JPH0747598A - ポリエステル製シート - Google Patents

ポリエステル製シート

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JPH0747598A
JPH0747598A JP5086458A JP8645893A JPH0747598A JP H0747598 A JPH0747598 A JP H0747598A JP 5086458 A JP5086458 A JP 5086458A JP 8645893 A JP8645893 A JP 8645893A JP H0747598 A JPH0747598 A JP H0747598A
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polyester
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aliphatic
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光博 今泉
Haruhiko Kondo
晴彦 近藤
Masataka Kotani
正孝 小谷
Kenji Iwasa
建史 岩佐
Eiichiro Takiyama
栄一郎 滝山
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、土壌等に埋めた場合生分解性を有
し、引張り強さ、剛性、衝撃強度に優れたシートを提供
することにある。 【構成】 温度190℃、剪断速度100sec-1にお
ける溶融粘度が1.0×103 〜1.0×106 ポイズ
であり、融点が70〜190℃である脂肪族ポリエステ
ルを主成分として成形されてなるシート。 【効果】 生分解性を有し、焼却処理したとしても燃焼
発熱量がポリエチレンやポリプロピレンと比較して低
く、引張り強さ、剛性、衝撃強度に優れたシートが得ら
れた。また、本発明のシートを延伸したものは、各種機
械的強度および透明性に優れている。さらに本発明のシ
ートは、香料の収着が少なく、ヒートシール性および成
形加工性が良好である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生分解性を有し、実用
上十分な高分子量と特定の溶融特性を有する脂肪族ポリ
エステルを用いた、熱安定性および機械的強度に優れた
シートに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、包装資材のプラスチック化が進む
一方、これら多量に使用されているプラスチックの廃棄
物が、河川、海洋、土壌を汚染する可能性を有し、大き
な社会問題になっており、この汚染防止のために生分解
性を有するプラスチックの出現が待望され、既に、例え
ば、微生物による発酵法により製造されるポリ(3−ヒ
ドロキシブチレート)やブレンド系の天然高分子である
澱粉と汎用プラスチックとのブレンド物等が知られてい
る。しかし、前者はポリマーの熱分解温度が融点に近い
ため成形加工性に劣ることや微生物が作りだすため、原
料原単位が非常に悪い欠点を有している。また、後者は
天然高分子自身が熱可塑性でないため、成形性に難があ
り、利用範囲に大きな制約を受けている。一方、脂肪族
のポリエステルは生分解性を有することは知られていた
が、実用的な成形品物性を得るに十分な高分子量物が得
られないために、ほとんど利用されなかった。最近、ε
−カプロラクトンが開環重合により高分子量になること
が見いだされ、生分解性樹脂として提案されているが、
融点が62℃と低く、原料が高価なため特殊用途への利
用に限定されている。グリコール酸や乳酸などもグリコ
リドやラクチドの開環重合により高分子量が得られ、僅
かに医療用繊維等に利用されているが、融点と分解温度
が近く、成形加工性に欠点を持ち、前記包装資材の分野
に大量に使用されるには至っていない。
【0003】これら包装材料に使用されるシートの成形
に通常用いられている高分子量ポリエステル(ここで言
う高分子量ポリエステルとは、数平均分子量が10,0
00以上のものを指す)は、テレフタル酸(ジメチルテ
レフタレートを含む)とエチレングリコールとの縮合体
であるポリエチレンテレフタレートに限定されるといっ
ても過言ではない。テレフタル酸の代りに、2,6−ナ
フタレンジカルボン酸を用いた例もあるが、いずれも、
生分解性を付与しようとする試みの報告はまだされてい
ないのが現状である。従って、従来ジカルボン酸に脂肪
族タイプを使用した、生分解性を有する脂肪族のポリエ
ステルを用いて、シートを成形し、実用化しようとする
思想は皆無といってよい。この実用化の思想の生まれて
いない理由の一つは、前記シートが、特殊な成形条件と
成形品物性が要求されるにもかかわらず、たとえ結晶性
であったとしても、前記脂肪族のポリエステルの融点は
100℃以下のものがほとんどであり、その上溶融時の
熱安定性に乏しいこと、更に重要なことはこの脂肪族の
ポリエステルの性質、特に引張り強さで代表される機械
的性質が、上記ポリエチレンテレフタレートと同一レベ
ルの数平均分子量でも著しく劣った値しか示さず、強度
等を要する成形物を得ようとする発想をすること自体困
難であったものと考えられる。さらに脂肪族のポリエス
テルの数平均分子量をより上昇させて物性向上を期待す
る研究は、その熱安定性の不良から十分に進展していな
いこともその理由の一つと推察される。
【0004】一方、香気成分は食品、化粧品、洗剤、塗
料、糊料、茶、コーヒー、香辛料など多くの商品の商品
価値を高める重要な要素の一つである。多くの食品は、
それ自体極微量であるが多数の香気成分を含有し、各成
分は一定の比率を保つことによって各食品に特有の香り
を与えている。また、商品価値を高めるために種々の香
気成分を商品に添加して香りの強化あるいは着香するこ
とも広く行われている。
【0005】これらの香気成分としては、p−メンタ
ン、ビネン、d−リモネン、ミルセン、テルビネン、カ
レン、サビネン、およびβ−カリオフィレン等のテルベ
ン系炭化水素化合物、ゲラニオール、ネロール、シトロ
ネロール、テルビネオール、リナロール、メントール、
ネロリドール、ボルネオール等のテルベン系アルコール
化合物あるいはそれらのエステル類、シトラール、シト
ロネラール等のテルベン系アルデヒド化合物、オクタノ
ール、ベンジルアルコール、オイゲノール等のアルコー
ル類、カプロン酸エチルエステル、安息香酸アミルエス
テル、ケイ皮酸エチルエステル等のエステル類など、あ
るいはその他多くの有機化合物が知られている。
【0006】そしてこれらの香気成分を含有する製品
は、ガラス製、金属製あるいは合成樹脂製の包装材によ
り包装され、貯蔵、運搬あるいは販売されている。特
に、簡単な包装形態として合成樹脂製のシート又は熱成
形容器を使用した包装材による包装は、多層化技術の発
展及びヒートシール技術の進歩などと相俟ち、安価なこ
と、自動包装が容易なこと、美麗な印刷が可能なこと、
酸素及び水分の完全遮断が出来ることなどの利点を有す
るところから多くの商品の包装に適用されている。
【0007】しかし、上記包装材の原料として使われる
多くの合成樹脂シートは、被包装製品原料中、あるいは
添加した香気成分を多量にしかも急速に収着する性質を
有するために被包装物の香りが薄れ、商品価値が損なわ
れるという問題がある。
【0008】しかも、この収着現象は、香気成分の種類
によって収着度が異なるため、多数の香気成分の組み合
わせで成立している香りが、一部の香気成分を特に強く
収着されて香りの性質が変わり、その商品価値を著しく
損なわせることも問題となっている。
【0009】ここで収着とは、香気成分が被包装製品か
ら合成樹脂中に溶解し、拡散する現象や、溶液中に溶解
された香気成分が合成樹脂中に溶解し、拡散する現象を
指すものである。
【0010】保香性及び香気成分の収着と合成樹脂との
関係に関しては、渡辺渉ら、日本食品工業学会誌、10 N
o.4,P.118 (1963)や食品工業別冊、食品の包装と材
料、光琳(S55 年)や棒田滋行、ジャパンフードサイエ
ンス3月号 P.49(1987)、PRECEEDING OF FUTURE− P
AK '87(RYDER ASSOCIATES INC; ) November 9 −11
(1987)等に述べられている。
【0011】これら香気成分の保持に関する従来技術と
しては、ポリエチレンテレフタレート、エチレン−ビニ
ルアルコール共重合体、ナイロンのうち一種あるいは一
種以上のものを内容物と接する最内層に用いる方法(特
開昭57−163654号公報および同60−4834
4号公報)、最内層をポリエステルとポリアミドとの混
合物として用いる方法(特開昭61−64449号公
報)、ペーパーボードにコロナ処理又は火焔処理した低
密度ポリエチレンを介してエチレン−ビニルアルコール
共重合体を用いる方法(特開昭63−3950号公
報)、同じくポリオレフィンに接着層を介してエチレン
−ビニルアルコール共重合体を積層し、エチレン−ビニ
ルアルコール共重合体をヒートシール層として用いる方
法(実開昭63−21031号公報)等が知られてい
る。しかし、これらの方法はいずれもポリオレフィンよ
り融点が高く、脆く、ヒートシール性が悪いという問題
があった。
【0012】これとは別に、最内層を形成する樹脂に収
着される香気成分を予め見込んで練り込んでおく方法
(例えば特開昭59−174348号公報、同59−1
74470号公報)等が提案されている。しかし、この
方法では食品香料を最内層樹脂に練り込むとき、香料が
熱劣化を起こす、あるいは香気成分のバランスを崩し、
被包装製品とは異なる香りとなるなど別の問題を起こす
危険もあった。
【0013】例えば、包装材としてヒートシール性に優
れ、また耐湿度透過性に優れているポリプロピレン、中
・低圧法ポリエチレン、高圧法ポリエチレン、エチレン
−酢酸ビニル共重合体(以下、EVAと略記する。)の
ようなポリオレフィン系樹脂は、前記の香気成分のう
ち、テルベン系炭化水素化合物を特に強く収着するが、
アルコール系、エステル系香気成分はあまり収着せず、
特にアルコール系の収着は極めて少ないため、香気成分
のバランスを失って、被包装製品の香りを変質させ、商
品価値を失う危険性があった。
【0014】一方、フィルムに収着された香気成分のフ
ィルム外への透過散逸は包装の内面フィルムの外側にア
ルミニウムフォイルをラミネートすることにより防止さ
れる。最近ではアルミニウムに代えてガスバリア性の高
いプラスチックフィルムのラミネートも試みられてい
る。しかし、透過散逸防止の処理を施しても香気成分を
含む食品が食品容器の内面層内材の収着し易い面に直接
接触しているかぎり、これら内面層材樹脂への収着は免
れ得ない。
【0015】他方、包装材に要求される大きな特性は包
装したものの密封性である。密封性に関してはヒートシ
ール性の高いフィルム用樹脂が選択される。
【0016】成膜性に優れた汎用樹脂としては、ポリプ
ロピレン、中・低圧法ポリエチレン高圧法ポリエチレン
等があるが、いずれもテルベン系炭化水素系香気成分の
収着性が大きいので、前述した香気成分の収着のない樹
脂としては好ましいものとは言い難い。
【0017】他方、ビニルアルコール成分を有するエチ
レン−ビニルアルコール共重合体(以下、EVOHと略
記する。)は、優れた香気成分収着防止能力を有する
が、ヒートシール性に乏しく、フィルム系包装材の内装
材としては問題がある。例えば、ビニルアルコール含有
量が25モル%以下のEVOHは、ガスバリアー性が充
分でなく、また75モル%以上含有のEVOHは、ポリ
オレフィンと同様な押出成形が困難であるため、ガスバ
リアー性を必要とする樹脂としてはビニルアルコールグ
ループ含有量が25〜75モル%のEVOHが選ばれる
のが普通である。これであれば、ポリオレフィン系樹脂
と同様な押出成形加工が可能であり、ガスバリアー性も
充分あって、このための用途にしばしば用いられてはい
るが、フィルム系包装材の内面層材としての必要なヒー
トシール密封性が良好でないため、ヒートシール包装用
内面層材と用いられることはほとんどなかった。また、
芳香族ポリエステルは優れた香気成分収着防止能力を有
するが、同様に、ヒートシール密封性が良好でないた
め、ヒートシール包装用内面層材と用いられることはほ
とんどなかった。
【0018】すなわち、香気成分収着防止能力とヒート
シール性とは相反する性質であって、フィルム系包装材
の内面層材はこの両者の性質を備えた材料を開発する必
要があることが分かる。一方、このようなプラスチック
系の包装材の発展は、一方ではその廃棄物が多量に出
て、河川、海洋、土壌を汚染する可能性を持ち、この防
止のため、生分解性を有するプラスチックの出現が待望
されてきた。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これら脂肪
族のポリエステルをその成分として用い、実用上十分な
高分子量を有し、熱安定性および引張り強さに代表され
る機械的性質に優れ、且つ、廃棄処分手段のひとつとし
ての生分解性、即ち、微生物等による分解も可能な、使
用後廃棄処分のしやすいシートを提供することを課題と
する。また本発明は、上記脂肪族ポリエステルを用いて
成形したポリエステル製延伸シートを提供することを課
題とする。さらに、本発明は、上記脂肪族ポリエステル
を用い、前記の機械的性質に優れ、且つ香気成分収着防
止能力とヒートシール性の両者の性質を備えたフィルム
系包装材またはその内面層材として使用可能なポリエス
テル製シートを提供することを課題とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高分子量
で十分な実用性をもったシート成形性を有するポリエス
テルを得るための反応条件を種々検討した結果、生分解
性を保持しつつ、実用上十分な高分子量を有する特定の
脂肪族ポリエステルを得、これから成形されたシートお
よび延伸シートは上記生分解性を有することはもちろ
ん、熱安定性および機械的強度に優れていることを見出
し、本発明を完成するに至った。さらに本発明者らは、
前記脂肪族ポリエステルを用いて成形されたシートは香
気成分収着防止能力とヒートシール性の両者の性質を備
えていることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0021】即ち、本発明の要旨は、(A)温度190
℃、剪断速度100sec-1における溶融粘度が1.0
×103 〜1.0×106 ポイズであり、融点が70〜
190℃である脂肪族ポリエステルを主成分として成形
されてなるシート、押出成形後延伸して得られる延伸シ
ートにある。さらに本発明の要旨は、d−リモネンの分
配比が6以下且つn−オクタンの分配比が7以下の前記
のシートにある。以下、本発明の内容を詳細に説明す
る。
【0022】本発明でいう脂肪族ポリエステルとは、グ
リコール類とジカルボン酸(またはその酸無水物)との
2成分、あるいは必要に応じて、これに第三成分とし
て、3官能または4官能の多価アルコール、オキシカル
ボン酸および多価カルボン酸(またはその酸無水物)か
ら選ばれる少なくとも1種の多官能成分を加えて反応し
て得られたポリエステルを主成分とするものであり、分
子の末端にヒドロキシル基を有する、比較的高分子量の
ポリエステルプレポリマーを作り、これをカップリング
剤により、さらに高分子量化させたものである。
【0023】従来から、末端基がヒドロキシル基であ
る、数平均分子量が2,000〜2,500の低分子量
ポリエステルプレポリマーをカップリング剤としてのジ
イソシアナートと反応させて、ポリウレタンとし、ゴ
ム、フォーム、塗料、接着剤とすることは広く行われて
いる。しかし、これらのポリウレタン系フォーム、塗
料、接着剤に用いられるポリエステルプレポリマーは、
無触媒で合成されうる最大限の、数平均分子量が2,0
00〜2,500の低分子量プレポリマーであり、この
低分子量プレポリマー100重量部に対して、ポリウレ
タンとしての実用的な物性を得るためには、ジイソシア
ナートの使用量は10〜20重量部にも及ぶ必要があ
り、このように多量のジイソシアナートを150℃以上
の溶融した低分子量ポリエステルに添加すると、ゲル化
してしまい、通常の溶融成形可能な樹脂は得られない。
従って、このような低分子量のポリエステルプレポリマ
ーを原料とし、多量のジイソシアナートを反応させて得
られるポリエステルは本発明のシート用原料には用いえ
ない。
【0024】またポリウレタンゴムの場合のごとく、ジ
イソシアナートを加えて、ヒドロキシル基をイソシアナ
ート基に転換し、さらにグリコールで数平均分子量を増
大する方法も考えられるが、使用されるジイソシアナー
トの量は前述のように実用的な物性を得るにはプレポリ
マー100重量部に対して10重量部以上であり、上記
と同様の問題がある。比較的高分子量のポリエステルプ
レポリマーを使用しようとすればそのプレポリマー合成
に必要な重金属系の触媒が上記使用量のイソシアナート
基の反応性を著しく促進して、保存性不良、架橋反応、
分岐生成をもたらし、好ましくないことから、ポリエス
テルプレポリマーとして無触媒で合成されたものを使用
しようとすれば、数平均分子量は高くても2,500位
のものが限界である。
【0025】本発明に用いられる脂肪族ポリエステルを
得るためのポリエステルプレポリマーはその合成用触媒
を含有する上記のような比較的高分子量のものであり、
末端基が実質的にヒドロキシル基であり、数平均分子量
が5,000以上、好ましくは10,000以上の比較
的高分子量であり、融点が60℃以上の飽和脂肪族のポ
リエステルであり、グリコール類と多塩基酸(またはそ
の無水物)とを触媒反応させて得られる。数平均分子量
が5,000未満であると、本発明で利用する0.1〜
5重量部という少量のカップリング剤では、良好な物性
を有するシート用ポリエステルを得ることができない。
数平均分子量が5,000以上のポリエステルプレポリ
マーは、ヒドロキシル価が30以下であり、少量のカッ
プリング剤の使用で、溶融状態といった苛酷な条件下で
も残存する触媒の影響を受けないので、反応中にゲルを
生ずることなく、高分子量ポリエステルを合成すること
ができる。
【0026】すなわち本発明のシートを構成するポリマ
ーは、脂肪族グリコールと脂肪族ジカルボン酸からなる
数平均分子量(Mn)が5,000以上、好ましくは1
0,000以上のポリエステルプレポリマーが、例えば
カップリング剤としてのジイソシアナートに由来するウ
レタン結合を介して連鎖した構造をとるものである。さ
らにまた本発明のシートを構成するポリマーは、上記の
ポリエステルプレポリマーが、多官能成分に由来する長
鎖分岐を有し、これが例えばカップリング剤としてのジ
イソシアナートに由来するウレタン結合を介して連鎖し
た構造をとるものである。カップリング剤としてオキサ
ゾリン、ジエポキシ化合物、酸無水物を使用する場合
は、ポリエステルプレポリマーはエステル結合を介して
連鎖構造をとる。
【0027】用いられるグリコール類としては、例えば
エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、デカメチレングリコール、ネオペ
ンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル等があげられる。エチレンオキシドも利用することが
できる。これらのグリコール類は、併用してもよい。
【0028】グリコール類と反応して脂肪族ポリエステ
ルを形成する多塩基酸(またはその酸無水物)には、コ
ハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカ
ン酸、無水コハク酸、無水アジピン酸、などが一般に市
販されており、本発明に利用することができる。多塩基
酸(またはその酸無水物)は併用してもよい。
【0029】(第三成分)これらのグリコール類および
ジカルボン酸の他に、必要に応じて、これに第三成分と
して、3官能または4官能の多価アルコール、オキシカ
ルボン酸および多価カルボン酸(またはその酸無水物)
から選ばれる少なくとも1種の多官能成分を加えて反応
させてもよい。この第三成分を加えることにより、分子
に長鎖の枝別れを生じ、分子量が大となるとともにMw
/Mnが大となり、すなわち分子量分布が広くなって、
フィルム成形等に望ましい性質を付与することができ
る。添加される多官能成分の量は、ゲル化の危険がない
ようにするためには、脂肪族ジカルボン酸(またはその
酸無水物)の成分全体100モル%に対して3官能の場
合は0.1〜5モル%であり、4官能の場合は0.1〜
3モル%である。
【0030】(多官能成分)第三成分として使用される
多官能成分としては、3官能または4官能の多価アルコ
ール、オキシカルボン酸および多価カルボン酸が挙げら
れる。3官能の多価アルコール成分としては、トリメチ
ロールプロパン、グリセリンまたはその無水物が代表的
であり、4官能の多価アルコール成分は、ペンタエリト
リットが代表的である。3官能のオキシカルボン酸成分
は、(i)カルボキシル基が2個とヒドロキシル基が1
個を同一分子中に有するタイプと、(ii)カルボキシル
基が1個とヒドロキシル基が2個のタイプとに分かれる
が、市販品が容易に、且つ低コストで入手可能といった
点からは、(i)の同一分子中に2個のカルボキシル基
と1個のヒドロキシル基とを共有するリンゴ酸が実用上
有利であり、本発明の目的には十分である。4官能のオ
キシカルボン酸成分には、次の3種類がある。すなわ
ち、(i)3個のカルボキシル基と1個のヒドロキシル
基とを同一分子中に共有するタイプ、(ii)2個のカル
ボキシル基と2個のヒドロキシル基とを同一分子中に共
有するタイプ、(iii )3個のヒドロキシル基と1個の
カルボキシル基とを同一分子中に共有するタイプがあ
り、いずれのタイプも使用可能であるが、市販品が容易
に、且つ低コストで入手可能といった点からは、クエン
酸ならびに、酒石酸が実用上有利であり、本発明の目的
には十分である。3官能の多価カルボン酸(またはその
酸無水物)成分は、例えばトリメシン酸、プロパントリ
カルボン酸等を使用することができるが、実用上から無
水トリメリット酸が有利であり、本発明の目的には十分
である。4官能の多価カルボン酸(またはその酸無水
物)は、文献上では脂肪族、環状脂肪族、芳香族等の各
種タイプがあるが、市販品を容易に入手し得るといった
点からは、例えば無水ピロメリット酸、ベンゾフェノン
テトラカルボン酸無水物、シクロペンタンテトラカルボ
ン酸無水物が挙げられ、本発明の目的には十分である。
【0031】これらグリコール類および多塩基酸は脂肪
族系が主成分であるが、少量の他成分たとえば芳香族系
を併用してもよい。但し、他成分を導入すると生分解性
が悪くなるため、20重量%以下、好ましくは10重量
%以下、さらに好ましくは5重量%以下である。
【0032】本発明に用いられる脂肪族ポリエステル用
ポリエステルプレポリマーは、末端基が実質的にヒドロ
キシル基であるが、そのためには合成反応に使用するグ
リコール類および多塩基酸(またはその酸無水物)の使
用割合は、グリコール類を幾分過剰に使用する必要があ
る。
【0033】比較的高分子量のポリエステルプレポリマ
ーを合成するには、エステル化に続く脱グリコール反応
の際に、脱グリコール反応触媒を使用することが必要で
ある。脱グリコール反応触媒としては、例えばアセトア
セトイル型チタンキレート化合物、並びに有機アルコキ
シチタン化合物等のチタン化合物があげられる。これら
のチタン化合物は、併用もできる。これらの例として
は、例えばジアセトアセトキシオキシチタン(日本化学
産業(株)社製“ナーセムチタン”)、テトラエトキシ
チタン、テトラプロポキシチタン、テトラブトキシチタ
ン等があげられる。チタン化合物の使用割合は、ポリエ
ステルプレポリマー100重量部に対して0.001〜
1重量部、望ましくは0.01〜0.1重量部である。
チタン化合物はエステル化の最初から加えてもよく、ま
た脱グリコール反応の直前に加えてもよい。
【0034】さらに、数平均分子量が5,000以上、
望ましくは10,000以上の末端基が実質的にヒドロ
キシル基であるポリエステルプレポリマーに、さらに数
平均分子量を高めるためにカップリング剤が使用され
る。カップリング剤としては、ジイソシアナート、オキ
サゾリン、ジエポキシ化合物、酸無水物等があげられ、
特にジイソシアナートが好適である。なお、オキサゾリ
ンやジエポキシ化合物の場合はヒドロキシル基を酸無水
物等と反応させ、末端をカルボキシル基に変換してから
カップリング剤を使用することが必要である。ジイソシ
アナートはその種類には特に制限はないが、例えば2,
4−トリレンジイソシアナート、2,4−トリレンジイ
ソシアナートと2,6−トリレンジイソシアナートとの
混合体、ジフェニルメタンジイソシアナート、1,5−
ナフチレンジイソシアナート、キシリレンジイソシアナ
ート、水素化キシリレンジイソシアナート、ヘキサメチ
レンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナートが
あげられ、特に、ヘキサメチレンジイソシアナートが、
生成樹脂の色相、ポリエステル添加時の反応性等の点か
ら好ましい。
【0035】これらカップリング剤の添加量は、ポリエ
ステルプレポリマー100重量部に対して0. 1〜5重
量部、望ましくは0. 5〜3重量部である。0. 1重量
部未満では、カップリング反応が不十分であり、5重量
部を超えると、ゲル化が発生し易くなる。
【0036】添加は、ポリエステルプレポリマーが均一
な溶融状態であり、容易に撹拌可能な条件下で行われる
ことが望ましい。固形状のポリエステルプレポリマーに
添加し、エクストルーダーを通して溶融、混合すること
も不可能ではないが、脂肪族ポリエステル製造装置内
か、或は溶融状態のポリエステルプレポリマー(例えば
ニーダー内での)に添加することが実用的である。
【0037】本発明において使用される脂肪族ポリエス
テルは溶融成形をしてシートにするためには、特定の溶
融特性が要求される。即ち、温度190℃、剪断速度1
00sec-1における溶融粘度は1.0×103 〜1.
0×106 ポイズであり、好ましくは5.0×103
5.0×105 ポイズであり、特に6.0×103
1.0×105 ポイズが好ましい。1.0×103 ポイ
ズ未満では粘度が低過ぎるためシート成形が困難であ
り、1.0×106 ポイズを超えると押出成形が困難で
ある。なお、溶融粘度の測定はノズル径が1.0mmで
あり、L/D=10のノズルを用い樹脂温度190℃で
測定した剪断速度と見かけ粘度の関係のグラフより剪断
速度100sec-1の時の粘度を求めた。
【0038】さらに、本発明において使用される脂肪族
ポリエステルの融点は70〜190℃であることが必要
であり、70〜150℃であることがより好ましく、特
に80〜135℃が好ましい。70℃未満では耐熱性が
不十分であり、190℃を超えるものは製造が難しい。
70℃以上の融点を得るためには、ポリエステルプレポ
リマーの融点は60℃以上であることが必要である。
【0039】本発明において使用される脂肪族ポリエス
テル中にウレタン結合を含む場合のウレタン結合量は
0.03〜3.0重量%であり、0.05〜2.0重量
%がより好ましく、0.1〜1.0重量%が特に好まし
い。ウレタン結合量はC13NMRにより測定され、仕込
み量とよく一致する。0.03重量%未満ではウレタン
結合による高分子量化の効果が少なく、成形加工性に劣
り、3.0重量%を超えるとゲルが発生する。
【0040】本発明に係るシート成形のため、上記の脂
肪族ポリエステルを使用するに際しては、必要に応じて
酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤等の他、滑剤、ワ
ックス類、着色剤、結晶化促進剤等を併用できることは
勿論である。すなわち、酸化防止剤としては、p−t−
ブチルヒドロキシトルエン、p−t−ブチルヒドロキシ
アニソール等のヒンダードフェノール系酸化防止剤、ジ
ステアリルチオジプロピオネート、ジラウリルチオジプ
ロピオネート等のイオウ系酸化防止剤等、熱安定剤とし
ては、トリフェニルホスファイト、トリラウリルホスフ
ァイト、トリスノニルフェニルホスファイト等、紫外線
吸収剤としては、p−t−ブチルフェニルサリシレー
ト、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2
−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾ
フェノン、2,4,5−トリヒドロキシブチロフェノン
等、滑剤としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリ
ン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、パルミチン酸ナトリ
ウム等、帯電防止剤としては、N,N−ビス(ヒドロキ
シエチル)アルキルアミン、アルキルアミン、アルキル
アリルスルホネート、アルキルスルフォネート等、難燃
剤として、ヘキサブロモシクロドデカン、トリス−
(2,3−ジクロロプロピル)ホスフェート、ペンタブ
ロモフェニルアリルエーテル等があげられる。
【0041】本発明に係る脂肪族ポリエステル製シート
は、カレンダー法、T−ダイス法、サーキュラーダイス
法等の各種成形法によってシート化される。カレンダー
法の場合、樹脂温度は100〜270℃、好ましくは1
00〜250℃である。融点未満では粘度が高すぎシー
ト成形が困難であり、270℃を越えると樹脂が劣化し
てしまい不都合がある。又、T−ダイス法の場合、押出
温度は100〜270℃、好ましくは100〜250℃
である。融点未満では粘度が高すぎシート成形が困難で
あり、270℃を越えると樹脂が劣化してしまい不都合
がある。
【0042】本発明に係るシートは、MD、TDの両方
向とも引張り破断強さが350kg/cm2 以上であ
り、破断伸びが200%以上であり、剛性が4000k
g/cm2 以上である。また、M方向とT方向の破断伸
びの比率がEMD/ETD=0.7〜3.0であり、750
μmのダートインパクト衝撃強度が23℃で100Kg
・cm以上ある優れた機械的性質を有する。更に、燃焼
発熱量が7000Kcal/Kg以下と、ポリエチレン
やポリプロピレンと比べ低いため焼却処理もしやすい。
【0043】ここで、引張特性は、JIS K711
3、ダートインパクト衝撃強度は,ASTM D170
9により測定した。尚、測定値はすべてシート厚みを7
50μmに換算して行った。剛性は、オルゼン式スティ
フネスメーター(ASTM D747)で測定した。
又、燃焼発熱量はJIS M8814の熱量計法に従っ
て測定した。
【0044】本発明において用いられる脂肪族ポリエス
テルは数平均分子量10,000以上、望ましくは2
0,000以上、融点が70〜190℃で結晶性があれ
ば、強靭なシートとすることができ、包装材料または一
般用プラスチックシートとして利用することが可能であ
る。
【0045】また、本発明に係る延伸シートは、従来公
知の各種の成形方法によって製造することができる。例
えば、逐次二軸延伸法による場合には、該脂肪族ポリエ
ステルを押出機で加熱溶融し、T−ダイからフィルム状
に押出し、これを静電ピニング等の公知のキャスティン
グ法を用いてキャスティングロールの表面にて急冷し
て、実質的に無定形で無配向のシートを得、この未延伸
シートをロール式縦延伸機により2〜4倍延伸し、次い
でテンター式横延伸機により3〜5倍延伸し、得られた
シートを所望により熱処理した後、このシートを徐冷し
つつ、連続的に巻き取ることによって製造することがで
きる。更に、この延伸シートは、テンター式同時二軸延
伸法、チューブラー法等の他の方法でも製造でき、縦横
いずれかの一軸方向に延伸するばかりでなく、縦横の延
伸倍率を目的に応じて変えて成形する方法でも製造でき
る。また印刷インクの乗りや他のフィルム(例えばシー
ラントフィルム)との接着性を向上させるために、コロ
ナ処理等の表面処理を施すこともできる。延伸倍率は面
積比で通常1.5以上であり、2倍以上が好ましく2.
5倍以上が好適である。1.5倍未満の場合、未延伸物
と比較して機械物性の向上がほとんど見られず好ましく
ない。一方、高延伸側は高い程よいが、通常30倍まで
である。また、シートは延伸により透明性を有するよう
になるため、透明性が必要な用途にも実用可能である。
本発明の延伸シートの厚さは7〜2,000μmであ
り、20〜1,000μmが好ましく、50〜700μ
mが特に好ましい。7μm未満では成形が困難であり、
2,000μmを超えるものが用途的に実用性が低い。
本発明により得られる引張破断強度が10kg/mm2
以上であり且つ引裂強度が2kg/cm2 以上である延
伸シートは、包装材料または一般プラスチックシートと
して利用することが可能である。
【0046】また、本発明による脂肪族ポリエステルシ
ートは、真空成形、圧空成形、熱板加熱式圧空成形等の
一般的手法により容易に容器状に成形することができ
る。
【0047】香気成分の収着性の指標として、d−リモ
ネンの分配比は6以下、好ましくは5以下、好適には4
以下であり、且つn−オクタンの分配比は7以下、好ま
しくは6以下、好適には5以下であることが必要であ
る。d−リモネンの分配比は6を超えるか、n−オクタ
ンの分配比が7を超えると香気成分のバランスが大きく
壊れ、被包装製品の香りの変質が激しくなり、好ましく
ない。ここで、d−リモネンの分配比、n−オクタンの
分配比とは、シートを真空成形した容器をウレタン系接
着材を用いて9μmのアルミニウムフォイルを蓋として
ラミネートし、容器内に香気成分を含有する水溶液(可
溶化剤としてシュガーエステルN−1170を0.3重
量%使用)を封入して測定する。香気成分として、d−
リモネン、n−オクタンをそれぞれ300ppmの水溶
液とし、これを真空成形容器に封入し23℃、50日間
保存する。その後、開封し、容器及び蓋内面が収着した
香気成分をエーテルにより抽出し、また水溶液中に残存
する香気成分もエーテル抽出を行う。次にそれぞれにつ
いてガスクロマトグラフィーを利用して、元の水溶液濃
度に換算した収着量及び残存量を各香気成分について定
量する。得られた結果より、次式に従ってフレーバー収
着の分配比を計算した。ここで分配比とは下記(1)式
のように定義される。
【数1】
【0048】
【実施例】以下、本発明を実施例、比較例により説明す
る。なお、生分解性は10cm×20cmのシート状の
試料を窓口にポリエチレン製のネットを備えたステンレ
ス製型枠に挟んで、深さ10cmの土中に埋め、5ヶ月
後に掘り出しその分解性を評価した。又、同厚みの市販
の板紙を比較した。下記状態Aの評価であることが好ま
しい。 状態A:シートの試料が、紙よりも分解が進んでおり、
シートに穴開きを伴いボロボロの状態であるとき。 状態B:シートの試料より、紙の分解が進んでおり、い
まだシートの試料がしっかりしているとき。
【0049】(実施例1)700Lの反応機を窒素置換
してから、1,4−ブタンジオール183kg、コハク
酸224kgを仕込んだ。窒素気流下で昇温を行い、1
92〜220℃にて3.5時間、更に窒素を停止して2
0〜2mmHgの減圧下にて3.5時間にわたり脱水縮
合によるエステル化反応を行った。採取された試料は、
酸価が9.2mg/g、数平均分子量(Mn)が5,1
60、また重量平均分子量(Mw)が10,670であ
った。引続いて、常圧の窒素気流下に触媒のテトライソ
プロポキシチタン34gを添加した。温度を上昇させ、
温度215〜220℃で15〜0.2mmHgの減圧下
にて5.5時間、脱グリコール反応を行った。採取され
た試料は数平均分子量(Mn)が16,800、また重
量平均分子量(Mw)が43,600であった。このポ
リエステル(A1)は、凝縮水を除くと収量は339k
gであった。
【0050】ポリエステル(A1)339kgを含む反
応器にヘキサメチレンジイソシアナート5.42kgを
添加し、180〜200℃で1時間カップリング反応を
行った。粘度は急速に増大したが、ゲル化は生じなかっ
た。ついで、抗酸化剤としてイルガノックス1010
(チバガイギー(株)製)を1.70kgおよび滑剤と
してステアリン酸カルシウムを1.70kgを加えて、
更に30分間撹拌を続けた。この反応生成物をエクスト
ルーダーにて水中に押出し、カッターで裁断してペレッ
トにした。90℃で6時間、真空乾燥した後のポリエス
テル(B1)の収量は300kgであった。
【0051】得られたポリエステル(B1)は、僅かに
アイボリー調の白色ワックス状結晶で、融点が110
℃、数平均分子量(Mn)が35,500、重量平均分
子量(Mw)が170,000、MFR(190℃)は
1.0g/10分、オルトクロロフェノールの10%溶
液の粘度は230ポイズ、温度190℃、剪断速度10
0sec-1における溶融粘度は1.5×104 ポイズで
あった。平均分子量の測定は、Shodex GPC
System−11(昭和電工(株)製ゲルクロマトグ
ラフィー),溶媒はCF3 COONaのHFIPA5m
mol溶液、濃度0.1重量%、検量線は昭和電工
(株)製PMMA標準サンプルShodexStand
ard M−75で行った。
【0052】ポリエステル(B1)を、スクリュー径4
0mmφ、L/D=32の押出機を用いて樹脂温度17
0℃で、350mm幅のT−ダイス(リップ幅1.0m
m)で押出し、第1および第2冷却ロール温度60℃の
条件でシート成形し厚さ約750μmのシートを製造し
た。成形上の問題はなかった。得られたシートの物性測
定結果を表1、表2に示す。
【0053】(実施例2)樹脂温度を190℃にした以
外は(実施例1)と同じ条件で成形したが、成形上の問
題はなかった。得られたシートの物性測定結果を表1、
表2に示す。
【0054】(実施例3)シート厚みを約500μmと
した以外は、(実施例1)と同じ条件で成形したが、成
形上の問題はなかった。得られたシートの物性測定結果
を表1、表2に示す。
【0055】(実施例4)700Lの反応機を窒素置換
してから、1,4−ブタンジオール177kg、コハク
酸198kg、アジピン酸25kgを仕込んだ。窒素気
流下で昇温を行い、190〜210℃にて3.5時間、
更に窒素を停止して20〜2mmHgの減圧下にて3.
5時間にわたり脱水縮合によるエステル化反応を行っ
た。採取された試料は、酸価が9.6mg/g、数平均
分子量(Mn)が6,100、また重量平均分子量(M
w)が12,200であった。引続いて、常圧の窒素気
流下に触媒のテトライソプロポキシチタン20gを添加
した。温度を上昇させ、温度210〜220℃で15〜
0.2mmHgの減圧下にて6.5時間、脱グリコール
反応を行った。採取された試料は数平均分子量(Mn)
が17,300、また重量平均分子量(Mw)が46,
400であった。このポリエステル(A2)は、凝縮水
を除くと収量は337kgであった。
【0056】ポリエステル(A2)333kgを含む反
応器にヘキサメチレンジイソシアナート4.66kgを
添加し、180〜200℃で1時間カップリング反応を
行った。粘度は急速に増大したが、ゲル化は生じなかっ
た。ついで、抗酸化剤としてイルガノックス1010
(チバガイギー(株)製)を1.70kgおよび滑剤と
してステアリン酸カルシウムを1.70kgを加えて、
更に30分間撹拌を続けた。この反応生成物をエクスト
ルーダーにて水中に押出し、カッターで裁断してペレッ
トにした。90℃で6時間、真空乾燥した後のポリエス
テル(B2)の収量は300kgであった。
【0057】得られたポリエステル(B2)は、僅かに
アイボリー調の白色ワックス状結晶で、融点が103
℃、数平均分子量(Mn)が36,000、重量平均分
子量(Mw)が200,900、MFR(190℃)は
0.52g/10分、オルトクロロフェノールの10%
溶液の粘度は680ポイズ、温度190℃、剪断速度1
00sec-1における溶融粘度は2.2×104 ポイズ
であった。
【0058】ポリエステル(B2)を(実施例1)と同
様にしてシート成形したが、成形上の問題はなかった。
得られたシートの物性測定結果を表1、表2に示す。
【0059】(実施例5)ポリエステル(B2)を用い
樹脂温度を190℃にした以外は(実施例1)と同じ条
件で成形したが、成形上の問題はなかった。得られたシ
ートの物性測定結果を表1、表2に示す。
【0060】(実施例6)ポリエステル(B2)を用い
シート厚みを500μmとした以外は(実施例1)と同
じ条件で成形したが、成形上の問題はなかった。得られ
たシートの物性測定結果を表1、表2に示す。
【0061】(実施例7)700Lの反応機を窒素置換
してから、エチレングリコール145kg、コハク酸2
51kg、クエン酸4.1kgを仕込んだ。窒素気流下
で昇温を行い、190〜210℃にて3.5時間、更に
窒素を停止して20〜2mmHgの減圧下にて5.5時
間にわたり脱水縮合によるエステル化反応を行った。採
取された試料は、酸価が8.8mg/g、数平均分子量
(Mn)が6,800、また重量平均分子量(Mw)が
13,500であった。引続いて、常圧の窒素気流下に
触媒のテトライソプロポキシチタン20gを添加した。
温度を上昇させ、温度210〜220℃で15〜0.2
mmHgの減圧下にて4.5時間、脱グリコール反応を
行った。採取された試料は数平均分子量(Mn)が3
3,400、また重量平均分子量(Mw)が137,0
00であった。このポリエステル(A3)は、凝縮水を
除くと収量は323kgであった。
【0062】(実施例8)700Lの反応機を窒素置換
してから、1,4−ブタンジオール200kg、コハク
酸250kgおよびトリメチロールプロパン2.8kg
を仕込んだ。窒素気流下に昇温を行い、192〜220
℃にて4.5時間、更に窒素を停止して20〜2mmH
gの減圧下にて5.5時間にわたり脱水縮合によるエス
テル化反応を行った。採取された試料は、酸価が10.
4mg/g、数平均分子量(Mn)が4,900、また
重量平均分子量(Mw)が10,000であった。引続
いて、常圧の窒素気流下に触媒のテトライソプロポキシ
チタン37gを添加した。温度を上昇させ、温度210
〜220℃で15〜1.0mmHgの減圧下にて8.0
時間、脱グリコール反応を行った。採取された試料は数
平均分子量(Mn)が16,900、また重量平均分子
量(Mw)が90,300であった(Mw/Mn=5.
4)。このポリエステル(A4)は、理論的に凝縮水7
6kgを除くと収量は367kgであった。
【0063】ポリエステル(A4)367kgを含む反
応器にヘキサメチレンジイソシアナート3.67kgを
添加し、160〜200℃で1時間カプリング反応を行
った。粘度は急速に増大したが、ゲル化は生じなかっ
た。ついで、抗酸化剤としてイルガノックス1010
(チバガイギー(株)製)を367gおよび滑剤として
ステアリン酸カルシウムを367gを加えて、更に30
分間撹拌を続けた。この反応生成物をエクストルーダー
にて水中に押出し、カッターで裁断してペレットにし
た。90℃で6時間、真空乾燥した後のポリエステル
(B4)の収量は350kgであった。
【0064】得られたポリエステル(B4)は、僅かに
アイボリー調の白色ワックス状結晶で、融点が110
℃、数平均分子量(Mn)が17,900、重量平均分
子量(Mw)が161,500(Mw/Mn=9.
0)、MFR(190℃)は0.21g/10分、温度
180℃、剪断速度100sec-1における溶融粘度は
2.0×104 ポイズであった。平均分子量の測定は、
Shodex GPC System−11(昭和電工
(株)製ゲルクロマトグラフィー)、溶媒はCF3 CO
ONaのHFIPA2mmol溶液、濃度0.1重量
%、検量線は昭和電工(株)製PMMA標準サンプルS
hodex Standard M−75で行った。
【0065】ポリエステル(B4)を実施例1と同様に
してシート成形したが、成形上の問題はなかった。得ら
れたシートの物性測定結果を表1、表2に示す。
【0066】(比較例1)ポリエステル(A1)を用い
て実施例1と同様に成形したが、良好なシートは得られ
なかった。
【0067】(比較例2)市販の厚みが750μmの結
晶化度(DSC法で測定)が4%である急冷ポリエチレ
ンテレフタレートシートについて、燃焼発熱量と生分解
性を調べたところ、燃焼発熱量は5500kcal/k
gと低かったが、生分解性は状態Bであった。
【0068】(実施例9)実施例1で用いたポリエステ
ル(B1)を、65mmφの押出機にて160℃の条件
で加熱溶融し、T−ダイより連続的にシート状に押出
し、表面温度が50℃のロールで冷却し、厚み830μ
mの実質的無定形で無配向のシートを得た。このシート
をロール式縦延伸機にて、シート温度50℃の条件で縦
方向に4倍延伸し、この縦延伸シートを直ちにテンター
式横延伸機に導き、シート温度を60℃に昇温しこの条
件で横方向に4倍延伸し、これに続きシート温度100
℃の条件下にて熱固定処理を施して、厚み50μmの透
明な二軸延伸ポリエステルシートを得た。
【0069】得られたシートの引張特性をJIS C2
318の条件で測定したところ、破断強度は23〜25
kg/mm2 の値を示し、頗る強靭であった。又、引裂
強度をJIS P8112に基づき測定したところ5.
5kg/cm2 であった。生分解性の評価の結果は状態
Aであった。なお、実施例9〜13および比較例3〜6
の生分解性の評価においては、3カ月後に掘り出したこ
と以外は、上記実施例1〜8の生分解性の評価条件にお
いて行った。
【0070】(実施例10)ポリエステル(B1)の無
配向シートを延伸する際の倍率を縦横2倍にした他は実
施例9と同様の条件で厚み210μmの透明なシートを
製造した。得られたシートの引張破断強度を実施例9と
同様にして測定したところ16〜18kg/mm2 の値
を示し、頗る強靭であった。又、シートの引裂強度の値
は4.0kg/cm2 であった。生分解性の評価の結果
は状態Aであった。
【0071】(実施例11)実施例4で用いたポリエス
テル(B2)を、実施例9と同様にしてシート成形し、
実施例9と同様に物性を評価したところ、引張破断強度
は19〜21kg/mm2 、頗る強靭であった。又、引
裂強度は、4.5kg/cm2 であった。また生分解性
は状態Aであった。
【0072】(実施例12)ポリエステル(B2)の無
配向シートを延伸する際の倍率を縦のみ2倍にした他は
実施例9と同様の条件でシートを製造した。得られたシ
ートの引張破断強度を測定したところ、11〜16kg
/mm2 の値を示し、頗る強靭であった。又、引裂強度
は2.2〜3.5kg/cm2 であった。また生分解性
は状態Aであった。
【0073】(実施例13)実施例8で用いたポリエス
テル(B4)を、実施例1と同様にしてシート成形し、
実施例9と同様に物性を評価したところ、引張破断強度
は17〜19kg/mm2 、頗る強靭であった。又、引
裂強度は、4.0kg/cm2 であった。また生分解性
は状態Aであった。
【0074】(比較例3)実施例9で用いたポリエステ
ル(B1)の無配向シートを、延伸する際の倍率を縦横
1.1倍にした他は実施例1と同様の条件でシートを製
造した。得られたシートの引張破断強度を測定したとこ
ろ、7〜9kg/mm2 の値を示し引裂強度は1.5k
g/cm2 であり、物性の劣るシートしか得られなかっ
た。生分解性は状態Aであり、良好であった。
【0075】(比較例4)実施例4で用いたポリエステ
ル(B2)の無配向シートを延伸する際の倍率を縦横
1.1倍にした他は実施例9と同様の条件でシートを製
造した。得られたシートの引張破断強度を測定したとこ
ろ、5〜7kg/mm2 の値を示し引裂強度は1.2k
g/cm2 であり、物性の劣るシートしか得られなかっ
た。生分解性は状態Aであり、良好であった。
【0076】(比較例5)実施例1で用いたポリエステ
ル(A1)を実施例9と同様にしてシート成形を試みた
が、実用に耐えうる延伸シートは得られなかった。
【0077】(比較例6)テレフタフ酸とエチレングリ
コールの縮重合によって得られる一般的に市販されてい
るポリエチレンテレフタレートの延伸シートの引張破断
強度を測定したところ、20〜22kg/mm2 の値を
示し引裂強度は5〜6kg/cm2 の値を示した。一
方、生分解性はBの状態であり、全く生分解していなか
った。
【0078】(実施例14)実施例1で用いたポリエス
テル(B1)をスクリュー径40mmφ、L/D=32
の押出機を用い樹脂温度160℃で、320mm幅のT
−ダイ(リップ幅1.0mm)で押出し第1および第2
冷却ロール温度を60℃の条件でシート成形し厚さ約7
50μm及び300μmのシートを製造した。
【0079】以上の様な条件で製造した厚さ約750μ
mのポリエステル(B1)のシートを浅野研究所製真空
成形機を用いて容量90cc(L/D=0.4)の容器
を成形した。
【0080】この真空成形容器をウレタン系接着材を用
いて9μmのアルミニウムフォイルを蓋としてラミネー
トし、容器内に香気成分を含有する水溶液(可溶化剤と
してシュガーエステルN−1170を0.3重量%使
用)を封入した。
【0081】香気成分としては、テルペン系炭化水素化
合物としてd−リモネンおよびミルセン、有機炭化水素
としてn−オクタン、テルペン系アルコール化合物とし
てリナロール、エステル系化合物としてカプロン酸エチ
ルエステルをそれぞれ300ppmの水溶液とし、これ
を真空成形容器に封入し23℃、50日間保存した。そ
の後、開封し、容器及び蓋内面が収着したフレーバー成
分をエーテルにより抽出し、また水溶液中に残存するフ
レーバー成分もエーテル抽出を行った。次にそれぞれに
ついてガスクロマトグラフィーを利用して、元の水溶液
濃度に換算した収着量及び残存量を各フレーバー成分に
ついて定量した。得られた結果より、次式に従ってフレ
ーバー収着の分配比を計算した。ここで分配比とは下記
(1)式のように定義される。
【数2】
【0082】即ち、分配比が大きい程フレーバー収着は
強く、分配比1のときは封入前に水溶液中に含まれてい
たフレーバーの半分がパウチの内面層側に収着されてお
り、分配比が1より大きくなるに従って水溶液中に残る
フレーバーの濃度は少なくなっていく。この様に評価し
たフレーバー収着の結果を表3に示す。
【0083】(ヒートシール性の評価)さらに、ヒート
シール性を測定するため、シート表面同士(750μm
及び330μm)を一定の剥離条件(フィルム巾15m
m、剥離速度300mm/分、角度180°)の下でヒ
ートシール強度が500gとなるときのシール温度を求
めた。なお、ヒートシール条件はシール時間1秒、圧力
2Kg/cm2 である。結果は表4に示す。
【0084】(生分解性の評価)観察の結果、状態Aで
あった。なお、実施例14〜15および比較例7の生分
解性は、シートの厚さを330μm、対照サンプルを上
質紙および1年後掘り出したこと以外は、実施例1〜8
の評価条件に準じて行った。
【0085】(実施例15)実施例8で用いたポリエス
テル(B4)を、実施例14と同様にしてシート成形
後、真空成形により容器を得た。この容器に関して実施
例1と同様にしてフレーバー収着テストおよびヒートシ
ール性を評価した。結果を表3および表4に示す。さら
に生分解性も同様にして評価したところ、状態Aであっ
た。
【0086】(比較例7)市販のポリエチレンテレ蓋レ
ートの押出グレードを通常のT−ダイフィルム成形法に
より厚み750μm及び300μmのシートとした。こ
のシートを実施例1と同様に真空成形品の評価を行い、
分配比及びヒートシール温度を求めた。結果を表3およ
び表4に示す。一方、生分解性に関しては状態Bであ
り、生分解性は観察されなかった。
【0087】
【表1】
【0088】
【表2】
【0089】
【表3】
【0090】
【表4】
【0091】
【発明の効果】本発明の脂肪族ポリエステルシートは、
土壌等に埋めた場合生分解性を有し、焼却処理したとし
ても燃焼発熱量はポリエチレンやポリプロピレンと比較
して低く引張り強さ、衝撃強度に優れており、包装用シ
ート、一般用シートとして有用である。また、上記脂肪
族ポリエステルを押出成形した後、延伸することにより
得られた延伸シートも同様に生分解性を示し、引張強
度、引裂強度等の機械的物性および透明性に優れてお
り、包装用シート等として有用である。さらにd−リモ
ネンの分配比が6以下且つn−オクタンの分配比が7以
下の前記シートは、同様に生分解性を示し、香料の収着
が少なく、ヒートシール性が良好であり、しかも成形加
工性が良好である。、おのため、多方面にわたって利用
することができ、例えば微量の香料成分を含む液体(例
えばジュース)の包装材料、酒の包装材、スープなどの
包装材に使用される。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29C 47/00 8016−4F B29K 67:00 C08L 67:00 (72)発明者 小谷 正孝 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3番2号 昭 和電工株式会社川崎樹脂研究所内 (72)発明者 岩佐 建史 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3番2号 昭 和電工株式会社川崎樹脂研究所内 (72)発明者 滝山 栄一郎 神奈川県鎌倉市西鎌倉4−12−4

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温度190℃、剪断速度100sec-1
    における溶融粘度が1.0×103 〜1.0×106
    イズであり、融点が70〜190℃である脂肪族ポリエ
    ステルを主成分として成形されてなるシート。
  2. 【請求項2】 シートのMD、TDの両方向とも引張破
    断強さが350kg/cm2 以上であり、破断伸びが2
    00%以上であり、剛性が4000kg/cm2 以上で
    ある、請求項1に記載のシート。
  3. 【請求項3】 前記脂肪族ポリエステルを主成分として
    押出成形した後、延伸した延伸シートである、請求項1
    に記載のシート。
  4. 【請求項4】 引張破断強度が10kg/mm2 以上で
    あり且つ引裂強度が2kg/cm2 以上である、請求項
    3に記載のシート。
  5. 【請求項5】 d−リモネンの分配比が6以下且つn−
    オクタンの分配比が7以下である、請求項1に記載のシ
    ート。
  6. 【請求項6】 脂肪族ポリエステルが数平均分子量1
    0,000以上であり、0.03〜3.0重量%のウレ
    タン結合を含む請求項1〜請求項5のいずれか1項に記
    載のシート。
  7. 【請求項7】 数平均分子量が5,000以上、融点が
    60℃以上の脂肪族ポリエステルプレポリマー100重
    量部に、0.1〜5重量部のジイソシアナートを反応さ
    せることにより得られる脂肪族ポリエステルを用いてな
    る請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のシート。
  8. 【請求項8】 脂肪族ポリエステルが、脂肪族グリコー
    ル、脂肪族ジカルボン酸および3官能または4官能の多
    価アルコール、オキシカルボン酸および多価カルボン酸
    もしくはその無水物から選ばれる少なくとも1種の多官
    能成分を加えて反応させてなる、数平均分子量(Mn)
    が5,000以上のポリエステルプレポリマーを、ウレ
    タン結合を介して連鎖した構造をとるものである、請求
    項1〜請求項5のいずれか1項に記載のシート。
  9. 【請求項9】 ポリエステルプレポリマーが、グリコー
    ル単位としてエチレングリコール、1,4−ブタンジオ
    ール、1,6−ヘキサンジオール、デカメチレングリコ
    ール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサ
    ンジメタノールからなる群から選ばれる単位を有し、ジ
    カルボン酸単位としてコハク酸、アジピン酸、スベリン
    酸、セバシン酸、ドデカン酸、無水コハク酸、無水アジ
    ピン酸からなる群から選ばれる単位を有する、請求項7
    または請求項8に記載のシート。
  10. 【請求項10】 ポリエステルプレポリマーが第三成分
    としての3官能または4官能の多価アルコールとして、
    トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリトリ
    ットからなる群から選ばれる1種以上を含有する、請求
    項8に記載のシート。
  11. 【請求項11】 ポリエステルプレポリマーが第三成分
    としての3官能または4官能のオキシカルボン酸とし
    て、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸からなる群から選ばれ
    る1種以上を含有する、請求項8に記載のシート。
  12. 【請求項12】 ポリエステルプレポリマーが第三成分
    としての3官能または4官能の多価カルボン酸として、
    トリメシン酸、プロパントリカルボン酸、無水トリメリ
    ット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカ
    ルボン酸無水物およびシクロペンタンテトラカルボン酸
    無水物からなる群から選ばれる1種以上を含有する、請
    求項8に記載のシート。
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