JPH0748245B2 - 磁気ヘッド - Google Patents

磁気ヘッド

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JPH0748245B2
JPH0748245B2 JP25778692A JP25778692A JPH0748245B2 JP H0748245 B2 JPH0748245 B2 JP H0748245B2 JP 25778692 A JP25778692 A JP 25778692A JP 25778692 A JP25778692 A JP 25778692A JP H0748245 B2 JPH0748245 B2 JP H0748245B2
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head
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信夫 小林
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高保磁力磁気記録媒体と
組み合せて使用するに適した磁気ヘッドに係り、特に、
高飽和磁束密度の磁性合金膜を使用して構成することに
より、短い記録波長で、高保磁力の磁気記録媒体に記録
再生を行なうのに好適な磁気ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、高飽和磁束密度を有する磁気ヘッ
ドコア材はセンダスト(Fe−Al−Si合金)のよう
な合金のバルク材を用いていた。しかし、金属磁性材を
コア材に用いた場合、渦電流損失が問題となり、高周波
領域における透磁率が得られない欠点があった。そのた
め、薄膜形成技術を用いて、金属磁性材と絶縁体を交互
に積層して多層膜としたものをコア材とする検討が盛ん
に行なわれるようになった。この種の磁気ヘッドは図
1,図2に示すものが提案されている。
【0003】すなわち、その一つは図1に示すように、
非磁性基板10,10′の上に磁性合金を周知の薄膜形
成方法により多数層に積層した磁性合金膜11、11′
を形成し、これを分割して、コイル巻線窓12を設け、
次にギャップ形成面を鏡面研摩した後、非磁性膜を介し
て接合して磁気ヘッドコアとし、あるいは数個取りのコ
アブロックとし、これから磁気ヘッドコアを切り出して
いた(例えば特開昭48−3609号公報)。
【0004】このように平面的に形成する磁気磁気ヘッ
ドは1個1個を突き合せる方法によって作製せざるを得
ないので、生産性が低く、また、製品の特性ばらつきが
大きいという欠点があった。
【0005】一方、図2に示す磁気ヘッドは、従来のフ
ェライトコア20,20′の作動ギャップ近傍部が磁気
的に飽和しないようにするために、作動ギャップ21の
近傍部のみを飽和磁束密度の大きい金属磁性膜22,2
2′をもって構成した金属磁性合金膜−フェライトの複
合ヘッドである(例えば特開昭56−41517号公
報)。このような構造の磁気ヘッドは、前者に比して生
産性は格段に良好であるが、フェライトと金属磁性膜の
境界部23,23′が作動ギャップ21と平行部を有す
ると境界部が疑似ギャップとして作動する欠点があっ
た。
【0006】また、特開昭56−169214号公報に
はフェライトと金属磁性膜の境界部が作動ギャップと平
行部を持たないように構成された磁気ヘッドが提案され
ている。
【0007】しかし、上記従来技術には、特性上、次の
ような欠点のあることが判った。
【0008】すなわち、前述した複合型磁気ヘッドは、
その大部分がフェライトで構成されており、フェライト
の摺動雑音が大きいこと、特に高周波領域(8MHz以
上)で大きな雑音を生じることが判った。また、コアの
大部分がフェライトで構成されているため、励磁用のコ
イル巻線を多くするとインダクタンスが大きくなってし
まって巻線を多くできないという欠点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来の欠
点を解決し、広帯域において好適な記録再生特性を有
し、摺動雑音が小さく耐摩耗性にも優れ、疑似ギャップ
の問題を回避し、しかも、量産性に適した磁気ヘッドお
よびその製造方法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本願発明の磁気ヘッド
は、先端が対向する略V字形状の屋根型突起部を有する
1対の非磁性フェライト、Al23、ガラス、セラミッ
ク等からなる非磁性部材と、非磁性部材の屋根型突起部
斜面上に形成されてなり実質的に閉磁路を形成する磁性
膜と、1対の非磁性部材の屋根型突起部先端の磁性膜に
挟まれる非磁性ギャップ材とを有し、V字形状の屋根型
突起部側面及び磁性膜の断面により記録媒体対抗面が形
成され、磁性膜と非磁性ギャップ材の接合面は上記記録
媒体対抗面と略垂直な平面であることを特徴とする。
【0011】通常、1対の非磁性部材の屋根型突起部斜
面同志の間に形成される空隙に、ガラスなどの非磁性充
填材を充填して、接合、補強する。
【0012】さらに、磁性膜と非磁性充填材の間に非磁
性保護膜を形成し、また、磁性膜の上もしくは上下に非
磁性金属膜を形成する。
【0013】非磁性金属膜はCu,Al,CuAg等か
ら選ばれる。非磁性保護膜はAl23等からなる。
【0014】
【作用】磁性膜が、V字状に対応する形状の突起部を有
する1対の非磁性部材上に形成され、この磁性膜が突起
部で突き合わされて作動ギャップを形成しているため、
磁性膜と非磁性部材の境界部が作動ギャップと平行な部
分が少なく、疑似ギャップの心配が少ない。さらに磁気
ヘッドの大部分が非磁性体であるため、フェライト雑音
やインダクタンス増大の問題もない。
【0015】本発明において注意を要することは、本発
明においては従来のヘッドと異なりフェライトを使用せ
ずヘッドの大部分が非磁性体であるため、実質上磁路を
形成するのは金属磁性体膜のみであるということであ
る。従って金属磁性体膜はそれのみで効率的に磁路を形
成するような形状、構造をとる必要がある。また、磁路
に磁束を発生させるため、金属磁性体膜自体がコイル巻
線と磁気的に結合する必要がある。
【0016】磁性膜を被着する非磁性部材は耐摩性を有
する、非磁性フェライト,Al23,高融点ガラスある
いは一般に知られているセラミックス等の非磁性基板が
用いられる。非磁性部材の側面に設けられた磁性膜の上
にさらに保護材として非磁性保護膜を設けることによっ
て、磁気ヘッドの耐摩耗性を確保するのに効果があり、
また、ヘッド製造工程で行なわれるガラス接合等の工程
において磁性膜とガラスとの反応を保護する効果があ
る。
【0017】また、磁性膜の下層,上層面にCu,A
l,CuAg合金等高導電材料を設けることによって作
動ギャップ以外の部分での漏洩磁束の損失を少なくする
ことができ、磁性膜のみで十分な磁束を流すことのでき
る磁路を形成可能である。
【0018】また、本発明では磁性膜がコイル巻線と磁
気的に結合するためのコイル巻線窓を有する。コイル巻
線窓の様な複雑な形状を有する磁性膜は、単純な平面に
形成された膜と異なり形成上特性が不均一になりやす
い。本発明では磁路の実効的断面積が小さいため、磁路
を形成する磁性膜の特性の不均一は好ましくない。この
点、非晶質磁性膜を磁性膜に用いれば、磁性膜の形成過
程における結晶粒の疎密、欠陥の問題が解消され、均一
な特性が得られるため、本発明に特に好適である。
【0019】本発明の磁気ヘッドは、高飽和磁束密度の
金属磁性体膜で磁気回路が構成され、周囲の保護材を非
磁性材として摺動雑音の低減を図り、非磁性部材はフェ
ライトと同等又はそれ以上の耐摩耗性材料とすることに
よって長寿命化を図るようにしてある。さらに、本発明
の磁気ヘッドは薄膜形成技術を用いて製造することがで
き、量産性に適したヘッド構造を有するものである。
【0020】製造工程においては、大きな非磁性基板に
多数の突起部を形成するための溝を形成し、この面に金
属磁性体膜を形成し、その突起部がギャップ突き合せ部
となり、従来のフェライト磁気ヘッドの製造工程の大部
分がそのまま使用可能となり、同時に多数の磁気ヘッド
コアが得られる。また、突起部の両側面に形成された金
属磁性体膜の厚みの和をトラック幅とすれば、従来の平
面形状に金属磁性体膜を形成した図1に示すタイプの磁
気ヘッドより、短時間に目的の厚みが得られる。
【0021】磁性膜は飽和磁束密度が高く(好ましくは
8000ガウス以上)、且つ磁歪が0付近の高透磁率材
料であれば何でもよいが、代表的なものとしては周知の
Fe−Si合金、Fe−Al−Si合金(いわゆるセン
ダスト系合金)、Ni−Fe合金(いわゆるパーマロイ
系合金)および各種の高透磁率非晶質合金等を挙げるこ
とができる。透磁率は高い程よいが、通常、少なくとも
5MHzで500以上とする。また、例えばSiO2
Al23のような非磁性絶縁体からなる厚さ100Å〜
1μmの非磁性体層と磁性膜とを交互に積層した磁性体
でもよい。磁性膜の厚さは、ほぼトラック幅の1/2程
度とするが、その磁気ヘッドのトラック幅および、必要
とする磁性膜の記録媒体摺動方向におけるV字型の凸状
部の厚さ(図7のtmに相当)との関連で定めるものと
する。磁性膜のV字型の凸状部の厚さは、通常0μm〜
50μmとする。
【0022】このように、磁性体層と非磁性体層を交互
に積層することにより磁気特性を向上せしめることがで
きる。
【0023】上述した本発明の、磁気ヘッドは、例えば
i)少なくとも一対のコアブロックが得られ、多数のヘ
ッドコアが得られる非磁性ブロックのギャップ形成側の
面にコイル巻線用の窓となる溝を形成する工程、ii)工
程i)を終了した前記非磁性ブロックのギャップ形成側
の面に、前記コイル巻線用溝とほぼ直交するように中央
部に突起を挾持するように隣接し、少なくともコイル巻
線用溝より深い2本の溝を1組とする溝を平行に複数本
設ける工程、iii)工程 ii)を終了した前記非磁性ブロ
ックのギャップ形成側の面の少なくとも前記溝面上に高
透磁率金属磁性体を被着せしめる工程、iv)前記金属磁
性体が表面に被着されている前記溝に非磁性材を充填す
る工程、v)前記非磁性材ならびに金属磁性体の不要部
を除去し、所定のトラック幅を有するギャップ形成面を
露呈せしめる工程、vi)工程v)を終了したブロックを
一対の磁気ヘッドコアブロックとなるように切断する工
程、vii)工程 vi)を終了した前記1対のコアブロック
の少なくとも一方のギャップ形成側の面に所要の厚さの
非磁性層を形成する工程、viii)工程 vii)を終了した
前記1対のコアブロックのギャップ形成面を相対峙せし
め、互に接合して一体化する工程、およびix)接合され
た前記ブロックを所定の位置にて切断し、複数個の磁気
ヘッドコアを得る工程を有する製造方法により容易に製
造することができる。
【0024】工程 ii)において、前記V字状の溝は、
前記ブロックのギャップ形成側の面の一つの稜から他の
稜にかけて縦断するように設け、工程i)のコイル巻線
用溝より深く形成される。
【0025】工程iii)において、金属磁性体を被着後
上面に非磁性保護膜を被着することによって、ヘッド製
造工程において金属磁性体を保護することができる。
【0026】工程iii)において、金属磁性体の上面も
しくは上下面に高電導性の非磁性金属を被着することに
よって作動ギャップ以外の部分での漏洩磁束を防ぐこと
ができる。また、さらにその上に非磁性絶縁膜を形成し
てもよい。
【0027】工程 iv)において、非磁性充填材はガラ
スを溶融して充填してもよく、スパッタリング等の方法
で充填することもできる。
【0028】その他、本発明の磁気ヘッドならびにその
製造方法において、本明細書に記載してないことは、す
べて従来技術を踏襲するものである。
【0029】また、磁気ヘッドの製造工程の順序は特に
規定するものではない。
【0030】
【実施例】以下、本発明の磁気ヘッドの構造および製造
方法について実施例によって詳しく説明する。
【0031】図3は本発明の代表例を示す磁気ヘッドの
斜視図である。30,30′はコア保護材で非磁性材料
が用いられる。耐摩耗性を有することが必要条件となる
ので、非磁性フェライト,セラミック,硬質ガラス等の
中から、金属磁性体の種類によって熱膨張係数の近いも
のが選ばれる。31,31′はヘッドコアを形成する金
属磁性体からなり、Fe−Si,Fe−Al−Si,N
i−Feの結晶質合金もしくは非晶質合金(Fe−Co
−Si−B系,Co−Mo−Zr系,Co−Nb−Zr
系,Co−W−Zr系,Co−Cr−Zr系,Co−Z
r−B系,Co−Ni−Zr系)等で構成されており、
それぞれ、ほぼ磁歪零近傍の組成を有するもので、スパ
ッタリング、真空蒸着等の手段で形成される。32,3
2′はコアおよび磁性膜の保護材で、ガラスを溶融して
充填する。33はギャップ突き合せでトラック幅に対応
する平坦部を有する略V字状の金属磁性体膜がその凸状
部においてギャップ幅に対応する非磁性膜を介して突き
合せた作動ギャップ部である。このような構造にするこ
とによって、金属磁性体膜の作動ギャップ面と他端部に
平行部を持たせないため、アジマス損失によってクロス
トークの減少が図られている。なお、34はコイル巻線
用窓である。
【0032】図4は本発明の他の磁気ヘッドの構造を示
す斜視図である。基本的な構造は図3と同様である。図
3の35,35′に示すように金属磁性体を被着した後
に、非磁性材を高速スパッタリングによって被着し、ヘ
ッドコアの一部32,32′で接合することによって金
属磁性体の保護および耐摩耗性向上に効果がある。この
ようにすれば、高融点のガラスを充填することができ、
さらにガラス以外の非磁性材を用いることができる。場
合によっては32,32′のガラス接合をギャップ面お
よび、コイル巻線窓の一部で行なうこともできる。な
お、それぞれ付記した符号は図3と同一である。
【0033】なお、図3、図4において、巻線コイルの
表示は省略した。
【0034】以下本発明の前記磁気ヘッドの種々の製造
方法を実施例によって詳細に説明する。
【0035】本発明の基本的な製造方法の各工程の説明
図を図5、図6に示す。
【0036】i)図5(イ)は非磁性フェライトよりな
るブロック40のギャップ突き合せ面となる面41にコ
イル巻線用の溝42を設ける工程である。溝は先端が台
形に成形されたメタルボンド砥石もしくはレジンボンド
砥石が用いられ、高速ダイサ等によって加工される。こ
の時の溝深さhは0.3mmとした。なお、非磁性体ブ
ロックの形状は一対のコアブロックとなる形状を示して
ある。寸法は、a=2mm,b=15mm,c=6mm
とした。(以下、図5(イ),図5(ロ)等に対応する
工程を工程(イ),工程(ロ)等とする)。
【0037】ii)工程(ロ)は前記ブロック40に形成
した、コイル巻線溝42に直交して、略V字状の突起部
を残して隣接する2本の溝43,43′を組とする複数
組の溝を平行に設ける工程である。溝43,43′の深
さは少なくともコイル巻線溝42の深さhより深くして
おく。ここでは、h=0.3mmに対して、H=0.4
〜1mmとした。また、突起部の角度θは5〜20°と
した。この角度θは切断した後の磁気ヘッドコア幅を狭
くするときは、狭くする必要がある。好適には7°〜1
5°となる。
【0038】iii)工程(ハ)は工程(ロ)で得られた
溝部を含め突起部全面に金属磁性体膜44をスパッタリ
ングによって堆積させる工程である。金属磁性体はFe
−Si合金、Fe−Al−Si合金(センダスト)、N
i−Fe合金(パーマロイ)等で代表される結晶質合金
であり、非晶質合金はCo−Fe−Si−B系で代表さ
れる周知のメタル−メタロイド系合金やCo−Mo−Z
r,Co−Nb−Zr,Co−W−Zr,Co−Ti等
の周知のメタル−メタル系合金系が用いられる。なお、
上述した磁性合金膜の被着形成の方法ならびに条件は一
例をあげると次のとおりである。
【0039】被着方法:マグネトロン型スパッタ装置 被着磁性合金:Co87Nb5Zr8非晶質合金 ターゲット電圧:1kV アルゴンガス圧:5×10-3Torr 被着時基板温度:50〜100℃ 被着速度:6μm/hr 被着膜厚:25μm 被着法は他に真空蒸着、イオンプレーティング、化学蒸
着あるいはメッキ法等でも可能であるが、限られた金属
しかできないことや組成変動が大きい等の難点があり、
スパッタリング法が適している。また、スパッタリング
法は付着強度が高く、溝部にも廻り込みがよいという利
点があり本発明法に対して適している。金属磁性体膜の
堆積は、必要ならば、前述のように非磁性物質と交互に
積層した多層膜としてもよい。
【0040】iv)工程(ニ)は工程(ハ)で得られた金
属磁性体膜44の上に少なくとも残りの溝部が埋まる程
度に非磁性材45を充填する工程である。非磁性材45
はガラス,セラミック系の無機接着材あるいは硬質の樹
脂が用いられる。安定性の面からガラスが適している。
ガラス材は金属磁性体膜44が結晶質合金であれば、作
業温度が800℃以下の広い範囲で選ぶことが可能であ
る。一方非晶質合金の場合は少なくとも結晶化温度以下
のものが選ばれ、一般に、作業温度が500℃以下の低
融点ガラスにする必要がある。
【0041】v)工程(ホ)は工程(ニ)で得られたブ
ロックの不要の非磁性材および金属磁性体膜を除去し、
所要のトラック幅tの金属磁性体膜からなる作動ギャッ
プ形成面を露呈させる工程である。除去法は研削および
研摩によって行なわれ、ギャップ突き合せ面を同時に得
るため、最終仕上げは鏡面研摩面とする。トラック幅は
非磁性体の突起部が現われない範囲で任意に設定するこ
とが可能である。次に、ブロック40を一点鎖線Aで切
断し、一対のコアブロック47,48を得る。vi)工程
(ヘ)は工程(ホ)で得られた一対のコアブロック4
7,48のギャップ形成面(コアブロック突き合せ面)
にSiO2、ガラス等の非磁性材を所要の厚さ(約0.
25μm)にスパッタリングしてギャップ形成膜とし、
該一対のコアブロックの金属磁性体膜の突起部が規定の
トラック幅となるように突き合せ、加圧しながら、充填
ガラス45が溶融する温度に加熱し、接合ブロック49
を得る。このようにして得られた接合ブロックは金属磁
性体膜が突き合されて形成されトラック部を中心に一点
鎖線CおよびC′で順次切断することによってコア厚み
Tの磁気ヘッドコアを得る。場合によってはBおよび
B′で切断して、所要のコア幅を得る。
【0042】vii)このようにして得られた磁気ヘッド
コア50を図6(ト)に示す。ここで、44,44′は
本発明の磁気ヘッドの磁気回路を構成する金属磁性体、
52,52′は磁気コアの非磁性保護材、45,45′
は金属磁性体の側面を保護する充填ガラス、51は作動
ギャップ、53はコイル巻線用窓、Tは磁気コアの厚み
を示す。
【0043】図7は図6(ト)の磁気ヘッドコアから、
主要部の金属磁性体部を取り出して示した斜視図であ
る。突き合せ面がトラック幅に対応する平坦部を有し、
略V字状一対の金属磁性体がギャップ材を介して互いに
突き合せた構造となっている。ここでtwはトラック幅
で約25μmとした。また、tmは磁気記録媒体摺動方
向における金属磁性体層の凸状部の厚さで10μmとし
た。
【0044】次に本発明の他の実施例になる磁気ヘッド
を図8に示す。61,61′は磁気回路を構成する一対
の金属磁性体膜で、突起部を有する非磁性保護材60,
60′の上に形成され、62,62′は金属磁性体膜の
上にさらに保護材として耐摩耗性に優れ高融点の非磁性
材をスパッタリング法によって形成する。63,63′
はガラスのような接合材で2個のコアを接着するために
用いる。64はコイル巻線用窓である。このようにすれ
ば、強固な保護材が容易に形成されコア接着工程におい
てガラスと金属磁性体膜との反応を防ぐことができトラ
ック幅となる端部が精度よく形成することができる。図
8において巻線コイルの表示は省略してある。
【0045】図8に示す磁気ヘッドの簡単な製造法を図
9(イ),(ロ)に示す。図9中(イ)は非磁性保護材
60のギャップ突き合せ面となる面に多数の突起部を形
成するように台形の溝入れを行ない、その上に金属磁性
体膜61をスパッタリング法によって形成し、その上
に、さらに、Al23保護膜62を形成する工程であ
る。この工程は前記実施例の図5工程(ハ)に対応して
行なわれる。次に、図9(ロ)は残りの溝部にガラス6
3を充填して後、研削,研摩工程によってトラック幅t
w得る工程である。この工程は、図5の工程(ニ)を経
た図6の工程(ホ)に対応する。以下、図6の製造工程
によって磁気ヘッドコアを製造する。また、場合によっ
ては接着材63をすべて保護材62で形成してもよい。
その場合、接着部は、ギャップ突き合せ面およびコイル
巻線窓の一部で行なうことができる。さらに、本発明の
他の実施例は図9(イ)において、非磁性保護材60の
突起部に高導電性を有するCuの層を形成し、次に金属
磁性体膜61を形成して後さらにCuの層を形成する構
造からなる。場合によっては最後に非磁性絶縁膜を形成
して保護材とし、以下前記本発明法で説明工程を経て磁
気ヘッドコアを製造する。本発明法のヘッド構造によれ
ば、作動ギャップ以外の部分での漏洩磁束を減じる効果
があり、効率のよい磁気ヘッドが得られる。
【0046】次に、非磁性保護材の突起部の形状に関す
る他の実施例を図10(イ),(ロ)に示す。すなわ
ち、図10(イ)に示すように非磁性保護材60に形成
される突起部の先端部を矩形状にすることもできる。こ
の場合先端面66は後で形成される作動ギャップと平行
部を持たないように傾斜させるようにしておくことが好
ましい。この傾斜面は本発明の実施例を示す図5(イ)
の前の工程で形成しておくとよい。次に、図10(イ)
の工程後図5に示した工程によって、金属磁性体膜61
の形成、ガラス63の充填、および上面研摩を順次行な
うことによって図10(ロ)の形状として、トラック幅
twを得ることができる。このようにすれば、非磁性保
護材の突起部の幅tw′をあらかじめ規定し、所要の金
属磁性体膜を形成することによって、容易にトラック幅
twを得ることができる。
【0047】次に従来の磁気ヘッドと本発明の磁気ヘッ
ドの雑音レベルについて比較した例を図11,図12に
よって説明する。図11は従来例を示す図で、例えば図
3において非磁性保護材30,30′を磁性フェライト
に置換した構造の場合の周波数と各雑音レベルとの関係
を示したものである。ここで、70はアンプ雑音、71
は摺動雑音、72はAC消去雑音、73は全雑音を示
す。用いた記録媒体は保磁力1400Oeのメタルテー
プである。同様にして、図12は本発明法による図3,
図4に示す磁気ヘッドによる各雑音レベルを示したもの
で、磁気回路を金属磁性体で構成し、保護材30,3
0′として非磁性材を付加した構造を有する磁気ヘッド
である。
【0048】ここで注目すべきことは、保護材をフェラ
イトで構成した場合(図11の場合)、特に8〜9MH
zの高周波領域74に急激に摺動雑音が増加することで
ある。一方、保護材を非磁性材とすることによって、図
12に示すように、摺動雑音はほとんど現われないこと
がわかった。これによって、本発明の磁気ヘッドは高周
波領域における再生出力が1dB以上向上することがわ
かった。また、図1の従来のストレート型の磁気ヘッド
よりも、高保磁力メタルテープと組み合せた場合の記録
再生特性の優れたものが得られることも確認した。
【0049】
【発明の効果】以上説明したごとく本発明の磁気ヘッド
は、高保磁力を有する記録媒体にも十分記録可能な高飽
和磁束密度の金属磁性体で磁気コアを形成し、高耐摩耗
性を有する非磁性保護材と組み合せ、薄膜形成技術用い
た構造で量産性が高く、かつ、低雑音で記録および再生
特性の優れた狭トラック磁気ヘッドとなっている。
【0050】また、この磁気ヘッドは、本発明の製造方
法により、極めて容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の磁気ヘッドの斜視図。
【図2】従来の磁気ヘッドの斜視図。
【図3】本発明の一実施例における磁気ヘッドの斜視
図。
【図4】本発明の一実施例における磁気ヘッドの斜視
図。
【図5】本発明の磁気ヘッドの製造方法の一実施例にお
ける各工程の斜視図。
【図6】本発明の磁気ヘッドの製造方法の一実施例にお
ける各工程の斜視図。
【図7】本発明の磁気ヘッドの主要磁性体部を示す斜視
図。
【図8】本発明の他の実施例における磁気ヘッドの斜視
図。
【図9】本発明の他の実施例における加工されたブロッ
クの断面図。
【図10】本発明の他の実施例における非磁性保護材突
起部の形状を示す断面図。
【図11】従来の磁気ヘッドと本発明の磁気ヘッドの周
波数領域による各雑音レベルの変化を比較したグラフ
図。
【図12】従来の磁気ヘッドと本発明の磁気ヘッドの周
波数領域による各雑音レベルの変化を比較したグラフ
図。
【符号の説明】
30,30′…非磁性保護材、31,31′…金属磁性
体膜、33…作動ギャップ、34…コイル巻線用窓、3
2,32′…保護および接着材、35…保護膜、40…
非磁性ブロック、42…コイル巻線用溝、43,43′
…突起部形成溝、44,44′,61,61′…金属磁
性体膜、45,63…保護ガラス、47,48…コアブ
ロック、50…磁気ヘッドコア、51…作動ギャップ、
52,52′,60,60′…非磁性保護材、53,6
4…コイル巻線窓、63…保護膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山下 武夫 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 高山 新司 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 斉藤 法利 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 小林 信夫 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 工藤 實弘 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】先端が対向する略V字形状の屋根型突起部
    を有する1対の非磁性部材と、該非磁性部材の屋根型突
    起部斜面上に形成されてなり実質的に閉磁路を形成する
    磁性膜と、上記1対の非磁性部材の屋根型突起部先端の
    磁性膜に挟まれる非磁性ギャップ材とを有し、上記V字
    形状の屋根型突起部側面及び磁性膜の断面により記録媒
    体対抗面が形成され、上記磁性膜と非磁性ギャップ材の
    接合面は上記記録媒体対抗面と略垂直な平面であること
    を特徴とする磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】前記1対の非磁性部材の屋根型突起部斜面
    同志の間に形成される空隙に、非磁性充填材を充填する
    ことを特徴とする請求項1記載の磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】前記磁性膜と非磁性充填材の間に非磁性保
    護膜を形成してなることを特徴とする請求項1または2
    記載の磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】前記磁性膜の上もしくは上下に非磁性金属
    膜を形成することを特徴とする請求項1乃至3のうちい
    ずれかに記載の磁気ヘッド。
  5. 【請求項5】前記磁性膜の上に非磁性金属膜を形成し、
    さらにその上に非磁性保護膜を形成することを特徴とす
    る請求項1乃至4のうちいずれかに記載の磁気ヘッド。
  6. 【請求項6】前記非磁性金属膜はCu,Al,CuAg
    から選ばれる少なくとも1種からなることを特徴とする
    請求項4または5記載の磁気ヘッド。
  7. 【請求項7】前記非磁性保護膜はAl23からなること
    を特徴とする請求項3または5あるいは6記載の磁気ヘ
    ッド。
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