JPH0748079B2 - 鉄筋コンクリート製原子炉格納容器の貫通部の取付構造 - Google Patents
鉄筋コンクリート製原子炉格納容器の貫通部の取付構造Info
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Description
納容器の建設構造に係り、特に原子炉格納容器の貫通部
取付構造に関する。
て、原子炉格納容器13を建設していく従来の工法を図
3ないし図5を用いて説明する。
子炉格納容器であり、図4に示すように分割された原子
炉格納容器13を吊込み用ワイヤ11によって吊り上
げ、下段の原子炉格納容器13から順に据付けられてい
た。この際、貫通部4は既に貫通部補強板14を介して
原子炉格納容器13に設置された状態で原子炉格納容器
13と貫通部4が一体となった形で吊込みが行われてい
た。貫通部の設置状態を図5に示す。
自立型原子炉格納容器であるため、鋼板板厚が約30m
mと厚く、原子炉格納容器13そのものが貫通部4等の
サポートを兼ねた状態でも十分吊込みに耐え得る剛性を
保持しているため可能となるものである。
器13の全体変形防止の強め輪であり、貫通部補強板1
4と原子炉格納容器13の接合部を局部的に補強するも
のではない。
立型原子炉格納容器の吊込みにのみ対応可能であり、鉄
筋コンクリート製原子炉格納容器の貫通部4を設置した
状態で、原子炉格納容器13に相当するライナ1を輪送
して吊込み、据付を行うことについてはライナ1の剛性
が考慮されておらず、補強を必要とする問題があった。
クリート製原子炉格納容器を図6ないし図8を用いて説
明する。本原子炉格納容器はライナ1を内張りのバウン
ダリとした鉄筋コンクリート7で構成されており、ライ
ナ1と鉄筋コンクリート7の接続はライナアンカ2によ
って行われている。ライナアンカ2はライナ1そのもの
を自立させられるだけの剛性を与えるためにフラットプ
レート3によって連結されてある。このように構成され
たライナ1の胴には貫通部4が円形の内側フランジプレ
ート5を介して接続されている。また、貫通部4が鉄筋
コンクリート7より突き出た外表面には、円形の外側フ
ランジプレート6が設置されており、内側フランジプレ
ート5と一組で貫通部4が受ける荷重を鉄筋コンクリー
ト7に伝達する構造となっている。
ライナ1が6.4mmと非常に薄く従来の鋼板の約5分
の一になっているため、工場製作時、輸送時、吊込み時
等、全ての時点においてライナ1が貫通部4の重量のに
耐えられず、局部変形を起してしまうといった問題があ
った。
10を用いて説明する。
フランジプレート6から固定用ワイヤ9を通じて固定用
ラグ10を設置したライナアンカ2に固定することでラ
イナ1の局部変形を防げるものである。
む時点で固定用ワイヤ9及び固定用ラグ10との干渉が
あり、鉄筋8の配筋作業が非常に困難となるため工数が
大である。しかも、固定用ワイヤ9及び固定用ラグ10
はコンクリートが打設されるまで取外すことが出来ない
ため、鉄筋コンクリート7内に貫通部の補強用の部材で
ある固定用ワイヤ9及び固定用ラグ10が残存してしま
うといった不具合が生じることになる。
定するために補強環16に相当するフラットプレート3
を内側フランジプレート5に接合することを試みた場合
の問題点を示す。
必要な員数を設けなければならないが、これは原子炉格
納容器13の全体変形防止の目的として必要となる員数
を大幅に上まわることになる。第二に、補強環16とし
ての効果を期待して、原子炉格納容器13の全体変形を
防止するためには、フラットプレート5が原子炉格納容
器13を全周囲なければならないが、貫通部4とフラッ
トプレート5が同一高さになっている場合には、干渉は
避けられず、補強環16を切欠いてしまうため、補強環
の機能を喪失してしまうといった問題がある。
固定させてしまうまで、自重によって鉛直方向にたわむ
変位を拘束しておく必要があるが、水平方向のフラット
プレート5は鉛直方向の曲げを押える方向として最も不
適当な方向である。
の設置によるライナ1の局部変形を押え、大型クレーン
により一体の円筒形で吊り込まれるライナ1に貫通部4
を取付けることを可能にすることにある。
2と内側フランジプレート5を接続することにより達成
される。
囲む鉄筋コンクリート7との接合に寄与するものであ
り、更に、板厚の薄いライナの剛性を高める効果も果し
ている。
ト付近で切断せず、内側フランジプレート5のコンクリ
ート打設側の板表面に延長し、接続することで固定用ワ
イヤ9等の特別な補強を設けることなく貫通部4を設
置、輸送、及び、ライナ1を一体円筒形で吊込み、据付
けることができる。更に、鉄筋8の組込みに対しても補
強部材との干渉を考慮する必要がなくなる。
内取付から現地での据付、コンクリート打設に至るまで
の工程において大幅な工数短縮ができる。また地上でラ
イナ1へ貫通部4を取付けた後、一体円筒形で大型クレ
ーンの採用による組み上げが可能となるため、吊込み回
数の減少による信頼性確保ならびにライナ1の据付精度
の向上を期待できる。
期短縮を達成することができる。
手段でライナ1に取付けるかがポイントであるが、ライ
ナ1は約6.4 mmの薄肉鋼板であるため、ライナ1単
独では、貫通部4を支えることは困難である。ライナ1
の本来の機能は、原子炉格納容器のバウンダリに過ぎ
ず、ライナ1の外表面に約5百mmの間隔で鉛直に取付
けられるライナアンカ2と約2mの間隔で水平に取付け
られる。フラットプレート3がそれぞれ縦と横の格子を
形成し、一体となっている。この剛性の高い格子構造が
ライナ1の全周を取り囲んでおり、この剛性の高いライ
ナアンカ2またはフラットプレート3を貫通部4に取付
く内側フランジプレート5に接続することで貫通部4の
重量はライナアンカ2またはフラットプレート3に伝達
され、ライナ1の局部変形を妨げる。
あるとライナアンカ2もしくはフラットプレート3が接
続される線長が少なくなる。
ナアンカ2もしくはフラットプレート3の配置ピッチを
変更する必要性が出てしまう。
ート5を長方形として、ライナアンカ2もしくはフラッ
トプレート3が、配置ピッチを貫通部4の取付位置の部
分だけ変更しなくても必要な剛性を確保できるだけ、ラ
イナアンカ2もしくはフラットプレート3の接続長さを
確保している。
でも切欠けば原子炉格納容器13の全体変形を防止する
ことが出来ないが、フラットプレート3がライナアンカ
2に接続されているため、従来例には存在しないライナ
アンカ2が荷重伝達部材となり、切欠かれたフラットプ
レート3を補強するため、フラットプレート3が貫通部
4と干渉して切欠く必要が発生した場合にも原子炉格納
容器13の全体変形を防ぐことが可能となっている。
ているため、コンクリートが打設されるまでの貫通部の
鉛直方向の変位を最も拘束効率のよい方向から押えるこ
とが可能となっている。
説明する。
5と外側フランジプレート6が設置してある。
おり、ライナ1と接続されるためライナ1との板厚差分
の三分の一以下の勾配で内側フランジプレート外周のコ
ンクリート打設側に傾斜をつけてある。
度の厚さがあるため、貫通部4との荷重伝達は十分され
る。
の間隔で鉛直に取付けられるT字型断面のライナアンカ
2と約2mの間隔で水平に取付けられるフラットプレー
ト3が、それぞれ、格子状に配置され全周を取り囲んで
いる。このライナアンカ2もしくはフラットプレート3
は内側フランジプレート5へ接続させるため、貫通部4
と内側フランジプレート5の付け根に至らない位置まで
延長される。
側フランジプレート5の形状に沿って形切りされ、ライ
ナ1と内側フランジプレート5の接合部にスカラップを
設けて、内側フランジプレート5のコンクリート打設側
に接続される。この時、従来設計通りの円形フランジプ
レートでは接続部の長さを十分確保できないが、本発明
では、内側フランジプレート5は長方形であるため、ラ
イナアンカ2もしくはフラットプレート3に対しても十
分な接続長さを確保することが可能となっている。
ライナアンカ2の切欠き加工を曲率のついた傾斜部に沿
って施工しなければならないが、本件は、フランジプレ
ートを長方形にすることで一定の切欠き加工で対処可能
となっている。続いて、鉄筋コンクリート製原子炉格納
容器の施工順序をつぎに示す。工場内では分割されたラ
イナ1にライナアンカ2,フラットプレート3及び、内
側フランジプレート5と外側フランジプレート6の取付
いた貫通部4が一体で組まれた状態まで製作される。分
割されたライナ1はそのまま輸送され現地で円筒形に接
続されて下段から順に一体円筒形で吊込まれ据付けられ
る。この時、並行して鉄筋8が組み上げられ、段階的に
コンクリートが打設されてライナ1と鉄筋コンクリート
7で構成される鉄筋コンクリート製原子炉格納容器が建
設されていく。
付時まで特別な補強を使用せず、貫通部4をライナ1に
取付けた状態で作業を進行することができる。
きる。
トプレート3を貫通部4を支える補強部材として、利用
することができるため一プラント当り約二百本もある貫
通部4に対する特別な補強を製作する工数を大幅に削除
することができる。
1や固定用ラグ10を使用する必要がないため、干渉回
避に費する工数を削除することができる。
イナアンカ2、もしくは、フラットプレート3として埋
設され、一時的に据付けた補強部材を埋設することがな
いため、ライナ1及び、鉄筋コンクリート7の信頼性向
上となる。
ト、4…貫通部、5…内側フランジプレート、6…外側
フランジプレート、7…鉄筋コンクリート、8…鉄筋、
9…固定用ワイヤ、10…固定用ラグ、11…吊込み用
ワイヤ、12…原子炉圧力容器、13…原子炉格納容
器、14…貫通部補強板、15…かけ渡し用ライナアン
カ、16…補強環。
Claims (1)
- 【請求項1】鉄筋コンクリート製原子炉格納容器のライ
ナと貫通部のフランジプレートにライナを鉄筋コンクリ
ートに接合させるために取付ける鉛直方向のライナアン
カをかけ渡して両者を固定することを特徴とする鉄筋コ
ンクリート製原子炉格納容器の貫通部の取付構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3023110A JPH0748079B2 (ja) | 1991-02-18 | 1991-02-18 | 鉄筋コンクリート製原子炉格納容器の貫通部の取付構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3023110A JPH0748079B2 (ja) | 1991-02-18 | 1991-02-18 | 鉄筋コンクリート製原子炉格納容器の貫通部の取付構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04262296A JPH04262296A (ja) | 1992-09-17 |
JPH0748079B2 true JPH0748079B2 (ja) | 1995-05-24 |
Family
ID=12101337
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3023110A Expired - Fee Related JPH0748079B2 (ja) | 1991-02-18 | 1991-02-18 | 鉄筋コンクリート製原子炉格納容器の貫通部の取付構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0748079B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2003084089A (ja) * | 2001-09-14 | 2003-03-19 | Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd | ライナ構造体 |
JP6192900B2 (ja) * | 2012-06-07 | 2017-09-06 | 三菱重工業株式会社 | 原子炉格納容器の据付け工法 |
-
1991
- 1991-02-18 JP JP3023110A patent/JPH0748079B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04262296A (ja) | 1992-09-17 |
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