JPH0748186A - 舗装用ブロックおよびその製造方法 - Google Patents

舗装用ブロックおよびその製造方法

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JPH0748186A
JPH0748186A JP13090093A JP13090093A JPH0748186A JP H0748186 A JPH0748186 A JP H0748186A JP 13090093 A JP13090093 A JP 13090093A JP 13090093 A JP13090093 A JP 13090093A JP H0748186 A JPH0748186 A JP H0748186A
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哲始 沼田
Tatsuro Miyake
達朗 三宅
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面硬度が高く、耐摩耗性及び色彩・色落ち
抵抗性に優れたセメント系の舗装用ブロックおよびその
製造方法を提供すること。 【構成】 カルシウム系セメント材、消石灰、高炉水砕
スラグ等の材料を1種または2種以上混合したバインダ
と粗骨材2a及び水を混練してなる第1の層3と、カル
シウム系セメント材、消石灰、高炉水砕スラグ等の材料
を1種または2種以上混合したバインダと細骨材2bと
顔料及び水を混練してなる第2の層4とを重ねて所定形
状の成形体に成形してから72時間以内に炭酸ガス雰囲
気中に晒して炭酸化養生して成形体1表面側に炭酸化さ
れた硬質層5を形成したもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、歩道、公園、駐車場、
車道等の舗装に用いられるセメント系の舗装用ブロック
およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】都市景観に対する要求の高まりから従来
より歩道、公園等の舗装に舗装用ブロック(インターロ
ッキングブロック)が広く用いられている。舗装用ブロ
ックは、セメント系・陶器系・樹脂系の3つに大別され
る。その中、セメント系舗装用ブロックは、他の2種に
比べたコスト面での優位性や形状の自由度から広く使用
されている。従来のセメント系舗装用ブロックは、セメ
ントをバインダとし、このセメントバインダと砕石等の
骨材と顔料及び水を混練後、所定形状に成形し、セメン
トが充分に水和反応するまで養生室内、あるいはビニー
ル等のシート内で養生していた(例えば特公平4ー16
561号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、セメン
ト系舗装用ブロックは、形状の自由度・低廉性から広く
利用されてはいるものの、表面の耐摩耗性が低く、すぐ
に擦り減ってしまう難点があった。
【0004】そこで、セメント等の硬化技術として、高
強度硬化体(特開平4ー349161号公報)、セメン
トの化学的耐久性を高める方法(特開昭59ー8838
7号公報)、転炉スラグの硬化方法(特開昭56ー38
549号公報)等が提案されているが、このようなもの
にあっても、セメントの白華による色彩変化、表面の摩
耗による退色が問題となっている。この白華現象は、セ
メントが水和反応によって、酸化カルシウム「CaO」
と酸化ケイ素「SiO2 」及び水「H2 O」からなる水
和物(以下、CーSーHという)を生成するときに、セ
メントに含まれるCaOがSiO2 に対して過剰である
ため、過剰CaOが水和反応の進行に伴い水酸化カルシ
ウム「Ca(OH)2 」となってブロック表面に析出す
ることによって起こる。このため、ブロックが白色化す
る。これを防止するためには、過剰Ca(OH)2 がブ
ロック表面に析出しないようにすればよいことは古くか
ら知られている。しかし、白華を防ぐ有効な手段は、現
在のところ樹脂塗布以外に開発されておらず、また樹脂
塗布は製品コストが高く付くため、一般に普及するには
至っていないのが実情である。
【0005】本発明は叙上の点に鑑み、表面硬度が高
く、耐摩耗性及び色彩・色落ち抵抗性に優れたセメント
系の舗装用ブロックおよびその製造方法を提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る舗装用ブロ
ックは、カルシウム系セメント材、消石灰、高炉水砕ス
ラグ等の材料を1種または2種以上混合したバインダと
粗骨材及び水を混練してなる第1の層と、カルシウム系
セメント材、消石灰、高炉水砕スラグ等の材料を1種ま
たは2種以上混合したバインダと細骨材と顔料及び水を
混練してなる第2の層とを重ねて所定形状の成形体に成
形してから72時間以内に炭酸ガス雰囲気中に晒して炭
酸化養生して成形体表面側に炭酸化された硬質層を形成
して成るものである。
【0007】また、本発明に係る舗装用ブロックの製造
方法は、カルシウム系セメント材、消石灰、高炉水砕ス
ラグ等の材料を1種または2種以上混合したバインダと
粗骨材及び水を混練して型枠内に所定量流し込み第1の
層を成形する工程と、カルシウム系セメント材、消石
灰、高炉水砕スラグ等の材料を1種または2種以上混合
したバインダと細骨材と顔料及び水を混練して型枠内の
第1の層上に所定量流し込み第2の層を成形する工程
と、振動締固めした後、型枠内から2層構造の成形体を
取り出す工程と、型枠内から取り出した成形体を72時
間以内に炭酸ガス雰囲気中に晒し炭酸化養生して成形体
表面側に炭酸化された硬質層を形成する工程とを有する
ことを特徴としている。
【0008】
【作用】本発明においては、カルシウム系セメント材、
消石灰、高炉水砕スラグ等の材料を1種または2種以上
混合したバインダと粗骨材及び水を混練してなる第1の
層の上に、カルシウム系セメント材、消石灰、高炉水砕
スラグ等の材料を1種または2種以上混合したバインダ
と細骨材と顔料及び水を混練してなる第2の層を積層
し、所定形状の成形体に成形した後、72時間以内に炭
酸ガス雰囲気中に晒して炭酸化養生するので、成形体の
表面側からバインダに含まれる酸化カルシウム「Ca
O」が炭酸カルシウム「CaCO3 」に転化されて結合
材となって硬質層を形成する。この炭酸化反応後のバイ
ンダは、殆どがCaCO3 と酸化ケイ素ゲル「SiO2
ゲル」となるため、白華現象が殆ど起こらず、色彩・色
落ち抵抗性が向上する。
【0009】また、成形体の表面側からバインダに含ま
れるCaOがCaCO3 に転化されて硬質層となるた
め、成形体内部の過剰CaOによって析出される水酸化
カルシウム「Ca(OH)2 」の量は成形体全体として
見ると微量となり、更に析出されたCa(OH)2 は、
成形体の表面側のCaCO3 からなる硬質層によって外
部への逸出を阻止される。そしてこの外部への逸出を阻
止されたCa(OH)2は、成形体内部で骨材周りに硬
質層を形成する。このCa(OH)2 は、CーSーHと
比べ硬質な鉱物であり、成形体内部の硬度を高めるのに
寄与する。
【0010】また、顔料はバインダに混合されて固定さ
れるので、バインダが硬質なものに転化すると、その付
着性が向上する。更に、CaCO3 によって形成される
硬質層はCーSーHよりも硬質で耐摩耗性に優れるた
め、炭酸化された成形体表面の擦り減りに対する抵抗性
が向上する。
【0011】
【実施例】以下、図示実施例により本発明を説明する。
図1は本発明の一実施例に係る舗装用ブロックの構造を
その長手中央部で縦方向に破砕して示す斜視図、図2は
そのブロックを構成する成形体の炭酸化された部位を拡
大して模式的に示す説明図、図3乃至図8はその製造方
法の工程の説明図である。図1において、1は本実施例
の舗装用ブロックを構成する炭酸化養生された成形体で
あり、縦8cm、横11cm、長さ22cmの角柱状に
成形されている。成形体1は、普通セメント、白セメン
ト等のカルシウム系セメント材に6〜7号の大きさの砕
石、川砂利、高炉スラグ、コンクリート廃材等の粗骨材
2aが混入された第1の層3と、同様のカルシウム系セ
メント材に粒径約0.8mmの川砂等の細骨材2b及び
ベンガラ等の顔料が混入されて第1の層3上に一体化さ
れた第2の層4とから構成され、かつ炭酸化養生によっ
て表面側に数cmの厚さの硬質層5(図の斜線部分)が
形成されている。
【0012】硬質層5は、図2に示すように、骨材2の
周りの例えばセメント6を卵殻の如く約0.3〜0.5
mmの厚さのCaCO3 被膜7が覆い、これらが互いに
結合することによって形成されている。
【0013】これを製造手順にしたがって詳細に説明す
ると、まず普通セメント、白セメント等のカルシウム系
セメント材8と粗骨材2a及び水を混練して型枠9内に
所定量流し込み第1の層3を成形する(図3,図4)。
次いで、同様のカルシウム系セメント材8と細骨材2b
と顔料及び水を混練して型枠9内の第1の層3上に所定
量流し込み第2の層4を成形する(図5,図6)。次
に、振動締固めした後、72時間以内でかつ型枠9内の
成形体が形状を保持できる時間通常の養生を行う。水和
反応によって硬化進行中の成形体1aが形状を保持でき
るようになれば、型枠9内より取り出して容器10内に
移し(図7)、移した成形体1aを温度10〜99℃、
濃度10〜100v%の炭酸ガス11の雰囲気中に30
分〜72時間晒す(これを炭酸化養生という)。この炭
酸化養生によって成形体の表面側に数cmの厚さの硬質
層5が形成された成形体1となれば(図8)、容器10
内より成形体1を取り出す。この成形体の表面側に数c
mの厚さの硬質層5が形成されるに要する炭酸化養生時
間(30分〜72時間)は、成形体の種類毎に予め実験
により得られており、成形体の種類に応じた炭酸化養生
時間が経過すれば、硬質層5が形成されたものと考え
る。また、炭酸化養生は、必ずしも容器10内にて行う
必要はなく、要するに所定の炭酸ガス濃度と温度の雰囲
気を所定時間維持できる場所であれば、室内やビニール
等のシート内、あるいは屋外であっても可能である。
【0014】以上のような製造方法によって製作される
本実施例の舗装用ブロックにおいて、未硬化の成形体1
aを72時間以内に炭酸化反応させる理由は、セメント
の白華現象が発現する前に炭酸化によってセメントに含
まれるCaOをCaCO3 に転化させる必要があるから
である。セメントの白華現象は、セメントと水を混合後
3〜4日経過後にあらわれる。炭酸化による白華抑制効
果は、白華が起こる前は効果があるが、白華が発現した
後に炭酸化させると、表面のCa(OH)2 が炭酸化す
るため、白華がより激しくなってしまう。そのため、炭
酸化養生するまでの時間を72時間以内とした。成形か
ら炭酸化養生するまでの時間に幅を持たせた理由は、成
形後すぐに炭酸化養生しても良いが、炭酸化反応速度は
含有する自由水量に大きく影響され、その最大値は自由
水の量をセメントの量で割った重量百分率で示すと15
wt%の付近にある。この水分量は、舗装用ブロックの
一般的な成形水分量(25〜50wt%)に比べて非常
に少ない。そのため、炭酸化反応速度が遅く、結果とし
て生産効率が非常に悪くなってしまう。しかし、ブロッ
クの成形水分量を15wt%とするのは困難で実現性に
乏しい。そこで、従来の生産プロセスを変更せずに炭酸
化反応効率を向上させる方法はないか考察した結果、セ
メントの水和反応が成形水分を固定し、自由水が減少す
ることによって炭酸化反応速度が速くなるという今まで
知られていない現象を見いだした。この発見に基づき、
成形水分量に応じて炭酸化養生までの水和時間を、白華
の起こらない72時間以内で自由に設定することとし
た。
【0015】また、炭酸ガス濃度は、反応速度に大きく
影響するため、より高濃度が好ましい。しかし、コスト
面を考えた場合、高濃度ガスは高価であるため、一般的
な排ガスでも使用できるよう養生時間と併せて検討した
結果、下表1に示すように、5v%濃度の炭酸ガスでも
白華抑制、表面の硬質化に充分な効果があることが認め
られるが、炭酸ガス濃度は10v%以上であればより好
ましい。したがって、炭酸ガス濃度は10〜100v%
とした。なお、v%は体積百分率である。
【0016】
【表1】
【0017】表1中のΔLは、炭酸ガス濃度0の場合
の試験体の明度を基準としたときの試験体の明度の差を
示す。表1は炭酸ガス濃度に対するメトリック彩度(c
=(a*2 +b*2 1/2 )、明度L、摩耗量(落
差法)の測定例を示したものである。なお、この場合の
条件は、第2の層に混入する顔料にベンガラを用いて赤
色とし、水とセメントの混合割合(w/c)を30wt
%、炭酸化前養生時間を24時間(h)、炭酸化養生時
間を24時間(h)とした。ここで、炭酸化前養生時間
とは成形体1aを型枠9内より取り出した後からの通常
の養生時間をいう。メトリック彩度(c=(a*2
*2 1/2 )、明度L、摩耗量(落差法)の測定
は、以下の測定手法にしたがって行った。
【0018】試験体の耐白華性および色彩、色落ち抵抗
性の評価は、まず試験体の分光立体角反射率R(λ)を
JISZ8722「物体色の測定方法」で定められた方
法で測定した。すなわち、試験体をあらゆる方向から均
等に照明し、試験面の法線とのなす角度が8°の方向の
反射光を分光測光器に受光させて、試験体の分光立体角
反射率R(λ)を測定した。この場合、光源としてJI
SZ8720で規定されたD65の光源を用いた。次に、
測定した分光立体角反射率R(λ)から試験体の反射に
よる物体色の三刺激値X,Y,Z及びXYZ表色系にお
けるx,y,zをJISZ8701「表色系による色の
表示方法」で定められた方法で下記数1の式によって算
出し、物体色の数値化を行った。
【0019】
【数1】 また、XYZ表色系における三刺激値のYは、視感立体
角反射率を百分率で表した値となる。
【0020】更に、試験体の反射による物体色の三刺激
値X,Y,Zをもとに、試験体の物体色をJISZ87
29「物体色の表示方法」で規定されたL
色系で表示した。JISZ8729によればL
、bは下記数2及び数3の式によって算出され
る。
【0021】
【数2】 L=116 (Y/Yn)1/3 −16 Y/Yn>0.008856 但し、Y:XYZ系における三刺激値の値 Yn:完全拡散反射面の標準の光によるYの値
【0022】
【数3】 a=500 〔(X/Xn)1/3 −(Y/Yn)1/3 〕 X/Xn>0.008856 b=200 〔(Y/Yn)1/3 −(Z/Zn)1/3 〕 Y/Yn>0.008856 Z/Zn>0.008856 但し、X,Y,Z:XYZ系における三刺激値 Xn,Yn,Zn:完全拡散反射面のXYZ系における
三刺激値
【0023】実際に目視した場合の物体色の色名とL
表色系で表示された数値の関係は、色彩技術ハ
ンドブック、(平成2年10月1日)、株式会社総合技
術センター、村田幸雄、p.118ー119によれば、
次のように関連づけられている。すなわち、明度指数L
が大きな値であるほど物体色は白色を帯び、逆に明度
指数Lが小さな値になるほど物体色は黒色の度合いを
増す。このことは、JISZ8102で規定された物体
色の明度Vと実際に目視した場合の物体色の関係からも
わかる。すなわち、JISZ8102によれば、物体色
の明度Vが大きな値であるほど物体色は白色を帯び、逆
に明度Vが小さな値になるほど物体色は黒色の度合いを
増すように規定されている。一方、JISZ8721に
よれば、視感立体角反射率Yが大きくなるほど明度Vは
大きな値を示す。更に、XYZ表色系とL
色系の関係から、Lの値が大きくなるほど視感立体角
反射率Yが大きくなり、明度Vの値も大きくなる。以上
のことから、舗装用ブロックの耐白華性をLによって
評価した。
【0024】また、舗装用ブロックの色彩、色落ち抵抗
性については、メトリック彩度(a*2 +b*2 1/2
の値で評価した。すなわち、上記色彩技術ハンドブック
によれば、メトリック彩度(a*2 +b*2 1/2 は、
純色成分の含有量に相当する色の性質を表している。し
たがって、メトリック彩度(a*2 +b*2 1/2 が大
きな値になるほど純色成分の含有量が多く、逆にメトリ
ック彩度(a*2 +b*2 1/2 が零に近くなるほど無
彩色に近い物体色となる。換言すれば、試験体のメトリ
ック彩度(a*2 +b*2 1/2 が大きな値を示すほど
色彩、色落ち抵抗性に優れており、メトリック彩度(a
*2 +b*2 1/2 が小さな値を示すほど色彩、色落ち
が激しいと考えられる。
【0025】また、耐摩耗性については、以下のように
評価した。すなわち、試験装置としてJISA1452
で規定されている装置を用いた。試験体の試験面を水平
から45°の状態にして、試験面の中心に650mm上
方から研削材を10000g落とした後、試験体の重量
減量を測定した。試験中、試験面の中心を軸として試験
体を回転させながら試験を行った。試験体のサイズは縦
8cm、横11cm、長さ22cmのものを用いた。研
削材にはJISR6111に規定された炭化ケイ素研削
材2Cを用いた。研削材の粒度は36番のものを用い、
毎分400±20gの落下量に制御して試験を行った。
【0026】ところで、温度に関しては、本発明の舗装
用ブロックを製造する上で厳しく規定するものではない
が、温度10℃未満では端的に反応が遅くなるため好ま
しくない。また水の沸点を上回る温度では、蒸発により
炭酸化反応するに必要な水分が足らなくなってしまうの
で好ましくない。湿度に関しても、特に規定するもので
はないが、ブロックの含有自由水量・養生温度に応じて
設定すれば良い。
【0027】本発明の舗装用ブロックの諸元を異ならせ
た例A〜Iのそれぞれの測定値を従来例と比較して下表
2及び表3に示す。
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】表2及び表3中のΔEは、JISZ87
30で定義されたL表色系における従来例と
A〜Iの各ブロックの色差を示す。また、v%は体積百
分率、wt%は重量百分率、hは時間をそれぞれ示す。
これら表2及び表3は、第2の層をベンガラ等の赤色の
顔料で着色した普通セメント材からなるブロックを使用
し、本発明のブロック例A〜Iでは表中の各条件で炭酸
化養生したものである。表2及び表3から明らかなよう
に、成形後72時間以内の炭酸化がブロックの白華抑制
および色彩、色落ち抵抗性の向上に効果があることがわ
かる。また、ブロックの擦り減り抵抗性(耐摩耗性)が
炭酸化により向上したことがわかる。
【0031】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、カ
ルシウム系セメント材、消石灰、高炉水砕スラグ等の材
料を1種または2種以上混合したバインダと粗骨材及び
水を混練してなる第1の層の上に、カルシウム系セメン
ト材、消石灰、高炉水砕スラグ等の材料を1種または2
種以上混合したバインダと細骨材と顔料及び水を混練し
てなる第2の層を積層し、所定形状の成形体に成形した
後、72時間以内に炭酸ガス雰囲気中に晒して炭酸化養
生して成形体表面側に炭酸化された硬質層を形成したの
で、表面硬度が高く、耐摩耗性及び色彩・色落ち抵抗性
に優れた舗装用ブロックを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る舗装用ブロックの構造
をその長手中央部で縦方向に破砕して示す斜視図であ
る。
【図2】図1のブロックを構成する成形体の炭酸化され
た部位を拡大して模式的に示す説明図である。
【図3】本発明の一実施例に係る舗装用ブロックの製造
方法の第1の工程を説明するための説明図である。
【図4】本発明の一実施例に係る舗装用ブロックの製造
方法の第1の工程を説明するための説明図である。
【図5】本発明の一実施例に係る舗装用ブロックの製造
方法の第2の工程を説明するための説明図である。
【図6】本発明の一実施例に係る舗装用ブロックの製造
方法の第2の工程を説明するための説明図である。
【図7】本発明の一実施例に係る舗装用ブロックの製造
方法の第3の工程を説明するための説明図である。
【図8】本発明の一実施例に係る舗装用ブロックの製造
方法の第4の工程を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1,1a 成形体 2a 粗骨材 2b 細骨材 3 第1の層 4 第2の層 5 硬質層 8 バインダ 9 型枠 11 炭酸ガス

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルシウム系セメント材、消石灰、高炉
    水砕スラグ等の材料を1種または2種以上混合したバイ
    ンダと粗骨材及び水を混練してなる第1の層と、カルシ
    ウム系セメント材、消石灰、高炉水砕スラグ等の材料を
    1種または2種以上混合したバインダと細骨材と顔料及
    び水を混練してなる第2の層とを重ねて所定形状の成形
    体に成形してから72時間以内に炭酸ガス雰囲気中に晒
    して炭酸化養生して成形体表面側に炭酸化された硬質層
    を形成して成る舗装用ブロック。
  2. 【請求項2】 カルシウム系セメント材、消石灰、高炉
    水砕スラグ等の材料を1種または2種以上混合したバイ
    ンダと粗骨材及び水を混練して型枠内に所定量流し込み
    第1の層を成形する工程と、 カルシウム系セメント材、消石灰、高炉水砕スラグ等の
    材料を1種または2種以上混合したバインダと細骨材と
    顔料及び水を混練して型枠内の第1の層上に所定量流し
    込み第2の層を成形する工程と、 振動締固めした後、型枠内から2層構造の成形体を取り
    出す工程と、 型枠内から取り出した成形体を72時間以内に炭酸ガス
    雰囲気中に晒し炭酸化養生して成形体表面側に炭酸化さ
    れた硬質層を形成する工程とを有する舗装用ブロックの
    製造方法。
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