JPH0747773B2 - 3ピース缶の製造方法 - Google Patents

3ピース缶の製造方法

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JPH0747773B2
JPH0747773B2 JP2083391A JP8339190A JPH0747773B2 JP H0747773 B2 JPH0747773 B2 JP H0747773B2 JP 2083391 A JP2083391 A JP 2083391A JP 8339190 A JP8339190 A JP 8339190A JP H0747773 B2 JPH0747773 B2 JP H0747773B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は3ピース缶の製造方法に関する。
〔従来の技術〕
第3図(a)に示す飲料缶,同図(b)に示す18l缶
(例えば灯油缶),同図(c)に示すペール缶などの缶
は、構成上から、2ピース缶と3ピース缶に分類でき
る。2ピース缶は錫めっき,クロムめっき,化成処理,
塗油,などの処理を施した表面処理鋼板に、プレス加
工,DWI(drawing and wall ironing)加工,DRD(drawin
g and redrawing)加工などの加工を施し、これに蓋を
取り付けた2部品からなる缶である。3ピース缶は表面
処理鋼板を円筒状もしくは角筒状に曲げて端部を接合
(11が接合部)して缶胴12を成形した後、天蓋13と底蓋
14を取り付けた3部品からなる缶である。天蓋13を取り
外して装着開閉できる缶も、2ピース缶,3ピース缶の範
疇に含まれる。同図(b)の15は把手、16は注入口を示
す。
3ピース缶は2ピース缶と比べて製造工程数が多く製造
コストが高くなるものの、プレス加工,DWI加工などの強
加工は行わないため、缶胴12への美術的印刷が可能とな
り、ファッション性の点から多用されている。
第4図に3ピース缶の製造工程を示す。すなわち、厚さ
200〜300mm程度のスラブを熱間圧延により厚さ2〜4mm
の熱延鋼帯とした後、高温で巻き取って自己焼鈍させ
る。次に酸洗して表面の酸化スケールを除去してか冷間
圧延して厚さ0.1〜0.6mmの冷延鋼帯とする。ついで箱焼
鈍又は連続焼鈍を行うことにより、冷間圧延で形成され
た圧延組織(繊維状組織)を回復,再結晶,結晶粒成長
へと進め所定の機械的性質を得る。なお、連続焼鈍の場
合は、耐食性,耐錆性等の向上を目的として、焼鈍前に
ニッケルメッキを施す場合もある。その後、所定の調質
度(T1〜T6,DR8〜10)を得るために調質圧延して、表面
処理用原板とする。ついで表面処理されて表面処理鋼帯
となった帯板をシャーラインにて所定の長さに剪断す
る。第5図にその様子を示す。帯板Sは、その長手方向
即ち圧延方向が缶胴の曲げ方向となるように切断されて
切板1を得る。図中2はこの時の切断線であり、Lが切
断長さである。
このようにして得られた切板1に、塗装ラインにおい
て、缶内面に相当する面に塗装と焼付けを施し、次にも
う一面にも塗装と焼付けを施す。なお、缶外面に相当す
る塗装は次の印刷を考慮して白色塗装を塗るのが一般的
である。次の多色印刷は、以前には色の種類毎に印刷焼
付けを繰り返していたが、最近では複数の印刷機を連設
して1パスで印刷と焼付けが行われるようになってい
る。なお、これら塗装印刷は第5図の斜線で示した接合
部5を外して行う。これは後述の接合強度が塗料により
低下するためである。
次に切板1は、スリットカットにより、1缶当りの大き
さのブランクシート6にされ、このブランクシート6を
円筒状もしくは角筒状に曲げる。図中3はスリット線で
あり、角筒状に曲げ加工する場合の曲げ線を4で示し
た。そして、ブランクシート6の長手方向両端部の接合
部5,5を溶接もしくは接着剤により重ね接合した後、フ
ランジ加工,必要に応じてネッキング加工,ビーディン
グ加工を施して天蓋と底蓋を取り付けて仕上げる。ここ
で上記フランジ加工は天蓋13,底蓋14を巻き締めにより
取付けるために行うもので、その様子を第6図に示す。
同図において17がフランジ部、18が巻締め部である。ま
た、ネッキング加工,ビーディング加工は缶強度を上げ
る場合に行うものである。
〔発明が解決しようとする課題〕
前述のように3ピース缶の製造工程は複雑でコストアッ
プの要因となっていることから、製造工程の連続化,簡
略化が叫ばれている。
その対応策の1つとして、従来の切板状態での塗装を帯
板の状態で塗装してその後切板にする方法が考えられ
る。即ち、切板塗装においては、各切板毎かつ表裏2回
分を塗装ラインに通して塗装と焼付けを行う必要がある
(2コート2ベーク・2回塗装2回焼付け)が、帯板の
場合には缶内面に相当する塗装と缶外面に相当する塗装
を連続して施し、次の焼付けは表裏同時に行う(2コー
ト1ベーク)ことが可能となる。そして、この塗装ライ
ンで、塗装焼付け後の切板切断を行うことにより、工程
の簡略化と連続化が実現できることになる。
しかしながら、上記帯板塗装には次のような問題があ
る。即ち、第5図に示したように接合部5,5を外して塗
装しなければならず、この塗装切りの巾は通常6mm程度
であり、塗装範囲の制御が非常に困難である。また塗装
が可能としても塗装切り部の中心位置(すなわち前記6m
mの幅の中心である3mmの位置)で、高速移動中の帯板を
切断することは困難である。
このように塗装範囲,切断位置の制御精度が悪いと次の
ようなトラブルにつながる。例えば接合部の塗料が存在
する場合は、これをそのまま溶接すると塗料が燃焼し、
爆飛現象が生じてナゲットが正常に形成されないばかり
か穴があくことがある。また接着剤を用いて接合しても
充分な接着力が得られない。逆に本来塗装すべきところ
に塗装されない場合には、接合は問題ないが耐錆性,耐
食性等の点で問題となる。
この発明は上述した従来技術の課題を解決することを目
的とする。
〔課題を解決するための手段〕
この発明に係る3ピース缶の製造方法の発明は、重量比
でC:0.004%以下、Si:0.02%以下、Mn:0.05〜0.30%、
P:0.020%以下、S:0.020%以下、N:0.0050%以下、Al:
0.02〜0.2%、Nb:0.01%以下を含むとともに、残部がFe
及び不可避的不純物より成る連続鋳造スラブに、常法に
より熱間圧延,酸洗,冷間圧延,連続焼鈍および調質圧
延を施し、これにメッキ,化成処理,塗油などの表面処
理を施して帯板を得る。次いでこの帯板に、その巾方向
両端部の所定巾を外して、帯板の表裏に塗装を施して焼
付し、ついで必要に応じて印刷・焼付した後、所定の長
さに切断し、さらにブランキングしてブランキングシー
トとし、該ブランキングシートを圧延方向とは直角方向
に曲げて前記非塗装部を重ね接合してからフランジ加工
して天蓋と底蓋を取り付けて仕上げることを特徴とす
る。
〔作用〕
まず、本発明に至る経緯について述べる。前述した接合
部に関する問題は、曲げ方向を従来の圧延方向と同一の
方向から、圧延方向に対して直角方向に変更することに
より解決できることに想到した。これを第1図に示す。
従来例を示した前掲第5図と同一の部位には同一記号を
付してある。これにより塗装は帯板1の両端部に位置す
る接合部5,5を外して、帯板1の長手方向に連続して施
せばよいので、前述した塗装に起因する問題は一挙に解
決できる。
ところが、このようにして得られたブランクシート6を
曲げ加工後、シート溶接で接合してフランジ加工を施し
たところ、熱影響部(HAZ)で割れる頻度が非常に高く
なることがわかった。そこでこのHAZ割れを無くすため
の検討を行った。
缶胴の溶接は通常、中間電極に胴ワイヤーを用いる型式
の、所謂ワイヤーシート溶接機を用いて前述のように接
合部を重ね溶接する。これにより重ね部は鋼板抵抗によ
り発熱,溶解し、電極輪の加圧力によって接着する。こ
の溶接中の鋼板温度は約900〜1500℃の範囲となるよう
に電流,電圧が制御される。900℃未満では溶接強度が
不充分となり、1500℃超では、スプラッシュが発生する
ためである。このような溶接法により接合した缶胴のHA
Z割れが調査した結果、重ね合わせ部の厚さが大きい
程、HAZ割れの発生頻度が高くなることがわかった。
これは定性的には、第2図のように説明できる。同図
(a)は重ね部が厚い場合、同図(b)は薄い場合を夫
々示したもので、ここで7は缶胴、8はナゲット、9は
フランジ加工用ダイスであり、円筒状の製造を例にし
た。フランジ加工の時、重ね合わせ部には引張力F,F′
が生じるが、重ね合わせ部の厚みが大きい程、引張力は
大きくなる(F>F′)。このため、重ね合わせ部の厚
みが大きい程、HAZ割れが発生しやすくなると考えられ
る。
そこで、電極輪の加圧力を大きくすることにより押しつ
ぶして薄くする方法が考えられるが、これにも限界があ
った。即ち、加圧力が過大であると、溶接が進行し終わ
りに近づくに従って、重ね合わせ部の板が互いに逃げ
て、必要な重ね幅が得られなくなったり、銅ワイヤーの
形状が悪くなって、正常なナゲットが連続して得られな
くなるという問題が発生した。なお、電流値を高くして
鋼板温度を上げることも考えられるが、この場合には前
述のようにスプラッシュが発生して、これが缶の内外面
に飛散・付着し、塗装膜や印刷膜を破壊し、耐食性,耐
錆性,美観等を損なうので実用に供し得ない。
以上圧延方向に曲げて缶を製造する方法では問題はなか
ったのに対し、圧延方向と直角の方向に曲げて製缶する
方法ではHAZ割れの発生頻度が高くなる点について溶接
方法の改善により解決することを検討したが、非常に難
しく結局解決できなかった。
そこで、次に本発明者らは缶用鋼板の製造工程に対して
検証を加えた。その結果、上記HAZ割れは圧延による結
晶組織の異方性にあることをつきとめた。例えば、低炭
素鋼を用いて調質度T4,板厚0.32mmに仕上げたぶりき厚
板を引張試験した結果の例を下表に示す。
この異方性について実験室的に研究したところ、次のこ
とが判明した。即ち、 異方性は調室圧延の影響により表れる。
焼鈍後の結晶粒径が大きい場合、次工程の調室圧延
の影響をそれほど受けない。
焼鈍後の結晶粒径が小さい場合には次工程の調室圧
延の影響を受け、異方性が表れる。
調室圧延後の結晶粒は、その長径(圧延方向)と短
径(圧延方向と直角の方向)との比が1.5以内であれ
ば、異方性はそれほど表れない。
調室圧延での圧下率を高くしてDR10クラスの硬度に
仕上げても、軸径比が1.5以下に仕上がっていれば等方
向は維持される。
尚、上記,の理由は定かではないが、次のように推
察される。即ち、結晶粒が小さいと硬質となり、調室圧
延時の塑性変形は殆ど圧延方向に限定されるが、結晶粒
が大きい場合には軟質となり、圧延方向と直角の方向に
も塑性変形が生じるためであると考えられる。
そこで本発明者らは結晶粒を大きくするためには極端に
C量を少なくした極低炭素鋼を素材とすることに想到し
たのである。
ところで、工業的に製造される缶用鋼板の場合には同一
製造条件であっても結晶粒組織を同一水準に合わせるこ
とは非常に困難であり、また従来はその必要性も殆どな
かった。製造条件が同じでも組織がばらつくのは、鋼の
精錬工程での鋼中成分比率の変動、加熱炉,焼鈍炉等に
おいて生成する炭化物,酸化物,窒化物,硫化物等の析
出物の大きさ,量および分布状態の変動によるものと考
えられる。
これらの中で、炭化物は結晶の核となるため、炭化物が
多く存在すると結晶粒径が小さくなる。一般にC量の少
ない領域では鋼中C量によって結晶粒径が一義的に決ま
ることが知られている。しかしながら、C量が同じであ
っても大きな結晶粒の横に小さな結晶粒が存在する、所
謂混粒組織になることがあり、前述のように小径の結晶
粒が存在すると異方性が表れる。混粒組織になったりな
らなかったりすることが工業的製造を困難にするのであ
る。従って前述したように極端にC量を減少させた極低
炭素鋼を用いることは、結晶粒を大きくするばかりか、
混粒組織をなくすことからも有効となる。
しかしながら、これだけではまだ不充分である。即ち炭
化物以外の析出物(AlN,MnO,MnS等)は結晶粒の成長を
阻止したり、その成長方向を規制したりする作用を有す
るから、本発明の目的に対しては有害となる。これの対
策としては、熱処理温度の調整により析出物を微細化し
て分散させることも考えられるが、この方法では安定し
て製造することは困難であることから、この発明は製造
コスト上からも有利となるMn,S,N等の量を少なくする方
法を採った。
以上に述べた知見からこの発明に至ったものである。
この発明によれば、結晶粒を大きくしてかつ小さな結晶
粒の混入率も大巾に低減できるため、圧延に起因する異
方性は生じない。従って、3ピース缶の缶胴を製造する
にあたって圧延方向に対して直角の方向に曲げて重ね溶
接し、フランジ加工を施しても熱影響部(HAZ)が割れ
ることはなく、またこれにより帯板塗装が可能となるか
ら、製造工程の短縮やコストダウン等を達成できる。
そして、これが可能になるのは次の作用の相乗効果であ
ると考えられる。
溶接時に熱影響部の結晶粒が粗大化するが、その
際、析出物が粒界に再析出して粒界の強度を低下させて
HAZ割れを誘起させるものの、この発明ではMn,S,N等を
少なくしているので再析出によるHAZ割れを低減でき
る。またMnを少なくすることは製造コストを安価にする
という副次的効果もある。
C量を極端に少なくし、また析出物を少なくして結
晶粒を粗大化かつ均一化させるので、降伏点も低くなり
フランジ加工時における塑性変形も円滑に行われ、HAZ
割れの頻度が少なくなる。
HAZ割れを防止するには板厚そのものを薄くして、
溶接時の重ね合わせ部の総板厚を薄くすることが考えら
れる。しかし板厚を薄くすることは缶強度を低下させる
ことになる。
近年、空缶コストを削減するため、板厚を薄くする方向
に進んでいるが、缶強度の低下を防止するために、板厚
に応じて鋼板硬度を高くしている。硬くする方法には、
C量を多くして結晶粒径を小さくする方法と調質圧延で
の圧下率を高くする方法があるが、いずれも異方性を呈
するためこの発明には採用できない。
しかしながら、この発明では、極低炭素鋼を使用してお
り、硬質化のために圧下率を高くして調質圧延を行って
も何ら問題とはならない。これは高圧下率の調質圧延に
より加工硬化しても、溶接部近傍は、溶接熱により一種
の自己焼鈍が進み、元の極低炭素鋼特有の軟質性になる
ためであると考えられる。従ってフランジ加工を行って
もHAZ割れは生じないものである。
次に、成分の限定理由について述べる。
まずC量はこの発明の最も重要な因子であり、結晶粒を
均一に粗大化するためには0.004重量%以下にする必要
がある。
Siはめっき後の耐食性等を低下させるので、0.02重量%
以下とした。
Mnは、熱間圧延脆性化を防ぐために0.05重量%以上と
し、0.30重量%を越えると冷間圧延性が悪くなりまた析
出物も多くなるので0.30重量%以下とする。
Pは多く含まれるとめっき後の耐食性等を劣化させるの
で0.20重量%以下とし、Sも同様にめっき後の耐食性等
を劣化させるとともに、熱間圧延脆性を悪くし析出物も
多くなるので0.020重量%以下とした。
Nは多く含まれると延性が悪くなるとともに析出物も多
くなるので0.0050重量%以下とする。
Alは、Alキルド鋼を得るために製鋼段階で添加している
が、高価なAlを多く添加することは不経済であり、ま
た、これが少ないと十分脱酸されないので、0.02〜0.2
重量%とする。
Nbは連続焼鈍における再結晶温度を下げる効果を有する
ものの炭化物,窒化物を形成するので0.01重量%以下と
した。
また、上記組成とすることにより、前述した結晶粒組織
が得られる。
〔実施例〕
第2表に示す製造条件で製造した18種類のぶりき鋼板を
用いて、圧延方向に対して直角方向の曲げになるよう
に、塗装,印刷焼付けを施した後、切板に剪断し、外面
部にはさらに印刷及びクリヤー塗装を施した後、中間電
極に銅ワイヤーを使用するワイヤーシーム溶接脆を用い
て溶接して18l缶の胴に成形し、さらに引き続きダイフ
ランジヤーでフランジ加工を行い、フランジ割れ評価を
行った。また、それらフランジ部の溶接板厚も実測し
た。それぞれの結果を第2表に示す。
これらの結果から、この発明にかかる鋼板は比較鋼板に
比して、圧延方向に対する直角方向の曲げを行ってもHA
Z割れが発生せず、帯板塗装化が可能になる優れた鋼板
があることが明らかである。
なお、極低炭素鋼は連続焼鈍後T1相当に仕上がるので、
調質圧延の圧下率を高めに調整すればT1〜T6,DR8〜DR10
までの調質度のものが得られるという特長を有してい
る。
また、前記は18l缶で説明しているが、缶径の小さい飲
料缶においても同じ性能を発揮できることは言うまでも
ない。さらに、この発明に関する缶用鋼板の成分にTi,
V,B等の元素を添加できるが、これらを添加しなくとも
よいことは勿論である。また上記実施例ではぶりき鋼板
を用いたが、ティンフリー鋼板,複合メッキ鋼板等を用
いてもよく、まためっきを施さずに塗油鋼板を用いても
よい。
かくして、従来は、缶胴の折り曲げ、円筒状曲げ方向は
圧延方向であることが全世界を通じて常識であったた
め、塗装、印刷の帯板塗装化が難しかったが、この発明
により圧延方向に対する直角方向の巻きや曲げも可能に
なったことにより、3ピース缶鋼板の帯板塗装化が積極
的に進み合理化が図られ、缶コストが削減できることは
明らかである。
〔発明の効果〕
以上説明したように、この発明に用いる3ピース缶用鋼
板は結晶粒を大きくし且つ小さな結晶粒の混入率を大幅
に低減しているため、圧延に起因する異方性を生じな
い。したがって、この発明の方法においては、第1に、
鋼板自体に前記のように異方性がないばかりでなく、析
出物が減少するからフランジ加工を施しても溶接部の割
れを防止することができ、帯板の幅方向への折り曲げや
湾曲が可能となったこと、第2に、帯板の幅方向両端部
を外して塗装するためこれ以外の部分の塗装は帯板の長
手方向に連続して行うことができるから作業が容易であ
ること、第3に、切断位置は非塗装部の位置を考慮する
ことなく所定の寸法ごとに行えばよいから、切断位置の
制御も容易となること、の理由によって、製造工程の短
縮及びコストダウンに貢献できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の3ピース缶用鋼板の塗装及び切断位
置の説明図、第2図は缶胴溶接部の断面図であって同図
(a)は重ね部が厚い場合、同図(b)は重ね部が薄い
場合を示す。第3図は3ピース缶の例を示す説明図、第
4図は3ピース缶の製造工程説明図、第5図は従来の3
ピース缶用鋼板の塗装及び切断位置の説明図、第6図は
フランジ加工の説明図である。 S……帯板、1……切板、2……切断線、3……スリッ
ト線、4……曲げ線、5……接合部、6……ブランクシ
ート。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 寿勝 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社千葉製鉄所内 (72)発明者 藤長 千香子 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社千葉製鉄所内 (72)発明者 関根 稔弘 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社千葉製鉄所内 (56)参考文献 特開 平2−47048(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量比で、C:0.004%以下,Si:0.02%以下,
    Mn0.05〜0.30%,P:0.020%以下,S:0.020%以下,N:0.005
    0%以下,Al:0.02〜0.2%,Nb:0.01%以下を含むととも
    に、残部がFe及び不可避的不純物より成る連続鋳造スラ
    ブに、常法により熱間圧延,酸洗,冷間圧延,連続焼鈍
    および調質圧延を施し、これにメッキ,化成処理,塗油
    などの表面処理を施して帯板を得、この帯板に、その巾
    方向両端部の所定巾を外して、帯板の表裏に塗装を施し
    て焼付し、次いで必要に応じて印刷・焼付した後、所定
    の長さに切断し、さらにブランキングしてブランキング
    シートとし、該ブランキングシートを圧延方向とは直角
    方向に曲げて前記非塗装部を重ね接合してから、フラン
    ジ加工により天蓋と底蓋を取り付けて仕上げることを特
    徴とする3ピース缶の製造方法。
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