JPH0748147A - 防汚性を有するハードコートガラスとその製造方法 - Google Patents

防汚性を有するハードコートガラスとその製造方法

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JPH0748147A
JPH0748147A JP21357393A JP21357393A JPH0748147A JP H0748147 A JPH0748147 A JP H0748147A JP 21357393 A JP21357393 A JP 21357393A JP 21357393 A JP21357393 A JP 21357393A JP H0748147 A JPH0748147 A JP H0748147A
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glass
component
protective layer
composition
electron beam
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JP21357393A
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Inventor
Kenichi Mizusawa
健一 水澤
Sadayoshi Mukai
貞喜 向井
Koji Nakai
康二 中井
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Nissin High Voltage Co Ltd
Original Assignee
Nissin High Voltage Co Ltd
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C17/00Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating
    • C03C17/34Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with at least two coatings having different compositions
    • C03C17/3405Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with at least two coatings having different compositions with at least two coatings of organic materials
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C2217/00Coatings on glass
    • C03C2217/40Coatings comprising at least one inhomogeneous layer

Abstract

(57)【要約】 【目的】 防汚性と耐擦傷性の硬化皮膜をもつガラスを
得ること。 【構成】 ガラスの片面または両面に保護層を設け、そ
の上に、三成分からなる混合組成物を1〜15μmの厚
さに塗布する。この組成物は、A;アルキルフルオロア
クリレート、B;Aと相溶性がなく、且つ官能基を3個
以上有するアクリル単量体を少なくとも50%含むアク
リル系単量体、C;A及びBとそれぞれ相溶性を有する
溶剤からなり、A対Bの比率が0.5〜10:99.5
〜90.0、AとBの総量対Cの比率が90〜50:1
0〜50のものである。そして塗布後直ちに電子線を照
射し、混合組成物中の溶剤の蒸発と皮膜硬化を起こさせ
て、ハードコートガラスを作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガラスに高度の防汚性
をもたせたハードコート皮膜層を形成させるハードコー
トガラスの製造方法と、製造されたハードコートガラス
に係り、更に詳しくは含フッ素単量体を含むアクリル系
単量体と溶剤からなる組成物をガラスに塗布後直ちに電
子線を照射するという簡単且つ安定した手段、工程によ
り、高度の防汚性を兼備したハードコート層を形成させ
る方法と、かかる方法により作製されたハードコートガ
ラスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】表面に汚れが付着するのを嫌う材料は、
例えば建築材料、インテリア材料、包装材料など極めて
広範囲の技術分野にみることができ、ガラスもその一つ
である。一般的にはガラスは、その表面が無処理のまま
で使用されているために汚れ易いものであり、透明度を
維持するための清掃が欠かせないものである。しかし、
ガラスの清掃は、例えばビル等における窓ガラスの場合
に見られるように危険極まる作業を要するものもある。
この点、ガラス表面に耐久性に富む防汚皮膜膜を施すこ
とにより、清掃頻度を減らし、且つ簡単に清掃が行える
防汚性を有するガラスは自動車、ビル等多方面の分野に
おいて渇望されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ガラスの片
面または両面に防汚性コーティングを施し、万一汚れて
も簡単な清掃作業でクリーニングできる防汚性、耐擦傷
性を兼備したハードコートガラスと、その製造方法の提
供を目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ガラス表
面に防汚性と耐擦傷性とを兼ね備えた皮膜層を形成させ
る加工方法について検討し、ガラスの表面に透明性の保
護層を設け、この保護層上に、電子線照射を利用した多
官能アクリレートの硬化皮膜を主体とし、その表面に含
フッ素単量体であるアルキルフルオロアクリレートの硬
化物を共重合の形で偏在せしめた構造の硬化皮膜を形成
させることで目的を達成し得るのではないかとの推測か
ら、その手段として、後述するところの諸限定条件の下
で、アルキルフルオロアクリレートと、これと相溶性の
ない多官能アクリレートを主体とするアクリレート及び
これらに対しそれぞれ相溶性のある溶剤との混合組成物
をガラス表面に設けた保護層の上に塗布し、直ちに電子
線を照射し、溶剤の蒸発と皮膜硬化を同時に起こさせる
ことにより、始めて課題が解決し得ることを見い出した
ものである。
【0005】本発明のハードコートガラスの製造方法
は、ガラスの片面または両面に保護層を設け、この保護
層上に、次の三つの成分、 A;アルキルフルオロアクリレート, B;前記Aと相溶性がなく、且つ官能基を3個以上有す
るアクリル単量体を少なくとも50%含むアクリル系単
量体, C;前記A及びBとそれぞれ相溶性を有する溶剤 からなり、前記A対Bの比率が0.5〜10:99.5
〜90.0、前記AとBの総量対Cの比率が90〜5
0:10〜50である混合組成物を1〜15μmの厚さ
に塗布し、直ちに電子線を照射することにより、前記混
合組成物中の溶剤の蒸発と皮膜硬化を同時に起こさせる
ことを特徴とするものである。
【0006】そして、本発明のハードコートガラスは、
ガラスの片面または両面に設けられた保護層の上に硬化
皮膜が形成されているハードコートガラスであって、こ
の硬化皮膜は、次の三つの成分、 A;アルキルフルオロアクリレート, B;前記Aと相溶性がなく、且つ官能基を3個以上有す
るアクリル単量体を少なくとも50%含むアクリル系単
量体, C;前記A及びBとそれぞれ相溶性を有する溶剤 からなる混合組成物であって、前記A対Bの比率が0.
5〜10:99.5〜90.0、前記AとBの総量対C
の比率が90〜50:10〜50である混合組成物を前
記保護層の上に1〜15μmの厚さに塗布し、電子線を
照射して成ることを特徴とするものである。
【0007】このハードコートガラスは、優れた防汚性
と耐擦傷性を兼ね備えた硬化皮膜を有する。ガラスに設
けられる保護層としては、後述するようにシンジオタク
チックプロピレン/ビニールシラン/酢酸ビニール三元
共重合体、エチレン−EVA共重合体、エチレン−EV
A−ビニールアルコール三元共重合体等の透明性を有し
且つガラスとの密着性、接着性の材料で形成するのが望
ましい。保護層はガラスと硬化皮膜との結合層として機
能すると共に、この保護層により、混合組成物の防汚コ
ーティング層を電子線硬化する際、電子線によるガラス
の変色を防止することができ、また、ガラスが破損した
場合、ガラス破片の飛散を防ぐことができる。
【0008】以下、本発明の構成に係る技術内容、事項
について詳細に説明する。 (1)機能発揮の原理 まず本発明の製造方法により防汚性と防傷性ないし耐擦
傷性とを兼備した皮膜形成がなされる原理について述べ
る。本発明の方法に用いるアルキルフルオロアクリレー
トは反応して硬化皮膜となった場合は良好な防汚性を有
する皮膜となるが、基材との密着性が良くないし、また
非常に高価なため単独の皮膜形成は好ましくない。さら
にこの単量体は液体として表面張力が極端に低く、基材
に塗布しようとしても、いわゆる“はじき現象”を起こ
し易く、その単独使用は方法的にも極めて困難なもので
ある。
【0009】一方、保護皮膜として欠かすことのできな
い耐擦傷性を付与させるには、多官能単量体を主とする
単量体を電子線硬化の方法で皮膜形成させれば容易に得
られることは良く知られているところである。しかしな
がら、この皮膜だけでは保護皮膜としてもう一つ重要な
防汚性が不十分であり、両性質を兼備させるために先の
アルキルフルオロアクリレートを併用させたくなるが、
通常の方法、すなわち必要とする単量体を単に混ぜ合わ
せて塗布するという方法ではうまくいかない。それは先
ず、互いに相溶性がなく、混ざり合わないケースが多い
し、仮りに混ざり合ったとしても、その硬化皮膜は本発
明の狙いとするような性質を有する皮膜にはならない。
なぜなら単量体が均一に混ざり合ったままでの硬化皮膜
の場合、表面に存在するフッ素原子が薄まって少なくな
り、防汚性能が不十分となるからである。
【0010】本発明の製造方法は、その諸限定条件下
で、アルキルフルオロアクリレートと多官能アクリレー
トとが一般に相溶性がない点を逆用して、それら単量体
に対する共通溶剤を用いて溶液とし、基材に塗布後直ち
に電子線を照射し、溶剤の蒸発と皮膜の硬化を同時に行
わしめることにより、優れた防汚性と耐擦傷性とを兼備
した保護皮膜を形成させている。本発明の製造方法によ
り、このような今まで考えられなかったような高機能皮
膜がなぜ形成されるのかということについては、第一に
アルキルフルオロアクリレートと多官能アクリレートと
が互いに相溶性がないこと、第二に硬化と同時に溶剤が
蒸発することにより、アルキルフルオロアクリレートが
表面に偏在する構造の皮膜形成がなされるためではない
かと推測される。
【0011】(2)本発明に使用する材料についての説
明 .ガラスの片面または両面に設けられる保護層 保護層は、エチレン/酢酸ビニール共重合体、シンジオ
タクチックプロピレン/ビニールシラン/酢酸ビニール
三元共重合体など透明性、弾力性があり、且つガラスと
の密着性の良好なシート状の材料で構成する。この保護
層シートは、そのまま(未架橋)でも使用できるが、防
汚ガラスの使用目的によっては電子線を照射することに
より架橋させ、耐熱性を向上させることも可能である。
【0012】.アルキルフルオロアクリレート 撥水、撥油性の防汚機能をもたらすアルキルフルオロア
クリレートとしては、2.2.2−トリフルオロエチル
アクリレート、2.2.3.3−テトラフルオロプロピ
ルアクリレート、β−パーフルオロオクチルエチルアク
リレート、1H.1H.5H−オクチルフルオロベンチ
ルアクリレート、1H.1H.2H.2H−ヘプタデカ
フルオロデシルアクリレートなどが挙げられる。
【0013】.アクリル単量体 アクリル単量体というのはアクロイル基を含む単量体の
ことで、ここで単量体というのは一般にモノマーと呼ば
れているものとオリゴマーと呼ばれているものとを含む
ものとする。そして本発明に用い得るアクリル単量体は
先に述べたアルキルフルオロアクリレートと相溶性がな
いものとする。相溶性のあるものを用いると満足すべき
防汚性のある硬化皮膜が得られない。
【0014】アクリル単量体について次に例示する。先
ず本発明において主体的に使用する官能基を3個以上有
するアクリル単量体としては、トリメチロールプロパン
トリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレ
ート、トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド付
加物トリアクリレート、グリセリンプロピレンオキサイ
ド付加物トリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘ
キサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアク
リレート、ジペンタエリスリトールカプロラクトン付加
物アクリレート、トリス(アクリロイロキシエチル)イ
ソシアヌレート、この他3官能以上のエステル系オリゴ
マー、ウレタン系オリゴマー、エポキシ系オリゴマーな
どが使用できる。
【0015】上述の多官能単量体に混合使用できる1官
能または2官能単量体としては、2−エチルヘキシルア
クリレート、2−エチルヘキシルEO付加物アクリレー
ト、エトキシエチレングライコールアクリレート、2−
ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピ
ルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、
フェノキシジエチレングリコールアクリレート、ノニル
フェノールEO付加物アクリレート、テトラヒドロフル
フリールアクリレートなどの1官能のもの及び、ヘキサ
ンジオールジアクリレート、ネオベンチルグリコールジ
アクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジ
エチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリ
コールジアクリレート、トリプロピレングリコールジア
クリレート、ヒドロキシビバリン酸ネオベンチルグリコ
ールエステルジアクリレートなどの2官能のものを用い
ることができる。
【0016】.溶剤 溶剤としてはアルキルフルオロアクリレート及びアクリ
ル単量体の両者に対し共通溶媒となり得るもので、溶剤
を含めて三者の混合物が均一な溶液となることが必要で
ある。溶剤は用いる単量体によってその都度選定する必
要があるが、一般的にはメチルアルコール、エチルアル
コール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、アセ
トン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、2塩化エチレ
ン、4塩化炭素などを用いることができる。
【0017】(3)限定条件についての説明 .混合組成物における成分Bのアクリル系単量体に、
官能基を3個以上有するアクリル単量体を少なくとも5
0%含ませる理由は、耐擦傷性と優れた防汚性を付与す
るのに欠かせないからである。皮膜の表面に耐擦傷性を
持たせるには高架橋密度の表面でなければならず、その
ためには官能基数が3個以上の単量体を少なくとも50
%以上、好ましくは70%以上含むアクリル単量体を用
いる必要がある。一方、かかる多官能のアクリル単量体
の使用が防汚性付与に効果的である理由は、官能基数の
多い単量体がアルキルフルオロアクリレートとの比較で
硬化速度が著しく速いことに基因すると推測される。
【0018】.混合組成物における成分Aのアルキル
フルオロアクリレートと、同Bのアクリル系単量体に関
し、A対Bの比率が0.5〜10.0:99.5〜9
0.0である理由は、アルキルフルオロアクリレートが
0.5以下では防汚性が不十分になり、10.0以上に
なると混合組成物として基材に対する塗工性が悪くなる
のと、硬化皮膜として耐擦傷性が不十分となることによ
る。なお、さらに、好ましいA対Bの比率は1〜5:9
9〜95である。
【0019】.成分AとBの総量対Cの比率が90〜
50:10〜50である理由は、成分Cの側から言う
と、10以下では塗工可能な均一な混合組成物が得られ
ず、また塗工性も良くない。さらに、硬化物は期待する
防汚性能を示さない。そして成分Cが50以上では硬化
後に溶剤が残存する恐れがあるのと、硬化皮膜と基材と
の密着性が不十分になりやすい。
【0020】.混合組成物の塗布厚さを1〜15μm
とする理由。1μm以下では保護皮膜として十分な性能
(防汚性、耐擦傷性とも)が得られない。15μm以上
でも十分な性能のものが得られなくなるのと、製造上で
も溶剤の残存などの問題が起こりやすい。
【0021】.電子線照射について 電子線の加速電圧は100〜3000kV、線量は0.
1〜20Mradであり、より好ましい加速電圧は15
0〜300kV、線量は1〜10Mradの範囲であ
る。照射雰囲気は大気中でもよいが、窒素のような不活
性ガス雰囲気が好ましい。この中で特に重要なのは線量
であり、皮膜が十分に硬化するだけでなく、塗膜中に溶
剤が残存しないように照射線量を決めることを要する。
【0022】
【実施例】
〔実施例1〕ガラス板の片面に、エチレン−酢酸ビニー
ル共重合体の厚さ0.5μmシートをセットし、表面温
度120℃に設定した加圧プレスで20Kg/cm2
圧力で10分間過熱して接着し、保護層を形成した。そ
の後、この保護層上に下記配合の混合組成物をグラビア
コーターにて塗布厚さ5μmとなるように塗布した。 A成分 ビスコート17F(*1) 2重量部 B成分 カヤラッドDPHA(*2) 40重量部 アロニクスM8100(*3) 40重量部 NKエステルA400(*4) 18重量部 C成分 イソプロピルアルコール 25重量部 (*1)アルキルフルオロアクリレート 大阪有機化学
工業(株)製 (*2)6官能のアクリル単量体 日本化薬
(株)製 (*3)3官能のアクリル単量体 東亜合成化学
工業(株)製 (*4)2官能のアクリル単量体 新中村化学工
業(株)製 本配合における各成分の比率は次のようになる。 A対Bの比率は、2:98 AとBの総量とCの比率は、8:2 塗布後直ちに日新ハイボルテージ(株)製のエリアビー
ム型電子線照射装置を用いて、窒素雰囲気中、加速電圧
150kV、線量5Mradの条件で電子線を照射し、
単量体組成物を硬化させると共に溶剤のイソプロピルア
ルコールを蒸発させて、防汚性と耐擦傷性とを兼備した
ガラスを得た。このガラスは撥水性、撥油性を有する優
れた防汚性をもつものであり、さらに、鉛筆硬度5Hと
いう極めて優れた耐擦傷性を有する。
【0023】〔実施例2〕保護層の材料として、シンジ
オタクチックプロピレンオリゴマー(90wt%)/ビ
ニールシラン(10wt%)の共重合体に酢酸ビニール
を30wt%共重合させた三元共重合体の0.5μm厚
シートをガラス板の片面にセットし、実施例1と同一方
法によりガラス板に保護層を接着させた。その後、保護
層上に下記配合の混合組成物をワイヤバーコーターにて
塗布厚さ8μmとなるように、塗布した。 A成分 ビスコース17F 5重量部 B成分 NKオリゴU15HA(*6) 50重量部 カヤラッドDPHA 30重量部 NKエステルA400 15重量部 C成分 メチルエチルケトン 50重量部 (*6)15官能のウレタンオリゴマー 新中村化学工
業(株)製 本配合における各成分の比率は次のようになる。 A対Bの比率は、5:95 AとBの総量とCの比率は、67:33 塗布後、実施例1と同じ手段、条件で電子線を照射し皮
膜を形成させた。得られたガラスも高度の防汚性と耐擦
傷性を有していた。
【0024】〔実施例3〕実施例1に示したエチレン−
酢酸ビニール共重合体の厚さ0.5mmシートに、日新
ハイボルテージ(株)製の走査型電子線照射装置を用い
て空気中で加速電圧750kV、線量25Mradの条
件で電子線を照射した。この照射シートをガラス板の両
面にセットし、実施例1と同じ方法で接着してガラス板
に保護層を形成した。そして、この保護層の上に実施例
1に示したと同じ混合組成物を塗布し、次いで電子線を
照射した。混合組成物の塗布態様、電子線照射条件は実
施例1と同じである。得られたガラスは、実施例1のそ
れと同等の性能を有していた。
【0025】〔実施例4〕シンジオタクチックプロピレ
ンオリゴマー(90wt%)/ビニールシラン(10w
t%)の共重合体に酢酸ビニールを30wt%共重合さ
せた三元共重合体の厚さ0.5mmシートに、日新ハイ
ボルテージ(株)製の走査型電子線照射装置を用いて空
気中で加速電圧750kV、線量10Mradの条件で
電子線を照射した。この照射シートをガラス板の両面に
セットし、実施例1と同じ方法で接着してガラス板に保
護層を形成した。そして、この保護層の上に実施例2に
示したと同じ混合組成物を塗布し、次いで電子線を照射
した。混合組成物の塗布態様、電子線照射条件は実施例
2と同じである。得られたガラスは、実施例2のそれと
同等の性能を有していた。
【0026】〔比較例1〕ガラス板の片面に実施例1と
同じ混合組成物を塗布し、塗布後直ちに電子線を照射し
た。混合組成物の塗布態様、電子線照射条件についても
実施例1と同じにした。
【0027】〔比較例2〕ガラス板の両面に実施例2と
同じ混合組成物を塗布し、塗布後直ちに電子線を照射し
た。混合組成物の塗布態様、電子線照射条件についても
実施例2と同じにした。
【0028】上述の各実施例、比較例で得られたガラス
の評価結果を次の表に示す。 (注) 密着性:JIS K 5400(8.5.2)「碁盤目
テープ試験方法」に準じ、表面の硬化皮膜にカッタナイ
フでガラスに達する切り傷を付け、1mmの碁盤目10
0個を作り、碁盤目の上にセロハン粘着テープ(18m
m幅)を完全に付着させ、直ちにテープの一端を硬化皮
膜面に直角に保ち、瞬間的に引き剥がす付着試験を行っ
た。完全に剥がれないで残った碁盤目の数を調べ、分子
に剥がれなかった碁盤目数を、分母に全体の数(10
0)を示す。 ヘイズ:入射角60°での入射光量に対する反射角60
°における反射光量の比を示す。 耐貫通試験:JIS R 3212に準拠 屋外曝露による洗浄回復性:自動車の排ガスを想定し、
カーボンブラックをオリーブ油で練り、これを防汚処理
面に塗布する。 初期:塗布した試料を60℃の雰囲気中に65時間放置
後、車で使用されている0.3%洗剤水をガーゼに浸
し、10回往復洗浄する。 ◎:異常なし ウエザメータ 200Hr後;塗布した試料をウエザメ
ータ曝露200Hr後に汚染面を上述の初期の場合と同
様に洗浄する。 ◎:異常なし △:一部剥離が生ずる。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、ガラスに汚れ難さ、防
汚性を付与する加工と傷の付き難さ、耐擦傷性を付与す
る加工は電子線の照射により同時に行うことができ、ガ
ラスの理想的な防汚加工が可能になる。
【0030】そして、本発明の製造方法により付与され
る防汚性、耐擦傷性の両機能、性質共、高度に優れたも
のであり、しかも両機能の相乗効果により、得られたハ
ードコートガラスは今まで考えられなかったような高品
質の表面性能を有する。特に防汚性はフッ素モノマーの
重合物でガラスの表面が覆われていることから、表面は
撥水、撥油性を有し、水性の汚れ、油性の汚れに対し、
ガラスは優れた耐性を有する。また耐擦傷性に関しても
電子線硬化のハードコートの性能がそのまま発揮され、
鉛筆硬度で4H以上、スチールウールで傷が付かないと
いう、現在知られている加工方法では最高の品位のもの
が容易に得られる。
【0031】本発明のハードコートガラスに設けられて
いる保護層はガラスと硬化皮膜との結合層として機能す
ると共に、この保護層により、混合組成物の防汚コーテ
ィング層を電子線硬化する際、電子線によるガラスの変
色を防止することができ、また、ガラスが破損した場
合、ガラス破片の飛散を防ぐことができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラスの片面または両面に保護層を設
    け、この保護層上に、次の三つの成分、 A;アルキルフルオロアクリレート, B;前記Aと相溶性がなく、且つ官能基を3個以上有す
    るアクリル単量体を少なくとも50%含むアクリル系単
    量体, C;前記A及びBとそれぞれ相溶性を有する溶剤 からなり、前記A対Bの比率が0.5〜10:99.5
    〜90.0、前記AとBの総量対Cの比率が90〜5
    0:10〜50である混合組成物を1〜15μmの厚さ
    に塗布し、直ちに電子線を照射することにより、前記混
    合組成物中の溶剤の蒸発と皮膜硬化を同時に起こさせる
    ことを特徴とする防汚性を有するハードコートガラスの
    製造方法。
  2. 【請求項2】 ガラスの片面または両面に設けられた保
    護層の上に硬化皮膜が形成されているハードコートガラ
    スであって、この硬化皮膜は、次の三つの成分、 A;アルキルフルオロアクリレート, B;前記Aと相溶性がなく、且つ官能基を3個以上有す
    るアクリル単量体を少なくとも50%含むアクリル系単
    量体, C;前記A及びBとそれぞれ相溶性を有する溶剤 からなる混合組成物であって、前記A対Bの比率が0.
    5〜10:99.5〜90.0、前記AとBの総量対C
    の比率が90〜50:10〜50である混合組成物を前
    記ガラスの保護層上に1〜15μmの厚さに塗布し、電
    子線を照射して成ることを特徴とする防汚性を有するハ
    ードコートガラス。
JP21357393A 1993-08-06 1993-08-06 防汚性を有するハードコートガラスとその製造方法 Pending JPH0748147A (ja)

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JPH0748147A true JPH0748147A (ja) 1995-02-21

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JP21357393A Pending JPH0748147A (ja) 1993-08-06 1993-08-06 防汚性を有するハードコートガラスとその製造方法

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JP (1) JPH0748147A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7192899B2 (en) 2004-05-20 2007-03-20 Kabushiki Kaisha Toshiba Silicon nitride sintered body having high heat conductivity and silicon nitride structural element
JP2013087155A (ja) * 2011-10-14 2013-05-13 Aica Kogyo Co Ltd ガラス改質用樹脂組成物

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