JPH0749907B2 - 冷蔵庫 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、断熱箱を形成する外箱と外箱の前面フランジ
部との間に形成する溝部に、凝縮器の配管の一部を配設
し、この配管の放熱作用によって結露を防止する様にし
た冷蔵庫に関するものである。

従来の技術 近年、冷蔵庫の外箱の前面フランジ部の結霜を防止する
構成として、前面フランジ部に形成した溝部に凝縮器の
一部を配設することがしばしば実施されている。

以下図面を参照しながら、従来の冷蔵庫の前面の溝部に
凝縮器配管を配設する構造の一実施例について、第２
図，第３図を用いて説明する。

１は冷蔵庫本体で、鉄板より構成された外箱２と合成樹
脂にて形成された内箱３、及び両箱2,3間に充填された
発泡断熱材４とより成っている。５は外箱２の前面フラ
ンジ部６に設けた略Ｕ字状の凹溝であり、凝縮器配管７
と内箱３の前面フランジ８を挿入するものである。そし
て凝縮器配管７と凹溝５との間は凝縮器配管７を挿入し
易くするため間隙部７′を設けている。９は発泡断熱体
４の漏れ防止用のシール用断熱材である。

10は凹溝５のＵ字状の底面部11と外箱２の側面部12の熱
伝導を良好にするための熱良導性充填材であり、発泡断
熱材を注入する前に充填して、発泡断熱材４が凹溝５の
底面部11と、外箱２の側面部12に流入し、熱伝導が悪く
なるのを防止し、凝縮器配管７からの放熱を促進させて
いる。

発明が解決しようとする問題点 しかしながら上記の様な構成では、熱良導性充填材10が
外箱２と凹溝５との間は熱交換されても、凝縮器配管７
と凹溝５の底面部11とは、凝縮器配管７を挿入し易すく
するため間隙部７′を設けており、しかもシール用断熱
材９の挿入不良の場合、凝縮器配管７が凹溝５の内部で
移動し間隙部７′の間隙は増々増大し、凝縮器配管７と
凹溝５の熱交換は点接触、もしくは線接触となるため凝
縮器配管７の全周より有効に凹溝部５に熱を伝導させる
ことができなくなり、充分に放熱効果を得ることができ
ないという問題点を有していた。

本発明は、上記問題点に鑑み、凝縮器配管の凹溝の底面
部に間隙部をなくし、凝縮器配管よりの熱を有効に、か
つ安価に伝えることができるようにするものである。

問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するために、本発明の技術的手段は外
周を電気不良導体塗料を塗布した凝縮器配管を外箱に直
接接する場所に設け、かつ常温固化、ジュール熱利用で
高熱にて溶解する熱良導性材料を塗布する構成を備えた
ものである。

作 用 本発明は、上記した構成により、ジュール熱が凝縮器配
管に均一に加わり、均一に熱良導性材料が溶解するので
凝縮器配管の熱が、熱良導性材料を伝導して、外箱に効
率良く伝わり凝縮配管からの放熱効果を高めることがで
きる。

実施例 以下、本発明の一実施例を図面を参照しながら説明す
る。尚、従来例と同じものについては、同一番号を符し
て説明を省略する。

図において13は、前面フランジ部６と外箱２′の側面部
12との間に設けられた溝部であり、曲げ部15と底部16を
有している。そして、溝部13にはエポキシ樹脂等の電気
不良導体塗料17が塗布された凝縮器配管７が挿入されて
いる。そして、凝縮器配管７の上部16′に、常温で固化
し、100℃前後で溶解するワックス系樹脂を主成分とす
る熱良導性材料18が塗布されている。そして外箱の側面
部12と前面フランジ部６と曲げ部16及び底部16との間に
は、隙間を有するフランジ間隙部19が設けられている。

次に上記構成の形成方法及び作用について、第１図を用
いて詳述することにする。

まず、外箱２′の側面部12と前面フランジ部６の曲げ部
16の間に設けられた溝部13に電気不良導体塗料17が塗布
された凝縮器配管７を挿入する。そして、100℃前後に
加熱し溶融した熱良導性材料18を電気不良導体塗料17が
塗布された凝縮器配管７の周囲に塗布する。この時、外
箱の側面部12と前面フランジ部６の曲げ部16との間に設
けられた間隙部19には、塗布した熱良導性材料18が、外
箱の側面部12、凝縮器配管７等によって熱をうばわれる
ため、即固化が始まり、熱良導性材料18は間隙部19にま
で流れ込まない。

そして、凝縮器配管７に塗布した熱伝導性材料18を溶化
させ間隙部19に流し込むため、凝縮器配管７に電流を印
加させ、ジュール熱にて溶融させる。この時、凝縮器配
管７の周囲には電気不良導体塗料17が塗布されているた
め、外箱２′に電流が流れず、スムーズに凝縮器配管７
の温度が上昇する。そして溶融した熱良導性材料18はワ
ックス系樹脂を主成分としているため溶融粘度が低く間
隙部19にスムーズに流入する。そして電流の印加を停止
させる。この時、熱良導性材料18は25℃程度の常温の雰
囲気に放置されるため、完全に固化する。

この様にして冷蔵庫本体１が形成される。

そして、冷蔵庫を運転した場合、凝縮器配管７より放熱
される熱は、熱良導性材料18を介して外箱21′に伝導さ
る。

発明の効果 以上の様に、本発明は、外箱の側面部と前面フランジ部
との間に設けられた溝部に電気不良導体塗料を塗布した
凝縮器配管を設け、凝縮器配管の上部に、温度により溶
解する熱良導性材料を塗布した構成であるので、凝縮器
配管に電流を流すことにより、外箱には電流が洩れず、
スムーズに熱良導性材料は溶融し間隙部にも充分、熱良
導性材料が流入されるため、凝縮器配管より放熱される
熱を空気層にて阻外されることがなく外箱へ伝えること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の一実施例の冷蔵庫の要部断面図、第
２図は従来の冷蔵庫の斜視図、第３図は第２図のＡ−
Ａ′線における要部断面図である。 １……冷蔵庫本体、２……外箱、３……内箱、４……発
泡断熱材、６……前面フランジ、７……凝縮器配管、13
……溝部、17……電気不良導体塗料、18……熱良導性材
料、19……間隙部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】外箱と、前記外箱に内装した内箱と、前記
   内外箱間に充填した発泡断熱材と、前記外箱の前面に折
   り曲げた前面フランジ部と、外箱の側面と前記前面フラ
   ンジ部との間に形成した溝部と、前記溝部に電気不良導
   体塗料を塗布した凝縮器配管と、前記凝縮器配管の周囲
   に塗布した熱良導性材料とを備え、ジュール熱にて、前
   記熱良導性材料を溶融させ、外箱の側面と前記凝縮器配
   管及び、前記前面フランジ部の側面を密着固着させたこ
   とを特徴とする冷蔵庫。