JPH0748320A - 芳香族ビスアルキル炭酸エステルの製造方法 - Google Patents
芳香族ビスアルキル炭酸エステルの製造方法Info
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- JPH0748320A JPH0748320A JP5350270A JP35027093A JPH0748320A JP H0748320 A JPH0748320 A JP H0748320A JP 5350270 A JP5350270 A JP 5350270A JP 35027093 A JP35027093 A JP 35027093A JP H0748320 A JPH0748320 A JP H0748320A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 芳香族ジヒドロキシ化合物とアルキルアリー
ルカーボネートとを反応させて芳香族ビスアルキル炭酸
エステルを製造する方法において、その反応を円滑に進
行させるとともに、反応後に反応生成物からの分離が容
易でかつ人体に対する毒性のない触媒を用いる方法を提
供する。 【構成】 芳香族ジヒドロキシ化合物と、一般式 R1OCOOAr1 (式中、R1は低級アルキル基を示し、Ar1は反応に不
活性な置換基を有していてもよいアリール基を示す)で
表わされるアルキルアリールフェニルカーボネートを反
応させるに際し、触媒として、アルカリ金属イオン及び
アルカリ土類金属イオンの中から選ばれる少なくとも1
種の金属イオンを含有するゼオライトを用いることを特
徴とする芳香族ビスアルキル炭酸エステルの製造方法。
ルカーボネートとを反応させて芳香族ビスアルキル炭酸
エステルを製造する方法において、その反応を円滑に進
行させるとともに、反応後に反応生成物からの分離が容
易でかつ人体に対する毒性のない触媒を用いる方法を提
供する。 【構成】 芳香族ジヒドロキシ化合物と、一般式 R1OCOOAr1 (式中、R1は低級アルキル基を示し、Ar1は反応に不
活性な置換基を有していてもよいアリール基を示す)で
表わされるアルキルアリールフェニルカーボネートを反
応させるに際し、触媒として、アルカリ金属イオン及び
アルカリ土類金属イオンの中から選ばれる少なくとも1
種の金属イオンを含有するゼオライトを用いることを特
徴とする芳香族ビスアルキル炭酸エステルの製造方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は芳香族ビスアルキル炭酸
エステルの製造方法に関するものである。
エステルの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリカーボネートは、現在のとこ
ろ、芳香族ジヒドロキシ化合物にアルカリの存在下でホ
スゲンを反応させる、いわゆるホスゲン法によって工業
的に製造されている。しかし、このホスゲン法は、その
反応原料として用いるホスゲンが非常に毒性の強いもの
であることから、ホスゲンの反応系からの漏出による人
身事故の危険性が常につきまとうという問題がある。こ
のような問題を回避するために、反応原料としてホスゲ
ンの使用を必要としない、いわゆる非ホスゲン法による
芳香族ポリカーボネートの製造について多くの研究が向
けられている。非ホスゲン法による芳香族ポリカーボネ
ートの製造方法の1つとして、一般式 R2OCOO−Ar2−OCOOR3 (2) (式中、R2及びR3は炭素数1〜10のアルキル基又は
シクロアルキル基を示し、Ar2は2価の芳香族基を示
す)で表わされる芳香族ジヒドロキシ化合物ビスアルキ
ル炭酸エステルを予備重縮合させた後、固相重合させる
方法が知られている(特開昭63−223035号公
報)。また、特開昭64−16826号公報には、ビス
フェノールAビスアルキル炭酸エステルとジフェニルカ
ーボネートと反応させて芳香族ポリカーボネートを製造
する方法が示されている。
ろ、芳香族ジヒドロキシ化合物にアルカリの存在下でホ
スゲンを反応させる、いわゆるホスゲン法によって工業
的に製造されている。しかし、このホスゲン法は、その
反応原料として用いるホスゲンが非常に毒性の強いもの
であることから、ホスゲンの反応系からの漏出による人
身事故の危険性が常につきまとうという問題がある。こ
のような問題を回避するために、反応原料としてホスゲ
ンの使用を必要としない、いわゆる非ホスゲン法による
芳香族ポリカーボネートの製造について多くの研究が向
けられている。非ホスゲン法による芳香族ポリカーボネ
ートの製造方法の1つとして、一般式 R2OCOO−Ar2−OCOOR3 (2) (式中、R2及びR3は炭素数1〜10のアルキル基又は
シクロアルキル基を示し、Ar2は2価の芳香族基を示
す)で表わされる芳香族ジヒドロキシ化合物ビスアルキ
ル炭酸エステルを予備重縮合させた後、固相重合させる
方法が知られている(特開昭63−223035号公
報)。また、特開昭64−16826号公報には、ビス
フェノールAビスアルキル炭酸エステルとジフェニルカ
ーボネートと反応させて芳香族ポリカーボネートを製造
する方法が示されている。
【0003】ところで、前記芳香族ジヒドロキシ化合物
ビスアルキル炭酸エステルを製造するための従来法とし
ては、芳香族ジヒドロキシ化合物とアルキルアリールカ
ーボネートを反応させる方法が知られている(特開昭6
4−47740号公報)。この公知の方法においては、
採用する芳香族ジヒドロキシ化合物とアリールキルカー
ボネートとの反応においては、触媒の使用は必ずしも必
要ではないが、反応速度を上げるために、所望に応じエ
ステル交換法に使用される公知の触媒を用いることがで
きるとしている。そのような公知の触媒としては、ジ−
n−ブチルスズオキシドやジ−n−ブチル−ジフェノキ
シスズ等の有機金属化合物が知られているが、これらの
触媒は、反応液中に溶解するため、反応終了後、その反
応生成物からの除去が非常に困難であるという問題を含
む。さらに、有機スズ化合物は、人体に対して強い毒性
を示すので、その使用は好ましいものではない。
ビスアルキル炭酸エステルを製造するための従来法とし
ては、芳香族ジヒドロキシ化合物とアルキルアリールカ
ーボネートを反応させる方法が知られている(特開昭6
4−47740号公報)。この公知の方法においては、
採用する芳香族ジヒドロキシ化合物とアリールキルカー
ボネートとの反応においては、触媒の使用は必ずしも必
要ではないが、反応速度を上げるために、所望に応じエ
ステル交換法に使用される公知の触媒を用いることがで
きるとしている。そのような公知の触媒としては、ジ−
n−ブチルスズオキシドやジ−n−ブチル−ジフェノキ
シスズ等の有機金属化合物が知られているが、これらの
触媒は、反応液中に溶解するため、反応終了後、その反
応生成物からの除去が非常に困難であるという問題を含
む。さらに、有機スズ化合物は、人体に対して強い毒性
を示すので、その使用は好ましいものではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、芳香族ジヒ
ドロキシ化合物とアルキルアリールカーボネートとを反
応させて芳香族ビスアルキル炭酸エステルを製造する方
法において、その反応を円滑に進行させるとともに、反
応後に反応生成物からの分離が容易でかつ人体に対する
毒性のない触媒を用いる方法を提供することをその課題
とする。
ドロキシ化合物とアルキルアリールカーボネートとを反
応させて芳香族ビスアルキル炭酸エステルを製造する方
法において、その反応を円滑に進行させるとともに、反
応後に反応生成物からの分離が容易でかつ人体に対する
毒性のない触媒を用いる方法を提供することをその課題
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、アルカリ金属イオ
ン及び/又はアルカリ土類金属イオンを含有するゼオラ
イトを触媒として用いることにより、前記課題を解決し
得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、アルカリ金属イオ
ン及び/又はアルカリ土類金属イオンを含有するゼオラ
イトを触媒として用いることにより、前記課題を解決し
得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明によれば、芳香族ジヒドロキ
シ化合物と、一般式 R1OCOOAr1 (式中、R1は低級アルキル基を示し、Ar1は反応に不
活性な置換基を有していてもよいアリール基を示す)で
表わされるアルキルアリールフェニルカーボネートを反
応させるに際し、触媒として、アルカリ金属イオン及び
アルカリ土類金属イオンの中から選ばれる少なくとも1
種の金属イオンを含有するゼオライトを用いることを特
徴とする芳香族ビスアルキル炭酸エステルの製造方法が
提供される。
シ化合物と、一般式 R1OCOOAr1 (式中、R1は低級アルキル基を示し、Ar1は反応に不
活性な置換基を有していてもよいアリール基を示す)で
表わされるアルキルアリールフェニルカーボネートを反
応させるに際し、触媒として、アルカリ金属イオン及び
アルカリ土類金属イオンの中から選ばれる少なくとも1
種の金属イオンを含有するゼオライトを用いることを特
徴とする芳香族ビスアルキル炭酸エステルの製造方法が
提供される。
【0007】本発明で反応原料として用いる芳香族ジヒ
ドロキシ化合物は、一般式(2) HO−Ar2−OH (2) で表わされる化合物である。前記式中、Ar2は芳香族
ジヒドロキシ化合物の2価の芳香族残基を示す。芳香族
残基としては、例えば、2価フェノール、2価ナフトー
ル、ジヒドロキシビフェニル、ジヒドロキシピリジン等
の各種の芳香族ジヒドロキシ化合物から誘導されたもの
を上げることができるが、好ましくは、2つのジヒドロ
キシ芳香族化合物が連結基を介して結合した構造の化合
物から誘導されたものである。この場合、連結基として
は、酸素(−O−)、カルボニル基(−CO−)、イオ
ウ(−S−)、スルホニル基(−SO2−)の他、炭素
鎖(アルキレン、シクロアルキレン等)、アミド基等が
挙げられる。また、芳香族ジヒドロキシ化合物は、反応
に悪影響を及ぼさない置換基、例えば、ハロゲン原子、
低級アルキル基、低級アルコキシ基、フェニル基、フェ
ノキシ基、ビニル基、シアノ基、エステル基、アミド
基、ニトロ基等の置換基を1つ以上有することができ
る。
ドロキシ化合物は、一般式(2) HO−Ar2−OH (2) で表わされる化合物である。前記式中、Ar2は芳香族
ジヒドロキシ化合物の2価の芳香族残基を示す。芳香族
残基としては、例えば、2価フェノール、2価ナフトー
ル、ジヒドロキシビフェニル、ジヒドロキシピリジン等
の各種の芳香族ジヒドロキシ化合物から誘導されたもの
を上げることができるが、好ましくは、2つのジヒドロ
キシ芳香族化合物が連結基を介して結合した構造の化合
物から誘導されたものである。この場合、連結基として
は、酸素(−O−)、カルボニル基(−CO−)、イオ
ウ(−S−)、スルホニル基(−SO2−)の他、炭素
鎖(アルキレン、シクロアルキレン等)、アミド基等が
挙げられる。また、芳香族ジヒドロキシ化合物は、反応
に悪影響を及ぼさない置換基、例えば、ハロゲン原子、
低級アルキル基、低級アルコキシ基、フェニル基、フェ
ノキシ基、ビニル基、シアノ基、エステル基、アミド
基、ニトロ基等の置換基を1つ以上有することができ
る。
【0008】芳香族ジヒドロキシ化合物の具体例を示す
と、例えば、4−ヒドロキシフェノール、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−ブタン、ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)−メタン(ビスフェノールF)、2−
メチル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−プ
ロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロ
キシフェニル)−プロパン、ビス(3,5−ジメチル−
4−ヒドロキシフェニル)−スルホン、ビス(3,5−
ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−エーテル、4,
4′−ジヒドロキシベンゾフェノン、1,1−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)−エタン、1−エチル−1,1
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、1,1
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−シクロドデ
カン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−フェニルメタ
ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−ナフチルメタ
ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−(4−イソプロ
ピルフェニル)−メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)−プロパン(ビスフェノールA)、2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−ブタン、2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)−ヘキサン、2,2−
ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)−
プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
ノナン、ジフェニル−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
−メタン、4−メチル−2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)−ペンタン、4,4−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)−ヘプタン、1−ナフチル−1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−エタン、2−メトキシ−
4−(4−ヒドロキシフェニル)イソプロピルフェノー
ル、1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−エタ
ン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニ
ル)−プロパン、2−イソプロピル−4−(4−ヒドロ
キシフェニル)イソプロピルフェノール、2,2−ビス
(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、
2,2−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニ
ル)−プロパン、1,10−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−デカン、ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロ
キシフェニル)−メタン、2,2−ビス(3,5−ジプ
ロモ−4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、1,1−
ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)−
シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)スルフィド、ビス(3−メチル−4−ヒドロキ
シフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
スルホン(ビスフェノールS)、ビス(3−クロロ−4
−ヒドロキシフェニル)−スルホン、ビス(3,5−ジ
メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、1,4−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)−ブタン、1,4−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニルイソプロピル)−ベンゼ
ン、1,4−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニ
ル)−ベンゼン、ビス(4−ヒドロキシフェニルイソプ
ロピル)エーテル、1,4−ビス(4−ヒドロキシフェ
ノキシ)−ベンゼン、1,4−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニルエメチル)−ベンゼン、1,4−ビス(4−ヒド
ロキシフェニルスルホニル)−ベンゼン、ビス(3,5
−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−メタン、ビス
(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−スル
フィド、3,3′,5,5′−テトラメチル−4,4′
−ジヒドロキシベンゾフェノン等が挙げられる。
と、例えば、4−ヒドロキシフェノール、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−ブタン、ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)−メタン(ビスフェノールF)、2−
メチル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−プ
ロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロ
キシフェニル)−プロパン、ビス(3,5−ジメチル−
4−ヒドロキシフェニル)−スルホン、ビス(3,5−
ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−エーテル、4,
4′−ジヒドロキシベンゾフェノン、1,1−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)−エタン、1−エチル−1,1
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、1,1
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−シクロドデ
カン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−フェニルメタ
ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−ナフチルメタ
ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−(4−イソプロ
ピルフェニル)−メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)−プロパン(ビスフェノールA)、2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−ブタン、2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)−ヘキサン、2,2−
ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)−
プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
ノナン、ジフェニル−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
−メタン、4−メチル−2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)−ペンタン、4,4−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)−ヘプタン、1−ナフチル−1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−エタン、2−メトキシ−
4−(4−ヒドロキシフェニル)イソプロピルフェノー
ル、1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−エタ
ン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニ
ル)−プロパン、2−イソプロピル−4−(4−ヒドロ
キシフェニル)イソプロピルフェノール、2,2−ビス
(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、
2,2−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニ
ル)−プロパン、1,10−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−デカン、ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロ
キシフェニル)−メタン、2,2−ビス(3,5−ジプ
ロモ−4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、1,1−
ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)−
シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)スルフィド、ビス(3−メチル−4−ヒドロキ
シフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
スルホン(ビスフェノールS)、ビス(3−クロロ−4
−ヒドロキシフェニル)−スルホン、ビス(3,5−ジ
メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、1,4−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)−ブタン、1,4−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニルイソプロピル)−ベンゼ
ン、1,4−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニ
ル)−ベンゼン、ビス(4−ヒドロキシフェニルイソプ
ロピル)エーテル、1,4−ビス(4−ヒドロキシフェ
ノキシ)−ベンゼン、1,4−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニルエメチル)−ベンゼン、1,4−ビス(4−ヒド
ロキシフェニルスルホニル)−ベンゼン、ビス(3,5
−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−メタン、ビス
(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−スル
フィド、3,3′,5,5′−テトラメチル−4,4′
−ジヒドロキシベンゾフェノン等が挙げられる。
【0009】本発明で反応原料として用いるアルキルア
リールカーボネートは、下記一般式(1)で表わされ
る。 R1OCOO−Ar1 (1) 前記式中、R1は低級アルキル基、特にメチル基又はエ
チル基が好ましく、より好ましくはメチル基である。A
r1はアリール基を示し、フェノールや、ナフトール、
ビスフェノール等のヒドロキシアリール化合物残基であ
る。このアリール基は反応に悪影響を与えない置換基、
例えば、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキ
シ基、フェニル基、フェノキシ基、ビニル基、シアノ
基、エステル基、アミド基、ニトロ基等の置換基を1つ
以上有することができる。
リールカーボネートは、下記一般式(1)で表わされ
る。 R1OCOO−Ar1 (1) 前記式中、R1は低級アルキル基、特にメチル基又はエ
チル基が好ましく、より好ましくはメチル基である。A
r1はアリール基を示し、フェノールや、ナフトール、
ビスフェノール等のヒドロキシアリール化合物残基であ
る。このアリール基は反応に悪影響を与えない置換基、
例えば、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキ
シ基、フェニル基、フェノキシ基、ビニル基、シアノ
基、エステル基、アミド基、ニトロ基等の置換基を1つ
以上有することができる。
【0010】本発明による反応は次の反応式(3)で表
わされる。 HO−Ar2−OH+R1OCOO−Ar1 → R1OCOO−Ar2−OCOOR1+2Ar1OH (3) 前記式中、R1、Ar1及びAr2は前記と同じ意味を有
する。
わされる。 HO−Ar2−OH+R1OCOO−Ar1 → R1OCOO−Ar2−OCOOR1+2Ar1OH (3) 前記式中、R1、Ar1及びAr2は前記と同じ意味を有
する。
【0011】本発明で用いるゼオライト触媒は、アルカ
リ金属イオン及びアルカリ土類金属イオンの中から選ば
れる少なくとも1種の金属イオンを含むものである。ア
ルカリ金属イオンとしては、例えば、ナトリウムイオン
やカリウムイオンが挙げられ、アルカリ土類金属イオン
としては、例えば、カルシウムイオン、マグネシウムイ
オン、バリウムイオン等が挙げられる。本発明で用いる
ゼオライトは、ケイ酸塩(シリケート)を意味し、アル
ミノシリケートやシリカライトの他、アルミノシリケー
ト骨格構造中にガリウムや、鉄、Ti、Cr、B等を含
むアルミノメタロシリケート等が包含される。本発明で
は、アルミノシリケートの使用が好ましい。
リ金属イオン及びアルカリ土類金属イオンの中から選ば
れる少なくとも1種の金属イオンを含むものである。ア
ルカリ金属イオンとしては、例えば、ナトリウムイオン
やカリウムイオンが挙げられ、アルカリ土類金属イオン
としては、例えば、カルシウムイオン、マグネシウムイ
オン、バリウムイオン等が挙げられる。本発明で用いる
ゼオライトは、ケイ酸塩(シリケート)を意味し、アル
ミノシリケートやシリカライトの他、アルミノシリケー
ト骨格構造中にガリウムや、鉄、Ti、Cr、B等を含
むアルミノメタロシリケート等が包含される。本発明で
は、アルミノシリケートの使用が好ましい。
【0012】本発明で用いるゼオライトは、天然ゼオラ
イトまたは合成ゼオライトのいずれでもよいが、所定の
品質を保持する均質性からは、一般に合成ゼオライトが
好ましい。アルミノシリケートからなるゼオライトの場
合、そのSiO2/Al2O3モル比は2〜100、好ま
しくは2〜6、より好ましくは2〜3である。本発明で
用いる好ましいゼオライトとしては、例えば、ゼオライ
トA、ホージャサイト、ゼオライトL、モルデナイト、
オメガ、フェリェライト、ZSM−型ゼオライトのゼオ
ライト等を挙げることができる。本発明において使用す
る触媒は、前記したようにゼオライトのイオン交換サイ
トが、元素周期律表のIa及び/またはIIa族に属す
るアルカリ金属及び/またはアルカリ土類金属でイオン
交換されているアルカリ金属及び/またはアルカリ土類
金属交換ゼオライオである。上記イオン交換されたゼオ
ライト触媒は、ゼオライト合成時に所望のアルカリ金属
及び/またはアルカリ土類金属カチオン(以下、単にア
ルカリ金属等カチオンとする)がイオン交換サイトを占
めている状態で得られるゼオライト、例えば、Na型ゼ
オライト、Na型Yゼオライト等でもよいし、また、イ
オン交換処理操作により所望のアルカリ金属等カチオン
をイオン交換サイトに導入したゼオライトでもよい。更
にまた、本発明の触媒としては、アルカリ金属等のカチ
オンがイオン交換されているゼオライトに、イオン交換
サイトのアルカリ金属等のカチオンとは別に、更に、イ
オン交換サイト以外にも所望のアルカリ金属等のカチオ
ンを存在させたゼオライトを用いることができる。これ
らは、上記イオン交換されているゼオライトに、更に、
含浸法やスプレー法等アルカリ金属等のカチオン含有水
溶液で処理して調製することができる。
イトまたは合成ゼオライトのいずれでもよいが、所定の
品質を保持する均質性からは、一般に合成ゼオライトが
好ましい。アルミノシリケートからなるゼオライトの場
合、そのSiO2/Al2O3モル比は2〜100、好ま
しくは2〜6、より好ましくは2〜3である。本発明で
用いる好ましいゼオライトとしては、例えば、ゼオライ
トA、ホージャサイト、ゼオライトL、モルデナイト、
オメガ、フェリェライト、ZSM−型ゼオライトのゼオ
ライト等を挙げることができる。本発明において使用す
る触媒は、前記したようにゼオライトのイオン交換サイ
トが、元素周期律表のIa及び/またはIIa族に属す
るアルカリ金属及び/またはアルカリ土類金属でイオン
交換されているアルカリ金属及び/またはアルカリ土類
金属交換ゼオライオである。上記イオン交換されたゼオ
ライト触媒は、ゼオライト合成時に所望のアルカリ金属
及び/またはアルカリ土類金属カチオン(以下、単にア
ルカリ金属等カチオンとする)がイオン交換サイトを占
めている状態で得られるゼオライト、例えば、Na型ゼ
オライト、Na型Yゼオライト等でもよいし、また、イ
オン交換処理操作により所望のアルカリ金属等カチオン
をイオン交換サイトに導入したゼオライトでもよい。更
にまた、本発明の触媒としては、アルカリ金属等のカチ
オンがイオン交換されているゼオライトに、イオン交換
サイトのアルカリ金属等のカチオンとは別に、更に、イ
オン交換サイト以外にも所望のアルカリ金属等のカチオ
ンを存在させたゼオライトを用いることができる。これ
らは、上記イオン交換されているゼオライトに、更に、
含浸法やスプレー法等アルカリ金属等のカチオン含有水
溶液で処理して調製することができる。
【0013】ゼオライト触媒の使用形態は、特に制限さ
れるものではなく、通常、パウダー状や、粒状、球状、
ペレット状、ビーズ状等の成形体として用いることがで
きる。ゼオライト成形体は、粘土鉱物、アルミナ等のバ
インダーを加えて、押出成形や、スプレードライ、打錠
成形、転動造粒、油中造粒等の方法で、粒状、球状、ペ
レット状等に成形して得ることができる。また、ゼオラ
イト触媒は、必要に応じ、触媒補助成分として、スズ、
鉛、亜鉛、チタン等の金属成分を担持させることができ
る。ゼオライト触媒の使用量は、反応混合物と触媒の分
離が可能なので、任意の量を選ぶことができるが、好ま
しくは芳香族ジヒドロキシ化合物に対し0.1〜50重
量%、より好ましくは0.3〜30重量%の範囲で選ば
れる。
れるものではなく、通常、パウダー状や、粒状、球状、
ペレット状、ビーズ状等の成形体として用いることがで
きる。ゼオライト成形体は、粘土鉱物、アルミナ等のバ
インダーを加えて、押出成形や、スプレードライ、打錠
成形、転動造粒、油中造粒等の方法で、粒状、球状、ペ
レット状等に成形して得ることができる。また、ゼオラ
イト触媒は、必要に応じ、触媒補助成分として、スズ、
鉛、亜鉛、チタン等の金属成分を担持させることができ
る。ゼオライト触媒の使用量は、反応混合物と触媒の分
離が可能なので、任意の量を選ぶことができるが、好ま
しくは芳香族ジヒドロキシ化合物に対し0.1〜50重
量%、より好ましくは0.3〜30重量%の範囲で選ば
れる。
【0014】本発明の方法を実施する場合、アルキルア
リールカーボネートは、芳香族ジヒドロキシ化合物1モ
ル当り、2〜10モル、好ましくは2.1〜5モルの割
合である。反応温度は特に制約されず、反応原料に応じ
て種々変化させ得るが、一般的には、80〜350℃、
好ましくは100〜250℃である。反応圧力として
は、減圧常圧又は加圧共に採用することができるが、好
ましくは常圧ないし減圧で、生成するヒドロキシアリー
ル化合物を反応系外に除去しながら行なう方法がとられ
る、また必要に応じて、ヒドロキシアリール化合物と同
伴して、系外に留出されるアルキルアリールカーボネー
ト類を系内へ循環することも行なわれる。本発明におい
て、ビスフェノールAとメチルフェニルカーボネート
(CH3OCOOC6H5)とを反応させる場合、反応温
度としては、100〜250℃、好ましくは130〜2
20℃の温度が採用され、反応圧力としては、0.01
〜2.0気圧、好ましくは0.02〜1.0気圧が採用
される。
リールカーボネートは、芳香族ジヒドロキシ化合物1モ
ル当り、2〜10モル、好ましくは2.1〜5モルの割
合である。反応温度は特に制約されず、反応原料に応じ
て種々変化させ得るが、一般的には、80〜350℃、
好ましくは100〜250℃である。反応圧力として
は、減圧常圧又は加圧共に採用することができるが、好
ましくは常圧ないし減圧で、生成するヒドロキシアリー
ル化合物を反応系外に除去しながら行なう方法がとられ
る、また必要に応じて、ヒドロキシアリール化合物と同
伴して、系外に留出されるアルキルアリールカーボネー
ト類を系内へ循環することも行なわれる。本発明におい
て、ビスフェノールAとメチルフェニルカーボネート
(CH3OCOOC6H5)とを反応させる場合、反応温
度としては、100〜250℃、好ましくは130〜2
20℃の温度が採用され、反応圧力としては、0.01
〜2.0気圧、好ましくは0.02〜1.0気圧が採用
される。
【0015】本発明により芳香族ジヒドロキシ化合物と
アルキルアリールカーボネートを反応させる場合、アル
キルアリールカーボネートの反応圧力での沸点が、芳香
族ジヒドロキシ化合物を含む反応液の溶融点よりも高い
場合には、芳香族ジヒドロキシ化合物を含む反応液の溶
融点以上でかつアルキルアリールカーボネートの反応圧
力での沸点以下の温度において、両者の化合物を溶融混
合状態に保持して反応を減圧ないし常圧下で行うのが好
ましい。また、アルキルアリールカーボネートの反応圧
力での沸点が、芳香族ジヒドロキシ化合物を含む反応液
の溶融点よりも低い場合には、芳香族ジヒドロキシ化合
物を含む反応液の溶融点よりも反応圧力で高い沸点を有
する有機溶媒を存在させ、芳香族ジヒドロキシ化合物と
アルキルアリールカーボネートを溶液状で常圧下で反応
させるのが好ましい。有機溶媒としては、反応原料であ
る芳香族ジヒドロキシ化合物とアルキルアリールカーボ
ネートの両者に対して溶解性を示す溶媒であればどのよ
うなものでも使用することができる。このような有機溶
媒としては、ジフェニルエーテル(常圧沸点;bp:2
52℃)、β−ナフチルエチルエーテル(bp:282
℃)、β−ナフチルメチルエーテル(bp:274
℃)、キノリン(bp:237℃)、イミダゾール(b
p:257℃)、2−フェニルイミダゾール(198℃
/7mmHg)等が挙げられる。有機溶媒の使用量は、
反応原料である芳香族ジヒドロキシ化合物及びアルキル
アリールカーボネートを溶解させるのに必要量であれば
よく、一般には、両者の合計量が溶媒1重量部に対し、
0.01〜0.7重量部、好ましくは0.02〜0.5
重量部である。このような有機溶媒を用いる反応におい
て、反応後、反応生成物をその有機溶媒の沸点以上に加
熱することにより、有機溶媒を反応生成物から除去する
ことができる。
アルキルアリールカーボネートを反応させる場合、アル
キルアリールカーボネートの反応圧力での沸点が、芳香
族ジヒドロキシ化合物を含む反応液の溶融点よりも高い
場合には、芳香族ジヒドロキシ化合物を含む反応液の溶
融点以上でかつアルキルアリールカーボネートの反応圧
力での沸点以下の温度において、両者の化合物を溶融混
合状態に保持して反応を減圧ないし常圧下で行うのが好
ましい。また、アルキルアリールカーボネートの反応圧
力での沸点が、芳香族ジヒドロキシ化合物を含む反応液
の溶融点よりも低い場合には、芳香族ジヒドロキシ化合
物を含む反応液の溶融点よりも反応圧力で高い沸点を有
する有機溶媒を存在させ、芳香族ジヒドロキシ化合物と
アルキルアリールカーボネートを溶液状で常圧下で反応
させるのが好ましい。有機溶媒としては、反応原料であ
る芳香族ジヒドロキシ化合物とアルキルアリールカーボ
ネートの両者に対して溶解性を示す溶媒であればどのよ
うなものでも使用することができる。このような有機溶
媒としては、ジフェニルエーテル(常圧沸点;bp:2
52℃)、β−ナフチルエチルエーテル(bp:282
℃)、β−ナフチルメチルエーテル(bp:274
℃)、キノリン(bp:237℃)、イミダゾール(b
p:257℃)、2−フェニルイミダゾール(198℃
/7mmHg)等が挙げられる。有機溶媒の使用量は、
反応原料である芳香族ジヒドロキシ化合物及びアルキル
アリールカーボネートを溶解させるのに必要量であれば
よく、一般には、両者の合計量が溶媒1重量部に対し、
0.01〜0.7重量部、好ましくは0.02〜0.5
重量部である。このような有機溶媒を用いる反応におい
て、反応後、反応生成物をその有機溶媒の沸点以上に加
熱することにより、有機溶媒を反応生成物から除去する
ことができる。
【0016】本発明で反応原料として用いるアルキルア
リールカーボネートの沸点が芳香族ジヒドロキシ化合物
を含む反応液の溶融点より低い場合、反応圧力として、
そのアルキルアリールカーボネートを液相に保持する圧
力を採用することにより、反応系を液相(溶融混合状
態)に保持して行うことができる。この反応において
は、有機溶媒を使用する必要がないことから、得られる
反応生成物の精製処理が容易である。
リールカーボネートの沸点が芳香族ジヒドロキシ化合物
を含む反応液の溶融点より低い場合、反応圧力として、
そのアルキルアリールカーボネートを液相に保持する圧
力を採用することにより、反応系を液相(溶融混合状
態)に保持して行うことができる。この反応において
は、有機溶媒を使用する必要がないことから、得られる
反応生成物の精製処理が容易である。
【0017】本発明による芳香族ジヒドロキシ化合物と
アルキルアリールカーボネートの反応は、通常の反応
器、例えば、撹拌機を備えたステンレススチール製反応
釜等を用いて行うことができるが、好ましくは反応器と
蒸留塔を結合させた反応蒸留塔を用いることにより有利
に行うことができる。反応蒸留塔を用いて本発明を実施
する場合、反応原料である芳香族ジヒドロキシ化合物と
アルキルアリールカーボネートは、その反応蒸留塔の反
応器に装入し、加熱下で反応させる。そして、この反応
で生成したヒドロキシアリール化合物(Ar1OH)
は、反応生成物からこれを選択的に分離するために、そ
の反応器に結合された蒸留塔を介して、蒸留塔の塔頂物
として系外へ分離し、回収する。このようにして、反応
で副生するヒドロキシアリール化合物を系外へ分離しな
がら反応を行うことにより、目的生成物である芳香族ビ
スアルキル炭酸エステルを収率よく得ることができる。
また、反応生成物中に残留している未反応のアルキルア
リールカーボネートは、反応終了後、反応蒸留塔の温度
を上げ、蒸留塔の塔頂物として分離回収する。これによ
り、未反応アルキルアリールカーボネートを含まない高
純度の芳香族ビスアルキル炭酸エステルを得ることがで
きる。
アルキルアリールカーボネートの反応は、通常の反応
器、例えば、撹拌機を備えたステンレススチール製反応
釜等を用いて行うことができるが、好ましくは反応器と
蒸留塔を結合させた反応蒸留塔を用いることにより有利
に行うことができる。反応蒸留塔を用いて本発明を実施
する場合、反応原料である芳香族ジヒドロキシ化合物と
アルキルアリールカーボネートは、その反応蒸留塔の反
応器に装入し、加熱下で反応させる。そして、この反応
で生成したヒドロキシアリール化合物(Ar1OH)
は、反応生成物からこれを選択的に分離するために、そ
の反応器に結合された蒸留塔を介して、蒸留塔の塔頂物
として系外へ分離し、回収する。このようにして、反応
で副生するヒドロキシアリール化合物を系外へ分離しな
がら反応を行うことにより、目的生成物である芳香族ビ
スアルキル炭酸エステルを収率よく得ることができる。
また、反応生成物中に残留している未反応のアルキルア
リールカーボネートは、反応終了後、反応蒸留塔の温度
を上げ、蒸留塔の塔頂物として分離回収する。これによ
り、未反応アルキルアリールカーボネートを含まない高
純度の芳香族ビスアルキル炭酸エステルを得ることがで
きる。
【0018】
【発明の効果】本発明においては、ゼオライト触媒を用
いることから、芳香族ジヒドロキシ化合物とアルキルア
リールカーボネートとの反応を円滑に進行させることが
できる。本発明で用いるゼオライト触媒は、反応後、反
応生成物から容易に分離することができるために、その
使用量は限定されず、反応を促進させるために多量に使
用することが可能である。しかも、このゼオライト触媒
は、従来の有機スズ化合物触媒とは異なり、安全性の非
常に高いものである。
いることから、芳香族ジヒドロキシ化合物とアルキルア
リールカーボネートとの反応を円滑に進行させることが
できる。本発明で用いるゼオライト触媒は、反応後、反
応生成物から容易に分離することができるために、その
使用量は限定されず、反応を促進させるために多量に使
用することが可能である。しかも、このゼオライト触媒
は、従来の有機スズ化合物触媒とは異なり、安全性の非
常に高いものである。
【0019】
【実施例】次に本発明を実施例により詳述する。
【0020】実施例1 冷却機及び撹拌器を備えた容量300mlのフラスコ
に、ビスフェノールA(m.p.:156℃)45.6
g(0.2モル)と、メチルフェニルカーボネート(沸
点約212℃)76g(0.5モル)及び乾燥処理した
SiO2/Al2O3モル比が2のA型ゼオライトのカリ
ウム(K)イオン交換ゼオライト粉末(ユニオン昭和社
製、ゼオライト3A)を12.16g入れ、その内部を
窒素で置換させた後、撹拌しながら温度150℃で反応
を行なった。反応5分後の反応混合物を分析した結果、
ビスフェノールAビスメチル炭酸エステルの収率は、ビ
スフェノールA基準で31.1%であった。
に、ビスフェノールA(m.p.:156℃)45.6
g(0.2モル)と、メチルフェニルカーボネート(沸
点約212℃)76g(0.5モル)及び乾燥処理した
SiO2/Al2O3モル比が2のA型ゼオライトのカリ
ウム(K)イオン交換ゼオライト粉末(ユニオン昭和社
製、ゼオライト3A)を12.16g入れ、その内部を
窒素で置換させた後、撹拌しながら温度150℃で反応
を行なった。反応5分後の反応混合物を分析した結果、
ビスフェノールAビスメチル炭酸エステルの収率は、ビ
スフェノールA基準で31.1%であった。
【0021】実施例2 実施例1において、カリウム(K)イオン交換ゼオライ
トに代えてナトリウム(Na)イオン交換ゼオライト
(ユニオン昭和社製、ゼオライト4A)を用いた以外は
同様にして実験を行った。反応5分後の反応混合物を分
析した結果、ビスフェノールAビスメチル炭酸エステル
の収率は、ビスフェノールA基準で35.0%であっ
た。
トに代えてナトリウム(Na)イオン交換ゼオライト
(ユニオン昭和社製、ゼオライト4A)を用いた以外は
同様にして実験を行った。反応5分後の反応混合物を分
析した結果、ビスフェノールAビスメチル炭酸エステル
の収率は、ビスフェノールA基準で35.0%であっ
た。
【0022】比較例1 実施例1において、カリウム(K)イオン交換ゼオライ
トに代えジブチルスズオキシ0.125gを用いた以外
は同様にして実験を行った。この反応において反応時
間:5時間において、ビスフェノールAビスメチル炭酸
エステルの収率はビスフェノールA基準で17.0%で
あった。この場合、触媒として用いたジブチルスズオキ
シドは、反応生成物中に溶解し、その分離は不可能であ
った。
トに代えジブチルスズオキシ0.125gを用いた以外
は同様にして実験を行った。この反応において反応時
間:5時間において、ビスフェノールAビスメチル炭酸
エステルの収率はビスフェノールA基準で17.0%で
あった。この場合、触媒として用いたジブチルスズオキ
シドは、反応生成物中に溶解し、その分離は不可能であ
った。
【0023】実施例3 撹拌器を有する内容積1リットルの蒸留フラスコに、ビ
スフェノールA285g(1.25モル)と、メチルフ
ェニルカーボネート475g(3.125モル)及びナ
トリウムイオン交換ゼオライト38.0gを入れ、その
内部を窒素で置換させた後、温度:150℃、圧力:1
00torrの条件で、副生するフェノール(6P:1
82℃)を留去させながら8時間反応を行った。その間
反応温度を180℃まで順次昇温した。その後、残存す
るメチルカーボネートを完全に留去するため、反応温度
200℃、圧力:20torrで1時間保持した。この
ものは分析の結果、ビスフェノールAビスメチル炭酸エ
ステルの収率はビスフェノールA基準で98%であっ
た。
スフェノールA285g(1.25モル)と、メチルフ
ェニルカーボネート475g(3.125モル)及びナ
トリウムイオン交換ゼオライト38.0gを入れ、その
内部を窒素で置換させた後、温度:150℃、圧力:1
00torrの条件で、副生するフェノール(6P:1
82℃)を留去させながら8時間反応を行った。その間
反応温度を180℃まで順次昇温した。その後、残存す
るメチルカーボネートを完全に留去するため、反応温度
200℃、圧力:20torrで1時間保持した。この
ものは分析の結果、ビスフェノールAビスメチル炭酸エ
ステルの収率はビスフェノールA基準で98%であっ
た。
フロントページの続き (72)発明者 上田 一彰 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央二丁目12番 1号 千代田化工建設株式会社内 (72)発明者 山本 進 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央二丁目12番 1号 千代田化工建設株式会社内 (72)発明者 近藤 忠美 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央二丁目12番 1号 千代田化工建設株式会社内
Claims (6)
- 【請求項1】 芳香族ジヒドロキシ化合物と、一般式 R1OCOOAr1 (式中、R1は低級アルキル基を示し、Ar1は反応に不
活性な置換基を有していてもよいアリール基を示す)で
表わされるアルキルアリールフェニルカーボネートを反
応させるに際し、触媒として、アルカリ金属イオン及び
アルカリ土類金属イオンの中から選ばれる少なくとも1
種の金属イオンを含有するゼオライトを用いることを特
徴とする芳香族ビスアルキル炭酸エステルの製造方法。 - 【請求項2】 ゼオライトにおけるSiO2/Al2O3
モル比が2〜6である請求項1の方法。 - 【請求項3】 反応で副生するヒドロキシアリール化合
物を反応系外へ留去させながら反応を行う請求項1又は
2の方法。 - 【請求項4】 反応装置として、蒸留塔と反応容器を結
合させた反応蒸留塔を用い、反応で副生するヒドロキシ
アリール化合物をその蒸留塔の塔頂物として分離しなが
ら反応を行う請求項1〜3のいずれかの方法。 - 【請求項5】 有機溶媒の存在下で反応を行う請求項1
〜4のいずれかの方法。 - 【請求項6】 芳香族ジヒドロキシ化合物がビスフェノ
ールAであり、アルキルアリールカーボネートがメチル
フェニルカーボネートである請求項1〜5のいずれかの
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5350270A JPH0748320A (ja) | 1993-06-04 | 1993-12-29 | 芳香族ビスアルキル炭酸エステルの製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5-160370 | 1993-06-04 | ||
JP16037093 | 1993-06-04 | ||
JP5350270A JPH0748320A (ja) | 1993-06-04 | 1993-12-29 | 芳香族ビスアルキル炭酸エステルの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0748320A true JPH0748320A (ja) | 1995-02-21 |
Family
ID=26486906
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5350270A Pending JPH0748320A (ja) | 1993-06-04 | 1993-12-29 | 芳香族ビスアルキル炭酸エステルの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0748320A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5922888A (en) * | 1995-03-31 | 1999-07-13 | Mitsui Petrochemical Industries, Ltd. | Process for removal of diol as impurity in cyclic carbonic acid ester |
-
1993
- 1993-12-29 JP JP5350270A patent/JPH0748320A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5922888A (en) * | 1995-03-31 | 1999-07-13 | Mitsui Petrochemical Industries, Ltd. | Process for removal of diol as impurity in cyclic carbonic acid ester |
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