JPH0749566B2 - 艶出し剤組成物 - Google Patents

艶出し剤組成物

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JPH0749566B2
JPH0749566B2 JP1202288A JP20228889A JPH0749566B2 JP H0749566 B2 JPH0749566 B2 JP H0749566B2 JP 1202288 A JP1202288 A JP 1202288A JP 20228889 A JP20228889 A JP 20228889A JP H0749566 B2 JPH0749566 B2 JP H0749566B2
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明海 渡辺
友尚 斎藤
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、建物の床に使用される艶出し剤組成物に関す
る。更に詳しくいえば本発明は、歩行量が多い建物(た
とえば、百貨店、量販店、駅ビル等)の床の保護および
艶出しを目的として使用される艶出し剤組成物である。
従来の技術 床用艶出し剤に要求される性能としては、耐久性、光
沢、耐摩耗性、耐ヒールマーク性、除去性等の特性が挙
げられる。
従来の床用艶出し剤としては、アクリル系樹脂、ウレタ
ン系樹脂あるいはワックスを主成分とするエマルション
が多く使用されている。例えば、特公昭53−22548号公
報、特開昭62−81466号公報および特公昭64−11236号公
報に開示された艶出し剤がある。
特公昭53−22548号公報に開示された艶出し剤は、ワッ
クスまたはポリマーまたはその両者の混合物と、ポリウ
レタンエマルションを含有する艶出し剤である。
特開昭62−81466号公報に開示された艶出し剤は、ポリ
ウレタンエマルション、ポリアクリル酸エステルエマル
ションおよびワックスエマルションを含有する艶出し剤
である。
特公昭64−11236号公報に開示された艶出し剤は、酸モ
ノマーを共重合させ、架橋剤として多価金属錯体を加え
たウレタン樹脂を含有する艶出し剤である。
ところで、従来から艶出し剤の床材への塗布、剥離等の
メンテナンスは、モップによる手作業で行われてきた
が、近年、省力化および合理化の面から、高速ポリッシ
ャーを利用した超高速バフがけによるメンテナンスが進
んできた。ところが、上記の従来技術の艶出し剤は、塗
布した後の耐久性は良いものの、経時的に床面の光沢が
低下し、高速ポリッシャーによって超高速バフがけを行
なった場合に光沢が回復しないという欠点があった。
発明が解決しようとする問題点 本発明は前記した従来の艶出し剤の欠点を解消し、耐久
性、光沢、耐摩耗性、耐ヒールマーク性および除去性が
良く、かつ超高速バフがけをした時の光沢の回復性に優
れた艶出し剤を提供することを目的とする。
問題点を解決するための手段 上記の目的を達成するために、本発明者らは塗布被膜の
諸特性、特に光沢とその回復性について鋭意研究を重ね
た結果、ガラス転移点が25ないし45℃であるアクリル樹
脂エマルションを含有させることによって、耐久性、耐
摩耗性等の性能が改善され、かつ、光沢の回復性にすぐ
れた艶出し剤が得られることを見いだし、本発明を完成
するに至った。
すなわち本発明の趣旨とするところは、 (A)ウレタン樹脂エマルション、 (B)アクリル樹脂エマルション、および (C)ワックスエマルション を含有する艶出し剤組成物において、アクリル樹脂エマ
ルションに含有されるアクリル樹脂のガラス転移点が25
ないし45℃であることを特徴とする艶出し剤組成物であ
る。
以下に本発明の構成要素について詳細に説明する。
(ウレタン樹脂エマルション) 本発明において使用されるウレタン樹脂エマルション
は、床材を保護し、耐摩耗性を付与する目的で使用する
成分であり、これまで床用艶出し剤として用いられてき
た各種のエマルションを使用することができる。これら
は公知の方法で製造することができ、また市販のエマル
ションを利用することもできる。例えば、 (1)特公昭53−22548号公報に開示されたポリウレタ
ン尿素ポリアミドカルボン酸のアルカリ塩水性乳濁液、 (2)高分子量ポリウレタンをアニオン性またはノニオ
ン性界面活性剤で水中に分散せしめた水性乳濁液 等を挙げることができる。
(アクリル樹脂エマルション) 本発明において使用されるアクリル樹脂エマルション
は、床材を保護して光沢を付与し、また被膜を剥離する
際の除去性を向上させる効果を示す成分であり、例え
ば、特公昭47−15597号公報に開示されたモノエチレン
性不飽和単量体の共重合体エマルションを使用すること
ができる。
モノエチレン性不飽和単量体としては、 (1)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸ブチル等のアクリル酸エステル、 (2)メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸ブチル等のメタクリル酸エステル、 (3)アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビ
ニル、スチレン、ビニルトルエン等、及び (4)アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸等のα,
β−モノエチレン性不飽和酸等 を挙げることができる。
またこれらアクリル樹脂のガラス転移点は、25ないし45
℃である必要がある。ガラス転移点が25℃未満では、塗
布被膜の耐ヒールマーク性が劣るため好ましくない。一
方、ガラス転移点が45℃を越えると、超高速バフによる
光沢回復性が劣るため好ましくない。
(ワックスエマルション) 本発明において使用されるワックスエマルションは、塗
布被膜に適度な平滑性を付与し、耐ヒールマーク性を向
上させる効果を示す成分であり、従来の艶出し剤に用い
られてきたほとんどすべてのワックスを用いることがで
きる。すなわち、天然および合成の炭化水素ワックスや
これらの変性物や酸化物など、また鉱物性および動植物
性ワックスやこれらの変性物などを使用することができ
る。
天然ワックスとしては、 (1)牛脂の水添硬化ロウ、豚脂の水添硬化ロウ、ラノ
リン、ミツロウ、鯨ロウなどの動植物性ワックス、 (2)大豆油に水素添加して得られるワックス、ヒマシ
油に水素添加して得られるワックスおよびカルナバロ
ウ、キャンデリアロウ、木ロウ、ヌカロウのような植物
性ワックス、 (3)モンタンロウ、セリシンロウ、パラフィンロウ、
マイクロクリスタリンワックスのような鉱物性ワックス が挙げられる。
また、合成ワックスとしては、分子量が500ないし5,000
程度のポリエチレンワックス、ポリプロピレンワック
ス、フィッシャートロプシュ法によるワックス、さらに
これらの合成ワックスの酸化物や酸変性物などを挙げる
ことができる。
ワックスエマルションは、公知の方法により上記のワッ
クスに乳化剤を添加し、各種の乳化機器を利用して乳化
すれば製造することができる。
(可 塑 剤) 本発明において使用される可塑剤は、塗布被膜の柔軟性
を調節するための成分であり、トリブトキシエチルホス
フェート、トリブチルホスフェート、トリクレジルホス
フェート、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレー
ト、ベンジルブチルフタレート、ジメチルフタレート、
2−エチルヘキシルベンジルフタレート、ブチルシクロ
ヘキシルフタレート、アセチルトリブチルサイトレー
ト、ベンジルセバケート等を挙げることができる。
上記可塑剤の添加量は、成分(A)と成分(B)の固形
分合計量100重量部に対して、1ないし15重量部、好ま
しくは5ないし13重量部が適当である。添加量が1重量
部未満の場合は、柔軟性が劣り、逆に添加量が15重量部
を越えると、耐ヒールマーク性が低下するので、いずれ
も好ましくない。
(融 合 剤) 本発明において使用される融合剤は、樹脂エマルション
粒子を融合し、被膜の形成を促進する助剤である。融合
剤の例としては、ジエチレングリコールモノメチルエー
テル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロ
ピルグリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコ
ールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ
メチルエーテル、N−メチルピロリドン等を挙げること
ができる。
融合剤の添加量は、成分(A)と成分(B)の固形分合
計量100重量部に対して、10ないし40重量部、好ましく
は15ないし25重量部が適当である。添加量が10重量部未
満の場合には、造膜性が低下し、逆に添加量が40重量部
を越えると、耐ヒールマーク性が低下するので、好まし
くない。
(各成分の配合) 本発明の艶出し剤組成物は、上記各成分を混合した組成
物として使用する。成分(A)、成分(B)および成分
(C)の配合割合について、以下に説明する。
成分(A)の固形分と成分(B)の固形分の合計量に対
する成分(A)の固形分の含有量は、35ないし65重量%
でなければならない。成分(A)の固形分の含有量がこ
の範囲を外れた場合には、耐久性、耐摩耗性、耐ヒール
マーク性、除去性あるいは光沢の回復性などを満足する
ことができない。例えば、ウレタン樹脂の含有量が35重
量%未満では、耐摩耗性および耐ヒールマーク性が低下
するから好ましくない。一方、ウレタン樹脂の含有量が
65重量%よりも多い場合には、被膜の除去性が悪くなる
から好ましくない。
また、成分(A)、成分(B)および成分(C)の固形
分の合計量に対する成分(C)の固形分の含有量は、10
ないし20重量%でなければならない。成分(C)の中の
ワックスの含有量が10重量%未満では、耐ヒールマーク
性が低下するから好ましくない。一方、ワックスの含有
量が20重量%を越えると、耐摩耗性が悪くなるから好ま
しくない。
(その他の任意成分) 本発明の艶出し剤組成物は、上記の各種成分以外にレベ
リング剤、湿潤剤、消泡剤、防腐剤、着色料、香料等を
適宜含有することができる。
レベリング剤としては、例えば、アルカリ可溶性樹脂な
どを挙げることができる。
実 施 例 以下、本発明を実施例によってさらに具体的に説明す
る。ただし、本発明は下記の実施例によって何らの制限
をも受けるものではない。
[アクリル樹脂エマルションの調製] アクリル樹脂エマルションの調製方法を以下に示す。
第1工程 脱イオン水47.9重量部に、乳化剤として、ラウリル硫酸
ナトリウム0.8重量部とノニルフェノールエチレンオキ
シド30モル付加物1.2重量部および重合開始剤として、
過硫酸アンモニウム0.1重合部を添加して、70ないし75
℃に昇温する。
第2工程 第1表に示す単量体混合物37重量部を、180±10分を要
して滴下して添加し、重合させる。
第3工程 重合が終了した後、50ないし60℃に冷却し、亜鉛架橋剤
13重量部を30±10分を要して滴下する。亜鉛架橋剤の組
成は、酸化亜鉛7重量部、炭酸アンモニウム12重量部、
25重量%アンモニウム水14重量部および水67重量部から
なる。
[ワックスエマルションの調製] ワックスエマルションの調製方法を以下に示す。
ポリエチレンワックス(アライドケミカル社製の酸化ポ
リエチレンワックス、商品名は「ACポリエチレン39
2」)23.4重量部、ノニルフェノールエチレンオキシド
付加物6重量部、水酸化カリウム0.6重量部および水70
重量部を圧力容器に入れ、160ないし170℃に加熱した
後、60分撹拌してワックスエマルションを調製した。
実施例1ないし4 第2表に示す成分を配合して、本発明の艶出し剤を得
た。第2表において組成を示す数値の単位は重量%であ
る。
(注) (A)ウレタン樹脂エマルション:ICIレジンズ社製「ネ
オレッツR960」カルボン酸塩含有ポリウレタン樹脂エマ
ルション、固形分濃度33重量% (B)アクリル樹脂エマルション1ないし4:第1表に示
す単量体組成のアクリル樹脂エマルション、固形分濃度
40重量% (C)ワックスエマルション:酸化ポリエチレンワック
スエマルション、固形分濃度30重量%レベリング剤:ア
ルコケミカル社製、「SMAレジン2625A」スチレン−マレ
イン酸共重合樹脂、固形分濃度15重量% 湿潤剤:チバガイギー社製「ローダインS−100」フッ
素系界面活性剤 消泡剤:ダウコーニング社製「FSアンチフォーム 54
4」シリコーン系消泡剤 防腐剤:ホルマリン38%水溶液 比較例1ないし5、公知例1及び2 第3表に比較例2ないし6及び公知例を示す。第3表に
おいて組成を示す数値は重量%である。
(注) 公知例:特開昭62−81466号公報 (A)ウレタン樹脂エマルション: ICIレジンズ社製「ネオレッツR960」カルボン酸塩含有
ポリウレタン樹脂エマルション、固形分濃度33重量% (B)アクリル樹脂エマルション2、3、5および6: 第1表に示す単量体組成のアクリル樹脂エマルション、
固形分濃度40重量% (C)ワックスエマルション: 酸化ポリエチレンワックスエマルション、固形分濃度30
重量% レベリング剤: アルコケミカル社製「SMAレジン2625A」スチレン−マレ
イン酸共重合樹脂、固形分濃度15重量% 湿潤剤: チバガイギー社製「ローダインS−100」フッ素系界面
活性剤 消泡剤: ダウコーニング社製「FSアンチフォーム 544」シリコ
ーン系消泡剤 防腐剤: ホルマリン38%水溶液 [性能試験] 本発明の艶出し剤組成物の性能を明らかにするため、第
2表および第3表の組成物について性能試験を行った。
試験項目と試験方法を以下に示し、結果を第4表に示
す。
(1)耐ヒールマーク性 耐ヒールマーク性試験機(スネルカプセル)を使用し
た。ビニルアスベスト床タイル(JIS A5705)に、試料
10±2ml/m2の割合で3回塗布し、室温で4日間乾燥した
後、スネルカプセルの窓に取り付けた。次いで、スネル
カプセルの中に黒色ゴム製の靴の踵8個を入れ、回転数
60回/分で5分間スネルカプセルを回転した後、床タイ
ルを取り出し、ブラックヒールマークの付着状態を観察
した。
評価の結果を下記の記号で第4表に記入した。
○は良好、△は普通、×は不良を表す。
(2)除去性 日本フロアーポリッシュ工業会規格(JFPA規格−07)に
準じて試験した。
評価の結果を下記の記号で第4表に記入した。
○は良好、△は普通、×は不良を表す。
(3)光沢度 日本フロアーポリッシュ工業会規格(JFPA規格−04)に
準じて試験した。ビニルアスベスト床タイル(JIS A57
05)に、試料を10±2ml/m2の割合で3回塗布した後の光
沢度を測定した。
(4)耐摩耗性 上記の光沢度試験と同様にして試料を塗布した床タイル
を、歩行量が3,000人/日ないし5,000人/日のオフィス
ビルの廊下に設置し、2週間後の床タイル面の光沢度を
測定した。
評価の結果を下記の記号で第4表に記入した。
○は光沢度50%超過、△は光沢度30ないし50%、×は光
沢度30%未満を示す。
(5)光沢回復性 耐摩耗性試験と同様の試験において、光沢度が50±5%
になった後、アマノ(株)製高速ポリッシャー「クリー
ンスターHE−500」を使用して、床タイルに超高速バフ
がけを行った後の光沢度を測定した。次式により光沢回
復率を求めて評価した。
光沢回復率(%)=(A/B)×100 ここで、 A=(塗布直後の光沢度)−(歩行後の光沢度) B=(超高速バフがけ後の光沢度) −(歩行後の光沢度)である。
評価の結果を下記の記号で第4表に記入した。
○は光沢回復率50%超過、△は光沢回復率30ないし50
%、×は光沢回復率30%未満を示す。
発明の効果 本発明の艶出し剤を使用すれば、耐久性、光沢性、耐ヒ
ールマーク性、耐摩耗性および除去性が良好で、しか
も、高速ポリッシャーで超高速バフがけを行った場合
に、容易に光沢が回復する塗布被膜が得られるから、床
メンテナンスの省力化および合理化が可能となる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ウレタン樹脂エマルション、 (B)アクリル樹脂エマルション、および (C)ワックスエマルション を含有する艶出し剤組成物において、アクリル樹脂エマ
    ルションに含有されるアクリル樹脂のガラス転移点が25
    ないし45℃であることを特徴とする艶出し剤組成物。
  2. 【請求項2】成分(A)と成分(B)の固形分合計量に
    対する成分(A)の固形分の含有量が35ないし65重量%
    であり、かつ、成分(A)、成分(B)および成分
    (C)の固形分合計量に対する成分(C)の固形分の含
    有量が10ないし20重量%であることを特徴とする請求項
    1に記載の艶出し剤組成物。
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