1設
定値以上第2設定値未満のときはホールドを、また第2
設定値以上のときはステップ増圧を、指示し;スリップ
率が第2設定値以上の場合は、車輪加減速度が第3設定
値未満のときはステップ減圧を、また第3設定値以上の
ときはステップ増圧を指示する。ステップ減圧は、第1
所定時間の間減圧、それに続く第2所定時間の間ホール
ド、とする減圧とホールドの組合せであり;ステップ増
圧は、第1所定時間の間増圧、それに続く第2所定時間
の間ホールド、とする増圧とホールドの組合せである。
高速度のステップ増圧は第2所定時間に対する第1所定
時間の比が大で、低速度のステップ増圧は第2所定時間
に対する第1所定時間の比が小さい。しかしてスリップ
応答制御手段は、ステップ増圧を指示するとき、原動機
の作動パワーに対応して、それが高いときには高速度の
ステップ増圧を、低いときには低速度のステップ増圧を
ブレーキ付勢手段に指示する。
これによれば、制動が高速度の増圧(ステップ増圧
1),低速度の増圧(ステップ増圧2),ホールド,低
速度の減圧(ステップ減圧)および高速度の減圧(減
圧:連続減圧)の5段階で、また、スリップ率および車
輪加減速度の組合せが6段階であって、この6段階のそ
れぞれに上記5段階の制動のそれぞれを対応付けるの
で、スリップ率および車輪加減速度と制動力との対応付
けが密であって円滑であり、車両の発進,加速性能およ
び操舵安定性が更に向上する。車両速度の脈動が更に抑
制され車体の振動も更に抑制される。
本発明の他の目的および特徴は、図面を参照した以下の
実施例の説明より明らかになろう。
(実施例) 第1図に本発明の実施例の構成を示す。この実施例は、
前輪10FL,10FRを、デイフアレンシアルギア16およびト
ランスミッシヨン14を介してエンジン12で回転駆動す
る、いわゆるFF(前輪駆動)車の前輪のスリップ制御に
本発明を適用したものである。
前左車輪10FL,前右車輪10FR,後左車輪10RLおよび後右車
輪10RRには、流体圧ブレーキであるホイールブレーキ26
FL,26FR,26RLおよび26RRが装備されている。ブレーキ指
令手段であるブレーキマスタシリンダ24には、ブレーキ
ペダル22が結合されている。ブレーキペダル22の踏込量
に応じたブレーキオイル圧力がマスタシリンダ24より出
力され、これが、ブレーキ付勢手段である左駆動輪ブレ
ーキ圧制御弁28FLを介して前左車輪ホイールブレーキ26
FLに、同じくブレーキ付勢手段である右駆動輪ブレーキ
圧制御弁28FRを介して前右車輪ホイールブレーキ26FR
に、また、後左,右車輪ホイールブレーキ26RL,26RRに
は直接に、与えられる。
前左車輪10FL,前右車輪10FR,後左車輪10RLおよび後右車
輪10RRには、それぞれ車輪回転速度検出器発生器44FL,4
4FR,44RLおよび44RRが結合されており、これらは、車輪
の所定角度の回転につき1サイクルの割合の正弦波を発
生する。これらが発生する正弦波は、それぞれ、増幅お
よびパルス整形を行う回路46FL,46FR,46RLおよび46RRで
波形整形(正確なパルス化)されてスリップ応答制御手
段であるマイクロプロセッサ58の割込ポートに印加され
る。
エンジン12のスロットルバルブの回転軸には、ポテンシ
ヨメータ形のスロットル開度センサ20が結合されてお
り、このセンサ20がスロットル開度を示すアナログ信号
を発生する。このアナログ信号は、回転角検出回路50で
増幅されてマイクロプロセッサ58のアナログ/デジタル
変換ポートAD1に印加される。
ブレーキペダル22には遮光板40が結合され、この遮光板
40の回転範囲にフオトセンサ42が配置されている。ブレ
ーキペダル22がブレーキ作動開始点まで踏込まれたとき
に、フオトセンサ42の発光素子と受光素子の間の光が遮
光板40で遮断され、ブレーキペダル22がブレーキ作動範
囲にある間、フオトセンサ42は遮光となる。すなわち、
フオトセンサ42は、ブレーキペダル22が作動範囲にある
間遮光(オフ)で、ブレーキ解放のときに受光(オン)
である。フオトセンサ42はスイッチオン検出回路48で付
勢される。スイッチオン検出回路48は、フオトセンサ42
の受光信号を増幅し2値化して、マイクロプロセッサ58
に与える。
左駆動輪ブレーキ圧制御弁28FLおよび右駆動輪ブレーキ
圧制御弁28FRの、ブレーキ圧制御用流体供給口(高圧ポ
ート)82はアキユムレータ36に接続され、左駆動輪ブレ
ーキ圧制御弁28FLおよび右駆動輪ブレーキ圧制御弁28FR
の、ブレーキ圧制御用流体排出口(低圧ポート)85はコ
ントロール流体リザーバ34に接続されている。リザーバ
34の流体はポンプ32で吸引されてアキユムレータ36に加
圧供給される。アキユムレータ36内の流体圧は圧力セン
サ38で検出される。圧力センサ38は、流体圧に比例する
アナログ信号を発生する。圧力検出回路52がこのアナロ
グ信号を増幅してマイクロプロセッサ58のアナログ/デ
ジタル変換ポートAD2に印加する。ポンプ32はモータ30
で回転駆動され、モータ30はモータドライバ54で回転付
勢される。モータドライバ54は、マイクロプロセッサ58
に接続されている。マイクロプロセッサ58は、圧力セン
サ38で検出する圧力が第1所定圧未満になるとドライバ
54にモータ30の回転付勢を指示し、圧力センサ38で検出
する圧力が第2所定圧以上になるとドライバ54にモータ
30の停止を指示する。これによりアキユムレータ36内の
流体圧は、所定の狭い範囲(第1所定圧と第2所定圧の
間)に維持される。
左駆動輪ブレーキ圧制御弁28FLおよび右駆動輪ブレーキ
圧制御弁28FRは、全く同じ構造であり、概略で流体加減
圧装置としてのバルブハウジング(60)と、増圧用の第
1電磁開閉弁(SLO1+86)と、減圧用の第2電磁開閉弁
(SLO2+87)と、で構成されている。
第2図に左駆動輪ブレーキ圧制御弁28FLの構造を詳細に
示す。ハウジング60の入力ポート61はマスタシリンダ24
のブレーキ圧出力ポートと連通し、出力ポート62はホイ
ールシリンダ26FLに連通している。入力ポート61はメイ
ンピストン63で区分された入力圧室64に、出力ポート62
は出力圧室65に連通している。
入力圧室64には、コントロールピストン作動空間が連通
しており、この作動空間にコントロールポート75が連通
しているが、コントロールポート75と入力圧室64の間
を、コントロールピストン74が遮断している。メインピ
ストン63の左端は略小径円筒となってその最左端がコン
トロールピストン74の右端に当接しているが、ストッパ
ピン67が容易に通るスリット68が切られている。このス
トッパピン67はハウジング67に固着されており、静止で
ある。メインピストン63の中心には、該円筒の内空間と
連通する穴が通っており、この穴に略三角柱状のロッド
69が挿入されている。ロッド69の右端にはボール弁72が
当接している。このボール弁72は圧縮コイルスプリング
73で左方に押されている。圧縮コイルスプリング73の右
端は、通口71を有するばね座70で支えられている。この
ばね座70はメインピストン63の右端に固着されている。
出力圧室65には、圧縮コイルスプリング66が収納されて
おり、このスプリング66がメインピストン63を左方に押
している。
ブレーキペダル22が踏まれていないときには、メインピ
ストン63が、第2図に示すように最左方にあり、このと
き、ピストン63の左端がコントロールピストン74の右端
に当接し、ボール弁72がロッド69を左方に押すが、ロッ
ド69はピン67で停止され、ボール弁73はピストン63の中
心穴より右方に離れている。仮に入力圧室64の圧力が出
力圧室65の圧力よりも高いと、ピストン63が右方に移動
してコントロールピストン74よりわずかに離れ、これに
より入力圧室64の流体がピストン63の中心穴を通して出
力圧室に流れて、出力圧室65の圧力が入力圧室64の圧力
と平衡する。
ブレーキペダル22が踏込まれると、入力圧室64の圧力が
上昇し、ピストン63が右方に移動する。これにより入力
圧室64の流体がピストン63の中心穴を通して出力圧室65
にわずかに流れるが、ピストン63が少し右方に移動した
ときに、ボール弁72がピストン63の中心穴を閉じるの
で、出力圧室65の圧力は、ピストン63が移動することに
よる加圧により上昇する。ブレーキペダル22が戻される
と、入力圧室64の圧力が低下し、これに伴ってピストン
63が左方に移動し、出力圧室65の圧力が低下する。
以上がブレーキペダル22を踏込んだときの、通常のブレ
ーキ動作である。次に、本発明の、スリップ応答ブレー
キ圧制御のために加わっている部分を説明すると、コン
トロールピストン74を右方に駆動すると、ブレーキペダ
ル22が踏込まれて入力圧室64の圧力が上昇するときと同
様に、メインピストン63が右方に駆動され、これにより
出力圧室65の圧力が上昇し、ホイールシリンダ26FLのブ
レーキ圧が上昇し、車輪10FLに制動力が作用する。これ
はブレーキペダル22の踏込みに関係がないことに注目さ
れたい。コントロールピストン74を左方に戻すと、コイ
ルスプリング66の反発力と出力圧室65の圧力によりメイ
ンピストン63が左方に駆動され、出力圧室65の圧力が低
下(制動力解放)する。
このようなコントロールピストン74の駆動は、コントロ
ールポート75に高圧の流体を供給することにより(増
圧:制動)、またコントロールポート75よりコントロー
ル流体を抜くことにより(減圧:制動解放)行われる。
次にこのようにコントロールポート75にコントロール流
体を供給する機構を説明する。
リザーバ30の低圧ポートに連通する低圧ポート85(第2
図)に、通口84と通口83を通して第2プランジヤ87を収
納した空間が連通している。第2プランジヤ87は通口83
を閉じる弁体と通流用の溝77を有する。第2プランジヤ
87は圧縮コイルスプリング89で上方に押されている。第
2図に示す状態(第1,第2電気コイルに通電がない状
態)では、コントロールポート75が通口76を通して第2
プランジヤ87収納空間に連通し、この空間を通して、ま
た通口83および84を通して低圧ポート85に連通してい
る。これによりコントロールピストン74は第2図に示す
ように最左端位置にある。第2電気コイルSOL2に通電が
あると、第2プランジヤ87が下方に駆動されその弁体が
通口83を閉じる。これにより第2プランジヤ87収納空間
と低圧ポート85とが遮断される。
第2プランジヤ87収納空間は、第2プランジヤ87の通流
用の溝77と固定コアの通口78を通して第1プランジヤ86
収納空間と連通している。第1プランジヤ86収納空間は
通口81を通して、アキユムレータ36に連通する高圧ポー
ト82と連通するが、第2プランジヤ86が圧縮コイルスプ
リング88で上方に押されて、プランジヤ86の弁体が通口
を閉じているので、第1電気コイルSLO1が非通電のとき
には、第2図に示すように、第1プランジヤ86収納空間
と高圧ポート82は遮断されている。第1電気コイルSLO1
に通電があると、第1プランジヤ86が下方に駆動され、
コントロールポート75が、通口76,溝77,通口78,第1プ
ランジヤ86収納空間,第1プランジヤ86の通口79と溝8
0,および通口81を通して高圧ポート82に連通する。この
とき第2電気コイルSLO2が通電されていると、第2プラ
ンジヤ87が通口83を閉じているので、コントロールピス
トン74の左端に高圧が加わり、コントロールピストン74
がメインピストン69を右方に押し、これにより出力圧室
65の圧力が上昇して、ホイールブレーキ26FLのブレーキ
圧が上昇して車輪10FLに制動力が加わる。
上述の第1電気コイルSOL1および第2電気コイルSOL2の
通電(付勢)および非通電(消勢)と、車輪10FLの制動
との関係を次に要約して第1表に示す。
なお、後述するように、スリップ応答のブレーキ圧制御
は、ステップ増圧1,ステップ増圧2,ホールド,ステップ
減圧、および、減圧(連続減圧)の5モードで行われ
る。すなわち、「増圧」モードには、「ステップ増圧
1」モードと「ステップ増圧2」モードとがあり、「減
圧」モードには、「ステップ減圧」モードと「減圧(連
続減圧)」モードとがある。
「ステップ増圧1」は、5msecの間第1表の増圧とし、
次の5msecの間は第1表のホールドとし、これを1サイ
クルとして、このサイクルを繰り返すモードである。
「ステップ増圧2」は、5msecの間第1表の増圧とし、
次の10msecの間は第1表のホールドとし、これを1サイ
クルとして、このサイクルを繰り返すモードである。こ
のステップ増圧2は、ホールドとする時間がステップ増
圧1のそれの2倍であるので、増圧速度(ブレーキ力を
上げて行く速度)が遅い。
「ステップ減圧」は、5msecの間第1表の減圧とし、次
の5msecの間は第1表のホールドとし、これを1サイク
ルとして、このサイクルを繰り返すモードである。
減圧(連続減圧)モードは、第1表の「減圧」を連続さ
せるモードである。この減圧(連続減圧)モードでは、
第1表の「減圧」を連続するので、ステップ減圧モード
の場合よりも減圧速度(ブレーキ力を下げて行く速度)
が高い。
上述の5モードと第1表に示すモードとの関係を第4a図
に示す。第4a図において、右縦欄が前述の5モードを示
し、波形図中の言葉が第1表のモードを示す。
第1図に示す右駆動輪ブレーキ圧制御弁28FRも、前述の
左駆動輪ブレーキ圧制御弁28FLの構造と全く同じであ
り、動作も同様であり、また制御モードも同じである。
第1図に示すマイクロプロセッサ58には、車輪回転速度
検出器44FL,44FR,44RL,44RRが発生する正弦波をパルス
化した車速パルスをカウントする割込カウントプログラ
ム,パルスカウント数に基づいて車輪回転速度を演算す
るプログラム,車輪回転速度より車輪回転加減速度を演
算するプログラム,車輪回転速度より基準速度(車体速
度相当)を演算するプログラム、および、ブレーキ踏込
センサ42の状態信号,スロットル開度,車輪回転速度,
車輪回転加減速度および基準速度を参照して、第1電気
コイルSOL1および第2電気コイルSOL2の付勢,消勢を行
なうスリップ制御用ブレーキ制御プログラム、ならび
に、アキユムレータ36の圧力を参照して、それを所定範
囲とするようにモータ30の付勢,消勢を制御するアキユ
ムレータ圧制御プログラム等が格納されている。
第3a図〜第3d図に、上述のプログラムに基づいた、マイ
クロプロセッサ58の制御動作を示す。なお、車輪回転パ
ルスの割込カウント動作およびアキユムレータ圧制御の
図示は省略した。
まず第3a図を参照する。電源がオンになるとマイクロプ
ロセッサ58は、内部レジスタ,フラグ,カウンタ(プロ
グラムカウンタ),タイマ(プログラムタイマ),入力
ポートおよび出力ポートを初期化する(ステップ1:以下
カツコ内においては、「ステップ」という語を省略す
る)。次に割込1〜4を許可する(2)。この割込許可
により、パルス発生器44FL,44FR,44RL又は44RRが1パル
スを発生するごとに、割込処理を実行してそれらに1対
1に対応付けているカウントレジスタを1カウントアッ
プする。例えば、44FLが1パルスを発生すると、44FLに
割り当てているカウントレジスタの内容を、前の内容よ
り1多い数に更新する。44FR,44RL又は44RRが1パルス
を発生したときも同様である。
割込を許可(2)した後の、ステップ3以下が、大略で
言うと、スリップ応答のブレーキ圧制御であり、この実
施例では、t1=5msec周期で繰り返される。1サイクル
のブレーキ圧制御の先頭においては、まず、前述のカウ
ントレジスタの内容VFL(パルス発生器44FLの発生パル
スをカウントするレジスタの内容),VFR(パルス発生器
44FRの発生パルスをカウントするレジスタの内容),VRL
(パルス発生器44RLの発生パルスをカウントするレジス
タの内容)およびVRR(パルス発生器44RRの発生パルス
をカウントするレジスタの内容)をマイクロプロセッサ
58内部のアキユムレータレジスタに読込み、これらを保
持していたカウントレジスタをクリア(内容に0に)す
る(3)。これにより、パルス発生器44FL〜44RRの発生
パルスの割込カウントがまた0から開始されることにな
る。VFL,VFR,VRLおよびVRRの値は、後述するように、t1
=5msec周期でステップ3が実行されるので、それぞれ5
msecの間の、パルス発生器44FL,44FR,44RLおよび44RRが
発生したパルス数を示し、これらはそれぞれ車輪10FL,1
0FR,10RLおよび10RRの回転速度に対応する。
車輪の回転速度VFL,VFR,VRLおよびVRRを読込むとマイク
ロプロセッサ58は、t1=5msecの時限をとるプログラム
タイマt1をセットし(4)、車輪回転速度を平滑化演算
するために、平均化元データを更新する(5)。これに
おいては、4組の平均化元データレジスタ(1組がM1〜
M5)の内容を、M2の内容をM1に、M3の内容をM2に、M4の
内容をM3に、またM5の内容をM4に移して、M5に最新の読
取値を格納する形で行なう。例えば、VFLに割り当てら
れている1組のレジスタ(M1〜M5)に関して言えば、上
述のデータシフトの後に、M5の今回読込んだVFLをメモ
リする。VFR,VRLおよびVRRも同様に処理する。次に、車
輪速度演算(6)を行う。これにおいては、VFLを例に
とると、VFL =(6M5+4M4+3M3+2M2+M1)/16 で、車輪10FLの加重平均値VFLを演算する。なお、この
式で、M1〜M5は、レジスタM1〜M5の内容を指す。この加
重平均は、ノイズによる誤検出に基づいた誤った制御動
作を防止するためである。単純平均では、最新に読込ん
だ値の反映度合が少くなり過ぎるので最新に読込んだ値
に最も大きなウエイトを与えている。
次に車体速度相当の基準速度VBSを演算する(7)。こ
れにおいては、この実施例では後輪10RL,10RRはエンジ
ンで直接に回転駆動しないので、後輪の回転速度が比較
的に正確に車体速度に比例するので、〔VBS=VRLVRR
のいずれか高い方〕とする。すなわち後輪回転速度の高
い方を基準速度VBSとする。
次に、駆動輪である前輪の加減速度dFL(前左輪)およ
びdFR(前右輪)を演算する(8)。これは、今回演算
した車輪速度VFL,VFRから、前回(t1前)に演算した値V
FLB,VFRBを減算して得る。すなわち、dFL=VFL−VFLB,d
FR=VFR−VFRBとして加減速度データを得る。dFL,dFR
は、それがプラスであると加速度を示し、マイナスであ
ると減速度を示す。
次にマイクロプロセッサ58は、スロットル開度を読込む
(9)。これにおいては、アナログ信号入力ポートAD1
の入力をデジタル変換する。
次に、ブレーキオンセンサ42の状態信号を参照する(10
a)。
ここで、センサ42がブレーキ踏込を検出していると、ス
リップ応答制御は実行しないので、また、通常のブレー
キペダル踏込によるブレーキ圧が入力ポート(64)に加
わるので、左駆動輪ブレーキ圧制御弁28FLを減圧にする
(コントロールピストン74を待機位置:最左端位置に戻
す)ために、出力レジスタSL1(SLO1の制御に割当てた
ポートSL1に対応付けたレジスタ)およびSL2(SLO2の制
御に割当てたポートSL2に対応付けたレジスタ)に低レ
ベルL(第1表のオフに対応)をセットする。右駆動輪
ブレーキ圧制御弁28FRも減圧にするために、同様に、出
力レジスタSR1およびSR2に低レベルLをセットする。な
お、これらの出力レジスタSL1,SL2およびSR1,SR2の内容
は、後述するステップ13で出力ポートSL1,SL2およびSR
1,SR2にセットされる。
次に、ステップ応答のブレーキ圧制御を行わないので、
該制御に関連するレジスタ,フラグ,カウンタ,タイマ
等の内容をクリアする(12)。
そして出力レジスタSL1の内容を出力ポートSL1に、出力
レジスタSL2の内容を出力ポートSL2に、出力レジスタSR
1の内容を出力ポートSR1に、また出力レジスタSR2の内
容を出力ポートSR2にセットする(13)。これにより左
駆動輪ブレーキ圧制御弁28FLおよび右駆動輪ブレーキ圧
制御弁28FRが第1表に示す「減圧」モードに設定された
ことになる。
次に、タイマt1(5msec)のタイムオーバを待って(1
4)、タイムオーバするとステップ3に戻り、車輪回転
速度の割込みを行なう。
さて、前述のステップ10aで、センサ42がブレーキ踏込
を検出していないときには、アクセルペダル18が踏込ま
れているか否かを判定し(10b)、また基準速度(車速
度相当)が50Km/h以上であるか否かを判定する(15)。
アクセルペダル18が踏込まれていない(スロットル開度
がアイドリング回転開度以下である)と、発進あるいは
加速をしない状態であるのでスリップ応答制御が不要で
あるので、ステップ11に進む。また本実施例では発進加
速スリップの防止に重点をおいているため、スリップ応
答制御中止の基準速度を50Km/hに設定している。したが
って、基準速度が50Km/h以上のときには、ステップ11に
進む。なお、スリップ応答制御中止のこの基準速度は必
要に応じて任意に設定できる。
それ以外のとき、すなわち、アクセルペダル18が踏込ま
れていて(スロットル開度がアイドリング開度を越えて
いて)、基準速度が50Km/h未満であるときには、必要に
応じてスリップ応答のブレーキ制御をするために、第3a
図のステップ16R〜18R,第3b図および第3c図に示す前右
車輪のスリップ応答ブレーキ制御、ならびに、第3d図に
示す前左車輪のスリップ応答ブレーキ制御、を実行す
る。
まず第3a図のステップ16R〜18R、第3b図および第3c図に
示す前右車輪の、スリップ応答ブレーキ制御を説明する
と、前右車輪回転速度VFR(正確には加重平均値)が5Km
/h以上か否かを判定し(16R)、また、VFRが基準速度VB
Sを越えているか否かを判定する(17R)。前右車輪回転
速度VFRが5Km/h未満であると速度が極く低速(車両停止
に近い)であり、スリップが問題にならないので、ま
た、車輪回転速度VFRが基準速度VBSを越えていると、ス
リップを生じていないので、第3c図に示すステップ630R
(63〜65)に進んで、「減圧」(第1表の減圧=第4a図
の連続減圧)をセットし、減圧(連続減圧)の経過時間
カウント用のレジスタRPRTの内容を1インクレメクト
し、第3d図の左車輪のスリップ応答ブレーキ制御に進
む。
ステップ16Rおよび17Rで、前右車輪回転速度VFRが5Km/h
以上でしかも基準速度VBSを越えていると、前右車輪が
回転しており、しかもスリップ(回転スリップ)がある
ものと見なされるので、右車輪スリップ率SFRを演算す
る(18R)。
SFR=100×(VFR−VBS)/VFR (%) である。マイクロプロセッサ58は、スリップ率SFRを演
算すると、右車輪スリップ率SFRと右車輪加減速度dFRに
応じて次の処理を実行する。
(1) SFR≧35%,dFR>−0.2Gの場合(回転スリップ
率が高く、しかも車輪回転がほとんど減速しない場
合)。
右ステップ増圧1,2(210R)を実行する。
A.始めてこの条件が成立したときには、ステップ21−22
と進んで、スロットル開度を参照し(22)、スロットル
開度が、所定値(この実施例では、アイドリング開度と
最高開度のほぼ中間の値)以上であるとステップ増圧1
(高速度のブレーキ圧上昇)を実行すべく、右増圧1フ
ラグをセットし、右増圧2フラグはクリアする(23)。
スロットル開度が該所定値未満であるとステップ増圧2
(低速度のブレーキ圧上昇)を実行すべく、右増圧2フ
ラグをセットし、右増圧1フラグはクリアする(24)。
いずれにしても、出力レジスタSR1に高レベルH(第1
表のオンに対応)を、出力レジスタSR2に高レベルHを
セット(第1表の増圧をセット)する(25)。そして、
増圧をするのであるので、減圧関連のカウンタ,フラ
グ,タイマ等をクリアし(26)、第3d図に示す前左車輪
のスリップ応答ブレーキ制御を実行し、そしてそれを抜
けて第3a図のステップ13に進んで、出力レジスタの内容
を出力ポートにセットする。これにより、第1表に示す
増圧が出力セットされたことになる。
B.次にステップ13からステップ3に戻ってまたステップ
210R(右ステップ増圧1,2)に進入したときには、右増
圧1フラグ又は右増圧2フラグがあるので、ステップ21
から27に進んで休止フラグの有無を参照する。このとき
にはそれが無いので、出力レジスタSR1にLを、出力レ
ジスタSR2にHをセットする(28)。これにより第1表
のホールドがセットされることになる。そして右休止フ
ラグをセットし(29)、第3d図に示す前左車輪のスリッ
プ応答ブレーキ制御を実行し、そしてそれを抜けて第3a
図のステップ13に進んで、出力レジスタの内容を出力ポ
ートにセットする。これにより、第1表に示すホールド
が出力セットされたことになる。
C.次にステップ13からステップ3に戻ってまたステップ
210R(右ステップ増圧1,2)に進入したときには、ステ
ップ21−27−30と進み、右増圧1フラグと右増圧2フラ
グのいずれがセットされているかを参照して(30)、 C−1.右増圧1フラグがあるときには、第1回t1=5mse
cの増圧(第1表)とそれに続くt1=5msecのホールド
(第1表)を経過したことになるので、また増圧(第4a
図のステップ増圧1参照)とするために、出力レジスタ
SR1にHを、出力レジスタSR2にHをセットし(35)、右
休止フラグをクリアし、次に第3d図のフローを経てステ
ップ13で出力レジスタの内容を出力セットし、ステップ
13からステップ14(t1=5msec経過待ち)を経てステッ
プ3に戻る。
C−2.右増圧2フラグがあったときには、第1回t1=5m
secの増圧(第1表)とそれに続くt1=5msecのホールド
(第1表)を経過したが、まだ5msecのホールドが必要
である(第4a図のステップ増圧2参照)ので、ステップ
31−32と進んで右休止回数1フラグをセットし、ホール
ドのままとする。そして、またステップ210Rに戻ったと
きには、ステップ21−27−30−31と進み、このときには
5+5msecのホールドを実行したことになるので、また
増圧とするために出力レジスタSR1にHをまた、出力レ
ジスタSR2にHをセットし(33)、右休止回数1フラグ
および右休止フラグをクリアし(34)、次に第3d図のフ
ローを経てステップ13で出力レジスタの内容を出力セッ
トし、ステップ13からステップ14(t1=5msec経過待
ち)を経てステップ3に戻る。
以上の制御動作A,BおよびCにより、 SFR≧35%およびdFR>−0.2Gが続いている間、スロット
ル開度が高開度のときには第4a図に示すステップ増圧1
のモード(高速度ブレーキ圧上昇)で、またスロットル
開度が低開度のときには第4a図に示すステップ増圧2の
モード(低速度ブレーキ圧上昇)で、前右車輪10FRのブ
レーキ制御が行われる。
この(1)の運転モードでは、スリップ率が高く車輪は
エンジン出力で高速回転しようとするが、これに対応し
てブレーキ圧を高くするので、スリップ率を比較的に速
く低下させる。ブレーキ圧の上昇がスロットル開度対応
であるので、ブレーキ圧の作用が円滑である。
第4b図に、車輪のスリップ率SFRおよび車輪加減速度dFR
と、マイクロプロセッサ58の制動動作との対応関係を示
す。前述の(1)は、第4b図に左下り斜線で示す領域
の、SFRが35%以上の領域である。
(2) SFR≧35%,dFR≦−0.2Gの場合(スリップ率は
高いが車輪は減速の場合)。
まず右増圧フラグ(右増圧1フラグ又は右増圧2フラ
グ)の有無を参照する(37R)。すなわち上記(1)か
らこの(2)になったか否かを判定する。そして、右増
圧フラグがあると、加減速度dFRを−2Gと比較する(49
R)。
A.右増圧フラグがあってしかもdFRが−2Gを越えると
き、すなわち、第4b図に交線斜線で示す領域であっ
て、しかも右増圧フラグがある(直前が増圧状態)とき
には、増圧の効果が今少し足らないと見込まれるのでそ
のまま増圧を継続するために右ステップ増圧1,2(210
R)に進む。
B.右増圧フラグがあってしかもdFRが−2G以下である
(減速度が大きい)とき、すなわち第4b図に交線斜線で
示す領域中のSFR35%以上の領域であって、しかも右
増圧フラグがある(直前が増圧状態)ときには、車輪の
減速度が高いので、ステップ380R(38〜43)の右ステッ
プ減圧を実行する。この右ステップ減圧(380Rの内容は
次のC.項で説明する。
C.右増圧フラグがないときは、車輪の状態がSFR≧35%,
dFR≧−0.2G、すなわち、第4b図の領域又は、領域
中のSFR35%以上の領域、にあって、車輪は減速中であ
って、直前に増圧をしていない(車輪の減速は増圧に基
づいた減速ではない)ので、スリップ率の比較的に早い
低下が見込まれるので、しかしスリップ率は高いので、
ステップ減圧(比較的にゆるやかなブレーキ力解除:ブ
レーキ力の低下速度が遅い)380Rを実行する。
右ステップ減圧(380R)に進むとまず右ステップ減圧フ
ラグの有無を参照する。始めて右ステップ減圧に進んだ
ときには、右ステップ減圧フラグが無いので、右ステッ
プ減圧フラグをセットし(39)、まずt1=5msecの間減
圧(第1表)とするために出力レジスタSR1およびSR2
に、低レベルLをセットする(40)。次に、右増圧フラ
グ(右増圧1フラグ,右増圧2フラグ)および右ホール
ドフラグをクリアし、右減圧(連続減圧)時間カウント
レジスタRPRTをクリアし、右休止フラグをクリアする
(41)。次に、右ステップ減圧回数レジスタRPRRの内容
(5msecの減圧+5msecのホールドを1回とする回数)を
参照し(42)、それが100以上になっていないと、1回
のステップ減圧を実行するので、右ステップ減圧回数レ
ジスタRPRRの内容を1インクレメントし(43)、第3d図
に示す左車輪のスリップ応答ブレーキ制御に進み、それ
を抜けてステップ13で出力レジスタの内容を出力ポート
に出力セットし、ステップ14でt1=5msecの時間経過を
待ってステップ3に戻る。ステップ3〜37Rを経てまた
右ステップ減圧(380R)に入ると、今度は右ステップ減
圧フラグがあるので、ステップ38からステップ44に進ん
で右休止フラグの有無を参照する。この時点では右休止
フラグが無いので、すなわち5msecの減圧(第1表)を
実行した所であるので、次に5msecのホールド(第1
表)を実行するために(第4a図のステップ減圧を参
照)、出力レジスタSR1にLを、出力レジスタSR2にHを
セットし(45)、右休止フラグをセットする(46)。そ
して、第3d図に示す右左車輪のスリップ応答ブレーキ制
御に進み、それを抜けてステップ13で出力レジスタの内
容を出力ポートに出力セットし、ステップ14でt1=5mse
cの時間経過を待ってステップ3に戻る。ステップ3〜3
7Rを経てまた右ステップ減圧(380R)に入ると、今度は
右ステップ減圧フラグおよび右休止フラグがある(1回
のステップ減圧=5msecの減圧+5msecのホールドを完了
した)ので、ステップ38−44−47と進んで、また1回の
ステップ減圧を実行するために、ステップ47で出力レジ
スタSR1およびSR2にLをセットし(47)、右休止フラグ
をクリアして(48)、第3d図に示す左車輪のスリップ応
答ブレーキ制御に進み、それを抜けてステップ13で出力
レジスタの内容を出力ポートに出力セットし、ステップ
14でt1=5msecの時間経過を待ってステップ3に戻る。
ステップ3〜37Rを経てまた右ステップ減圧(380R)に
入ると、今度は右ステップ減圧フラグがあるが右休止フ
ラグはないので、ステップ45に進んでホールド(第1
表)にするためのデータを出力レジスタにセットする。
この右ステップ減圧(380R)の実行により、第4a図に示
すステップ減圧モードで車輪10FRのブレーキ圧の解除制
御が行われる。
さて、再度ステップ19R(第3b図)を参照する。右スリ
ップ率SFRが35%未満であるときには、第3c図に示す処
理に進んで次の処理を実行する。
(3) 右スリップ率SFR>10%(右スリップ率が中程
度)の場合。
A.右増圧フラグがあって、しかも加減速度dFRが、6G>d
FR>−2Gのとき。これは車輪の回転状態が第4b図の領域
又はであって、しかも右増圧フラグがある(直前が
増圧であった)ときである。ステップ50R−51R−52R−5
3Rと進んで右ホールド540R(54〜56)を実行する。すな
わち直前のブレーキ圧を保持(ホールド)してスリップ
の低下を待つ。右ホールド(540R)に進むと、右ホール
ドフラグをセットし(54)、ホールド状態を設定するた
めに出力レジスタSR1にLを、出力レジスタSR2にHをセ
ットし(55)、右増圧フラグおよび右ステップ減圧フラ
グをクリアし、右ステップ減圧回数カウントレジスタRP
RRおよび右減圧(連続減圧)時間カウントレジスタRPRT
をクリアする(56)。次に第3d図に示す左車輪のスリッ
プ応答ブレーキ制御に進み、それを抜けてステップ13で
出力レジスタの内容を出力ポートに出力セットし、ステ
ップ14でt1=5msecの時間経過を待ってステップ3に戻
る。新しく読込んだデータに基づいてまた右ホールド54
0Rに進むときも同じくホールド処理(540R)を実行す
る。したがって、第4a図の左縦欄のホールドモードが実
行される。
B.右増圧フラグがあって、しかも加減速度dFRが、dFR≦
−2Gのとき。これは車輪の回転状態が第4b図の領域中
のSFR<35%の領域で、しかも右増圧フラグがある(直
前が増圧であった)ときである。すなわち、車輪の減速
度が大きく、直前の増圧による車輪回転制動が大きな効
果をもたらしている状態である。
このときには、ステップ50R−51R−52R−53Rを経て第3b
図のステップ減圧380Rに進む。すなわち増圧の効果が十
分に表われているので、ブレーキ圧をゆるやかに低減す
る。
C.右増圧フラグがあって、しかも加減速度dFRが、6G≧d
FRのとき。これは車輪の回転状態が第4b図の領域又
は、領域のSFR<35%の領域であって、しかも右増圧
フラグがある(直前が増圧であった)ときである。増圧
をしているがその効果が未だ十分ではないので、ステッ
プ50R−51R−52Rと経て第3b図の右ステップ増圧1,2(21
0R)に進み、増圧(右ステップ増圧1又は右ステップ増
圧2)を継続する。
D.右増圧フラグがなく、右ホールドフラグがなく、しか
もdFR≦−0.2Gのとき。これは車輪の回転状態が第4b図
の領域、又は、領域の中のSFR<35%の領域であっ
て、しかも直前の状態がステップ減圧か減圧(連続減
圧)であったときである。このときには、車輪の減速度
が高いがスリップ率がまだ比較的に高いので、ステップ
50R−51R−57R−58R−59Rを経て第3b図のステップ減圧
(380R)を実行し、ゆるやかな速度でブレーキ圧を低下
させる。
E.右増圧フラグがなく、右ホールドフラグがなく、しか
も8G>dFR≧−0.2Gのとき。これは車輪の回転状態が第4
b図の領域又はであって、しかも直前の状態がステ
ップ減圧か減圧(連続減圧)であったときである。この
ときには、ステップ50R−51R−57R−58R−59Rを経て右
ホールド(540R)に進む。すなわち、車輪回転加速度お
よびスリップ率が比較的に高いのでブレーキ圧をホール
ドして、車輪回転状態の推移を待つ。
F.右増圧フラグがなく、右ホールドフラグがなく、しか
もdFR≧8Gのとき。これは車輪の回転状態が第4b図の領
域中の、SFR<35%の領域であって、しかも直前の状
態がステップ減圧か減圧(連続減圧)であったときであ
る。このときスリップ率が比較的に高いのに車輪の加速
度が高すぎるので、直前のステップ減圧又は減圧により
車輪の回転速度が上昇を始め、スリップ率が高くなるこ
とが見込まれるので、第3b図に示す右ステップ増圧1,2
(210R)に進む。
G.右増圧フラグがないが右ホールドフラグがあって、加
減速度dFRがdFR≦−2Gのとき。これは車輪の回転状態が
第4b図に示す領域中の、SFR<35%の領域であって、
直前がホールドであったときである。減速度が高く、車
輪が更に減速することが見込まれるので、ステップ50R
−51R−57R−60R−61Rを経て第3b図のステップ減圧(38
0R)に進む。
H.右増圧フラグがないが右ホールドフラグがあって、加
減速度dFRが8G>dFR>−2Gのとき。これは車輪の回転状
態が第4b図に示す領域,又はであって、直前がホ
ールドであったときである。減速度が高くなく、車輪の
スリップ増大,低下の予想が困難であるので、推移を見
るため、ステップ50R−51R−57R−60R−61Rを経て右ホ
ールド(540R)に進む。
I.右増圧フラグがないが右ホールドフラグがあって、加
減速度dFRがdFR≧8Gのとき。これは車輪の回転状態が第
4b図に示す領域中の、SFR<35%の領域であって、直
前がホールドであったときである。加速度が高く、車輪
スリップが更に高くなることが見込まれるので、ステッ
プ50R−51R−57R−60Rを経て第3b図の右ステップ増圧1,
2(210R)に進む。
(4) 右スリップ率SFR≦10%(右スリップ率が極く
低い)の場合。
A.右ステップ減圧回数が100以上のとき。
右スリップ率SFRが極く低くなっており、しかも直前に
右ステップ減圧を十分に行っているので、ブレーキ圧の
ゆるやかな低下が始まっている。ここで減圧(連続減
圧)にしても、スリップ率は増大せず、しかもブレーキ
圧の急激な変動はないと見込まれるので、ステップ630R
の右減圧(連続減圧)を実行する。減圧(連続減圧)
は、ブレーキ圧制御機械系の、スリップ応答ブレーキ圧
制御状態をリセットする(コントロールピストン74を第
2図に示す待機位置に戻す)ものといえる。
右減圧(連続減圧)630Rに進むと、まず、減圧モード
(第4a図の連続減圧)を設定するために出力レジスタSR
1およびSR2にLをセットし(63)、右増圧フラグ,右ス
テップ減圧フラグ,右ホールドフラグおよび右ステップ
減圧回数カウントレジスタRPRRをクリアし(64)、右減
圧(連続減圧)経過時間カウントレジスタの内容を1イ
ンクレメントする(65)。次に第3d図に示す左車輪のス
リップ応答ブレーキ圧制御を実行し、ステップ13に進ん
で出力レジスタの内容を出力ポートにセットし、ステッ
プ14でt1=5msecの経過を待って、また、ステップ62Rに
進んだときには、右ステップ減圧回数カウントレジスタ
RPRRがクリアされているので、ステップ66Rに進む。ス
テップ66R以下の動作は次に説明する。
B.右ステップ減圧回数が100未満のとき。
これには、この直前に上記A.を実行して右ステップ減圧
回数カウントレジスタRPRRをクリアした場合、および、
上記A.を実行していない場合、の両者が含まれる。いず
れにしても、まず連続減圧の経過時間を判定し、右連続
減圧時間カウントレジスタRPRTの内容が20未満である
と、ブレーキ圧制御機械系の、スリップ応答ブレーキ圧
制御状態のリセット(コントロールピストン74の、第2
図に示す位置への復帰)が完了していない(車輪10FLに
ブレーキ圧が加わっている)と見なして、左増圧フラグ
(左増圧1フラグ又は左増圧2フラグ)および左ホール
ドフラグの有無を参照する(67R,68R)。左増圧フラグ
又は左ホールドフラグがあると、前左車輪10FLにブレー
キ圧が加えられており、前右車輪10FRと前左車輪10FLが
デイフアレンシヤルギア16でトランスミッシヨン14の出
力軸に結合されているので、仮に車輪10FRのブレーキ圧
を急速に解除すると、前左車輪10FLに制動が働いている
分、前右車輪10FRに加わる回転駆動力が増大し、前右車
輪10FRの回転速度が増大してスリップ率SFRを増大させ
る。そこで、右連続減圧(630R)にしようとするときに
は、左増圧フラグおよび左ホールドフラグの有無を参照
して(67R,68R)、それらのいずれもが存在しないとき
(前左車輪がブレーキ状態でない)に、ステップ62R−6
6R−67R−68Rを経て右減圧(連続減圧)630Rを実行し、
ブレーキ圧を急速に解放する。左増圧フラグ又はホール
ドフラグがあるときには、前右車輪10FRの制動解除をゆ
るやかにするために、ステップ62R−66R−67R−68Rを経
て第3b図に示すステップ減圧(380R)を実行する。
この、左車輪10FLのブレーキ圧制御状態を参照した右車
輪10FRのブレーキ圧解放制御(ステップ62R〜68R)によ
り、左右両輪のステップ率がバランスした、両輪共に安
定した車輪回転スリップ制御がもたらされる。
以上において説明した、第3a図のステップ16R〜第3c図
のステップ68Rに示す、前右車輪のスリップ応答ブレー
キ圧制御処理と、全く同じ態様で、第3d図に示す制御フ
ローにより、前左車輪のスリップ応答ブレーキ圧制御処
理が実行され、後者を経てから、ステップ13で、出力レ
ジスタにセットしたデータが出力ポートに出力セットさ
れる。そしてステップ14で時間t1=5msecの経過を待っ
て、また同様に、前右車輪のスリップ応答ブレーキ圧制
御処理および前左車輪のスリップ応答ブレーキ圧制御処
理を実行する。
前左車輪のスリップ応答ブレーキ圧制御処理(第3d図)
の説明は、上記した前右車輪のスリップ応答ブレーキ圧
制御処理の説明の中の、「右」を「左」に、また「左」
は「右」に置換したものとなる。したがって、前左車輪
のスリップ応答ブレーキ圧制御処理(第3d図)の説明は
省略する。
なお、前左車輪のスリップ応答ブレーキ圧制御処理を示
す第3d図のフローの各ステップには、前述した前右車輪
のスリップ応答ブレーキ圧制御処理のフローの各ステッ
プと対応付けて、対応ステップには同じ番号を付し、該
番号に左を示すLを付加したステップ表示記号を付し
た。
以上に説明した実施例は、前輪駆動(FF)車両に本発明
を一態様で実施したものである。後輪駆動車両に本発明
を実施するときには、上述のステップ応答ブレーキ制御
システムを後輪ブレーキに組合せる。
〔発明の効果1〕 以上説明したように本発明によれば、スリップ率が大き
くしかも車両加減速度が大きいとき車輪が制動され、ス
リップ率が小さくしかも車輪加減速度が小さいとき車輪
の制動が解除されるので、車両速度の脈動が低減し、車
体の振動も低減して、車両の発進,加速性能および操舵
安定性が向上する。
加えて、デファレンシアルギアなど、共通の動力伝達手
段に結合された上記一対の車輪において、仮に、一方の
車輪を減圧するとき他方の車輪がブレーキ状態のときに
は、減圧速度が高いと該他方の車輪の負荷が大きく該一
方の車輪の負荷が急激に小さくなって、動力伝達手段に
よる回転駆動力が該他方の車輪から該一方の車輪にシフ
トして該一方の車輪に大きく加わって、該他方の車輪の
回転速度の低下が大きくなり該一方の車輪の回転速度の
上昇が大きくなって、両輪の回転速度にアンバランスを
もたらし、該一方の車輪のスリップをまた大きくするお
それがあるが、本発明では上述の通り、そのような両輪
の回転状態においては、該一方の車輪の減速を低速度の
減圧にするので、該アンバランスや該一方の車輪のその
後のスリップ増大が未然に防止される。
〔発明の効果2〕 以上説明したように本発明によれば、上述の、〔発明の
効果1〕に説明した効果に加えて、原動機のパワーが高
い(車輪駆動力が大きい)ときには、高速度の制動をす
るので、スリップの増大が早期に抑制され、原動機の作
動パワーが低い(車輪駆動力が小さい)ときには、低速
度の制動をするので車輪過制動が防止され、これらが車
両速度の脈動を更に小さくし、車体の振動も更に抑制す
ることになる。車両の発進,加速性能および操舵安定性
が更に向上する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の構成を示すブロック図であ
る。 第2図は第1図に示す左駆動輪ブレーキ圧制御弁28FLの
拡大縦断面図である。 第3a図,第3b図,第3c図および第3d図は、第1図に示す
マイクロプロセッサ58の制御動作を示すフローチヤート
である。 第4a図は、第1図に示すマイクロプロセッサ58が実行す
る制御各モードの内容を示すタイムチヤートである。 第4b図は、車輪の回転状態に応じた制御領域区分を示す
グラフである。 10FL:前左車輪、10FR:前右車輪、10RL:後左車輪 10RR:後右車輪、12:エンジン(原動機)、14:変速機 16:デイフアレンシヤルギア(14,16:動力伝達機構) 18:アクセルペダル 20:スロットル開度センサ(作動パワーを検出する手
段) 22:ブレーキペダル、24:マスタシリンダ(22,24:ブレー
キ指示手段)、26FL:前左車輪ブレーキ 26FR:前右車輪ブレーキ、26RL:後左車輪ブレーキ 26RR:後右車輪ブレーキ 28FL:左駆動輪ブレーキ圧制御弁(ブレーキ付勢手段) 28FR:右駆動輪ブレーキ圧制御弁(ブレーキ付勢手段) 30:モータ、32:ポンプ、34:リザーバ 36:アキユムレータ、38:圧力センサ、40:シヤッタ 42:フオトセンサ 44FL,44FR,44RL,44RR:車輪回転速度検出器(車輪の回転
速度を検出する手段) 46FL,46FR,46RL,46RR:パルス整形回路、48:2値化回路 50,52:増幅回路、54:モータドライバ 56FL1,56FL2,56FR1,56FR2:ソレノイドドライバ 58:マイクロプロセッサ(基準速度検出手段,加減速度
を検出する手段,スリップ率を演算する手段,スリップ
応答制御手段) 60:バルブハウジング(流体加減圧装置) 61:マスタシリンダ連通ポート(入力ポート) 62:ホイールシリンダ連通ポート(出力ポート) 63:メインピストン、64:入力圧室、65:出力圧室 66:圧縮コイルスプリング、67:ストッパピン 68:ガイドスリット、69:ロッド、70:ばね座 71:通口、72:ボール弁、73:圧縮コイルスプリング 74:コントロールピストン、75:コントロールポート 76:通口、77:溝、78:通口 79:通口、80:溝、81:通口 82:高圧ポート、83:通口、84:通口 85:低圧ポート、86:第1プランジヤ、87:第2プランジ
ヤ 88,89:圧縮コイルスプリング SLO1:第1電気コイル、SLO2:第2電気コイル

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】動力伝達手段を介して同一の原動機に結合
    された一対の車輪のそれぞれに組付けられた一対のブレ
    ーキ; ブレーキ指示手段; 少くとも減圧および増圧を含むコントロール指示、なら
    びにブレーキ指示手段よりのブレーキ圧指示、に応答し
    てブレーキのそれぞれを付勢する一対のブレーキ付勢手
    段; 前記車輪のそれぞれの回転速度を検出する手段; 基準速度検出手段; 前記車輪の加減速度を検出する手段; 基準速度と前記車輪の回転速度より前記車輪のそれぞれ
    のスリップ率を演算する手段;および、 各車輪宛てに前記スリップ率および車輪の加減速度の組
    合せに対応して、スリップ率および加減速度が大きい場
    合は増圧の指示をブレーキ付勢手段に与え、スリップ率
    および加減速度が小さい場合は、他方の車輪がブレーキ
    状態でないときは高速度の減圧の指示を、ブレーキ状態
    のときは低速度の減圧の指示をブレーキ付勢手段に与え
    る、スリップ応答制御手段; を備える車輪制動制御装置。
  2. 【請求項2】コントロール指示はホールドを含み; スリップ応答制御手段は、前記ブレーキ付勢手段に:ス
    リップ率が第1設定値未満の場合は、他方の車輪のブレ
    ーキを増圧又はホールドにしているときはステップ減圧
    を、他方の車輪のブレーキを減圧にしているときには減
    圧を指示し;スリップ率が第1設定値以上第2設定値未
    満の場合は、車輪加減速度が第1設定値未満のときはス
    テップ減圧を、第1設定値以上第2設定値未満のときは
    ホールドを、また第2設定値以上のときはステツプ増圧
    を、指示し;スリップ率が第2設定値以上の場合は、車
    輪加減速度が第3設定値未満のときはステップ減圧を、
    また第3設定値以上のときはステップ増圧を指示する;
    ものである;前記特許請求の範囲第(1)項記載の車輪
    制動制御装置。
  3. 【請求項3】ステップ減圧は、第1所定時間の間減圧、
    それに続く第2所定時間の間ホールド、とする減圧とホ
    ールドの組合せである前記特許請求の範囲第(2)項記
    載の車輪制動制御装置。
  4. 【請求項4】ステップ増圧は、第1所定時間の間増圧、
    それに続く第2所定時間の間ホールド、とする増圧とホ
    ールドの組合せである、前記特許請求の範囲第(2)項
    記載の車輪制動制御装置。
  5. 【請求項5】高速度のステップ増圧は第2所定時間に対
    する第1所定時間の比が大で、低速度のステップ増圧は
    第2所定時間に対する第1所定時間の比が小である、前
    記特許請求の範囲第(4)項記載の車輪制動制御装置。
  6. 【請求項6】ブレーキは、流体圧に応じた制動力を車輪
    に加える流体圧ブレーキであり; ブレーキ指示手段は、ブレーキペダルおよびその踏込量
    対応のブレーキ圧を発生するブレーキマスタシリンダで
    あり; ブレーキ付勢手段は、ブレーキマスタシリンダに連通し
    た入力ポート,流体圧ブレーキに連通した出力ポート,
    入力ポートと出力ポートに連通したピストン作動空間,
    ピストン作動空間に収納され、該作動空間を入力ポート
    に連通した空間と出力ポートに連通した空間に2分する
    メインピストン,メインピストンの一端に一端が当接す
    るコントロールピストン、およびコントロールピストン
    の他端側の空間に連通するコントロールポートを有する
    流体加減圧装置と、該コントロールポートと流体圧源の
    高圧ポートとの間を開閉する第1電磁開閉弁と、該コン
    トロールポートと流体圧源の低圧ポートとの間を開閉す
    る第2電磁開閉弁と、でなる前記特許請求の範囲第
    (1)項,第(2)項,第(3)項,第(4)項又は第
    (5)項記載の車両制動制御装置。
  7. 【請求項7】動力伝達手段を介して同一の原動機に結合
    された一対の車輪のそれぞれに組付けられた一対のブレ
    ーキ; ブレーキ指示手段; 少くとも減圧および増圧を含むコントロール指示、なら
    びにブレーキ指示手段よりのブレーキ圧指示、に応答し
    てブレーキのそれぞれを付勢する一対のブレーキ付勢手
    段; 前記車輪のそれぞれの回転速度を検出する手段; 基準速度検出手段; 前記車輪の加減速度を検出する手段; 基準速度と前記車輪の回転速度より前記車輪のそれぞれ
    のスリップ率を演算する手段; 原動機の作動パワーを検出する手段;および、 各車輪宛てに前記スリップ率および車輪の加減速度の組
    合せに対応して、スリップ率および加減速度が大きい場
    合は増圧の指示をブレーキ付勢手段に与え、この増圧の
    指示を与えるときは、原動機の作動パワーに対応してそ
    れが高いときには高速度の増圧の指示を、低いときには
    低速度の増圧の指示をブレーキ付勢手段に与え、スリッ
    プ率および加減速度が小さい場合は、他方の車輪がブレ
    ーキ状態でないときは高速度の減圧の指示を、ブレーキ
    状態のときは低速度の減圧の指示をブレーキ付勢手段に
    与える、スリップ応答制御手段;を備える車輪制動制御
    装置。
  8. 【請求項8】コントロール指示はホールドを含み; スリップ応答制御手段は、前記ブレーキ付勢手段に:ス
    リップ率が第1設定値未満の場合は、他方の車輪のブレ
    ーキを増圧又はホールドにしているときはステップ減圧
    を、他方の車輪のブレーキを減圧にしているときには減
    圧を指示し;スリップ率が第1設定値以上第2設定値未
    満の場合は、車輪加減速度が第1設定値未満のときはス
    テップ減圧を、第1設定値以上第2設定値未満のときは
    ホールドを、また第2設定値以上のときはステツプ増圧
    を、指示し;スリップ率が第2設定値以上の場合は、車
    輪加減速度が第3設定値未満のときはステップ減圧を、
    また第3設定値以上のときはステップ増圧を指示する;
    ものである;前記特許請求の範囲第(7)項記載の車輪
    制動制御装置。
  9. 【請求項9】ステップ減圧は、第1所定時間の間減圧、
    それに続く第2所定時間の間ホールド、とする減圧とホ
    ールドの組合せである前記特許請求の範囲第(8)項記
    載の車輪制動制御装置。
  10. 【請求項10】ステップ増圧は、第1所定時間の間増
    圧、それに続く第2所定時間の間ホールド、とする増圧
    とホールドの組合せである、前記特許請求の範囲第
    (8)項記載の車輪制動制御装置。
  11. 【請求項11】高速度のステップ増圧は第2所定時間に
    対する第1所定時間の比が大で、低速度のステップ増圧
    は第2所定時間に対する第1所定時間の比が小である、
    前記特許請求の範囲第(10)項記載の車輪制動制御装
    置。
  12. 【請求項12】ブレーキは、流体圧に応じた制動力を車
    輪に加える流体圧ブレーキであり; ブレーキ指示手段は、ブレーキペダルおよびその踏込量
    対応のブレーキ圧を発生するブレーキマスタシリンダで
    あり; ブレーキ付勢手段は、ブレーキマスタシリンダに連通し
    た入力ポート,流体圧ブレーキに連通した出力ポート,
    入力ポートと出力ポートに連通したピストン作動空間,
    ピストン作動空間に収納され、該作動空間を入力ポート
    に連通した空間と出力ポートに連通した空間に2分する
    メインピストン,メインピストンの一端に一端が当接す
    るコントロールピストン、およびコントロールピストン
    の他端側の空間に連通するコントロールポートを有する
    流体加減圧装置と、該コントロールポートと流体圧源の
    高圧ポートとの間を開閉する第1電磁開閉弁と、該コン
    トロールポートと流体圧源の低圧ポートとの間を開閉す
    る第2電磁開閉弁と、でなる前記特許請求の範囲第
    (7)項,第(8)項,第(9)項,第(10)項又は第
    (11)項記載の車輪制動制御装置。
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