JPH0749009A - 内燃機関のバルブタイミング制御装置 - Google Patents

内燃機関のバルブタイミング制御装置

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JPH0749009A
JPH0749009A JP19645493A JP19645493A JPH0749009A JP H0749009 A JPH0749009 A JP H0749009A JP 19645493 A JP19645493 A JP 19645493A JP 19645493 A JP19645493 A JP 19645493A JP H0749009 A JPH0749009 A JP H0749009A
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JP
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hydraulic pressure
valve
oil
hydraulic
ring gear
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JP19645493A
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Atsushi Watanabe
敦 渡辺
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】バルブタイミング制御装置において、リングギ
ヤの油圧室における油圧排出の応答性と潤滑性能の両立
を図る。 【構成】カムシャフト1の先端にタイミングプーリ10
を設け、両者1,10の間にリングギヤ25を介在させ
る。カムシャフト1とタイミングプーリ10との間でリ
ングギヤ25の軸方向両側に各油圧室26,27を設け
る。各油圧室26,27に各シャフト油路28,30等
を通じて選択的に油圧を供給することにより、リングギ
ヤ25を軸方向へ移動させてカムシャフト1とタイミン
グプーリ10とを相対回動させる。シャフト油路28か
らバイパス通路44を分岐させ、その分岐部近傍に低油
圧時にのみ開かれる油圧弁45を設ける。従って、油圧
室27に油圧が供給され油圧室26から油が排出される
際には、油圧弁45が低油圧により開かれ、通常の排出
用通路に加えてバイパス通路44からも油が排出され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は内燃機関の吸気バル
ブ、排気バルブの作動タイミングを内燃機関の運転状態
に応じて制御するようにしたバルブタイミング制御装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の技術として、例えば特開
昭63−131808号公報に開示された「内燃機関の
バルブタイミング制御装置」が知られている。
【0003】この装置では、図5に示すように、シリン
ダヘッド51にて回転可能に支持されたカムシャフト5
2の一端部に、タイミングプーリ53が設けられてお
り、そのタイミングプーリ53が図示しないクランクシ
ャフトに駆動連結されている。カムシャフト52とタイ
ミングプーリ53との間には、筒状の歯車(リングギ
ヤ)54が介在されており、そのリングギヤ54がカム
シャフト52とタイミングプーリ53との間に噛合され
ている。リングギヤ54はその内外周に設けられた歯5
4a,54bの少なくとも一方がヘリカル歯となってお
り、軸方向の移動によってカムシャフト52と相対回動
可能になっている。
【0004】タイミングプーリ53の内部において、リ
ングギヤ54の軸方向一端側には第1圧力室55が形成
されている。その圧力室55に対し、第1油圧供給手段
56によりカムシャフト52の内部の油路57等を通じ
て油圧が供給されることにより、リングギヤ54に油圧
が加えられる。又、その油圧に対抗するように、リング
ギヤ54の他端側には、釣り合い用のスプリング58が
設けられている。加えて、リングギヤ54の他端側には
第2圧力室59が形成されている。そして、その圧力室
59に対し、第2油圧供給手段60によりカムシャフト
52の内部の別の油路61等を通じて油圧が供給される
ことにより、第1圧力室55の油圧に対抗してリングギ
ヤ54に油圧が加えられる。
【0005】従って、2系統の各油圧供給手段56,6
0の作動により各圧力室55,59に油圧が選択的に供
給されることにより、リングギヤ54が軸方向へ移動さ
れる。この動作により、カムシャフト52に捩じりが付
与され、カムシャフト52のタイミングプーリ53に対
する回転位相が変えられる。この動作により、図示しな
い吸気バルブ、排気バルブの作動タイミングが変えられ
る。一方、2系統の各油圧供給手段56,60の作動に
より両圧力室55,59に対する油圧が同時に制御され
ることにより、リングギヤ54がその軸方向における任
意の中間位置にて保持され、吸気バルブ、排気バルブの
作動タイミングが任意に調整される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記従来技
術では、リングギヤ54を一方向へ移動させるために、
例えば、第1圧力室55のみに油圧が加えられるときに
は、他方の第2圧力室59からの油の排出が抵抗とな
り、リングギヤ54の作動応答性に影響を与えることに
なった。その逆の場合も同様である。ところが、油の排
出性に基づき各油路57,61を含む各油圧通路径を大
きくすると、その通路により油を供給する際に多量の油
が各圧力室55,59に流入することとなり、全体の潤
滑系統に影響を与えてしまう。逆に、各圧力室55,5
9に油圧を供給する際の応答性を良好にするために、各
油路57,61等の内径を小さくした場合には、各圧力
室55,59からの油の排出抵抗が増して、同様にリン
グギギヤ54の作動応答性が良くない。
【0007】この発明は前述した事情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、リングギヤの軸方向端に対
応して設けられた油圧室における油圧の供給及び排出の
応答性を向上させることが可能で、もってリングギヤの
往復両方向の作動応答性を向上させることを可能にした
内燃機関のバルブタイミング制御装置を提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明においては、内燃機関のシリンダヘッド
にて回転可能に設けられたバルブ駆動用のカムシャフト
と、そのカムシャフトの一端部に設けられ、内燃機関に
駆動連結されたタイミングプーリハウジングと、内外周
に設けられた歯の少なくとも何れか一方がヘリカル歯で
あり、カムシャフトとタイミングプーリハウジングとの
間に介在されて両者を連結すると共に、軸方向への移動
によってカムシャフトと相対回動可能にしたリングギヤ
と、カムシャフトとタイミングプーリハウジングとの間
で、リングギヤの軸方向端に対応して形成される油圧室
と、カムシャフトの内部等に設けられ、油圧室に油圧を
供給するための油圧供給通路とを備え、油圧供給通路を
通じて油圧室に供給される油圧を制御することにより、
リングギヤを軸方向へ移動させながら回動させてカムシ
ャフトに捩じりを付与してバルブの作動タイミングを制
御するようにした内燃機関のバルブタイミング制御装置
において、油圧供給通路の途中に設けられ、切換えによ
り油圧室に対して油圧供給源側と油排出側とを選択的に
連通可能とするための連通切換弁と、カムシャフトの内
部において油圧供給通路より分岐され、油を別途に排出
するためのバイパス通路と、油圧供給通路とバイパス通
路との分岐部の近傍に設けられ、低油圧時にのみ開かれ
る油圧弁とを備えたことを趣旨としている。
【0009】
【作用】上記の構成によれば、内燃機関に連動して駆動
されるタイミングプーリハウジングによりカムシャフト
が回転駆動される。その際、連通切換弁の切換えにより
油圧室に対して油圧供給源側を連通させることにより、
油圧供給通路を通じて油圧が油圧室に供給される。この
油圧により、リングギヤが軸方向へ移動しながら回動さ
れ、カムシャフトに捩じりが付与されてカムシャフトと
タイミングプーリハウジングとの回転方向における相対
位置が変えら、もってバルブの作動タイミングが変えら
れる。
【0010】一方、連通切換弁の切換えにより油圧室に
対して油排出側が連通されることにより、油圧室の油が
油圧供給通路から連通切換弁を通じて油排出側へと排出
される。このとき、油圧供給通路の分岐部近傍にて油圧
弁に加わる油圧は低油圧となることから、その油圧弁が
開かれる。そして、油圧室の油圧が、油圧供給通路に加
えてバイパス通路からも排出されることになる。従っ
て、油圧室から油が排出される際には、バイパス通路が
使用される分だけ油圧室からの油の排出抵抗が低減され
る。
【0011】このことにより、油圧室に対する油圧の供
給時には、全体の潤滑性能を犠牲にすることなく油の排
出性が向上し、リングギヤを速やかに作動させることが
可能となる。
【0012】
【実施例】以下、この発明における内燃機関のバルブタ
イミング制御装置を具体化した一実施例を図1〜図4に
基づいて詳細に説明する。
【0013】図1及び図2はこの実施例におけるバルブ
タイミング制御装置の構成を示す断面図である。カムシ
ャフト1は、図示しない内燃機関としてのエンジンの吸
気バルブ或いは排気バルブを駆動するために設けられて
おり、そのジャーナル2がシリンダヘッド3の軸受部4
とベアリングキャップ5との間で回転可能に支持されて
いる。ジャーナル2にはその外周に沿って延びる二本の
ジャーナル溝6,7が形成されている。又、シリンダヘ
ッド3には、各ジャーナル溝6,7及びジャーナル2に
潤滑油を供給するための第1のヘッド油路8及び第2の
ヘッド油路9が形成されている。この実施例では、図示
しない油圧ポンプ、オイルパン及びオイルフィルタ等に
よりエンジンの潤滑系が構成されている。そして、エン
ジンの運転に連動して油圧ポンプが駆動されることによ
り、オイルパンから潤滑油が吸い上げられ、その潤滑油
がオイルフィルタを通過した後、所定の圧力をもって各
ヘッド油路8,9に供給されて各ジャーナル溝6,7及
びジャーナル2に供給される。この実施例では、油圧ポ
ンプの吐出側が油圧供給源側となっており、オイルパン
が潤滑油の戻されるべき排出側となっている。
【0014】カムシャフト1の先端部にはタイミングプ
ーリハウジング10が設けられている。このタイミング
プーリハウジング10はプーリ本体11とそのプーリ本
体11の一側面及びカムシャフト1の先端部を覆うよう
に組み付けられたカバー12とを備えている。プーリ本
体11はほぼ円板状をなし、その外周には複数の外歯1
3が形成され、中央にはボス14が形成されている。プ
ーリ本体11はそのボス14によりカムシャフト1に対
して相対回動可能に装着されている。又、外歯13には
タイミングベルト15が装着されており、同ベルト15
を介してタイミングプーリハウジング10がエンジンの
図示しないクランクシャフトに駆動連結されている。一
方、カバー12は有底円筒状をなし、その外周にはフラ
ンジ16が形成され、底部中央には連通孔17が形成さ
れている。又、カバー12の内周には、複数の内歯12
aが形成されている。カバー12はそのフランジ16に
て複数のボルト18及びピン19によりプーリ本体11
の一側面に固定されている。又、連通孔17には蓋20
が取り外し可能に装着されている。そして、プーリ本体
11とカバー12とにより囲まれた空間が、タイミング
プーリハウジング10の内部に形成された収容空間21
となっている。
【0015】この収容空間21において、カムシャフト
1の先端には、有底筒状をなすインナキャップ22が中
空ボルト23により締め付けられると共に、ピン24に
より回り止めされている。このインナキャップ22の周
壁22aはプーリ本体11のボス14を内包するように
装着されており、両者11,22は相対回動可能となっ
ている。又、インナキャップ22の周壁22aの外周に
は、複数の外歯22bが形成されている。
【0016】タイミングプーリハウジング10とカムシ
ャフト1との間にはリングギヤ25が介在され、そのリ
ングギヤ25により両者10,1が連結されている。即
ち、リングギヤ25は環状をなし、タイミングプーリハ
ウジング10の収容空間21にて、カムシャフト1の軸
方向に沿って往復動可能に収容されている。このリング
ギヤ25はその内外周に設けられた複数の歯25a,2
5bの両方がヘリカル歯となっており、軸方向への移動
によってカムシャフト1と相対回動可能になっている。
そして、リングギヤ25の内周の歯25aはインナキャ
ップ22の外歯22bに、リングギヤ25の外周の歯2
5bはカバー12の内歯12aにそれぞれ噛合してい
る。従って、タイミングプーリハウジング10が回転駆
動されることにより、リングギヤ25で連結されたタイ
ミングプーリハウジング10とインナキャップ22とが
一体的に回転され、更にカムシャフト1がタイミングプ
ーリハウジング10と一体的に回転駆動される。
【0017】収容空間21において、リングギヤ25の
軸方向一端とカバー12の底壁との間には第1の油圧室
26が形成されている。同じく、収容空間21におい
て、リングギヤ25の軸方向他端とプーリ本体11との
間には第2の油圧室27が形成されている。
【0018】ここで、第1の油圧室26に潤滑油により
油圧を供給するために、カムシャフト1にはその中心に
沿って延びる第1のシャフト油路28が形成されてい
る。このシャフト油路28の先端側は中空ボルト23の
中心孔23aを通じて第1の油圧室26に連通されてい
る。又、このシャフト油路28の基端側は、カムシャフ
ト1の半径方向に延びる油孔29を通じてジャーナル溝
6に連通されている。
【0019】一方、第2の油圧室27に潤滑油による油
圧を供給するために、カムシャフト1には第1のシャフ
ト油路28と平行に延びる第2のシャフト油路30が形
成されている。又、カムシャフト1の先端寄り位置に
は、その外周に沿って延びる一つの周溝31が形成され
ている。この周溝31の一部は第2のシャフト油路30
に連通されている。更に、プーリ本体11のボス14の
一部には、上記の周溝31と第2の油圧室27とを連通
させる油孔32が形成されている。又、第2のシャフト
油路30の基端側は他方のジャーナル溝7に連通されて
いる。加えて、第2の油圧室27において、リングギヤ
25とプーリ本体11との間には、リングギヤ25を図
1に示す初期位置へ復帰させるために付勢するスプリン
グ33が介在されている。
【0020】上記のような構成において、第1のヘッド
油路8、油孔29、第1のシャフト油路28及び中空ボ
ルト23の中心孔23a等により、第1の油圧室26に
油圧を供給するための油圧供給通路が構成されている。
又、第2のヘッド油路9、第2のシャフト油路30及び
油孔32等により、第2の油圧室27に油圧を供給する
ための油圧供給通路が構成されている。ここで、各ヘッ
ド油路8,9に通じる各油圧供給通路の途中には、切換
えにより各油圧室26,27に対して油圧ポンプの吐出
側とオイルパン側とを選択的に連通可能とするための連
通切換弁としての電磁式の四方弁34が設けられてい
る。即ち、この四方弁34はそのケーシング35に、第
1のポート36、第2のポート37、第3のポート38
及び第4のポート40を備えている。第1のポート36
は第1のヘッド油路8に連通され、第2のポート37は
第2のヘッド油路9に連通されている。第3のポート3
8はオイルパン側に通じており、第4のポート39は油
圧ポンプの吐出側に連通されている。又、ケーシング3
5の内部には、円筒状の3つの弁体40aを備えてなる
くし形のスプール40が、その軸方向へ往復動可能に設
けられている。このスプール40は、同じくケーシング
35に設けられた電磁ソレノイド41により作動される
ものであり、図1に示す第1の作動位置と、図2に示す
第2の作動位置との間で位置切換え可能となっている。
【0021】そして、図2に示すように、四方弁34の
スプール40が第2の作動位置へ移動されることによ
り、第1のヘッド油路8に潤滑油が供給されると共に、
第2のヘッド油路9がオイルパンへと開放される。この
切換えにより、四方弁34、第1のヘッド油路8、ジャ
ーナル溝6、油孔29、第1のシャフト油路28及び中
空ボルト23の中心孔23aを通じて第1の油圧室26
に油圧が供給される。この油圧がリングギヤ25の一端
に加えられることにより、リングギヤ25がスプリング
33の付勢力と第2の油圧室27に残る潤滑油に抗して
軸方向へ移動されながら回動して、カムシャフト1に捩
じりが付与される。この結果、カムシャフト1とタイミ
ングプーリハウジング10との回転方向における相対位
置が変えら、吸気バルブ或いは排気バルブの作動タイミ
ングが進角されることになる。このように、第1の油圧
室26に油圧が供給されることにより、リングギヤ25
はそのストロークエンドとして、図2に示すように、プ
ーリ本体11に近接する位置まで移動され、そのストロ
ークエンドが進角側の位置となる。
【0022】一方、図1に示すように、四方弁34のス
プール40が第1の作動位置へ移動されることにより、
第2のヘッド油路9に潤滑油が供給されると共に、第1
のヘッド油路8がオイルパンへと開放される。この切換
えにより、第2のヘッド油路9、ジャーナル溝7、第2
のシャフト油路30、周溝31及び油孔32を通じて第
2の油圧室27に油圧が供給される。この油圧がリング
ギヤ25の他端に加えられることにより、リングギヤ2
5が第1の油圧室26に残る潤滑油に抗して軸方向へ移
動されながら回動され、カムシャフト1に反対方向の捩
じりが付与される。この結果、カムシャフト1とタイミ
ングプーリハウジング10との回転方向における相対位
置が変えら、吸気バルブ或いは排気バルブの作動タイミ
ングが遅角されることになる。このように、第2の油圧
室27に油圧が加えられることにより、リングギヤ25
はストロークエンドとして、図1に示すように、カバー
12に近接する位置まで移動され、そのストロークエン
ドが遅角側の位置となる。
【0023】ここで、リングギヤ25とインナキャップ
22との間には、シール面42が設けられている。又、
リングギヤ25とカバー12との間には、リングギヤ2
5の外周に組み付けられたシールリング43が介在され
ている。この構成により、第1の油圧室26と第2の油
圧室27とが互いに別空間として区切られており、それ
ぞれ袋小路の状態となっている。そのため、各油圧室2
6,27に対する潤滑油の出入りは、前述した各油路
8,28等と各油路9,30等とよりなる独立した別々
の回路を通じて行われることになる。よって、一旦、各
油圧室26,27に入った潤滑油は入れ替わり難い状態
となる。そのため、第2の油圧室27のみに油圧が供給
されているときには、他方の第1の油圧室26からの潤
滑油の排出が抵抗となり、リングギヤ25の作動応答性
に影響を与えることになる。その逆の場合には、第2の
油圧室27からの潤滑油の排出が抵抗となり、リングギ
ヤ25の作動応答性に影響を与えることになる。又、こ
の実施例では、カムシャフト1におけるカムトルク負荷
と、リングギヤ25における各歯25a,25bの捩じ
れ方向とに起因して、リングギヤ25が遅角側のストロ
ークエンドへ移動する場合に、その逆方向へ移動する場
合よりも応答性が良くない状態となっている。
【0024】各油圧室26,27からの潤滑油の排出抵
抗を少なくするには、各シュフト油路28,30の内径
を大きくすることが望ましい。しかし、両シュフト油路
28,30が、回転体であるカムシャフト1の内部に設
けられていることから、それらの内径を大きくすること
に対する制約は大きい。
【0025】そこで、この実施例では、各油圧室26,
27から排出される潤滑油が、最終的にはオイルパンへ
戻されることと、リングギヤ25の応答性が遅角側のス
トロークエンドへ移動する場合に特に不利であることに
着目して、第1の油圧室26から排出される潤滑油を通
常の排出用通路を通じてオイルパンへ戻すのに加えて、
別途の通路を通じてオイルパンへ戻すようにしている。
【0026】即ち、カムシャフト1の内部において、第
1のシャフト油路28の端部には、同油路28より分岐
され、同油路28に加えて潤滑油を別途にオイルパンへ
排出するためのバイパス通路44が形成されている。
又、第1のシャフト油路28とバイパス通路44との分
岐部の近傍には、低油圧時にのみ開かれる油圧弁45が
設けられている。図3,4に示すように、この油圧弁4
5は第1のシャフト油路28に組み込まれた円柱状のケ
ーシング46を備え、そのケーシング46の内部には、
中空46aとその中空46aを軸方向に貫通する通路4
6bが形成されている。又、その中空46aの中には、
ボール状の弁体47が収容されている。そして、第1の
シャフト油路28のみに油圧が供給される場合には、図
3に示すように、ケーシング46の通路46bを通じて
弁体47に高い油圧が加わることになり、その油圧がカ
ムシャフトの回転による遠心力に打ち勝つことから、そ
の弁体47により通路46bが閉塞される。又、第1の
シャフト油路28に油圧が供給されない場合には、弁体
47に加わる油圧が低いことから、図4に示すように、
カムシャフト1の回転による遠心力が弁体47に大きく
作用して、同弁体47が中空46aの内壁に貼り着くか
たちとなり、これによって通路46bが開かれる。
【0027】次に、上記のように構成されたバルブタイ
ミング制御装置の作用について説明する。今、図1に示
すように、リングギヤ25が遅角側のストロークエンド
に配置された状態において、エンジンに連動してタイミ
ングプーリハウジング10が回転駆動されると、カムシ
ャフト1が一体的に回転駆動される。このとき、図2に
示すように、四方弁34の切換えにより第1のヘッド油
路8のみに潤滑油が供給されると、第1のシャフト油路
28等を通じて第1の油圧室26のみに油圧が供給され
る。そして、その油圧によりスプリング33の付勢力に
抗してリングギヤ25が軸方向へ移動されると、リング
ギヤ25は最終的には、図2に示すように、進角側のス
トロークエンドまで移動されることになる。又、そのリ
ングギヤ25の移動時には、第2の油圧室27の潤滑油
が、第2のシャフト油路30、第2のヘッド油路9及び
四方弁45等を通じてオイルパンへと排出されることに
なる。そして、リングギヤ25の移動により、カムシャ
フト1にタイミングプーリハウジング10に対する捩じ
りが付与され、カムシャフト1とタイミングプーリハウ
ジング10との回転方向における相対位置が進角され、
吸気バルブ、或いは排気バルブの作動タイミングが進角
側へと変えられる。
【0028】このとき、第1のシャフト油路28に設け
られた油圧弁45には油圧の供給により高い油圧が加わ
ることから、図3に示すように、油圧弁45の通路46
bは弁体47により閉塞される。そして、図2に示すよ
うに、油圧弁45により第1のシャフト油路28とバイ
パス通路44との間が閉じられる。従って、第1のシャ
フト油路28に供給される油圧は、バイパス通路44か
ら洩れることなく、第1の油圧室26に確実に供給され
る。その結果、リングギヤ25は所期の油圧を充分に得
て移動されることになり、その作動応答性を確保するこ
とができる。
【0029】一方、図2に示すように、リングギヤ25
が進角側のストークエンドに配置された状態において、
タイミングプーリハウジング10とカムシャフト1とが
一体的に回転駆動されているときに、図1に示すよう
に、四方弁34が切換えられると、第2のヘッド油路9
のみに油圧が供給される。そして、第2のシャフト油路
30等を通じて第2の油圧室27のみに油圧が供給され
る。ここでは、その油圧とスプリング33の付勢力とが
相俟って、リングギヤ25は最終的には、図1に示すよ
うに、遅角側のストロークエンドまで移動されることに
なる。このストロークエンドの状態では、カムシャフト
1とタイミングプーリハウジング10との回転方向にお
ける相対位置が遅角され、吸気バルブ、或いは排気バル
ブの作動タイミングが遅角側へと変えられる。
【0030】ここで、リングギヤ25の移動時には、第
1の油圧室26の潤滑油が、第1のシャフト油路28、
第1のヘッド油路8及び四方弁45等の通常の排出用通
路を通じてオイルパンへと排出される。このとき、第1
のシャフト油路28の端部において油圧弁45に加わる
油圧は低油圧となる。そのため、図4に示すように、油
圧弁45の弁体47がカムシャフト1の回転に起因する
遠心力によって中空46aの内壁に貼り着いて通路46
bが開かれ、第1のシャフト油路28とバイパス通路4
4との間が開かれる。このため、第1の油圧室26の潤
滑油が、第1のシャフト油路28及び第1のヘッド油路
8等を通じてオイルパンへ排出されるのに加えて、その
潤滑油が別途のバイパス通路44を通じて排出され、シ
リンダヘッド3の上に落下した後、最終的にはオイルパ
ンへと排出される。
【0031】従って、第1の油圧室26から潤滑油が排
出される際には、第1のシャフト油路28、第1のヘッ
ド油路8及び四方弁34等を含む通常の排出用通路に加
えてバイパス通路44が使用されることになる。そし
て、バイパス通路44が加わった分だけ第1の油圧室2
6からの潤滑油の排出抵抗が低減され、第1の油圧室2
6から潤滑油が効率良く排出されることになる。このこ
とから、本実施例のように、カムシャフト1の内部に限
られた内径で各シュフト油路28,30を形成した場合
には、第1の油圧室26から潤滑油が排出される際に、
バイパス通路44が使用される分だけ潤滑油の排出効率
が高められる。その結果、第1の油圧室26における油
圧の供給時と油圧の排出時とで、リングギヤ25を速や
かに作動させることが可能となる。つまり、第1の油圧
室26における油圧の供給及び排出の応答性を良好にす
ることができ、もってリングギヤ25の往復両方向、即
ち進角側及び遅角側の方向への作動応答性を向上させる
ことができる。
【0032】又、この実施例では、バイパス通路44の
作用により第1の油圧室26からの排経路が増えること
から、第1の油圧室26における潤滑油は比較的入れ替
わり易い状態となる。そのため、第1の油圧室26にダ
ストやスラッジ等の異物が滞留することが少なくなり、
リングギヤ25の噛合隙間やリングギヤ25とインナキ
ャップ22とのシール面42の部分等に異物が付着する
ことがなくなり、その意味からリングギヤ25の作動応
答性の低下を防止することができる。併せて、第1の油
圧室26における潤滑油のシール性の低下を防止するこ
とができる。
【0033】尚、この発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で構成の一部
を適宜に変更して次のように実施することもできる。 (1)前記実施例では、第1の油圧室26に油圧を供給
するための第1のシャフト油路28において、同油路2
8から分岐するバイパス通路44を設け、その分岐部近
傍に低油圧時にのみ開かれる油圧弁45を設けた。これ
に対し、リングギヤの軸方向両端に対応する両油圧室に
それぞれ油圧を供給するための各油圧供給通路におい
て、それら各油圧供給通路から分岐するバイパス通路を
それぞれ設け、各分岐部近傍に低油圧時にのみ開かれる
油圧弁をそれぞれ設けてもよい。つまり、リングギヤの
軸方向両端に対応して油圧室が設けられている場合に
は、その両方の油圧室に対応する油圧供給通路の途中
に、バイパス通路及び油圧弁をそれぞれ設けてもよい。
この場合には、両油圧室からの潤滑油の排出抵抗がそれ
ぞれ低減されることから、リングギヤの作動応答性を更
に向上させることができる。
【0034】(2)前記実施例では、各油圧室26,2
7に対する油圧の供給及び排出を一つの連通切換弁とし
ての四方弁34により選択的に制御するようにしたが、
各油圧室26,27に対する油圧の供給及び排出を連通
切換弁としての別々の制御弁により制御するようにして
もよい。
【0035】(3)前記実施例では、リングギヤ25の
軸方向両端にそれぞれ各油圧室26,27を設けてリン
グギヤ25を移動させる構成とした。これに対し、リン
グギヤの一方の軸方向端のみに対応して油圧室を設け、
その油圧室に加えられる油圧によりリングギヤを移動さ
せる場合に具体化してもよい。
【0036】(4)前記実施例では、カムトルク負荷や
リングギヤ25の各歯25a,25bの捩じれ方向に起
因し、リングギヤ25が遅角側のストロークエンドへ移
動するときに応答性が良くないことを前提として、第1
の油圧室26に対応する第1のシャフト油路28にバイ
パス通路44及び油圧弁45を設けている。これに対
し、カムトルク負荷や各歯25a,25bの捩じれ方向
に起因してリングギヤ25が進角側のストロークエンド
へ移動するときに応答性が良くない場合には、第2の油
圧室27に対応する第2のシャフト油路28にバイパス
通路及び油圧弁を設けてもよい。
【0037】(5)前記実施例では、リングギヤ25の
内外周両方の歯25a,25bをヘリカル歯としたが、
その内外周の歯25a,25bのいずれか一方のみをヘ
リカル歯としてもよい。
【0038】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれ
ば、リングギヤの軸方向端に対応した油圧室に油圧を供
給するための油圧供給通路の途中に、油圧室に対して油
圧供給源側と油排出側とを選択的に連通可能とするため
の連通切換弁を設けている。又、油を別途に排出するた
めのバイパス通路を油圧供給通路の途中から分岐させ、
その分岐部近傍に低油圧時にのみ開かれる油圧弁を設け
ている。
【0039】このため、連通切換弁の切換えにより油圧
室の油が油圧供給通路から油排出側へ排出される際に
は、油圧弁に加わる油圧が低油圧となってその油圧弁が
開かれ、油圧室の油圧が通常の油圧供給通路に加えてバ
イパス通路からも排出される。従って、油圧室から油が
排出される際には、バイパス通路の分だけ油圧室からの
油の排出抵抗が低減される。その結果、リングギヤの軸
方向端に対応した油圧室における油圧の供給及び排出の
応答性を向上させることができ、もってリングギヤの往
復両方向の作動応答性を向上させることができるという
優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を具体化した一実施例における内燃機
関のバルブタイミング制御装置の構成とその作用を示す
断面図である。
【図2】一実施例において、同じくバルブタイミング制
御装置の構成とその作用を示す断面図である。
【図3】一実施例において、油圧弁とその作用を示す断
面図である。
【図4】一実施例において、同じく油圧弁とその作用を
示す断面図である。
【図5】従来技術におけるバルブタイミング制御装置を
示す断面図である。
【符号の説明】
1…カムシャフト、3…シリンダヘッド、10…タイミ
ングプーリハウジング、25…リングギヤ、25a,2
5b…歯、26…第1の油圧室、27…第2の油圧室、
8…第1のヘッド油路、28…第1のシャフト油路、2
9…油孔(8,28,29等により油圧供給通路が構成
されている。)、9…第2のヘッド油路、30…第2の
シャフト油路、32…油孔(9,30,32等により油
圧供給通路が構成されている。)、34…連通切換弁と
しての四方弁、44…バイパス通路、45…油圧弁。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関のシリンダヘッドにて回転可能
    に設けられたバルブ駆動用のカムシャフトと、 前記カムシャフトの一端部に設けられ、前記内燃機関に
    駆動連結されたタイミングプーリハウジングと、 内外周に設けられた歯の少なくとも何れか一方がヘリカ
    ル歯であり、前記カムシャフトと前記タイミングプーリ
    ハウジングとの間に介在されて両者を連結すると共に、
    軸方向への移動によって前記カムシャフトと相対回動可
    能にしたリングギヤと、 前記カムシャフトと前記タイミングプーリハウジングと
    の間で、前記リングギヤの軸方向端に対応して形成され
    る油圧室と、 前記カムシャフトの内部等に設けられ、前記油圧室に油
    圧を供給するための油圧供給通路とを備え、前記油圧供
    給通路を通じて前記油圧室に供給される油圧を制御する
    ことにより、前記リングギヤを軸方向へ移動させながら
    回動させて前記カムシャフトに捩じりを付与して前記バ
    ルブの作動タイミングを制御するようにした内燃機関の
    バルブタイミング制御装置において、 前記油圧供給通路の途中に設けられ、切換えにより前記
    油圧室に対して油圧供給源側と油排出側とを選択的に連
    通可能とするための連通切換弁と、 前記カムシャフトの内部において前記油圧供給通路より
    分岐され、油を別途に排出するためのバイパス通路と、 前記油圧供給通路と前記バイパス通路との分岐部の近傍
    に設けられ、低油圧時にのみ開かれる油圧弁とを備えた
    ことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装
    置。
JP19645493A 1993-08-06 1993-08-06 内燃機関のバルブタイミング制御装置 Pending JPH0749009A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR200486872Y1 (ko) * 2016-11-16 2018-07-10 김영선 가변형 조립식 책상

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR200486872Y1 (ko) * 2016-11-16 2018-07-10 김영선 가변형 조립식 책상

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